「ていねいな暮らし」じゃなく、ラクするために梅干しを作る
実はラク。自家製食品はコスパもタイパもいい
今年の梅干しを干し終わりました。
これにて、今年の梅仕事は完了です。仕込んだ量は2キロ弱。お店でちょっといい梅干しを2キロ買ったら、なかなかのお値段になります。
作るから安い。これはやっぱり大きいです。
私の梅干しは、赤紫蘇たっぷり、塩分20%。今どきの減塩梅干しとは反対方向へ、堂々と進んでいます。塩分が高いので長期保存がききますし、昔ながらの、しょっぱい梅干しが好きなのです。
干し終わった梅は、また梅酢に戻してしまいます。
せっかく干したのに戻すのか、と思われるかもしれませんが、大丈夫です。梅酢になじんで、しっとりした梅干しになります。梅干しにも、いろいろな流派があるようです。私は私のやり方でやっています。
漬けるときは、保存袋に1キロずつ。冷蔵庫に入れて、重石も使いません。
そのせいか、梅の皮がちょいとかためです。でも、そこはご愛嬌。売り物ではないし、梅干し屋さんでもありません。家で食べるものなので、ちゃんと食べられたら合格です。
自家製というと、毎日ていねいに手をかけて、朝から晩まで台所に立つような印象があります。
でも実際は、「毎日作るもの」よりも、まとめて仕込む保存食は作業が少ない。コスパもタイパもいいことがあります。
梅干し、味噌、塩麹、甘酒、ピクルス、干し野菜。
作業する時間そのものは、それほど長くありません。仕込んだあとは、発酵や乾燥や時間にお任せします。人間は最初と最後に少し働き、真ん中は菌やお日さまに働いてもらう。なかなか合理的です。
しかも、市販のちょっといいものを買うと、結構なお値段になります。材料が分かるのも、自家製のいいところです。
「ていねいな暮らしをしたいから作る」というより、
手間を減らしたいから仕込む。
買う回数を減らしたいから作る。
材料が分かるから作る。
私にとっては、そんな感じです。
「完璧主義」という言葉があります。最初からきちんとやろうとしすぎると、始めるまでのハードルが高くなります。保存食も同じで、道具を全部そろえ、立派な保存瓶を買い、完璧な手順で作ろうとすると、梅を買っただけで疲れてしまいます。
だから、肩肘張らずにやったらいいのです。
もちろん、手を洗う、道具や保存袋を清潔にする、傷んだ材料は使わないなど、基本的な衛生管理は必要です。でも、今より衛生環境も道具も整っていなかった時代から、梅干しは普通の家で作られてきました。本来なら誰もが気軽に作れるものです。
家で食べるものなら、少しくらい皮がかたくてもいい。形が崩れてもいい。毎年同じ味にならなくてもいい。
「適当」は、雑に扱うことではなく、自分の暮らしにちょうどよく合わせることだと思っています。
ところで、今年も赤紫蘇がたくさん残りました。
毎年これには困ります。ゆかりにしても、そんなに大量には食べきれません。でも、これは正真正銘、純国産の自家製ゆかりです。そう言うと、急にありがたいものに見えてきます。
さて、今年はどうしましょう。
あの人に今年ももらってもらおうか。
梅仕事は終わったはずなのに、赤紫蘇仕事だけが、まだ台所の隅でこちらを見ています。
