マリー・アントワネットがデュ・バリーを嫌った本当の理由

世間一般ではマリー・アントワネットがデュバリー夫人を毛嫌いした理由として

①デュバリー夫人の出自への強い嫌悪感(元娼婦でした)
②敬虔なカトリックだった母が不道徳な関係を強く批判していたから
③おば様たちがアントワネットをたきつけて対立を煽ったから

などが挙げられています。

ただ、実際アントワネットには放蕩な友人も多かったし、そこまで潔癖ではなかったと思うんです。
アントワネット自身も後に、夫以外の男性との関係が噂されますし…。

2人の不仲が決定的になった原因はおそらく、
デュ・バリーによって、アントワネットの女官と、お輿入れで活躍してくれたショワズールが追放されてしまったことでしょう。
これはあまり知られていないのですが、アントワネットはこの追放を自分に対するこの上ない侮辱と捉え、怒りを爆発させたそうです。



そもそもアントワネットはいつからデュ・バリーのことが嫌いなのか。
お輿入れして2ヶ月も経たないうちに、デュ・バリー夫人について、母親に手紙を書いてます。
デュ・バリーのことを
「考えられる限り最も愚かで無礼なふしだら女」というふうに表現していて、侮辱のセンスが光っています。

「二度も私のとなりにすわりながら、私とは口をきかないのです。私も必ずしもあのひととお話をしようとはしませんでした。でもどうしても必要なときは、少し言葉を交わしました。」

マリー・アントワネットとマリア・テレジア
秘密の往復書簡

手紙の内容を信じるならば、最初から一切声をかけなかったわけではなく、言葉は何度か交わしたけれども、印象が悪かったということが読み取れますね。

メルシーは10月にはおば様たちがアントワネットをけしかけているとテレジア(アントワネットの母)に報告していますが、この手紙は7月に書かれたものなので、おば様方の影響については微妙なところです。


おそらく多かれ少なかれ、おば様方による悪口は既にアントワネットの耳に入っていたとは思いますが、事の経緯は以下のように想像できます。

最初デュ・バリーがアントワネットに対してあまり感じが良くなかった。

それに対してアントワネットはちょっとムッとしていて、おば様方もデュ・バリーの悪口をアントワネットに吹き込んで、どんどん嫌いになっていった。

デュ・バリーがアントワネットの女官とお世話になった人を追放させたことで、怒りが一気に爆発。プライドが傷つけられ、「もう大嫌い!!」になった。

アントワネット、デュ・バリーをフルシカトする。





その後どうなったかというと、アントワネットは母親から散々強いられて、「今日のヴェルサイユはたいへんな人ですこと!」と嫌々ながらもデュ・バリーに声をかけました。


アントワネットはメルシーに
「私はこれきりにすると固く決意しています。あの女が私の声を聞くことは、もう二度とないでしょう。」
と話しています。


散々文句を言われ続けた母親にももちろん、この件を報告します。
「ご満足いただけたことを願っております」と書いていて、褒めてくれると思ったのではないでしょうか。


母親からきた返事はこれです。

「ほんの一言、声をかけただけで、そのあとのあなたのあのような気持ちの昂ぶり、もう二度と言葉はかけないというご発言、これらは私をぞっとさせます。」

マリー・アントワネットとマリア・テレジア
秘密の往復書簡



お母さん、、、!笑
親子揃って言葉の選び方にキレがありますね。
思春期の娘とその母親という感じがして、思わず笑ってしまいました。



その後も、母からは「愛妾に声をかけるくらいしなさい!」と手紙で叱られ続けたアントワネットなのでした。

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