子どものコロナ後遺症は、喘息より増えてしまった。年齢別症状の傾向とワクチン接種の重要性
2025年6月10日newsweekの記事を和訳しました。
アメリカの公衆衛生が破綻しかけていますが、コロナの脅威とコロナワクチンの重要性は変わらずですので、一読いただき、これからの流行に備えましょう!(国内少し増えてきました)
以下、記事要約
コロナ研究 #RECOVER による調査では、現在最大580万人のアメリカの子供がコロナ後遺症に罹患していることが判明。検査で陽性となった子供たちの10~20%がその後発症したことを意味している。
彼らの研究結果は、コロナ後遺症が、約500万人の若者が罹患している喘息を上回り、アメリカの子供たちが経験する最も一般的な慢性疾患となった可能性があることを示唆している。
子どもによくあるコロナ後遺症
①乳児、幼児、未就学児
食欲不振、睡眠障害、咳などの呼吸器症状
②学齢期の児童
集中力の低下
特定のものへの恐怖、行動の変化
めまいなどの神経症状
頭痛、背中や首の痛み
腹痛、嘔吐
③思春期の若者
痛みや疲労関連の症状、記憶障害
嗅覚や味覚の変化や喪失
医学雑誌サイトJAMAネットワーク



ダウンロード↓
https://recovercovid.org/sites/default/files/docs/RECOVER-PediatricLongCOVIDTipSheet-ENG-v2.pdf
イェール大学医学部感染免疫センター所長の岩崎明子博士は「臨床的定義、追跡期間、調査方法の違いにより、研究ごとに有病率が異なるため、18歳未満の人々の間でコロナ後遺症が実際にどれほど一般的であるかを正確に特定することは難しいものの、総合的に、コロナ感染後にコロナ後遺症を発症する子供の数は、米国の子供の喘息の有病率よりも高い。また、小児におけるコロナ後遺症の有病率は成人と同様に高いようで、子供達の免疫システムがウイルスによって狂わされやすいことを示唆している。これはコロナ感染が小児において自己免疫疾患を引き起こしたりする可能性があること、また、小児期に起こる他のウイルス感染がコロナウイルスへの長期感受性に影響を与えうることを意味している可能性がある。しかし、若者のコロナ後遺症の根本的なメカニズムをよりよく理解するには、さらなる研究と親や小児科医が子どものコロナ後遺症の兆候をよりよく認識できるよう、もっと意識を高める必要がある。」と述べた。
また、この研究について論じたスタンフォード大学医学部のローレン・グロスマン教授は、「18歳以下の喘息患者の数は、490万人から600万人に及ぶと考えられているため、コロナ後遺症患者数よりも喘息患者の数の方が多い、あるいは少なくとも同数であると言っても間違いではない。」
ニューヨーク大学ランゴーン・ヘルス小児科教授のレイチェル・グロス博士は、「多くの子どもたちが認識も支援も受けられずにいる。急速な発達の変化とコミュニケーションの限界により、小児、特に幼児におけるコロナ後遺症の特定は困難になる可能性がある」と付け加えた。
しかし、バージニア大学医学部の小児科教授、ジェラルド・ティーグ博士は、「コロナ後遺症の推定値と小児喘息を比較するには前向き研究が少なすぎる。まず小児におけるコロナ後遺症を正確に診断する方法について合意に達する必要がある」と語り、国立衛生研究所(NIH)と連邦政府は「こうした混乱した問題を解決するために小児における抗ウイルス研究にもっと資金を割り当てるべきだ」と付け加えた。
5~17歳のコロナワクチン未接種の子どもは、ワクチン接種済みの子どもに比べコロナ感染後に小児多系統炎症症候群(MIS-C)を発症するリスクが著しく高かった。特に12~17歳のグループでは、MIS-Cの90%がワクチン未接種者であり、未接種の小児はMIS-Cを発症する確率が22.9倍高かった。
5歳から11歳のグループではリスクが3.3倍高かった

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0264410X24011812
赤ちゃんのコロナ入院率が高い理由は、妊婦のワクチン接種率の低さに関連している可能性(2022年10月~2024年4月)
生後6か月未満の乳児のコロナ関連で
入院した1,148人の乳幼児のうち
約5人に1人 ICU
約20人に1人 人工呼吸器
9人 死亡
グロス氏はまた、コロナ後遺症の症状における年齢差は「画一的なアプローチでは、子どもの検査、特定、治療には不十分である可能性が高いことを裏付けている」と述べた。
なぜこれほど多くの子供たちがコロナ後遺症に罹患するのか?
グロスマン氏によると、コロナ後遺症がアメリカの何百万人もの子供たちに影響を与え続けている理由の一つは、ワクチン接種に関係している可能性があるという。「ワクチン接種はコロナ後遺症の予防に役立ちますが、成人への最初のワクチン接種は2020年12月に行われた一方で、5歳から11歳までの子どもは2021年10月にようやく最初のワクチン接種を受けられるようになった。最初の予防効果の恩恵を受けられる子供たちの数は少なかったのです。」したがって、最初の頃の流行下でワクチン接種を受ける子供の数が少なかったことが、コロナ後遺症罹患率の上昇に寄与した可能性がある。
小児のコロナワクチン接種も最近注目を集めている。mRNA COVIDワクチンへの不信感を公言してきたロバート・F・ケネディ・ジュニア保健長官が先月、 CDCは今後「健康な小児および健康な妊婦」にはCOVIDワクチン接種を推奨しないと発表している。
グロスマン氏はさらに、COVID感染症の治療に使用される抗ウイルス薬「パクスロビド」は2021年12月に初めて承認されたが、対象は12歳以上、もしくは体重88ポンドを超える人のみであり、年少の子どもは薬を利用できなかったと付け加えた。
「このあまり認知されていない症状を特定し、最終的に治療するには、子ども、保護者、小児科医の関係が極めて重要である。また、現在非常に少ない小児専門のコロナ後遺症クリニックを設立することが不可欠であり、ワクチン接種を推進することも重要だ」と述べた。
「コロナワクチン は子どもをコロナ後遺症 から守っていた―そもそも感染させていなかった。」(2025年4月21日)

ワクチン接種歴に基づいて
コロナ後遺症の発症頻度を比較
デルタ株期(2021年7月〜11月)
:12〜20歳 112,590人
(単位:1万人週あたり)
未接種群:3.54件
接種群:0.11件 発症率は約32倍の差!
→ワクチンの予防効果は約95%
オミクロン株期(2022年1月〜11月)
:5〜11歳 188,894人
未接種群:1.07件
接種群:0.33件(約3倍の差)
→予防効果 約60%
12〜20歳 84,735人
未接種群:1.43件
接種群:0.24件(約6倍の差)
→予防効果 約75%
アメリカ国立衛生研究所 #NIH の支援による #RECOVER 研究では、全米の小児・青少年約40万人の匿名化された電子医療記録を用い、コロナ後遺症の発症に関する大規模な観察研究が実施。本研究では、2021年のデルタ株流行期および2022年のオミクロン株流行期の記録が分析対象。媒介分析(mediation analysis)により、ワクチンがコロナ後遺症を防ぐ仕組みについても検討された。すなわち、「感染そのものを防ぐ効果」と「感染後に後遺症に至るのを防ぐ効果」とを分けて解析することが可能となった。研究責任者のチェン氏は、「ワクチン接種を通じてまずCOVID-19の感染を防ぐことが、コロナ後遺症を避ける最善の方法である」と述べている。
https://www.pennmedicine.org/news/covid-vaccine-protected-kids-from-long-covid
この問題についてより徹底した研究が行われ始めているものの、コロナ後遺症がアメリカの子どもたちに及ぼす全体的な影響と深刻さを判断することは依然として困難を極める。
