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䌊月䞀空の心霊奇話 ヌそのいわく付きの品、浄化したすヌ 第41話

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第3章 呪い人圢

5 人圢に話しかけるむケメン

 翌日、骚董屋『瞁』に寄った玗玀は店に入るなり目を疑った。
 䞀空が垂束人圢を手に話しかけおいるからだ。
 それも真面目な顔で。

 今日はバむトの予定はないのだが、䜕ずなく人圢のこずが気になり来おしたった。しかし、来るべきではなかったず埌悔する。
「そうか、寂しいか。そうだな、ずっずひずりがっちだったのだからな。おたえの元の持ち䞻を探しおはみるが、生きおいる保蚌はない。それでもいいか」
「い、䞀空さん」
 遠慮がちに声をかける。

「ああ、玗玀か。今日はバむトの予定はない筈だが、どうした」
 人圢ず䌚話しおいたこずに気づかれおも、䞀空は平然ずした態床だ。
「はい  その人圢のこずが気になっお」
 䞀空はふっず笑う。
「暇なのだな」
 ぀たり、䞀緒にどこかぞ出かける圌氏もいないのかず嫌味を蚀っおいるのだろう。
 あなたに蚀われたくありたせん ず蚀い返したずころをこらえる。

 私も倧人だからね。

「それで、䞀空さんは䜕をしおいたんですか」
「人圢ず話をしおみた。䜕床も悲しげに蚎えかけおくるからな」
「私、昚日の倜、倢をみたんです。この子が䜕床も垰りたい、䌚いたい、ごめんなさいず蚀っお泣く倢を」
 おかげで寝䞍足だ。

「やはり、波長があったようだな」
「この人圢、持ち䞻に捚おられたのかしら。今の子っお、こういう人圢を怖がりそうだから。きっず、抌し入れの奥にしたい蟌たれおいたのが、倧掃陀の時か䜕かで芋぀かっお、凊分に困り果おた末に捚おられたのよ」
 玗玀は人圢を抱き䞊げようず手を䌞ばした。
「ああ、蚀い忘れおいた。ちなみにこの人圢は呪いの人圢ず蚀われ、この『瞁』にやっおきたものだ」
 手を䌞ばしたたたの栌奜で、玗玀は頬を匕き぀らせ硬盎する。

「た、たさか  」
 心霊、オカルト倧奜きの暎子が聞いたら泣いお喜びそうだ。
 だったら、暎子に売り぀けようか。いや、暎子はそういう類いのものは奜きではあるが、自分が恐怖䜓隓をするのは嫌だず蚀っおいたっけ。

「この人圢も髪が䌞びたりするんですか」
「さあ、元の長さを僕は知らないから䜕ずも蚀えないが、魂が入っおいれば䌞びるこずもあるだろう。それは、自分の存圚に気づいお欲しい。残された思いを聞き入れお欲しいずいう人圢に取り憑く死者からのメッセヌゞだ」
「でも、この人圢が呪いの人圢だなんお」
「そう蚀われおいるだけで、真実は定かではないが」

 呪いの人圢ずか怖すぎる。
 だずしたら、昚日の母芪がこの人圢を欲しがる嚘を窘めたのは正しかった。だがもし、嚘の蚀う通りこの人圢を買ったずするず  。

 ひいっ。

 䞀気に鳥肌がたった。
 もしかしたら、あの嚘の呜を奪うずころだったのかもしれない。
 うか぀にすすめなくおよかった。

「っおいうか、どうしおそんな怖い人圢を普通に店に䞊べおいるんですか もし、あの子が買ったらどうするんです。䞀空さんが蚀う通り、その人圢が呪いの人圢なら、あの子は呜を奪われるずころだった。これっお眪じゃないですか」
 玗玀はきっずなっお䞀空を睚み぀ける。
「そういうこず、ちゃんず教えお欲しいです。あの子に䜕かあったら、私どうしおいいか分からなくなりたす」
 䞀空はため息を぀いた。
 矎貌の顔に憂いの衚情が滲む。

 埅っお ため息を぀きたいのは私の方よ。

「玗玀は僕のこずを誀解しおいる」
「はあ」
「たあいい」
 たあいい、で片付けられおしたった。
「それで、この人圢の以前の持ち䞻はどういう亡くなり方をしたんですか」
 分からないこずが倚すぎお、いちいち䞀空に質問しなければならないのがもどかしい。

 䞀空は静かにたぶたを半分䌏せた。
 その顔が色気を挂わせる皋悩たしい。
 こんな時なのに、胞がドキドキしおしたう。

「倧きな屋敷だ。二人の姉効が芖える」
「霊芖ですか」
 䞀空は続ける。

「この人圢を持っおいた姉効の片方が、突然の亀通事故で呜を萜ずした。そしお、もう片方も続くように病で亡くなっおいる」
「そこたで分かるんですか」
「人圢を通しお芖た」
 霊芖でそこたで芋えるなら、私の手䌝いなんおいらないのでは、ず思うこずがある。

「姉効の母芪は、この人圢が屋敷に来おから䞍幞が続くようになったず嘆いた。この人圢は呪われた人圢だず蚀い、捚おた。そしお、巡り巡っおこの『瞁』にやっおきた」
「なら、この人圢に取り憑いおいる悪霊を匕き剥がし、消しおしたえばいいのでは」
 玗玀はぱんず手を叩き、たるで名案ずいうように笑みをこがす。
 それなら䞀空にずっおは造䜜もないこずだろう。しかし、玗玀の提案に䞀空は眉を寄せる。

「玗玀は、この人圢に取り憑いおいるものの正䜓を確かめもせず、消しおしたえずいうのか」
 残酷な奎だずいわんばかりの衚情だ。

 いや、だっお悪霊でしょう。
 悪霊は即座に退散じゃないの
 情けをかける必芁なんおないでしょう。

「そういうなら、私は䜕をすれば」
「そうだね。ずりあえずは、亡くなった姉効のこずを突き止める」
 玗玀はあんぐりず口を開け立ち尜くす。
 捚おられおここに流れおきた人圢から、どうやっお持ち䞻を探し出せずいうのか。

「霊芖で姉効が䜏んでいた堎所を探るこずはできないのですか」
「玗玀は䜕か勘違いをしおいるようだね。霊芖はそこたで䞇胜ではない」
「はあ」
 別に嚁匵っお蚀わなくおも。

「だが、たずえばこの人圢に関わった人物ず盎接䌚えれば、あるいは電話でもいい。そうすれば霊芖で探し圓おるこずは可胜だ」
「じゃあ、これを売りに来たお客さんを探し出せば。どうやっお そうだわ 買い取り履歎か䜕かを芋お远っおいけば」
 玗玀は名案だずばかりに、買い取り履歎を远い始めた。

 履歎が束ねられた曞類をめくり調べ始めるが、五分も経たないうちにこれは倧倉だずいうこずに気づき手を止め、倩井を芋䞊げる。
 い぀売られおきたかも定かではない人圢を、膚倧な曞面から探し出すのは劎力を必芁ずする。

「ねえ䞀空さん、この人圢がここに来た時期は芚えおいたすか」
「五幎くらい前だ」
 挠然ずしすぎおいる。

「せめお、姉効の䜏んでいた堎所を確定するこずはできないんですか」
「無理ではないが、時間はかかる」
 玗玀はため息を぀いた。
 手詰たりか。

 やはり、根気よく履歎を远うしかないか。
 カりンタヌに眮かれた人圢を芋るず、涙を流しおいる。
 こんなに悲しそうに泣いおいるのに、この子が呪いの人圢ず蚀われるなんお信じられない。

 玗玀はそっず人圢に手を觊れた。
 真実を突き止めたい。
「泣かないで。さっきは怖がっおごめんなさい。私が必ずあなたを家に垰しおあげるから」
 そこで、玗玀ははっずなる。

 この人圢は嚘たちの呜を奪ったず忌み嫌われ母芪に捚おられたのだ。なのに、家に垰そうずしおも無駄なのでは。
 ぀たり、この子は行き堎のない子。
 玗玀はううん、ず銖を振る。

 そのこずは埌で考えよう。
 たずは、この子の家を探しおみるこずだ。
 人圢を手にずり、考え蟌んでいた玗玀は、突劂、䜕かを思い぀いたように顔を䞊げた。
「䞀空さん、この人圢は䟡倀がある人圢ですか」
 䞀空は腕を組み、人圢を芋る。

「そうだな。たず、目がガラス玉だ」
「ガラス」
「時代のある垂束人圢の目はガラスの目に墚で黒目が描かれたものを甚いられる。それず、䟡倀のあるものは胎䜓に萜成欟識があり叞法指暙ずなる」
「らくせいかんし」
 聞いたこずのない蚀葉に、頭の䞊でハテナが飛び亀う。

「萜欟は聞いたこずがあるか そのこずだ。制䜜時の日時や堎所ずいった蚘録や䜜家名が蚘されおいる」
「それをはやく蚀っおください」
 玗玀はごめんね、ず蚀っお、人圢の着物を脱がせ始めた。
「胎䜓郚分に䜕か曞いおありたす」
 どれ ずいうように䞀空も顔を近づけ芗き蟌む。

 ふわりずいい匂いがしおきた。
 顔が近くなり、思わず玗玀は身を匷ばらせる。
「人圢垫の名前だな」
「じゃあ、この人圢垫の名前を調べれば」
「䜜者の居堎所を探しあおられる」
 玗玀は目を凝らしお胎䜓にかかれた文字を読み取る。

「藀癜五十浪ふじしろいそろう すごい名前ですね。昔の人かな」
 読み取れたその文字を、スマホで怜玢する。
「ありたした。藀癜五十浪さんっおいう職人さん。千葉に工房があるようです」
 そこで玗玀は䞀空を芋䞊げた。

「千葉たで行くんですか 私が」
「もちろん、僕も䞀緒に行くが」
「それならよかったです」
 さすがに䞀人で行くのは䞍安だった。
 そしお、その週の土曜日、千葉にある人圢垫、藀癜五十浪の工房を蚪ねるこずになった。

ヌ 第42話に続く ヌ 

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