娘の卒業式、パパの最小撮影システム
いよいよ今週は、卒業式ウィーク。
全国の小学生が、ひとつの節目を迎える季節です。そして、うちの娘も今、その瞬間を迎えようとしています。
親の本音を言えば、卒業式は、
「手ぶらで参加」がいちばん。
ただ、娘の小学校では業者の撮影が入らないため、記録を残すには保護者が頑張るしかありません。
とはいえ、頑張りすぎるのもなにか違う。それもわかっている。
『 記録 』と『 記憶 』
このバランスが大切
撮影に興味のない保護者からの冷たい視線をかいくぐりつつも、記録はきちんと残す。
娘の専属カメラマンとしての役割を全うするために、私なりに辿り着いた、
精一杯の最小構成システム。
これ以上、増えることはあっても、
減らすことはできない。

◆ LUMIX GH7 [ 動画専用 ]
ー M.ZUIKO 12-100mm F4.0 IS PRO
ー Sennheiser MKE 400-II
◆ LUMIX S5II [ 写真専用 ]
ー S 24-105mm F4 MACRO O.I.S.
ー AZDEN SMX-30V
◆ Osmo Pocket 3 [ 念のため ]
◆ 予備レンズ/式後の撮影用
ー LEICA 10-25mm/F1.7
ー LUMIX S 50mm F1.8
今回、このシステムを組むにあたり、もっとも頭を悩ませたのは、「望遠レンズを持ち出すか、それとも高倍率ズームで済ませるか」という点です。
実を言うと、私はどちらも所有していません。自分の撮影スタイルにおいて、それらは年に数回使うかどうかの頻度のため、手元に置いておくメリットが少ないからです。
しかし、娘の卒業式という『絶対に失敗できない局面』を前に、オリンパスのレンズを兄から借りるかどうか、決断をしなければなりませんでした。
これにはひとつ問題があります。
私は完全に LUMIX派、
兄は完全に OLYMPUS派。
同じ陣営でも、歩む道は違う。
私たちは互いの機材を巡って、不毛なマウントの取り合いを幾度となく繰り返してきました。
それゆえ、いまさら『オリンパスの力が必要だ』とは口が裂けてもいえない。
LUMIX のレンズを有料でレンタルするという手も考えましたが、そもそもLUMIX 陣営にはオリンパス陣営ほど、『 開放F値固定の高倍率ズームレンズ 』が多くない。機動性の面では、どうしてもオリンパスに見劣りしてしまうのだ。
しかし、娘の門出という大事な局面。
こういう時こそ、
マイクロフォーサーズの叡智を結集するべき時ではないのか? 敵も味方も関係ない。
たとえ身を置く陣営が違えど、私たちは「共通規格」という名のもと、同じ宇宙に生きているのだから。
そんな経緯もあり、ここはやはり、兄からレンズを借りることにしました。問題は、兄が持っている強力なズームレンズの中からどれを借りるか。
複数本借りることもできるけど、重量と嵩は増やしたくない。選ぶなら一本だ。
- M.ZUIKO 40-150mm F2.8 PRO
- M.ZUIKO 12-100mm F4.0 IS PRO
どちらも素晴らしいレンズであろうことは、そのレンズ名から容易に想像がつきます。
はじめは、レンズの明るさという点で 40-150mm F2.8 に心惹かれましたが、娘が近づいてきた場合に、広角端の 80mm相当では咄嗟に対応できない。
座席から動けない状況で瞬時に対応するためには「引いて」「寄る」、これが瞬間的にできる 12-100mm F4.0 のほうが使い出があるだろうと判断しました。

また、式中にレンズ交換をしている余裕がなければ、動画と写真のモード切り替えをしている余裕もない。
よって、カメラは2台構成で行く。
どちらにも高倍率ズームを装着する。
マイクロフォーサーズは『動画担当』。
フルサイズは『写真担当』。
もし望遠側が足りないときは、動画なら「APS-C モード」か「 Pixel by Pixel 」 、写真なら「クロップズーム」でカバーする。
マイクは、現在所有しているものの中から、頼れる2本を選びました。
ゼンハイザーの MKE-400II に、アツデンの SMX-30V です。残念ながら、LUMIX 最新のケーブルレスマイクDMW-DMS1 はまだ発売されていません。

モフモフ( 風防 )を装着すると、それだけで機材の存在感が増してしまう。今回は周囲への威圧感を少しでも抑えるため、持っていかない方向としました。
とはいえ、ミラーレスカメラを2台も抱えている時点で、周囲から浮いてしまうのは避けようがありません。自分でも「焼け石に水」のような抵抗だとは分かっています。
しかし、この「少しでも目立たないように」というささやかな配慮こそが、式典の静謐な空気を壊したくないという、私なりのせめてものマナーなのです。
そして、最後に予備レンズ。
LEICA 10-25mm F1.7 と S 50mm F1.8 を、式後の友達同士の撮影のためにカメラバッグに潜ませる。友達と笑い合う瞬間、そこを、しっかり残していきたい。
これらの予備レンズは、カンケンバッグの中に忍ばせ、「中には何も入っていませんよ」という一般参加者を装って持ち込む。
間違っても、黒光りした本格的なカメラバッグで参戦してはいけない。
たとえ中身が、マイクロフォーサーズの叡智を結集したシステムであろうとも、外見はあくまで「娘の門出を祝うひとりのパパ」を演じなければいけないのだ。
準備は整いました。
あとは、卒業式を待つだけ。
主役は、私たちではない。
卒業生よりも保護者の方が目立つようなことがあってはならない。
新しい時代を作るのは、今まさにここを旅立とうとする、彼らなのだから。

