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泥臭く生きるとは何か?20代の売上ゼロから始まった、200名の客と交わした「筋」の話|営業の真髄|人間関係の絆|泥臭い生き様|商売の裏側|50代の回想|

売るためなら魂まで売るか、それとも泥をかぶってでも己の筋を通すか。

20代前半、月のノルマ3000万円という頭がおかしいほどの数字が背中にのしかかっていた。俺がいたのは、客を会場の奥深くまで囲い込み、何かを買わせるまで絶対に外に出さないというガチガチの商売の現場だ。


展示会の前日、夜遅くまで営業車であるノアを走り回らせ、限界まで客を集めて迎えた当日。店長や社長の目が光る中、他の営業マンは午前中から客の腕にしがみつき、「似合ってますよ!」「綺麗ですよ!」とおべんちゃらを並べ立てる。だが、俺にはそれがどうしてもできなかった。似合わねぇものを無理やり売りつける気にはなれず、客には「好きなように見て回ってくれ」とスーパーの買い物のよう自由に歩かせていた。

当然、昼過ぎになっても俺の売り上げはゼロ。行く当てを失った俺の客たちを連れて、海老名のサービスエリアのレストランへ向かったのは、営業マンとして完全に失格の烙印を押された昼下がりだった。


「あんた、本当にノルマとか大丈夫なのか?」

不安そうに顔を見合わせる客たちに、俺は自分の財布から全額出したメニュー表を広げさせながら言った。

「大丈夫だ。欲しくもねぇもん買う方がおかしい。飯食って帰ろうぜ」

「あんたみたいな営業マン、初めて見たよ」

そう言って客同士で笑い合いながら、みんなで寂しく、しかしどこか冷えた空気の漂うメシを食った。営業所に戻れば、ドンと構えた店長が「本部長にどやされたぞ」と苦笑いし、事務員が「お疲れ様」と声をかけてくれる。俺は「申し訳ありません」と頭を下げたが、店長は「お前が客を思うのは大切だ。自分のやり方でやってみろ」と懐の深さを見せてくれた。


数日後、再び同じ客たちを連れて別の巨大な展示会場に足を踏み入れたときのことだ。入り口に立っていた本部長が、例のインチキ臭い笑顔を浮かべて言い放った。

「いらっしゃいませ。〇〇のために買ってあげてくださいね」

その一言で、俺の中で何かがブチ切れた。

「部長、俺のために? はぁ? 何言ってんだよ!」

声が自然とデカくなる。店長が慌てて俺の腕を引っ張り、「これが商売なんだ」と必死に宥めてくる。だが、俺は引き下がらなかった。

「客が本当に欲しいと思える商品を並べろよ! 押し売りなんてできるか!」


その場が凍りついたとき、俺の客の一人が、スタスタと本部長の前に歩いていった。

「部長さん。この子は私たちに気を遣わせまいと、一度だって無理強いをしたことがありません。だからこそ、私たちはこの子のためにこの会場に来ているんです。買わないんじゃない、欲しい商品が無いんです。あなたがたは、それすら分かっていないんですか?」

その言葉に、他店舗の客たちも次々と頷いた。本部長は真っ青になりながらも返す言葉を失い、ただ苦虫を潰したような顔で俺を睨みつけることしかできなかった。


その後、特にジュエリーには良いものがなく、昼食へ向かおうとしていたときだった。会場の片隅にぽつんと設けられていた呉服コーナーの前を通りかかったとき、客の一人が足を止めた。

「あんた、あの着物良いわねぇ……」

呉服の店員と楽しそうに話し始めた客を見て、俺もようやく肩の力が抜けた。すると、その客が俺を振り返って笑いながら言った。


「あんた、ほら、接客しなさいよ。私がこれ気に入ってるの、分からないの?」

「……あぁ、好きだよな、そういうの」

俺が淡々とそう返すと、その場にいた6人の客の目が変わった。営業なんて一言もしていない。自分たちが心の底から欲しいと思えるものに出会った瞬間だった。


呉服の担当者が示した金額を確認すると、客たちは財布から次々と札束を取り出し、即金で600万弱、200万弱、300万弱の品をその場で次々と買い揃えていった。

俺が「なぁ、本当にいいのか?」と戸惑うと、客の一人が力強く言い放った。

「当たり前じゃない! あんたの筋を通すのが私達でしょ!」


慌てて飛んできた本部長や本部の人間に、客たちはこう言い放ち、一蹴した。

「あなた方に奉仕をしたわけじゃありません。この子が筋を通し続けたこと、そしてここで本当に気に入る商品に出会えたから買ったんです。手のひらを返したような対応はもういい。あなた方も、この子の姿勢を少しは見習いなさい」

その日から、俺はこの「自分の筋を通す」やり方を3年間だけやり切ると心に決めた。支店のなかでは、プレッシャーに耐えきれなくなり、売り上げを達成できずに自宅の裏山で首を吊って命を絶った上司もいた。それほどまでに過酷で、狂ったような世界だった。


それでも俺は自分のやり方を曲げず、3年が経った日、客たちに「今までありがとう」と伝えた。

「もうここに来ることもなくなるな」

「寂しくなるわねぇ。最後くらい、うちでご飯食べていきなさいよ」

そう言って招かれた客の家で、温かい手料理をご馳走になった。


あれから十数年が経ち、55歳となった今でも、ふとスマホが鳴って「あんた元気にしてるのか?」「私が生きている間にまたご飯食べに来な」と気にかけてくれる。時々、あの人が作ってくれた温かい親子丼の味が無性に恋しくなることがある。あの3年間で繋がった200名以上の客たちのなかに、今でもそんな血の通った絆がしっかりと残っている。

綺麗ごとを並べて数字を拾うだけの商売じゃ、こんなものは絶対に生まれない。泥をかぶり、傷だらけになりながらも、自分の筋を一本通し続けたその生き様こそが、最後に自分を救い、本物の仲間を引き寄せる唯一の武器になるんだよ。


お前は、目先の損得や世間の目にビビって、自分の『一番大事なもの』を売り渡してはいないか? 綺麗に生きようとして、泥臭く筋を通すことから逃げ出していはいないか?

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\large\textbf{失敗なんて怖がる必要はねぇ。}
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それはお前が全力で挑戦したという、何より動かぬ証拠なのだから。


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\scriptsize\textbf{Precious Family Day 16}\\[-0.8em]
\Huge\textbf{💝}\\[-0.8em]
\large\textbf{さくら}\\
\scriptsize\textbf{『80%で生きる』道をつかみ取った、魂のホリスティックヘルスコーチ}
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サプライチェーンの最前線で責任を背負い込み、激務と離婚の荒波の中で心身ともに限界を迎えた過去を持つ。会議室で涙が止まらなくなったあの夜、「頑張ること」と「心身を整えること」は別物だと痛感させられた。

2023年5月に資格を取得してからも、あえて会社員という泥臭い現場から離れず、等身大の言葉を届け続けている。月曜の朝の憂鬱も、ざわつく心も、毎朝焚く一本のお香と白湯、そして夜のワインや年に一度の旅で一つひとつ鎮めながら、同じように戦う働く女性たちに寄り添う姿勢は本物だ。

完璧主義の檻から抜け出し、自分らしい「80%の余白」を守り抜くその姿は、痛いくらいにリアルで美しい。荒波を越えて自分の足で立ち続けるその生き様を、俺は誇りに思うし、全力でリスペクトしている。どんなに理不尽な現実が立ちはだかろうとも、さくらは何度でも自分のリズムを取り戻し、しなやかに立ち上がってくるぜ。


⚜️我流剛論 VOID_404🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥⚜️
⚜️最後まで読んでくれてありがとうな⚜️
⚜️泥くせぇから人生は面白れぇ、徹底的にいこうじゃねぇか⚜️

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