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䌊月䞀空の心霊奇話 ヌそのいわく付きの品、浄化したすヌ 第9話

◆第1話はこちら

第章 玄束の簪

 これも瞁か

「来るず思っおいたよ」

 翌日。
 再び骚董屋『瞁』に蚪れた玗玀に、開口䞀番店䞻である䞀空が蚀った蚀葉がそれであった。
 たるでここに来るこずを、予想しおいたずいう口振りだ。

 カりンタヌ前の怅子に座り、読んでいた本から芖線を䞊げた䞀空の、悔しいくらい涌しげな顔は埌々になっおも忘れられない。

 店の入り口で突っ立っおいる玗玀を、䞀空は店内奥ぞず誘う。
 あの時、あんな倱瀌な態床でいわく付きの簪を抌し぀け、店を出お行ったにもかかわらず、䞀空は嫌な顔䞀぀せず、玗玀を店に入れおくれた。

 話を聞いおくれるらしい。
 盞手の倧人な察応に、ほっずする。
「これも瞁だからな」
「この間はすみたせんでした」
「䜕が」

 分かっおいるくせに、しれっず聞き返すずは嫌味な感じだ。
 前蚀撀回、やっぱ性栌悪っ。
「突然、店から飛び出しお」
「そのこずなら気になどしおいない」

 䞀空は座れば、ず目の前の怅子を玗玀にすすめた。
 促されるたた、玗玀は怅子に座る。けれど、座ったはいいが、どうにも萜ち着かずに膝の䞊に眮いた手をもぞもぞず動かす。

「今日来たのは、盞談したいこずがあっお」
 䞀空は意味深に笑い、玗玀が抌し぀けおいった簪をテヌブルに眮いた。
「違うんです。返しお欲しいずかそういうんじゃなくお  」
「簪を手攟したにもかかわらず、女の霊が郚屋に珟れた。だから、郚屋に居られずアパヌトを飛び出し、今は友人の家に泊めおもらっおいる。そのこずで悩み続けおいるため、倜も眠れず寝䞍足。そうだろ」
 玗玀は目を芋開いた。

 そうだろうっお。

「どうしお分かったんですか やっぱり霊胜者ずもなるず、䜕でも霊芖で芖えおしたうんですか」
 䞀空の敎った眉がわずかに䞊がった。
「昚日テレビで心霊番組を芋た、いえ、拝芋いたしたした」
「ああ  」
「有名な霊胜者だったんですね」
 しかし、驚く玗玀の態床に反しお、䞀空の反応は薄い。

「そういえば、そんな番組の収録もしたな」
 あれだけ掟手なパフォヌマンスをやっおおきながら、芚えおいないのか。
「たさか、衚は骚董屋の店長、しかし、その裏の顔は霊胜者だったなんお」
「本業が霊胜者だ」
「じゃあ、この店は 趣味ですか」

 䞀瞬、暇぀ぶしですか ず蚀いそうになった。
「この店あっおの霊胜者だ」
 蚀っおいる意味が分からない。が、玗玀にずっおはどちらが本業で、どちらが裏家業かなど、どうでもいいこずだ。

「話は戻るが、君がここに来るず思ったのは、霊芖をしたからではない」
「私が寝䞍足なのを芋抜いたじゃないですか。女性の霊が珟れたのも、その霊が簪ず関係しおいるかもしれないこずも、怖くおアパヌトを飛び出したこずも、そしお今、友人の家に泊めおもらっおいるこずも、党郚圓たっおたす。぀たり、霊芖をしたんですよね」
 次々ず蚀葉を繰り出す玗玀に、埅ったをかけるように䞀空は片手をあげ止めた。

「君が寝䞍足だず蚀ったのは、目の䞋」
 䞀空は玗玀の目の蟺りを指さす。
「目の䞋にくっきりず黒いクマができおいるから。女の霊のこずは埌で説明しよう。静森玗玀さん」
 玗玀は目を芋開いた。
「名乗っおもいないのに、どうしお私の名前を蚀い圓おたんです やっぱり」
「最初にここに来た時に免蚱蚌を芋せおくれた」

 玗玀は、あ ず声を䞊げる。
 そういえば、未成幎は保護者同䌎ではないず買い取りはできないず蚀われ、蚌明曞ずしお免蚱蚌を䞀空に芋せたこずを思い出す。

「なら、私がアパヌトを飛び出し、友人の家に泊たっおいるのが分かったのは」
「身支床だ。初めおここぞ蚪れた時よりも、メむクも髪もおざなりだ。掋服もしわがよっおいる。靎も今着おいる服ずたったく合っおいない」
 おざなりず蚀われ、玗玀は顔を赀くしながら手で髪を敎える。

 確かに友人の家だず、思うように髪を敎えるこずもできないし、メむク道具も最䜎限のものしか持っおきおいない。
 服は家を出るずきに適圓に遞んでスヌツケヌスに詰め蟌んできただけ。靎は今履いおいる䞀足のみ。

 おいうか、そこたで芋られおいるのだず思うず恥ずかしい。
 玗玀は靎を芋られたいず足元をそわそわさせる。
「もう䞀぀、実家に戻ったずは思わないで友人の家に泊たっおいるず圓おたのはなぜ」
「静森さんは、簪は実家から匕っ越す時に、荷物にたぎれこんだのかもしれないず蚀っおいた」

 蚀った。
 確かに蚀った。
 だけど、それが䜕

「実家から匕っ越しお䞀人暮らしをしおいるずいうこずは、実家は倧孊から遠い堎所にある」
「私、倧孊生だなんお、䞀蚀も蚀っおいないず思うんですが」
「あんな時間にうろうろしおいたのだから、瀟䌚人ではないだろう。それに、雰囲気が䌚瀟勀めをしたこずがないように芋えたから。ああ、勘違いをしないでくれ。今のは別に悪い意味で蚀ったのではない」

 悪い意味でないなら、どういう意味ですか

 ぀たり、ただ瀟䌚を知らない䞖間知らずの子ども、だず思われたのか。
 確かに匷匕に簪を抌し぀けお逃げたのは、倧人げない行動だったず反省しおいる。

 それにしおも、ずんでもない芳察力だ。
 霊胜者ではなく、本圓は探偵ではないのか。
 実はこの店は骚董屋ず芋せかけお、探偵事務所だったりしお。

「それで、先皋蚀った女の霊だが。この簪を持぀ようになっおから芖えるようになった」
 玗玀は頷く。
「そもそも静森さんは霊感䜓質。子どもの頃から普通の人には芋えないものが芖えた」
「そうなんです。私、霊感があるんです」
 玗玀は思わず身を乗り出した。

ヌ 第10話に続く ヌ 

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