3人寄れば、なんとかなる
出勤すると、事務から声がかかった。
「Wi-Fi、つながらないんです」
こういうときに対応してくれる事務が二人いる。
ありがたい。
……が、専属のSEがいるような規模の職場ではない。
つまり、みんな素人。
この二人も、ちょっと得意だけどという、素人。
そして私は、この二人よりさらにさらに素人。
説明書?
読まない。
機械?
とりあえず動かしてみる。
うまくいかない?
もう一回やってみる。
それでもだめなら、 ときには力技もありだよね。
(あるわけない。)
まぁそんなレベル。
それでも二人で解決できないと、私が呼ばれる。
そもそも、Wi-Fiとは何か。
パソコンやスマートフォンなどを、無線でネットワークにつなぐための仕組み。
職場には、パソコンだけでなく、いろいろな機器がつながっている。
ただし、全部がWi-Fiではない。
レセコン(診療報酬を計算・請求するためのシステム) など、重要なものは有線でつながっている。
だから今回、Wi-Fiがおかしくなっても、レセコンは何事もなかった。
これは大事なこと。
もしレセコンまで落ちたら、とんでもない。
そんなわけで、わたしも復旧チームに加わった。
まずはルーターの電源を落とす。 ……だめか。
次は、光回線につながっているらしいケーブルを確認する。
若い事務が机の下にもぐり込む。
黒い箱と、何本ものコード。
「これ、どれなんですかね」
さぁ、わからん。
順番に、コードをたどって確かめるしかない。
しかし、ここで間違えて重要なコードを抜いたら、レセコンまで落ちる可能性がある。
彼女が慎重に、確認していく。
「めっちゃ緊張するー。」
笑いながら言っているが、手元は真剣そのもの。
一本ずつ確認して、慎重につなぎ直す。
その姿を見ていたら、なぜかテレビドラマの、爆弾処理班を思い出す。
赤か、青か。
どちらを切る。
間違えたら、爆発っていうあのシーン。
ぼんっっ!!
なんてことはなく、無事につなぎ直してみると、Wi-Fiは復旧した。
原因はわからないけど、まぁいっか、よかった。
これで通常業務に戻れる。
……そう思ったのも束の間。
「あれ? スキャンできない」
まだ終わってなかった。
Wi-Fiが復旧したと思ったら、今度はスキャンができない。
素人3人チーム、再び結成。
複合機の画面を見ても、前にどうやって送ったのか、その履歴ごと消えている。
もしかして、力技の私、出番?
あっちを押す。
こっちを押す。
普段なら触らないような画面まで、片っ端から開いていく。
そして、見つけた。
「前回送信したパソコンに送る」
これだ。
スキャンデータは、いつも同じパソコンにしか送らない。
ならば、これでいけるはず。
えい。
送信。
……。
あら?
届いてない。
え?!
なぜか、私のノートパソコンにきてる。
今まで一度もスキャンデータを送ったことのないパソコンなのに。
……なんで?
なぜ、そこ?
わたし、何もしてない。
なのに、わたしのところへ飛んできた。
まさか…。
ハッキング?
そうか、天才ハッカー現る。
…そんなわけはない。
しかし、なんでなのか。
まぁ、考えてもわかるわけない。
※わかる方、だれか教えてほしい。
もうさ、どれもこれも電源切っちゃえ。
で、ぜーんぶ、再起動かけてみた。
なんと、なおった。
なんでよ。
あーあ、もう夕方じゃん
かえろかえろ。
残った書類たち、また明日ね。
最近ほぼ毎日、そんなかんじの私たち。
迫りくるレセプトの期限を無事乗り切ることができるのか…。
しばし、忘れて今夜もおやつタイム。
もちろん、チワワたちとともに。
そして、おやすみなさい。
