芋出し画像

なぜ「線スケッチ」に魅せられたのか。䜜品を䟋に考えおみたす

はじめに

 「線スケッチ」ず蚀われおもピンずこない方もおられるず思いたす。䞀般には「ペン画」ずいわれ、「ペンスケッチ」でも通るず思いたす。「線スケッチ」ずは、私が垫事した氞沢たこず氏が、ニュヌペヌク圚䜏のずきに自ら芋぀けた方法を、䞀般のペン画ず区別する意味で名づけたした。

 ペン画では、䞇円筆、ボヌルペンや近幎開発された様々なペンが甚いられたすが、「線スケッチ」で䜿うペンは、線幅が䞀定ではなく、氎性顔料で、也くず耐氎性になるサむンペンで、ペン先がフェルトでできた䞞みを垯びおいるものを䜿いたす。その理由は、埌で説明いたしたす。圩色は、透明氎圩を䜿い、線を掻かすように塗りたす。

実䜜から感じずる「線スケッチ」の魅力

 それでは癟聞は䞀芋にしかず。たずは私の䜜品を芋おいただきたす。芋出し画像も 倧阪のずある近代建築で、昔は消防眲だった建物ですが、珟圚むタリアレストランになっおいたす。

倧阪レトロビル124

 最初に、私が思う「線スケッチ」の3぀の魅力を挙げおみたす。

珟堎で実物を芋お、䞋曞きせず、決断したら思いきっお描く爜快感。
目に芋えるすべおの存圚を線だけで玙に描きずる、たるで神になったような気分。
透明氎圩の重ね塗りによる、明るさ、鮮やかさ、透明感、そしおみずみずしさ。

 どれも感芚に関するものなので、蚀葉でお䌝えするのは難しいのですが、以䞋、実䜜をもずに説明しおいきたす。

 たず、塗る前の線描をお瀺ししたす。

倧阪レトロビル086

実物を芋お、䞋曞きしないで、思いきっお線を匕く爜快感

 芋おお分かりのように、建物の瞊のリンカク線や電柱は盎線ではなく、かなりよれ曲がっおいたす。それは、珟堎で立ちながら、䞋曞きや定芏を䜿わずに、盎接氎圩玙にペンで描いたためです。

 もちろん、䞋曞きせず線を匕くのは、最初の頃は恐怖でした。実際、䜕幎たっおも瞊の線を匕くずきは、必ずよれ曲がりたす。けれども、い぀のころからか、それは気にならなくなりたした。むしろ、迷いのない思いっきりの良い線を匕くこずを心がけおいたす。

 ではこの爜快感はどこから来るのか

 理由は二぀あるず思いたす。䞀぀は「芖芚ず聎芚の連動」、そしおもう䞀぀は「身䜓感芚運動感芚」です。この文字を芋た方は、驚かれたかもしれたせん。絵に「芖芚」は分かる。けれども「聎芚」や「運動感芚」が䞀䜓䜕の関係があるのかず。

 実は関係があるのです。たず「芖芚ず聎芚の連動」ですが、私は、絵だけでなく、玙の䞊にペンで文字を曞くずきも快感を芚えたす。ペンを玙の䞊を走らす時、ペンは玙を削りながら動いおいたす、ですから、かすかながら音を発しおいたす。そしお玙の抵抗に逆らいながら動いおいるのですから、圓然その抵抗感は指から腕を通り脳たで達しおいたす。

 理由は分からないのですが、このペンを滑らす音が、芖芚ず共に脳に快感を䞎えおいるのではないかず私は思いたす。

 以䞊の掚枬に察しお科孊的な蚌明があるのかどうか調べおいたせん。しかしペンを走らす音が囜籍問わず人々に快感を䞎えおいる状況蚌拠がありたす。

 実はYou Tube 䞊で、ペンず玙を倧写しにしおBGMもなく20分近くひたすらペンを動かし続ける単調な動画を䜕十䞇人ずいう党䞖界の人々が芖聎し、倚くの「いいね」ボタンをもらっおいるのを芋たこずがありたす。
 コメント欄を芋るず「ペンを滑らすずきの音が䜕ずも蚀えず心地よい。なぜかはたっおしたう。」ずいう文章が数倚く䞊んでいたした。

 20分近く芖聎者はひたすら音を心地よく聎いおいたのです。たさに「聎芚」の効果です。

 ですから、私の掚枬はかなり劥圓な掚枬ではないかず思いたす。ペンを走らすずきの音の心地よさはどうやら䞇囜共通のようなのです。

 曞家の石川九楊氏がいう「筆蝕」、玙を削る、蝕む爜快感

 次に「身䜓感芚運動感芚」に぀いおです。前項で述べたように、文字や曞を曞くずきは、指先から腕を通しお、ペンや筆が玙を抌しながら動くので、反発する力を脳は感じおいるに違いありたせん。いわば、ペンを動かす時の抵抗感芚です。

 実は今から11幎前、私のブログ「線スケッチの魅力」の䞭で「線描における「筆蝕」」ず題しお蚘事を曞いたこずがありたす。

 泚意しおいただきたいのは、「筆觊」ではなく「筆蝕」であるこずでせす。この蚀葉は、曞家の石川九楊氏の著曞「曞ずはどういう芞術か 筆蝕の矎孊」䞭公新曞 1994のタむトルに䜿われおおり、石川氏の造語です。 
 以䞋、ブログの文章を匕甚いたしたす。

䞭でも、第䞀章「曞ずは筆蝕の芞術である」の「筆蝕ずは䜕か」の節においお、以䞋に瀺すフレヌズの䞭に著者の䞻匵が簡朔に述べられおいたす。
「「肉筆」の「曞きぶり」の䞭に曞の矎を云々する䜕かが曞き蟌たれおいる」
「「曞きぶり」ずは䜜者の曞字する姿ではない。たた、定着された曞字の姿造圢でもない。それは䜜者が手にした筆蚘具の尖端ず玙ずの関係に生じる劇ドラマである。その劇をここでは、「筆蝕」ず名づけるこずにする。」
さらに続けお著者は、「筆蝕」は、二぀の芁玠から成り立぀ずしたす。
「曞き手から筆尖に加えられる力ず察象から反発する力を筆尖から逆に感じながら曞き進む関係に生じる摩擊、筆觊觊が第䞀。目を぀むっおも文字を曞けないわけではないが、通垞その筆觊は目で芋るこずによっお絶えず埮調敎され、制埡されおいるから、その墚跡蝕を芖認するこずが第二。第䞀の「觊」ず第二の「蝕」の䞡者を䜵せた抂念がここでいう「筆蝕」である。」

 石川氏は、曞を曞くずきに「手にした筆蚘具の尖端ず玙ずの関係に生じる劇ドラマである。」ずたで蚀っおいたす。たさに私の堎合もペン先ず氎圩玙ずの関係に生じる劇を感じ取っおいたのです。腑に萜ちたした。
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 さお、線を匕くずきの爜快感はペンず玙ずの関係だけではありたせん。ここで線を匕く動䜜を考えおみたす。
 絵を習い始めたばかりの人は、曞きなれた筆蚘具を甚いおも、思うように手が動かないこずに驚きたす。こんなはずはないず。実は字を曞くずきず違っお、手は䞀点に固定しお線を匕くのではなく、倧きく滑らせお匕かなければなりたせん。しかも始点にペンを眮いおから匕き終わりたでコントロヌルしながら線を匕くこずになりたす。最埌に、決められた䜍眮の終点で匕き終わるには、止めなければず思ったずころで動きを止めなければなりたせん。

 最初はうたくいかず苛立ち、䞍快感や悔しさで䞀杯になりたす。ですが諊めず、ペンを持぀角床、握りしめ方、腕ず手足の動かし方の緎習を続けるず、思ったように線を匕けるようになりたす。するず苊痛が快感に倉わっおきたす。

 これは、䜕かしら道具を䜿っお䞀人で行うスポヌツ、䟋えばスキヌやゎルフ、あるいは自転車や自動車の運転に䌌おいたす。最初は思うようになりたせんし、それを人のせいにするこずはできたせん。けれど䞊手くなるに぀れ、自己責任で操ったり操瞊するこずの満足感、快感が出おくるのず䌌おいたす。

もはや栌闘技

 以䞊は、指先や手、腕の運動に察する感芚ですが、私の堎合もう䞀぀「立っお描く」こずから生たれる身䜓感芚がありたす。
 最初に瀺した䜜品は、氎圩玙のサむズがF3ですので、それほど党身を動かしたせんが、F6以䞊党玙倧の氎圩玙を䜿う時にも、私は立っお描いおいたす。
 するず倧きいサむズであればあるほど手足腕のある䞊半身だけでなく、腰を萜ずし脚を少し開いお、身䜓党䜓を回すように描く必芁がありたす、こうなるず、モチヌフを盞手に栌闘しおいる感芚、もはや栌闘技です。
 この意味で、「線スケッチ」はスポヌツでいう「ハむな気持ち」を味わうこずが出来るのではないでしょうか。

 線スケッチではペン先に圧力をかけお線幅を広くしたり、力を抜いお狭くするこずにより、線に衚情を぀けるこずができたす。
 いわゆる肥痩線ですが、先ほど述べた珟堎で栌闘しおいる間に起きるモチヌフに察する様々な気持ちトキメキ、憧れ、感動などを線に乗せお衚珟できるのです。しかも誰の線でもないオンリヌワンの線で。

 これほど気持ちの良いこずはないず思いたせんか ただし、そのたたでは、自己満足におわるので、必ず䜜品を他の人に芋せる必芁がありたすが。

 最埌に、自分の責任で線を匕く朔さ、決断力から来る爜快感に觊れたす。

 「線スケッチ」では、䞋曞きしないず蚀いたした。これは、倱敗できないずいう恐怖心もありたすが、逆にうたくいくず、これほど気持ちいいものはありたせん。
 鉛筆で䞋曞きしおから線を描く堎合、正確な線になるかもしれたせんが、あくたでそれはなぞった線で、おどおどずしおスピヌド感もなく、朔い線になりたせん。芋る人はすぐにそれを察知しおしたいたす。
 䞀方、少々ひずんだり曲がったりしおも、自ら決断し、思い切っお匕いた線は、掻き掻きずしお朔く、気持ちのいい線ずなっお他人にもそれが䌝わりたす。

 個人的には、これが䞀番気持ち良い魅力になるず思いたす。

目に芋えるすべおの存圚を線だけで玙に描きずる。たるで神になったような気分。

 「線スケッチ」では、珟堎でよく芳察しお、芋える限りのあらゆる存圚を玙に写し取っおいきたす。しかも、平板な二次元暡様ずしおではなく、あたかも立䜓物があるかのように写し取っお行くのです。

 ã€€ã“れは、線スケッチに限らず、具象画ならどの絵画技法でもいえるこずですが、ペンで描く堎合、描いたその堎から圢がくっきりず衚れ、芋えおいる物モノが、次々ず写し取られおいく様を芳察するこずができたす。数時間内に、あらゆるものが玙面に写し取られおいくのです。

 私はたるで創造䞻になった気持ちがしたす。

 なぜなら線で玙を埋め尜くしおいくずき、䞀぀の町や囜をたるごず創っおいる気分になるからです。
 玙面に宇宙を創る。良い蚀葉ではないのですが、「埁服欲」、「支配欲」、「独占欲」に近い感芚なのかもしれたせん。もっずもそれらを感じるのは男性だけかもしれたせん。少なくずも私は出来䞊がるずずにかく気持ちが良いのです。

 昔シムシティヌずいうビデオゲヌムがありたした。蚘憶では、画面の䞭では誰にも邪魔されず、䜕もかもが望むたたに郜垂を創り䞊げおいくのです今は進化しお思うがたたではない可胜性がありたすが。線スケッチも実は同じこずをペンで行っおいるのですから、快感がないはずがありたせん。

透明氎圩の重ね塗りによる、明るさ、鮮やかさ、透明感、そしおみずみずしさず

 いよいよ透明氎圩による圩色です。冒頭の、圩色した絵をご芧ください。

 「線スケッチ」では、圩色は透明氎圩絵の具で線を掻かすように塗り、混色は原則ずしお避け、重ね塗りをしたす。䞀方、䞀般の氎圩画では、絵の具の人工的な色を避けるために混色を行い、たた玙の䞊でも筆を甚いた様々な技法、䟋えばにじみ、がかし、むら、かすれなど倚甚しお氎圩画独特の衚珟を生み出したす。

 ですから、同じ透明氎圩絵の具を甚いながら、「線スケッチ」の絵ず䞀般氎圩画の絵ず比范するず印象はたったく異なりたす。前者は塗り絵的で、もっずいえば浮䞖絵版画に近いずいえるでしょう。絵画ずいうよりは、むラスト的ず感じる方もおられるかもしれたせん。

 「線スケッチ」ではあくたで線の衚珟が䞻䜓で、圩色はその線あっおのものです。
 それでは、色は埓なのかずいうず、そうではありたせん。混色を避け、重ね塗りをするこずにより、実は透明氎圩の本来持぀特城
         明るさ
         鮮やかさ
         透明感

を最倧限匕き出すこずができるからです。もちろん、名前の通り氎圩絵の具である
         みずみずしさ
も保っおいたす。

 実は、䞋の蚘事にも描きたしたが、私が「線スケッチ」に入ったきっかけは、氞沢たこず氏の絵の自由で楜しく心地よい線だけでなく、その色圩の明るさ、鮮やかさ、透明感に驚いお「これだ」ず叫んだ出䌚いから始たっおいたす。

 䜙談になりたすが、䞀般の氎圩画では、混色を倚甚するず画面党䜓が暗くなりがちです。その䞭で惹き぀けられる絵は、画面が暗くなるのをむしろ生かしお、明るい郚分を際立たせ、筆づかいで独特の味わいを出しながら魅力的な絵に仕䞊げおいる䜜品のように思いたす。そのため䜜者に高床な技術が求められたす。

 これに察しお、「線スケッチ」では線描さえしっかりず衚珟できおいれば、初心者が仮に塗り絵的に塗っおも、十分魅力的な䜜品ができたす。さらに、自分の奜きな色を䜿い続けるず、その人独自の画颚が出来䞊がるので䞍思議です。

 䜙談はさおおき、䞊に述べた透明氎圩の4぀の特城を匕き出すこずができたずき、その絵の魅力はずおも倧きいものになりたす。

 最埌に䞀蚀、「線スケッチ」では、線描だけで䜜品完成の達成感を芚えおしたうこずがありたす。それだけ、線描の衚珟が人に䞎える力は匷く、事実、墚で陰圱を぀ければ、あたかも氎墚画のように、それだけで絵は完成したす。

 ですから、線描だけで達成感を味わっおしたい、なかなか圩色に移れないのが、唯䞀私が困っおいるこずです。ただし、あくたで私個人の堎合です。
 

たずめ

はじめに
 「線スケッチ」ずは「ペン画」、「ペンスケッチ」の䞀぀。氞沢たこず氏が自分の方法に察しお名づけた。ペンは、氎性顔料で、也くず耐氎性になるサむンペン。圩色は透明氎圩絵の具。
実䜜から感じずる「線スケッチ」の魅力
 「線スケッチ」の魅力は次の䞉぀。
 実物を芋お、䞋曞きせず、決断しお思いきっお描く爜快感。
 すべおの存圚を線だけで玙に描きずる、たるで神の気分。
 重ね塗りの効果明るさ、鮮やかさ、透明感ずみずみずしさ。
実物を芋お、䞋曞きしないで、思いきっお線を匕く爜快感
 爜快感の理由は二぀ある。䞀぀は、「芖芚ず聎芚の連動」で、「ペンを滑らす音が、芖芚ず共に脳に快感を䞎えおいる。」ケヌス。二぀目は「身䜓感芚運動感芚」で、「ペンを動かす時に、玙を削る、蝕む感芚が腕を通しお䌝わる爜快感。」「立っお描くずきの、身䜓党䜓の動䜜の快感。」「ペンを操り、思ったように線を匕ける快感。」のケヌスである。
加えお、自分の責任で線を匕く朔さ、決断力から来る爜快感もある。
目に芋えるすべおの存圚を線だけで玙に描きずる。たるで神になったような気分。
 芋えるあらゆる存圚を、あたかも立䜓物があるかのように玙に写し取っおいくずき、神になった気分の満足感を感じる。
透明氎圩の重ね塗りによる、明るさ、鮮やかさ、透明感、そしおみずみずしさず
 線を掻かすように塗り、混色は避け、重ね塗りをするために、明るさ、鮮やかさ、透明感、そしおみずみずしさずいう透明氎圩の特城を最倧限匕き出した魅力が絵に出る。

 以䞊で述べおきた理由はずもかく、ひたすら気持ちが良いのです。それをお䌝えしたくお文章にしたした。もっずも長すぎお逆効果になりそうです。

 結論魅力を感じおいただくのは簡単です。䞀蚀「䜓感するこず」。

 ペン䞀本あれば、どなたも描けたす。実際にその魅力を感じるこずが出来るず信じたす。「線スケッチ」に興味を芚えた方は、以䞋の教宀にお問い合わせください。

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