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パキスタンのお母さんから届いた「カギナ」のレシピと温かさ

2025年の師走をかけて「スクランブルエッグ調査」を行なっていた時、パキスタンの先生に

Khagina(カギナ)

という、パキスタンの具沢山なスクランブルエッグを教えてもらった。
それからというもの、ずっとこの未知の料理のことが気になって仕方なかった。


そこで初雪が降った日、Youtubeを見ながら思い切ってカギナ作りに挑戦し、その写真をレッスンで先生に見てもらうことにした。


初カギナ

「すごい、よく出来てる!」
と言ってくれた先生。

しかし1つ疑問があり、それを先生にぶつけてみることにした。

「因みに想像以上に甘かったんですが、それは正解ですか?」

そう尋ねると、先生は目をキョロキョロさせて考え始めた。そして、

「うーん、甘くはないかな…」

と呟く。
そこで念のため材料の写真を確認してもらうことにした。

先生は写真を一通り見渡すと静かな口調で、

「玉ねぎとトマトの量が多いかな。それにガラムマサラも原因の1つかも」

と言う。

その雰囲気から、私の作ったカギナは先生の食べているものとは全く違う味だったのだと一瞬で悟った。
青唐辛子が1000円もして買うのに少し勇気が要ったのに、いざ作ってみたら今度はその意外な甘さに面食らった、あのカギナが…

先生にはその時の私の姿が、悲壮感に満ち溢れているように映ったのかもしれない。

「母にレシピを聞いておいてあげるよ」

と言うと約束通り、次のレッスンでお母さんのレシピと調理写真や動画をたくさんシェアしてくれた。

なんとここへ来てパキスタンのお母さん直伝のレシピを手に入れることに成功した。
これはリベンジしないわけにはいかない。

そう思い、材料の調達に走った大寒波の日。
先生からスクランブルエッグに合うと教えて貰った、パラタというパンのようなものも、業務スーパーで手に入れた。


遂にレシピと材料、それにパラタが揃った。


お母さんのカギナ作りは、少し多めの油でジャガイモを炒めるところから始まる。
ジャガイモ好きにはたまらない調理法に少しニヤけてしまう。

そこへ前回と比べて圧倒的に量が少なくなったトマトと玉ねぎを入れ、その後スパイスを加える。

ジャガイモが柔らかくなったらマッシュルーム等の残りの野菜を投入。

最後に主役である溶き卵を入れ、スクランブルしながら火を通す。

出来上がったカギナからは程よいショウガとパクチーの香りがした。

時を同じくしてパラタも出来上がり!


甘味と強すぎたガラムマサラの香りがなくなったことで、一口目から今回のカギナは圧倒的に食べやすさを感じた。
油で炒めたジャガイモもハッシュポテトのようにホクホクした食感を残していて、卵との相性が良い。
さらに野菜の種類も増えて、栄養面でも大満足。

ついこの間まで、どこかインド亜大陸の国を彷徨っていたのが、ようやくパキスタンにたどり着けたような安心感のある一品だった。

先生のお母さんは料理上手に違いない。

そんな確信とともに、パラタも一緒に食べてみる。

平たくしたクロワッサンのような見た目は、コーヒーと合いそう。
ほのかな甘味と共に、オリエンタルな風味が鼻腔の中を通り抜けていった。

その日の夕方、レッスンで先生にまた写真を見せた。

先生は、

「母のと一緒だー!」

と喜んでくれた。しかし、

「パラタって少し甘いんですね」

と言った瞬間、真顔になり、

「それはシンガポールのだからかな。うちのは甘くないよ。」

と言う。
どうやらパラタは色んな国で食べられていて、国によっても味が違うらしい。

本場の味にこだわった割に、今度はどこかアジアの南部をぼんやり生き来しているような組み合わせになってしまっていたようだ。

次回はパラタのレシピも教えてもらうことにしよう。

余談だが、先生のお母さんのレシピの最後には、
「enjoy」
という一言が添えられていた。

会ったことは無いけれど、パキスタンのお母さんの温かさを感じてほっこりした気持ちになった。






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