新たなパイプライン誕生!三菱ガス化学様との特許出願が示すもの。
note読者の皆さま、こんにちは。Veritas In Silicoの中村です。
最近は本当に暑い日が続いておりますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
今回は当社にとって非常に大きな、そしてこれからの未来を創るワクワクするような進捗についてお話しします。
さる8月3日、当社は三菱ガス化学様との共同研究において、「lncRNA H19」というがんに関与する遺伝子を標的とした、新たな核酸医薬品候補について共同で物質特許を出願いたしました。このニュースは、単なる特許出願にとどまらず、私たちが目指す未来に極めて重要な意味を持っています。今回は、この挑戦の裏側にある「5つの大きな成果」について、私の熱い想いと共にお伝えします。
1つ目:株主の皆さまとの約束を果たす、確実な一歩
私たちVeritas In Silicoは、中長期的な成長の指標(KPI)として、社内パイプライン(将来の医薬品候補)を創出していくことを掲げています。具体的には「2025年から2027年までに、年に一つパイプラインを作ること」を株主の皆さまとお約束してきました。今回の特許申請は、まさにこの株主の皆さまとの約束であったパイプライン創出を予定通りに達成できたという、ご報告となります。
2つ目:短期間で着実な成果を生み出す「プロジェクト遂行力」
医薬薬候補を作るプロセスは、単にお薬を設計するだけではありません。「どの病気の、どの遺伝子を標的にすれば本当に患者さまを救えるのか」という事前調査や検討に、多くの時間とエネルギーを要します。
今回はその綿密な検討からスタートし、当社の技術を駆使して医薬品を設計・検証しました。そして何より、共同研究の相手先である三菱ガス化学様とも何度も深く議論を重ね、研究開始から約1年という短期間で特許出願にまで至ることができました。これは、当社が医薬品プロジェクトを立ち上げて遂行し、第三者にもご納得いただけるレベルの説明もできたという、私たちの技術力と組織力を示すものとなります。
3つ目:当社技術の応用可能性の広がり
今回、私たちが創薬の標的として挑んだのは「mRNA(メッセンジャーRNA)」ではなく、「lncRNA(ロングノンコーディングRNA)」という分子です。lncRNAは、細胞の中で遺伝子の働きを調節したり、細胞の増殖や分化、がん化に関わったりすることが知られています。近年、特定の lncRNAが疾患の発症や進行に関与することが明らかになり、創薬標的としても注目されているものの、これまでは創薬の標的とすることが難しいとされてきました。
当社のプラットフォーム技術は「mRNAに適用できること」が論理的にも実験的にも実証されていましたが、今回は当社の技術が、「lncRNA」に対しても応用可能であることが実証されました。これは、私たちが対応できる創薬の領域が、低分子創薬も核酸医薬創薬ともに、これまでの枠を超えて、応用可能性がさらに大きく広がったことを示すことができました。
4つ目:「創薬の新しい常識」の実証
今回のプロジェクトでは、私たちはもう一つ「業界初の試み」に挑戦しています。それは、研究の最初期段階から、製造や精製がしやすく、適切なコストで作れるデザインを考慮して医薬品を設計する「QbD(Quality by Design)」という考え方です。
実は、一般的なバイオテク企業は、最終的に大手製薬会社へ研究成果物を売却することを目指していることが多いため、研究の初期段階で製造コストや作りやすさを考慮することは多くありません。しかし、私たちは研究の初期段階から三菱ガス化学様とともに、商業化の際の品質やコストまでを見据えて開発を進めました。この特許出願によって、私たちが業界に先駆けて取り入れようとした創薬におけるQbDの考え方が、間違っていなかったことが示されたといえます。
5つ目:私たちが目指す、次世代の「製薬会社」の姿
製造コストや量産のしやすさ、さらには臨床試験という未来の開発工程にまで初期段階から注意を払って創薬研究に取り組むことは、これまでの「バイオテク」の概念を大きく超えた取り組みとなります。私たちは、ただ新しい技術を見つけるだけの会社ではありません。自社開発したドラッグデリバリーシステム「Perfusio」との組み合わせなど、新しい取り組みも取り入れながら、医薬品を高品質かつ適切なコストで製造し、患者さまへ届けることを目指しています。今回の特許申請は、当社が製薬会社(スペシャリティファーマ)を目指す道のりの重要な一歩であり、間違いなく、スペシャリティファーマに近づいていると思うところです!
これからも全社一丸となり、確かな技術で医療の未来を切り拓いてまいります。
今後も引き続きVeritas In Silicoへのご支援を賜りますよう、よろしくお願いいたします。
