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日本一周ツーリング ⑳

1986年8月8日(金)

熊本県天草市 『開門林道走破と酔っ払いのメシア!』

5:00起床。テントやNVのシートにうっすらと灰色の砂が。桜島の火山灰であろう。自販機の中まで灰だらけ。今日は鹿児島(錦江)湾を回り、薩摩半島を走る。

古江町公園。非常に環境良く、快適な野営であった。「ありがとうございました。」

昨日から飛行機の音だと思っていたが、活火山である桜島の音だった。阿蘇が九州の北の雄なら桜島は南の雄か。湯の平展望台に行くが、細かい火山灰が路面に浮き、滑る。色もアスファルトと酷似、迂闊に飛ばせない。

噴煙を上げる桜島。ゴーゴーと絶えず不気味な音。噴火しそうで怖い。

ここで宇部であったVF750氏と再会する。VFを立ちごけさせ、隣にあった俺のNVのナンバー付近を直撃。部品が破損し、その後ナンバーは常に右肩下がりになってしまう。「ナナハンライダーのくせにしょうがねぇなぁ…。」とは心の叫び。

時間、労力、タイヤの節約のため、340円払いフェリーで鹿児島市内へワープ。10分そこそこなので、バイクに跨ったまま。市内を抜け、池田湖に。「イッシー」の模型があるが、こんなのが本当に居たら怖い。怪獣が出てくる前に退散、走破したかった開門林道に。

こんなのが本当に居たら怖い。相当深いらしく、居ても不思議じゃない。

バイク雑誌の事前情報では「オン車でもOK」なんて書いてあったが、実際走ると全線ダート、溶岩、軽石やら砂の路面で走りにくい。「うそつき~!」荷物満載のNVでは相当手強い道。途中にある東屋で親切な地元の青年と話し、有益な情報を頂く。

開門林道。オンロードモデル、荷物満載での走行はキツい。キャリアのステーが折れないか不安。

何度かコケそうになるが、全神経を運転に集中、何とか無転倒で走破。それにしても開聞岳はきれいな形をしている。思ったまま言えば、女性のおっぱいのようである。徳島のあの一件を思い出す。ずっと見てられる美しさ…。

おっぱいのような形の開聞岳に向かって走る。(意味は無い)ほぼ左右対称の素敵な山だ。

加世田でパンとポカリスエットの昼食、その後、加世田経由で蔵之元まで一気に北上。蔵之元港から900円支払いフェリーで隠れキリシタンで有名な天草へ。このフェリーで今ではほぼ見なくなった多摩・八王子ナンバーの人達と会う。

また、SUZUKI SX200で日本一周中だという「風来坊」を名乗るA氏と出会う。I以外初めての同士だ。話の流れで、今日はA氏と一緒に野宿することとなった。

A氏と話し、お互い今日は面倒だし、仰々しいので、テントは立てず野宿しよう、と決まる。大江天主堂という天主堂を狙い、通りがかりのおじさんに取り敢えず許可というか賛同を得るというか、ご意見を伺うことに。何せ神の御許なので。

大江天主堂。出会ったA氏とここで野宿しようということになった。出典:トラベルjpガイド

そのおじさん、鼻が赤く、見るからに酔っ払っている。アルコール臭も凄い。歩き方もフラフラしているが、どこか凄く楽しそうだ。そのおじさん曰く「あそこじゃ蚊が多くてじぇんじぇん眠れんじゃろう~。」(熊本の方、間違っていたらすみません。巨人の星の左門豊作のイメージもあり、聞こえたまま書きました。)

「今晩はうちに来んしゃい。」とも。最初は固辞していたが、余りに強く勧めてくれ、お断りするのも逆に失礼な気もしてきたので、有難くお世話になることにする。家まで歩いて数分、ここで待つよう言われ、玄関の外で待っていると、家の中で何やら奥さんと揉めている雰囲気。

奥さんが「何で知らん人泊めるの?」と家の奥で。再度お断りしよう、A氏と話すが、知らない内に奥さんと話しが纏まったのか、「さぁさぁ、入りんしゃい。」となった。

名前もまだ言ってないので、名乗る。このおじさん一家はHさんといい、風呂も入れさせてもらい、ビールも頂き、メシもご馳走になり、兄の結納の関係で九州に来ている親にも電話させて頂いた。

本当にこんなことがあるんだなぁ…人情を感じた。それからHさんの親戚も大勢集まり、この島の状況や、東京の大学に進学希望のH家の親戚の青年に行き方を聞かれたり諸々…24時頃まで話し込む。

今日はひょんなことからちゃんとした家に泊まれることになった。Hさんの広い心、キリスト教の博愛心に感謝し、眠ろう。

■本日の記録
〇本日の走行距離 317.9Km.
〇燃費 志布志⇒垂水 23.3Km./L.
    垂水⇒阿久根 25.7Km./L.
〇宿泊地 熊本県・天草Hさん宅(泊)

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