【創作小説】勇者ではなく、村人が聖剣を抜いた。『100回目の勇者と名もなき村人』再構成版を公開しています
99回、勇者が抜いた聖剣を、100回目に抜いたのは村人だった。
最初に、この作品の入口だけを書きます。
森へ逃げた羊を追いかけて、名もなき村人が祠へ迷い込む。そこに刺さっていたのは、勇者だけが抜けるはずの聖剣でした。
触るだけのつもりだったのに、剣は抜ける。
そして、泥だらけの少年が叫びます。
「返せよ! それ、僕のやつ!」
ここまでは、少し変わった勇者ものに見えるかもしれません。
けれど、この聖剣には99回分の悲鳴が残っていました。
第1〜5話を公開中です。ここで気になった方は、紹介を読み進める前に第1話から本編へどうぞ。
▶ カクヨムで第1話から読む(無料)
https://kakuyomu.jp/works/2912051606750348171
最初は「村人が聖剣を抜く話」だと思っていた
再構成を始めた時、ワカバが最初に見ていたのは「勇者ではなく村人が聖剣を抜く」という反転でした。
それは今も作品の入口です。
ただ、24話を一つの流れとして組み直していくと、物語の中心は抜刀そのものではないと分かってきました。
勇者、回復役、剣聖、兵器。
この世界では、登場人物が最初から役割を割り当てられています。誰が何をするか、いつ出会うか、誰が消えるかまで、白い本のページに書かれている。
だから本当に描きたいのは、役割を奪うことではありません。
「書かれている通りに動かなくても、仲間でいられるのか」
その問いを、パン窯の火傷、空の鞘、祈りの本、傷だらけの大剣、青い記録光の中へ置きました。
第1〜3話で、物語の入口を三段にしています
第1話では、村人が聖剣を抜きます。テオが「返せよ」と言い、二人は王都へ向かうことになる。
第2話では、時間が少し戻ります。勇者に選ばれるはずだったテオと、幼馴染のセヴィアが「来ない未来」の話をしていた朝です。
第3話で、聖剣に残る悲鳴と、第百回という数字がつながります。世界を救う旅のはずなのに、そもそも世界の方が同じ一日を繰り返している。
初めて読む方は、まず第1話からどうぞ。
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旅の仲間たち
名もなき村人
パンを焼き、羊を追い、地図に名前がない。
それでも、聖剣を抜いたあとに「返せないなら、どうするか」を自分で考え始めます。
テオ
勇者になるはずだった少年。聖剣は抜けないけれど、村人を一人にしないことは選べる。
セヴィア
白い翼と、冷たい指を持つ少女。祈りが誰かの命令になっていることに、最初に気づいています。
リリィ
回復役として呼ばれた歌姫。でも彼女が選ぶのは、役割ではなく「帰りたい場所を忘れない」ための旅です。
ガレン
勝率ではなく、誰を置いていかないかを選ぶ剣聖。白髪、無精髭、傷だらけの黒鎧、裂けた赤い外套を身につけています。
ノア
命令を実行するための兵器として作られた少女。彼女の青い記録光は、消えたものを「なかったこと」にしないために灯ります。
登場人物のちびキャラは、本文のあとに順番に掲載しています。
この物語で残したいもの
魔王を倒せば、世界は救われる。
そういう物語を、僕は何度も読みました。だからこそ、この作品では最後に少し違う場所へ着地させたいと思っています。
誰か一人の最適解ではなく、失敗しても明日を選べる生活。
焦げたパンを分けること。
失った人の名前を呼ぶこと。
白い本に書かれていない朝を、自分たちの手で迎えること。
『100回目の勇者と名もなき村人』は、聖剣と魔王の物語でありながら、最後に残したいのは石窯の温度です。
読んだ方へ
もし第1〜3話を読んでいただけたら、次のどれかを教えてください。
・最初に「この人は信用できる」と思った人物
・聖剣を抜いた村人に、返してほしいと思ったか
・自分なら、白い本に一行だけ何を書くか
感想は短くても大丈夫です。読者の方がどこで人物を見つけたのかを知りながら、次の話を調整していきます。
▶ 作品ページはこちら
https://kakuyomu.jp/works/2912051606750348171
画像について
本記事の人物画像・告知画像は、本作の世界観に合わせて制作したオリジナル素材です。本文・画像ともに、既存作品の台詞・画像・固有意匠の流用は行っていません。







