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「運がいい人」の最初の0.5秒を観察してみた

前回、人間関係の距離設定について書いた。今回は予告通り、「運がいい人のリアクション設定」を開けてみる。

これはかなりおもしろい発見だったので、できるだけ丁寧に言語化してみたい。

きっかけは、同じ出来事への反応の違いだった

あるとき、2人の知人が同じ週に同じようなトラブルに遭った。

ひとりは仕事の大きな案件がキャンセルになった。もうひとりも、ほぼ同じ規模の案件がキャンセルになった。

状況はほぼ同じ。ダメージも同じくらいのはず。

でも、1ヶ月後の状態がまるで違った。

ひとりはそのあとしばらく落ち込んで、次の案件にも消極的になり、「最近ツイてないんだよね」が口ぐせになっていた。

もうひとりは、翌週にはもう別の案件を動かしていて、結果的にキャンセルされた案件より条件のいい仕事が入っていた。

この差は何なのか。

能力の差には見えなかった。環境の差でもなさそうだった。

観察を続けていたら、ひとつだけ明確に違うポイントが見つかった。

トラブルが起きた瞬間の、最初の0.5秒の反応だった。

0.5秒に何が起きているか

悪いことが起きた瞬間、人の反応はだいたい2パターンに分かれるっぽい。

パターンA。「最悪。なんでこうなるの」パターンB。「あー、来たか」

どちらもネガティブな出来事に対する反応だから、落ち込むのは同じ。ここに差はない。

でも、最初の0.5秒に「なんでこうなるの」が来るか、「来たか」が来るかで、そのあとの展開がまるで変わるらしい。

「なんでこうなるの」が起動するとどうなるか

「なんでこうなるの」は、原因を探す反応。

原因を探し始めると、脳は過去に向かう。「あのときああしなければ」「自分のあれがダメだったんだ」。

過去に向かった思考はそのまま自己否定に接続しやすい。「やっぱり自分はダメだ」「こういうの多いんだよな」。

で、自己否定が入ると次の行動が鈍くなる。行動が鈍ると結果が出ない。結果が出ないと「ほら、やっぱりツイてない」になる。

0.5秒の反応が、数ヶ月先の現実を作っているっぽい。

「来たか」が起動するとどうなるか

一方、「来たか」は受け止めの反応。

原因を探していない。良いとも悪いとも判断していない。ただ「起きたことを認識した」だけ。

この0.5秒の差がなぜ大きいかというと、「来たか」のあとは思考が未来に向かいやすいらしい。

「起きたことはわかった。で、どうする?」

過去に戻らないから、自己否定に接続しにくい。自己否定がないから、次の行動が速い。行動が速いから、リカバリーが間に合う。

前に「いいことが続く人は、ダメージ後の回復設定が速い」と書いたけど、どうやらその回復速度の源泉はこの最初の0.5秒にあるっぽい。

これは性格ではないらしい

ここが重要なところなんだけど、「来たか」と反応できる人は、もともとポジティブな性格なのか、というと、どうもそうではないらしい。

観察していると、「来たか」の人にもネガティブな人は普通にいる。心配性の人もいるし、落ち込みやすい人もいる。

でも、最初の0.5秒だけが違う。

ということは、これは性格ではなくて、やはり「設定」なんだと思う。

過去のどこかで、意識的にか無意識的にか、「悪いことが起きたとき、まず受け止める」という反応パターンをインストールした人たちっぽい。

逆に言えば、今「なんでこうなるの」が先に来る人も、「来たか」にリプレースすることは可能なはず、ということになる。

ただし、力ずくでは変えられない

ここで正直に書いておくと、「よし、今日から悪いことが起きたら『来たか』って思おう」と決めても、最初はたぶん無理だと思う。

0.5秒の反応は、ほとんど反射に近い。考えて選んでいるのではなく、体が勝手にやっている。

だから、力ずくで変えようとしても「なんでこうなるの」が先に出てきて、そのあとに「あ、来たかって思わなきゃ」が追いかけてくる。これだと二重にストレスになるだけ。

じゃあどうするかというと、いつも通り、まず観察するところからでいいと思う。

次に何か小さな嫌なことが起きたとき、自分の最初の0.5秒に何が浮かんだかを、ただ見るだけ。

「あ、今『なんでこうなるの』が来たな」それに気づけたら、もう十分。

何度も書いているけど、裏設定は見えた瞬間に書き換えが始まる。0.5秒の反応も、どうやら同じ原理で動いているらしい。

「来たか」を無理に選ぶ必要はなくて、「なんでこうなるの」が出てきたことに気づくことを繰り返しているうちに、ある日ふっと「来たか」が先に出る瞬間がやってくるっぽい。

そういうものらしい。

今日から観察できること

今日もし何か嫌なことが起きたら、チャンスだと思ってほしい。

自分の最初の0.5秒に何が浮かんだか。「なんでこうなるの」だったか、「来たか」だったか、それとも全然別の何かだったか。

正解はない。どれが出てきても問題ない。ただ「あ、今のわたしの初期反応はこれだった」と記録するだけ。

嫌な出来事が、自分の裏設定を観察する素材に変わる。それだけで、その出来事の意味がちょっと変わると思う。

次回予告

次は「直感が当たる人と外れる人」の裏設定について書いてみようと思う。

同じ「なんとなく」を感じているのに、それを拾える人と拾えない人がいる。その差にある、たった1個のクセについて。

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