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マゞックも小説も僕の䞭ではやるこずは倉わらない人

むかしむかし、ある村に、幻語げんごずいう名の若者がいたした。幻語は䞍思議な才胜を持っおいたした。マゞックを披露するのも、物語を語るのも、圌にずっおは同じこずだったのです。
村人たちは最初、幻語のこずを理解できたせんでした。「マゞックず物語が同じだなんお、どういうこずだ」ず銖をかしげおいたした。
ある日、村に倧干ば぀が蚪れたした。䜜物は枯れ、人々は垌望を倱いかけおいたした。
そんなずき、幻語が村の広堎に珟れ、こう蚀いたした。「皆さん、私の話を聞いおください。そしお、目で芋おください」
幻語は物語を語り始めたした。それは、干ば぀に苊しむ村が、やがお豊かな実りを取り戻すずいう物語でした。圌の蚀葉は生き生きずしおおり、たるで目の前で情景が繰り広げられおいるかのようでした。
そしお突然、幻語は手品を始めたした。圌の手から氎が湧き出し、枯れた怍物が蘇るかのような錯芚を村人たちに䞎えたした。
村人たちは幻語の挔技に匕き蟌たれ、垌望の物語を心に描きながら、目の前で起こる「奇跡」に息を呑みたした。
幻語の公挔が終わるず、䞍思議なこずが起こりたした。村人たちの心に垌望が芜生え、みんなで力を合わせお drought に立ち向かう決意が生たれたのです。
圌らは新しい井戞を掘り、氎を倧切に䜿う方法を考え出したした。幻語の物語ずマゞックが、村人たちの imagination ず創造力を刺激したのです。
やがお、村は干ば぀を乗り越え、以前よりも豊かになりたした。
埌に幻語はこう語りたした。「マゞックも小説も、人々の心に wonder ず可胜性を怍え付けるもの。珟実を倉える力を持っおいるのです」
そしお「蚀葉の魔法、目の魔法、心を動かす」ずいうこずわざが、この村から広たっおいったずさ。
めでたし、めでたし。
ず思う2024幎10月12日23時23分に曞く無名人むンタビュヌ911回目のたえがきでした
【たえがきqbc・栗林康匘䜜家・無名人むンタビュヌ䞻宰】

今回ご参加いただいたのは ダマギシルむ さんです

幎霢䞍詳
性別男性
職業マゞシャン

instagramhttps://www.instagram.com/cafe_bar_magic/


珟圚マゞックも小説も結局「自分の理想を圢にする」っおいうのが楜しいんですよ。

ミミハムココロ
今、䜕をしおいる方でしょうか

ダマギシルむ
プロマゞシャンです。もっず正確に蚀うず、個人事業䞻  瀟䌚的には飲食店経営者ですね。いた、わざわざ「瀟䌚的には」ず限定したのは、子䟛の頃から「仕事っお䜕だろう」みたいな疑問があったからで。「その人は䜕者か」ずいう質問はむコヌル「その人は䜕の仕事をしおいるか」ずいう意味になるのが䞀般的ですけど、仕事っおたたたたそのずきの瀟䌚的に認知されおいる本人の䞀偎面に過ぎなくお  ずか面倒臭いこずを考えちゃう。「䜕をしおいるか」に察しお率盎に答えるず、僕はただ奜きなこずをやっおいるだけなんですけど、たたたた奜きなこずがいっぱいあったからそれを党郚やっお、その䞭で生蚈を立おやすかったのがマゞシャンで、その土台ずしお自分の飲食店を持぀のが僕の堎合は向いおいたっおいうだけですね。

ミミハムココロ
マゞシャンの方は具䜓的にどういったこずをされおるんですかね。

ダマギシルむ
自分の経営しおいる飲食店がマゞックバヌで。正確には「マゞックの芋れるカフェバヌ」。四幎半ほど前、二〇二〇幎の二月に独立しお、金沢駅から埒歩五分ほどのずころに開業しお。そこのお客様にマゞックをお芋せするのが䞀番倚いですね。その他に、むベントに出挔したりパヌティヌに呌ばれたりでお店以倖で披露するこずもありたす。

ミミハムココロ
始められたきっかけずかは。

ダマギシルむ
マゞックですか、お店ですか どっちから喋りたしょうか。

ミミハムココロ
そしたらじゃあ、たずマゞックで。

ダマギシルむ
マゞックは  最初の蚘憶は倚分䞉歳くらいですね。二歳䞊に姉がいるんですけど、自宅でマゞックを芋せおくれお。ハンカチにマッチ棒を入れお畳んでパキンず折っお、ハンカチから出すず折れたマッチ棒が元に戻っおいお  それを芋お「本物の魔法だ」ず思っお。姉は子䟛向けのマゞックの本でそれを芚えたんですけど、自分から頌みこんで蚊いたのか、もしくはその本をたたたた芋ちゃったのかは蚘憶があいたいなんですけど。皮を知ったずきにすごく幻滅したんですよ。僕が期埅したのは本物の魔法のやりかたであっお、どんなふうに準備しお、裏偎で実際に䜕が起きおいるか、そんな無味也燥な珟実を知りたいわけじゃなかった。

それで誰も悪くないのに、裏切られた、隙された、マゞックなんか嫌い  ずいうか譊戒しちゃう感じになっちゃっお。マゞックっお挔劇の䞀圢態なんですよ。挔じおいる圹が死んだずきに「死んでたせんから」っお俳優さんが蚀わないのず同じで、マゞシャンも「タネがありたす」ずは蚀わないけど、ただ、挔劇ず違っお、マゞックはどこたでが本圓で嘘かわからない。だから子䟛の僕にずっおはすごく胡散臭いもの、嘘で塗り固められた䞍誠実なものに芋えちゃった。それでずっず斜に構えおたんですけど。䞀〇歳ぐらいの頃、テレビでむリュヌゞョン、デビッドカッパヌフィヌルドずいう今でも珟圹でラスベガスでも掻躍しおるマゞシャンが出おきお。「自由の女神を消す」ずいうマゞックがあっお。それで  䟡倀芳が根底から倉わっちゃっお。

たたたたそのタむミングで  僕は石川県の癜山麓出身なんですけど、地元の図曞通が新しくできお、行ったらマゞックの本があっお、それでマゞックを始めたした。圓時はYouTubeずかもなかったから、ずっずそうやっお本だけでマゞックを芚えお。圓然、最初は趣味ずいうか、あんたり人には芋せなかったんですよ。緎習ばかりしお。「自分の理想を圢にする」っおいうこずが楜しかったんです。だから、それを人に芋せお喜ばせおっおいうのが目的じゃなかった。そうやっお自分のためだけにずっずやっおたんですけど、色々あっお今は仕事になっおたす。

ミミハムココロ
次は、飲食店の方も。

ダマギシルむ
父芪が飲みに行くのが奜きで。䞀〇歳ぐらいの頃にマゞックバヌに連れお行っおもらったこずがあるんですよ。圓時はそのあたり寛容な時代で。それが生たれお初めお芋るプロのマゞックで。マゞックバヌ以前に「バヌ」っお行ったこずのない人にずっおはすごい敷居が高いものだず思うんですけど、そんなこずもあっお僕にはむしろ憧れの堎所ずいうか、原颚景なんですよね。倧孊生時代もバむトは倜の飲食店だったんですけど、倧孊を卒業しお県倖に就職したけど転職しお金沢に垰っおきお、平日の日䞭はサラリヌマンをし぀぀、倜や土日にマゞシャンをするみたいな二重生掻をしおいる時期があっお。

その時期で出挔したむベントで、ずある飲食店経営者のかたに出䌚っお。その人が「新しくお店を䜜りたい」ず。その人自身もマゞックをやる人で「二軒目はマゞックバヌはどうだろう」ず挠然ず思ったずころに僕ず出䌚っお。意気投合しお、僕もサラリヌマンを蟞めお、その人が新しく䜜ったマゞックバヌをいきなり䞀軒たるごず任されるこずになっお。カりンタヌだけの、䞀〇人しか座れないその小さなマゞックバヌを二〇〇九幎䞀〇月から二〇䞀九幎末たでの䞀〇幎ちょっず続けお。二〇二〇幎に独立しお、金沢駅前゚リアに移転しお、ワンフロア䞞ごず䜿える広いテナントでれロから内装を䜜っお、それなのに開業したタむミングで新型コロナりむルスが䞖界䞭に蔓延しお  ひずたずお店を䜜った経緯ずしおは、そういうこずですね。

ざっくり説明したしたけど、なにか远加の質問ずかあれば。

ミミハムココロ
先にですね、お仕事以倖の時間は他に䜕かされおたすか

ダマギシルむ
読曞ず執筆ですね。

ミミハムココロ
読曞ず執筆。

ダマギシルむ
子䟛の頃から小説が奜きで。䞭孊生くらいの頃に初めお「自分でも小説を曞いお本にしたい」ず思っお。結局、最初に短線小説を曞くこずができたのは䞀〇幎前くらいなんですけど。いた  ずいうかこの䞀〇幎くらいは長線小説を曞くために、仕事ず家族ずのの時間以倖のすべおの生掻を、ずっず読曞ず執筆に充おおたすね。最初に「䜕をされおるかたですか」っお聞かれた時に蚀い淀んだのは  いた小説家ずしおの瀟䌚的な実瞟はれロですけど、自分自身の認識ずしおは、僕は小説家なんですよ。僕の䞭でマゞックず小説の境目っおいうのは党然ないんですよね。テレビみたいなものです。チャンネルを倉えるず映るものが倉わるけど、でもテレビ自䜓が倉わるわけではない。マゞックず小説は、衚珟手段、出力のチャンネルが違うだけで。

ミミハムココロ
小説は曞いおいおどんなずころが楜しいんですかね。

ダマギシルむ
掚理小説、本栌ミステリが奜きで。小っちゃい頃からいっぱい䜜品を読んでいく䞭で、自然ず自分でも新しいトリックを思い぀いお。それはマゞックの知識や経隓があるからトリックを䜜りやすいかったんでしょうけど、それでトリックだけがいっぱい溜たっおいっちゃっお。

ずいうのは、それをいざ小説にしようず思うず、人ず人の関係、ドラマを䜜らないずいけないわけで。「どうやったら人間を掻き掻きず描けるか」みたいなずころを長幎ずっず悩み続けおきおいお  ただ、その悩むこず自䜓は最高に楜しいですね。悩みずいっおも目的地が明確だから、苊しいのは苊しいけれど、絶望的に苊しいわけじゃない。ただ到達できないだけでゎヌルは明確にそこにあるのが芋えおいる。マゞックも小説も結局「自分の理想を圢にする」っおいうのが楜しいんですよ。マゞックは自分の理想を䜜品にできおいるし、できおいないものも時間や予算が必芁だから着手しおいないだけで、なにをどうやれば䜜品になるかはもう知っおいる。でも小説はただ、なにをどうしたら自分の理想を䜜品にできるか未知の郚分が倧きくお、だからこそ燃えるんでしょうね。

ミミハムココロ
そのマゞックバヌず小説家で蚀ったら、小説家の方が燃えおいるずいう。

ダマギシルむ
䞀般的には「人を楜したせるのが奜きでマゞックを始めた」みたいなマゞシャンが倚いんでしょうけど、僕が奜きだったのは自分の理想を圢にするこずだったから、むしろ「マゞック芋せおよ」ずか蚀われたら「恥ずかしいし無理」ずいう感じで。䞀旊、䞀般䌁業の䞀般職を経おマゞシャンになったんですけど、仕事に぀いお暡玢する䞭で「自分の胜力で他人にずっお䟡倀のあるものはどれか」を芋極めお、それでマゞシャンになったから「自分が楜しいからやる」ずいう段階はずっくに通過しおいお、だから、いたはマゞックは「お客様のためにやる」のが楜しいですね。理想の远求が終わっおいたこずで、お客様ずのコミュニケヌションに専念できる状態に、結果的になっおいたのが倧きかったなず。頭の䞭で䜜ったものっお、机䞊の空論だけにある意味では完璧なんですけど、それを実際にお客様の目の前に立っおマゞックを挔じお、お客様の衚情や反応を芋ながら臚機応倉に埮調敎したり、堎合によっおは厩しちゃったりするのがものすごく楜しいですね。あれ、質問なんでしたっけ

ミミハムココロ
あ、いえいえ。党然合っおたす。

ダマギシルむ
マゞックはラむブパフォヌマンスだから、同じ時間、同じ堎所で同じ䜓隓を目の前のお客様ず共有するわけで、それが「匷い」んです。配信や蚘録映像においお、これはどうしおも倱われおしたう。カメラやディスプレむの存圚以䞊に、そもそも同じ時間に同じ空間にいないわけですから。ラむブには絶察条件があっお、それは「私ずあなたが同じ時代を生きおいる」ずいうこずなんです。この䞖界に生を受けお、生きおいるのはそれだけで奇跡で、぀たり私ずあなたが出䌚うのは奇跡をも超越しおいる。だからラむブが匷いのは圓然なんですよ。人ず人が䌚うこず自䜓が匷いわけですから。

䞀回性、その堎かぎりであるこずに䟡倀があっお。僕が死んでしたったら僕のマゞックは氞遠に  映像に残すこずはできたずしおも、ラむブパフォヌマンスずしおの僕のマゞックは氞遠に倱われるわけです。すべおの人間は、過去にも未来にも二床ず存圚しない耇補䞍可胜なものだけど、でも、小説は耇補可胜だから、時空を飛び越えお存圚するこずが可胜で。

マゞックっお花火みたいなものなんですよ。映像の花火倧䌚も芋るのももちろん綺麗だけど、やっぱり実際に䌚堎に行っお、火薬の爆ぜる匂いずか、その音が空気を震わせおお腹の底に響く気持ち悪さずか、ずっず倜空を芋䞊げた銖の疲劎感ずか  その「肉䜓的経隓性」のようなものこそ鑑賞行為の本質であるわけで。

䞀回性だからこその䟡倀があるんですけど、反察に、その儚さがやはり寂しくもあっお。小説だず僕が死んでもこの䞖界に残る可胜性がある  そこに、そうですね、そこに䟡倀ずいうか、マゞックずは違ったやりがいを感じたすね。

ミミハムココロ
今マゞックバヌず小説家ふた぀続けられおるんですけれども、今の生掻で䜕か䞍満ずかはありたすか

ダマギシルむ
䞀切ないですね。奜きなこずを奜きなだけやっおいるから  匷いお蚀うなら、二〇二〇幎二月に独立しお開業したタむミングでコロナ犍が始たっお  絊付金を申請したり、貯金を切り厩したり、付加䟡倀を远究した䞊で䟡栌改定したりで経営を建お盎しお、去幎やっず蚭立圓初に想定しおた目暙倀に売䞊が届いお「やっず最初のスタヌトラむンに立おたなあ」ずか思っおたんですけど。

今幎の元日に胜登半島地震があっお、䞀月、二月の売䞊がほずんど蒞発  䞀〇〇䞇円単䜍の損倱が発生しお。コロナ犍みたいに補償があるわけじゃないから、だから今幎は単玔蚈算でその売䞊枛はマむナスで。そういう「経枈的にもうちょっず安定したらいいな」は思いたすけど、でも、それは飲食業で独立した圓初から想定内だからなあ。売䞊が安定しおほしいずいうのは䞍満じゃなくお願望なわけで。

小説を曞くにあたっおは、自分の胜力の足らなさ、自分の理想になかなか到達できなくお、そういう意味で自分自身に察する䞍満  ずいうか怒りはすごくありたす。こればっかりは他人や環境のせいにはできないし。そもそも自責思考じゃないず個人事業䞻はやっおいけないんですけど。だから呚囲や珟状に察する䞍満は皆無ですね。自分に察する䞍満ばっかり。ただ、そもそも䞍満だずいう認識ですらないずいうか、䞍満ずいうのはなんらかの䞍足を意味しおいるわけで、だからたず䜕が足りないかを芋極めお、それが補えるならそうすればいいだけ。たずえば自分に胜力がない堎合は、その胜力を身に着けるか、他人に胜力を提䟛しおもらうか、もしくは、いたの胜力で可胜な方法を暡玢するか、もしくは目暙自䜓を倉曎するか。その四択しかないはず。僕は自己研鑜が奜きなので䞀番目ず䞉番目で解決するこずが倚いですけど。

ミミハムココロ
マゞックバヌでも小説家の方でもいいんですけど、同じような職業の他の方ずの亀流ずかは結構あるんですか

ダマギシルむ
小説関係の友人の方が倚いですね。マゞシャンは自己䞻匵や闘争心が激しい人が倚いのず  マゞシャンはプロずアマチュアの垣根がすごく䜎いんですよ。ミュヌゞシャンず䌌おお、楜噚が挔奏できれば誰でもミュヌゞシャンなのず䞀緒で、マゞックができるなら誰でもマゞシャンを自称できちゃう。どちらも実力瀟䌚ですけど、だからこそ、たずえば音楜だず䞋手をするずミュヌゞシャンじゃない䞀般人から「あい぀音痎だよね」みたいな蚀われかたをされちゃったりするわけで、それも同じかな。実力がすべおで、しかもその実力を客芳的に保蚌するのは難しいから、俗にいう「マりントを取る」ムヌブが倚い。自分の実力や成果で自分の承認欲求を満たせられない人は、口先でそれを満たそうずし始めるんですよね。そのほうが楜だから。

違う点を探すずすれば、プロマゞシャンは個人事業䞻の割合が圧倒的に倚いですけど。音楜の䞖界にはレヌベルや事務所がありたすよね。たあ今はCDの時代じゃないから、昔ほどメゞャヌ配絊に暩嚁はないのかもしれないですけど。珟圚の僕を音楜に䟋えるなら、自分の個人事務所からセルフリリヌスしおいるような状態なんですよ。䜕の埌ろ盟もない。

その状態だず自分でお店を経営しお、業界の賞を戎いたり、海倖で実瞟を䞊げたりしおも、「あんなお店すぐ朰れる」「審査員を買収した」「実瞟を盛っおいる」みたいなこずをすごく蚀われやすい。たあこれは人気商売の業ずか性のようなものですけど  マゞックは秘密を扱う仕事だから、よほど芪しくないず裏偎の話はできないんですよ。孊生の頃にアむデアの盗䜜隒動に巻き蟌たれたこずがあっお。だからアむデンティティを確立しおいないマゞシャンずは距離を眮かざるを埗ないんですね。じゃないずマりントを取られるか、真䌌されるかで、確実に嫌な思いをするこずになる。いや、本人のアむデンティティじゃなくお、僕に察しお䞀定の尊敬があるかどうかなのかもですけど。たあ、基本的に自宅ず職堎の埀埩ばかり、それ以倖は執筆ず読曞ばかりだから、そもそもあんたり人ず䌚わないんですけどね。無理に増やさなくおも孊生時代や小説関係の友人がいるので、それなら自分の時間を倧切にしたい。

小説は  僕は本栌ミステリが奜きなんですけど、掚理小説はネタバレ厳犁だからSNSずかに感想を曞きづらい。地元にミステリ䞭心の読曞䌚があるんですよ。「来月はこの䜜品の読曞䌚をやるから、䟋䌚の日たでにこれを読んできおね」ずいうかたちで課題所が決たっおいお。そこに集たった人は党員その本の内容を党郚知っおるから、ネタバレOKで自由に語れる。その䟋䌚が毎月あるから、どれだけ忙しくおもそれには参加しお、だから小説を曞くずいうよりも読曞぀ながりの友人が倚いかな。

マゞックも小説も「どこからがプロか」が話題になりやすいんですよね。小説だず商業出版  自費出版じゃなくお、出版瀟が本にしおくれおそれを曞店が売っおくれおっおいう状態がひず぀の目安ですけど、その堎合でもたずえば「数幎前に商業出版の本を1冊出したきりの人はいたプロなのか」みたいなこずを蚀われたり。これに技術論みたいなものがからむず、もう地獄ですよ。「プロだけど䞋手なマゞシャンず、アマチュアだけど䞊手いマゞシャンは、どちらが䞊か」みたいな䞍毛な議論  議論未満の口論がSNSでもオフラむンでも毎日のようにあちこちで発生しおいる。

僕の結論はすごい明確なんですよ。プロフェッショナルずいう蚀葉には「職業」ず「専門家」の二぀の意味があるけれど、たず埌者であるこずを客芳的に担保する制床や数倀はないので、これを無芖したす。乱暎ですけどね。そうするず「職業」ずしおの意味だけが残る。最初に「瀟䌚的には」ずいう衚珟をしたしたけど、぀たり反察に蚀えば、その人の職業である、プロフェッショナルであるずいうのは自分が決めるこずじゃない。瀟䌚が決めるこずなんです。これを客芳的に刀断する基準はあるか  あるんですよ。日本囜憲法にある䞉倧矩務は、教育の矩務・劎働の矩務・玍皎の矩務ですけど、埌者二぀はほずんどセットず蚀えお  ぀たり「玍皎しおいるのがプロ」が僕の結論ですね。本業が別にあっお、マゞシャンは副業ずいう方も盞圓数いらっしゃるんですけど、謝瀌を合算しお幎間二〇䞇円を超えれば玍皎の矩務が発生するわけですから、その堎合、その人は立掟なプロマゞシャンずいうこずになる。ちゃんず玍皎すればですけどね。反察に蚀えば、どれだけ皌いでも玍皎しおいなければプロじゃない。

過去瀟䌚人になっおすぐくらいの頃は「普通にならなきゃ、普通にならなきゃ」みたいなプレッシャヌ、自分に察する匷迫芳念みたいなものがものすごいありたしたね。

ミミハムココロ
振り返っおですね、自分っおどんな子䟛だったなず思いたすか

ダマギシルむ
倉な子䟛でしたね  むしろ自分から倉な方向に行ったうずいうか。「普通だ」っお蚀われるのがすごい嫌で、だから倉なこずばっかりしおたしたね。いたずらっ子ずいうか  たぶん構っおもらいたかった。寂しがり屋なんでしょうね。あず、䞉歳ぐらいから文字が読めたんですよ。ずっず子䟛の頃から本ばかり読んでお。攟任䞻矩の䞡芪が蚀うには、その点では子育おが楜だったみたいで。テレビの前に座らせおおけば䜕時間でも集䞭しお芋おたから、手をわずらわされるこずがなかったらしくお。いたでも過集䞭の気がありたすね。仕事をしおいたら時間があっずいうた。

だからか子䟛の頃からすごい目が悪くお。だから球技が苊手でしたね。昔からむンドアなんですけど負けず嫌いだし、過集䞭だから倉な持久力があっお、あずは倉なずころで鈍感ずいうか、苊しみに察する耐性があるず思うんですよ。痛みに察しおはむしろ匱いくらいなんですけど。だからマラ゜ンずか䜓力テストの成瞟は悪くなかったんですけど。瞬間的な身䜓反射を芁求されるものがダメなんですよ。焊る状況に远い蟌たれるのがすごく苊手で。シュヌティングゲヌムずか栌闘ゲヌムずかすごく匱いんですよね。マリオずかマリオカヌトずかも䞋手くそ。あず平行感芚が求められるこずが苊手。バランスを取るのっお身䜓反射の連続ですからね。䞭孊生になるたで自転車に乗れなかったんですよ。田舎だから自転車がないずどこにも遊びに行けなくお。あず、たたたた田舎のその集萜に自分の同玚生がいなかったんですよ。䞀぀䞊ずか䞋にはいたんですけど。

そんなこんなで結果的に䞀人でいるこずが倚かったのかなず。四人兄匟なんですけどね。それで倉であるこずが蚱容されおしたったずいうか。「普通」っお蚀われるのが嫌でずっず倉なこずやっおお「空気が読めない」ず思われおいただろうけど、むしろこっちからずらしちゃうんですよ。「普通」を理解しおいるが故にしたくないずいうか。ひねくれおいるずいうか、呚りから求められおるこずに察しお、ちょっずあえおずれたこずをやるみたいな子䟛でした。

だから就職や仕事では苊劎したしたね。瀟䌚人になっおすぐくらいの頃は「普通にならなきゃ、普通にならなきゃ」みたいなプレッシャヌ、自分に察する匷迫芳念みたいなものがものすごいありたしたね。でも今は反察になくなっちゃったかな。むしろ小説やマゞック、創䜜の䞖界では、類型的な発想は培底しお避けないずいけないので、逆に今は「なんで普通のこずしか思い぀かないのか」みたいに思うこずのほうが圧倒的に倚いですね  たずめるず、子䟛の頃はずにかく倉な子でした。そのたた倧人になっちゃいたしたけど。

ミミハムココロ
マゞックは䞀〇歳の頃に出䌚ったんですよね。

ダマギシルむ
そうですね。正確にいうずその頃に初めおマゞックを芚えたした。

ミミハムココロ
孊校ずかで誰かに芋せたりはしおたんですか

ダマギシルむ
小孊生の頃っお孊芞䌚ずいうか  お楜しみ䌚みたいな時間があったず思うんですけど、そういう時にやったりはしたしたね。でも、それ以倖は特にしなかった気が。トランプっお芁は遊び道具だから、孊校に持っお行くのはあたり歓迎されなかったず思うし、たあ機䌚があればやろうかなっおいうぐらいだったかなず。

実家が鉄工所なんですけど、工堎の隣にネゞずか配管の郚材ずかを売っおいる店舗スペヌスがあっお、それがリビングずドア䞀枚で隣り合わせで。田舎だからいきなりガラガラっおドアが開けお知らない倧人が「これ欲しいんやけど」っお。そのせいか、子䟛のずきからずっず、面識のない倧人の人ず喋るのがすごい苊手で。だから取匕先の人なんかが来るず、䞡芪は「ちょっずマゞック芋せおあげなさいよ」ずいう話になるんですけど、すごいそれが嫌で。こちらの事情を聞かないたた、なにかを匷制されるのは今でもすごい苊手ですね。

だから電話も怖かったんですよ。孊校から垰っおきお、倕方、家にいるず電話が鳎っお。たたたた倧人の人が党員出払っおいたりするず、僕が取るしかなくお。そうするず、いきなり知らない人から郚品の泚文がどうずかバヌっずたくしたおられお。盞手の顔が芋えないから䜙蚈に恐くお、それなのに父芪が垰っおくるず、甚件ずちゃんず聞けっお怒られお。だから初察面、特に幎霢が䞊の人ず喋るのはずっず苊手だったんですけど、二十六歳でいきなりマゞックバヌの責任者になっお、䞀人で店頭業務党般をするこずになっお、そうなるず毎晩のように初察面のお客様ず䌚話するこずが避けられないわけで。最初は雑談ずか䞖間話ずか党然できなかったのに、色々な倱敗ずか詊行錯誀をしながら続けおいる間に、反察に、今は知らない人ず喋るのがすごく楜しくなっちゃっお  あれ、質問なんでしたっけ

ミミハムココロ
質問は、マゞック孊校で芋せたりするのかなず思っお。

ダマギシルむ
うん。だから機䌚があるずきにだけ、ずいう感じでしたね。

ミミハムココロ
䞭高ずかで郚掻に入っおたりしたしたか

ダマギシルむ
䞭孊校、郚掻は匷制加入だったんですよ。田舎だから䞀孊幎䞀クラスしかなくお、䞖代によっおは䞀孊幎数人しかいなくお。男子は野球郚、女子は卓球郚しかないから、党員入らないず郚掻が成立しなくお。それでも僕くらいの頃から子䟛がだんだん枛っおきおお、僕が䞭孊䞀幎生の倏たでは野球郚だったんですけど、倏の倧䌚埌に野球郚がなくなっおバレヌボヌル郚に倉わっお。圓然、バレヌ郚も匷制参加で。

高校に行っおからは小説の圱響もあっお「音楜したいな」ず思っお。高校は進孊校だったんですけど、軜音楜同奜䌚があっお、そこに入っお。䞉幎生の時には郚長もやりたした。同奜䌚なんですけど、校舎の特別教宀棟の最䞊階の、いわば孊校の僻地に郚宀、ドラムやアンプが眮いおあるスタゞオがあっお。みんなで盞談しお「䜕曜日のこの時間垯はこのバンドの緎習時間」みたいなタむムテヌブルがあっお、奜きな先茩の緎習時間に遊びに行ったりしお。バンドメンバヌの䞭孊生時代の友達、孊倖の友達もできお、孊倖の掻動、わりず倜だったんですけど、ラむブハりスに出たりずか。奜きなこずばかりやっおきたっおいうのはそういうこずですね。矎倧に行くくらいだから子䟛の頃から絵が䞊手くお、音楜もやっお、マゞックもやっお、いたは小説も曞いお。ずは蚀っおもすべお埗意だったわけじゃなくお。孊生時代は䜜曲ずか映像制䜜ずか、手が出せそうなものを片っ端からどんどん詊しお、うたくいかなかったこずは自然ず遠ざかっお、たたたた残ったのがマゞックずか小説っおいうのが自分の感芚なんですよね。

ミミハムココロ
先ほどなんか「孊生の頃にアむデアを取ったり取られたりがあった」っおおっしゃっおたんですけど、これはどういう。

ダマギシルむ
マゞシャンず䞀口にいっおも、色々な立堎があっお。さっきみたいに音楜に䟋えるなら、たず䜜曲者がいお、それずは別に挔奏家がいお、たたたた䜜曲者ず挔奏者が䞀緒だったらそれはシンガヌ゜ングラむタヌず呌ばれたりしたすよね。

マゞックでも「マゞックを挔じるのは苊手だけど考えるのは埗意」みたいな人、音楜でいう䜜曲者みたいな人がいお、マゞックの堎合は「クリ゚むタヌ」ず呌ばれお。クリ゚むタヌは、マゞックの道具や教材を販売したり、教宀を䞻宰しお収入を埗る。぀たり音楜の䞖界では䜜曲家だったり楜噚制䜜者だったり音楜講垫だったりになるわけです。䞀般的に「マゞシャン」ずいうのは、音楜における挔奏家や歌手、぀たり「パフォヌマヌ」ずしおの意味になるし、僕もできるだけその意味でマゞシャンずいう蚀葉を䜿うけど、䞍思議なこずにマゞックの䞖界ではパフォヌマヌ以倖もマゞシャンず認識されおいたりする。

それで、高校生の頃から金沢垂内の瀟䌚人サヌクルに参加するようになっお。それはその䞻宰者に誘われたからなんですけど、僕が倧孊生の時、その人が僕のアむデアを自分の䜜品ずしお発衚  教則本ずしお販売しちゃったんですよ。倚分悪意がないずいうか、その人は自分で考えたものだっお誀解しちゃっおるっぜいんですけど、それでも事前に蚱可を埗るなり、議論が平行線になったずしおも。たずえば連名にするずか色々ず方法はあったはずで。そういった抗議を䞀切受け入れおもらえなかった。それで瞁を切りたした。その時点で䞀〇数幎の付き合いがあったけど、その間に溜たっおいた䞍満がその䞀件で噎出しちゃった。以来ずっず秘密䞻矩ですね。同業者に察しお自分の秘密は絶察に明かさない。僕のリスク管理が甘かったのは事実だから。

ミミハムココロ
家族、芪からはどういうふうに育おられたなずかはありたすか

ダマギシルむ
完党に攟任ですね。頭の回転が早くお勉匷しないでもできちゃったタむプの子だったから、宿題ずか䞀切やらなくお、それはすごく蚀われたしたけど、頑固な子䟛だったから䜕を蚀っおも聞かないし、蚀うずむしろ反発しおろくでもないこずをし始める。だから攟任でしたけど、そのぶん奜きな事を䜕でもやらせおくれお、それはすごく感謝しおいたす。぀たり、ものすごく甘やかされお育おられた。これはすごく恥ずかしいんですけど  僕、小孊生に䞊がるぐらいたで自分で着替えができなくお。奜きなこずばっかりやっお蚀うこずを聞かないから、時間がくるず母芪が目に䜙っお着替えさせおくれお。それくらい奜きなこずしかしないで育ちたしたね。

ミミハムココロ
芚えおるんですね、そんなの。

ダマギシルむ
自分の蚘憶はないんですけど、未だに芪から「あんたすごい倉な子で、自分で着替えもできなくお」みたいなこずを蚀われるので  ずっず頭の䞭で「自分の奜きなものを䜜るにはどうしたらいいか」ず考えおいる生掻をすごい小っちゃい頃からやっおるんですよね。根がそれなので、やっぱり瀟䌚人ずかサラリヌマンには向かなかったですね。

ミミハムココロ
䞀床なられたんですよね。

ダマギシルむ
うん、なりたした  ええず、矎倧出身なんです。金沢矎術工芞倧孊のデザむン科を出お  䞀浪で入っお留幎もしお。䞉幎生を二回やったんですけど  あれ、質問なんでしたっけ

ミミハムココロ
えっず、倧孊も行かれおサラリヌマンも行かれた。

ダマギシルむ
僕、損切りが埗意なんですよ。あるずころたでは熱心にやるけれど「もうこれ駄目だなあ」っお思うず、そこでパッずやめちゃう。倉なずころで諊めが良いずいうか、芋切りを぀けるのがすごい速くお。さっきの地元のマゞシャンず揉めた件でもそうだし。矎倧でも同玚生や先茩埌茩にすごい人がいっぱいいお「デザむンじゃ闘えないな」ず思っお。浪人しおたで矎倧に入ったのに、あっさりず䞀般䌁業に就職しお、掟遣䌚瀟の営業マンになっお。

そうそう。留幎した理由っおいうのは、僕、朝起きれなかったんですよ。それで必修の授業の単䜍を萜ずしちゃった。再詊隓の日も起きれなくお、それで留幎。今は良い時代ですよ。スマヌトフォンのスケゞュヌルアプリがあるから。圓時もスケゞュヌル垳を買っお頑匵ろうずしたけど、スケゞュヌル曞くのを忘れるし、曞いおも芋るのを忘れるし、そのうちにスケゞュヌル垳自䜓をなくしちゃう。あずスマホず違っお、玙のスケゞュヌル垳は時間になっおも起こしおくれない。

そういえば営業マン時代の最倧の事件は、党瀟䌚議に寝坊したこずで。圓時は富山だったんですけど、起きたら東京で䌚議が始たっおいる時間で。盎属の䞊叞に電話したら絶句しお「自分でなんずかしろ」っお䞀蚀で電話を切られお。取り敢えず営業所に行っお、飛行機の時間を調べたけど、党然本数がない。急行で越埌湯沢から新幹線に乗り換えおも䞉時間以䞊かかっちゃう。そこからが冎えおたんですけど、僕の仕事の鉄則は「キヌパヌ゜ンを抌さえるこず」で、䌚瀟の䞀番のキヌパヌ゜ンは圓然瀟長ですよね。だから䌚瀟の圹員名簿から瀟長の携垯電話に電話しお「申し蚳ありたせん。さきほど起きたした。午埌二時過ぎに着きたす」ず盎接報告。それから電車で行っお。もう究極の重圹出勀ですよね。新卒の平瀟員なのに。怒られるのを通り越しお呆れられたから遅刻も事実䞊䞍問だったし、反察に「あれはファむンプレヌだった。俺ならできない」っお瀟長に電話したのを耒められたり。

話を戻すず、そんな感じだから卒業自䜓が危うくお。だから「就職は埌回しでいいや」っお、たず卒業するこずに専念したんですよ。それで埌回しにしおるうちに卒業しちゃっお。だから就職掻動は卒業匏が終わっおから始めたんです。「流石にやばい」ず思っお、急に色々調べお、でも圓時はリヌマンショックの埌で氷河期だったから、入れるだけマシずいう状況で。どこに行っおもキツいんだろうず思っお「䞀番絊料のいいずころでいいや」「もうブラックでいいや」ず思っお䌚瀟を決めたら、本圓にブラックで。だから営業マンだったんです。そうやっお遞んだから。挠然ず「ずりあえず東京行きたいな」ずだけ思っおいたから本瀟採甚のずころを遞んだはずが富山に営業支店を䜜るぞっお話になっお「立ち䞊げ芁員で行っおくれ」っお蚀われお。それで富山に半幎だけ䜏んで。

ちなみに倧孊進孊のずきも第䞀志望は県倖だったんですけど、そこは萜ちちゃっお第二志望の金沢矎術工芞倧孊に行っお。北陞から離れられないのは、きっずそういう星の元に産たれたんだなず。それで富山に行ったんですけど「新卒の新入瀟員を新芏営業所の立ち䞊げ芁員にするのか」っおいうのは驚きたしたね。蚭立数幎目でなにもかもが勢い任せの䌚瀟でした。

さっき蚀った盎属の䞊叞  所長がいお、営業マンの僕がいお、もう䞀人、採甚担圓の人がいお。正瀟員掟遣ずいっお自瀟採甚の正瀟員を掟遣先に出向のようなかたちで掟遣する。だから採甚はいわば仕入みたいなものですけど、䞀週間ぐらいでその採甚担圓の人がいきなり蟞めちゃっお、所長ず二人になっお  所長がすごい良い人だったんですよ。瀟䌚人ずしおの仕事のむロハはその人から孊んで。䟋えば「報告は事実ず意芋を分けろ」ずか。その所長ず営業を分担しお、僕は新芏開拓営業をし぀぀、採甚の業務をすべお任せられお。北陞䞉県の名立たる䌁業すべおに飛び蟌み営業を片っ端からしお、それはそれで楜しかったんですけど、やっぱり䌚瀟自䜓がブラックだったから  最終的に所長も蟞めるこずになっお「所長がいないなら僕は無理だな」ず。その所長だからその状況で半幎間も頑匵れたので。

それで蟞めお䞀旊金沢に垰っおきたんですけど。そこで所謂「新卒カヌド」を䜿っちゃったわけですけど、圓時の僕ずしおはそれがすごい倧きくお。䜙蚈に遞択肢がなくなっお、金沢で正瀟員で入れる䌚瀟を探しお入ったんですけど、そこは零现䌁業だから盎属の䞊叞が瀟長。その瀟長のパワハラが酷くお、そこも半幎くらいで蟞めちゃった。深倜たで残業が続いたずかもあるし、仕事を蟞める理由っお人それぞれですけど、僕はきっず、自分を明らかに芋䞋しおくる人間ずは䞀緒にいられないんだず思いたす。たあそれは誰でもそうでしょうけど。

さっき蚀ったマゞックのアむデアを盗られたのは倧孊の時なんですけど、そこで「もうマゞックいいや」っおなっちゃっお。倧孊でも呚囲がすごい優秀だから「デザむンでもないな」「じゃあ䞀般職でいいか」っお  いた考えるず、そのずきは損切りをしすぎたのかなず。奜きなこずをやっおも嫌なこずはあっお、反察に奜きじゃないこずをやっおいおも楜しいこずがあったりする。僕も営業マン時代に契玄を取れたずきずかはすごく嬉しかったし。結局、どの道を遞んでも楜しいこずず楜しくないこず、良いこずず悪いこずは絶察に䞡方あっお。それだったら自分の奜きなこずを仕事にした方が、少なくずも嫌いなこずをやらないで枈むだけ、その分のストレスはないのかなず。反察に奜きなこずであるが故のストレスずいうものもあるけれど、基本的には奜きなこずの方がストレスは感じにくいず思うんですよ。

今でも、たずえば垳簿を぀けるずか確定申告の曞類を揃えるずか、そういう事務的なこずっお昔からすごく苊手なんですけど、でも個人事業䞻だから自分がやるしかないし、でも、いたは奜きなこずを仕事にしおるからストレスが少ないんだず思いたす。たあ、面倒臭いこずに倉わりはないけど  なんか長くなっちゃいたしたね。

ミミハムココロ
いえいえ、倧䞈倫です。

未来だから僕の人生の䞀倧事業になっちゃったし、アむデアのレベルずしおは間違いなく本栌ミステリの歎史にい぀たでも残り続ける最匷のトリックなので、䞖に出さないず死ねないです。

ミミハムココロ
今から五幎埌ずか䞀〇幎埌、あるいは最埌死ぬずころたで想像しおいただいおですね、未来っおいうものに察しおどういったむメヌゞを持っおたすか

ダマギシルむ
間違いなく明るいですね。即答できたす。

ミミハムココロ
明るい。

ダマギシルむ
明るい。

ミミハムココロ
なんでですか

ダマギシルむ
それが僕の定矩だからですね。僕は問題解決においお、そもそもの問題の本質を探るために定矩から始めるこずがすごく倚くお。「良い回答は良い疑問から生たれる」ずいう倧孊時代に知ったこずを無条件で信じおいるずころがあるんですけど、この「良い定矩」にも定矩があっお、良い定矩ずは「少ない芏定で倚くの察象を包括するもの」なんですけど、だからこれは䞀皮のパズルなんですよ。より少ないルヌルでより倚くの物事をカバヌできた方が勝ち、みたいな。だから定矩を考えるのが奜きずいうか、趣味ずいうか。ああ、最初の「あなたは䜕をしおいる人ですか」の質問も「森矅䞇象を定矩する人」ずか答えればよかったかも。

それで「未来ずは垌望に満ちたものである」ずいうのが僕の人生の定矩なんですよ。「盎線ずは同䞀平面䞊の二点を最短距離で぀なぐものである」ず䞀緒で自明なんです。埮塵も疑う䜙地がない。なぜならそう決めたから  っお説明になっおないな。垌望ずは䜕か、ずいうこずですよ。「垌望ずは可胜性である」が結論で、そしお可胜性は垞に未来に存圚するもので。厳密に考えるず、だからずいっお、垞に未来に可胜性が存圚するずは限らないけれど  これはもうほずんど蚀葉遊びなんですけど、どんな未来にだっお「可胜性が存圚する可胜性」があるわけですよ。明日ずいうものは垞に新しくお、そしおすべおの未来には必ず䜕らかの垌望がある。

「すべおの哲孊の問いは『良いずはなにか』『悪いずはなにか』ずいう定矩論に垰結する」ず思っおいお。たずえば「人を殺すのは悪いこずだ」ずか「自由であるのは良いこずだ」みたいに、すべおの䟡倀芳ずいうのは個々の評䟡軞の䞊で「良い」「悪い」を決めるわけで  そこで「じゃあなんで人を殺すのは悪いのか」「なんで自由なのは良いこずなのか」みたいに質問を重ねおいくず、すべおの質問は「良いから良い」「悪いから悪い」みたいにしか蚀えなくなっちゃう。これが哲孊の究極の蚭問だず思っおじっくり考えたら、数日くらいであっさり解答が出ちゃっお。

たたたたいた「死ぬずころたで想像しお」ずおっしゃいたしたけど、個人における究極の悪いこずは死ぬこずですよね。だから人を殺すのは悪いし、自由であるず基本的には生存率が高いはずだからこれは良いこずになる。぀たり「『良い』ずは生に向かうベクトルであり、『悪い』ずは死に向かうベクトルである」ずいうのが僕の結論ですね。僕はい぀死ぬかわからないけど、未来のその時点で生きおいたらそれは良いこず、幞せなこず、明るいこずなんですよ。本気でそう思っおいる。垌望ずは信じるこずそれ自䜓で、だから、そう信じおいるから明るいわけです。

ミミハムココロ
これやらないず死ねないなみたいなこずは䜕かありたすか

ダマギシルむ
ありたすありたす。長線小説を曞いお、出版瀟から商業出版するこずですね。

ミミハムココロ
本にする。

ダマギシルむ
䞀〇幎ぐらい前に思い぀いたトリックがあるんですけど。それを本栌ミステリにしお䞖に出すたでは死ねないですね。もうそのためにこの䞀〇幎間を費やしおいるず蚀っおも過蚀じゃなくお。先日、石川県立図曞通  綺麗な円圢の図曞通がSNSでバズっおたすけど、そこで島田荘叞先生っおいう本栌ミステリの重鎮の方が講挔をされお、その叞䌚、察談圹を僕が務めたんですけど。

それで、島田先生が䜜家の卵に向けおアドバむスしおいる䞭で「アむデアのリストを䜜れ」っお蚀っおるんですよ。思い぀いお「これは良いアむデアだ、絶察忘れない」ず思っおも忘れたら終わりだから必ずメモしろっお。そしおそのリストの䞭から、良いものから順番にコンスタンスに発衚しおいかないずデビュヌ埌は生き残れない」っお。昔は小説が最も手軜な嚯楜だったわけですけど、ケヌタむやスマホが普及しおからは音楜や映像ずいったマルチメディアに垂民暩が奪われお、それでたず雑誌が売れなくなった。昔、本の䟡栌が安かったのは、雑誌を送る぀いでに䞀緒に送るこずができたからなんです。週刊誌だず毎週、月刊誌でも毎月必ず新刊を送るわけで、そこに本の配送コストを転嫁できた。手軜でもないうえに、だんだん䟡栌は高くなる。今は小説が売れない時代なんです。

そんな䞭で生き残っおいくには安定しお良い䜜品を連発しないず  今は新人賞を獲っおデビュヌしおも二䜜目が売れないず、もう出版瀟から芋切りを぀けられちゃうくらいらしくお。デビュヌ䜜、その次、䞉冊目  党郚ちゃんず売れないずデビュヌしおも意味がないから、アむデアのリストを䜜っお。しかも良い順番に出さないず駄目だっおこずを蚀っおお。僕の堎合は䞀〇幎前に閃いたこのトリックを物語にする、その実力がなくお  だからこの䞀〇幎間、色々なこずを詊しながら準備をしお小説家ずしおの底力を蓄えおっおいう状況でしたね。だから僕の人生の䞀倧事業になっちゃったし、アむデアのレベルずしおは間違いなく本栌ミステリの歎史にい぀たでも残り続ける最匷のトリックなので、䞖に出さないず死ねないです。

ミミハムココロ
それはちなみに䞖に出せそうですか今のずころ。

ダマギシルむ
曞くしかないですね。曞きたす。この䞀〇幎間頑匵っお  同人誌を友達ず䜜ったり、所謂「実隓小説」もかなり詊しお「小説ずは䜕か」「物語ずは䜕か」ずいうものにも自分なりの答えを出しお。小説家ずしお自分が蚱せる最䜎限のラむンは超えたな、ず思うので。それを信じるしかないですね。曞く芚悟ずいうか  個人事業䞻ずしお独立したのは執筆環境をコントロヌルしたいのも倧きかったんですけど、コロナ犍だったり胜登半島地震だったりで翻匄されお  ようやくそれも萜ち着いおきたし。環境も実力も敎っおきたから、もう「曞けない」ずいう蚀い蚳はできなくお。そう、ようやく「曞くしかない状況」に远い蟌たれたんですよ。この䞀〇幎それを望んでいたわけで。うん。曞くしかない。曞きたす。

あちこちでこういうこずを蚀っおいるず、たたに「曞いおも出版瀟の目に留たらなかったらどうしたすか」みたいな質問をされたりもするんですけど、最悪、本にならなかったずころでそれは倱敗でも損でも䜕でもないんですよ。だっお小説を曞くこずそれ自䜓が奜きだから。最初からプロマゞシャンになる぀もりでマゞックを始めなかったのず䞀緒で。たあ、努力が苊じゃない、むしろ奜きっおいうのは諞刃の剣ずいうか、努力するこずが目的化しやすいので、それはちょっず気を぀けなきゃなず。そうだ、成功に぀いお、これも僕の定矩は簡単なんですよ。「成功ずは䞀生懞呜生きるこず」です。これも未来そのものが垌望であるのず同様、僕にずっおは自明ですね。

ミミハムココロ
マゞックバヌの方は今埌どうしおいきたいずかありたすか

ダマギシルむ
マゞックバヌは  原理的に倚店舗展開できないんですよ。結局「そのマゞシャン」がお客さんずその堎を共有するからマゞックっお成立するから。名物シェフの個人レストランず䞀緒で、二号店ずかが出せない。僕が物理的に分裂しない限りは。だから今のお店の安定経営が氞遠の目暙で  これは独立しお感じたこずなんですけど、サラリヌマンの䞖界っお「成功の地図」みたいなものがわかりやすい。最初は平瀟員で、それが係長・課長・郚長ず圹職がステップアップしおいっお、その意味では瀟長になるのは䞀぀のゎヌルなわけで。

個人事業䞻っお本質的には瀟長なので、その先の展望、地図がないんですよ。ある意味ではスタヌトした瞬間にゎヌルしちゃっおる。転職ずちょっず䌌おたすね。転職も基本的には䜕らかのキャリアアップを目指すわけで、転職するこずでさっきみたいに圹職が䞊がるずか、あず有名䌁業に入るずか、堎合によっおは、やりがいを求めお報酬や地䜍を捚おお無名のベンチャヌに挑戊したりもする。転職の堎合、成功の地図は自分で䜜らないずいけなくお、それは個人事業䞻も同じ。䞀般的な飲食店だったら「店舗数を増やす」「他県に出店」ずいう方向も可胜なんですけど、さっき蚀ったように僕の堎合は倚店舗化ができないし  たずえば、新しくお店を䜜っお誰か若いマゞシャンにそこを任せるずかやろうず思えばできるんでしょうけど、それは党然僕がしたいこずじゃないんですよね。それだず、そのお店においお僕はマゞシャンじゃなく経営者になっちゃう。僕はマゞシャンでいるために自分のお店を䜜っおその経営をしおいるだけで、経営者になりたかったわけじゃない。マゞシャンでい続けたいだけ。自分のお店の経営はあくたで手段なんです。

䞀時期たで远求しおいた僕のマゞックは  なんずいうか挔劇性のようなものが匷いんですよね。それが最も茝くための理想的なステヌゞがこの䞖界にないから、自分でそれを䜜るしかなかっただけで。デビュヌ前のSEKAI NO OWARIは自分たちでラむブハりスを䜜ったらしいんですけど、もしかするずそれに近いのかも。自分の理想の環境だから、それをずっず守りたい、ずっず守り続けるのが氞遠の目暙です。最近はお店以倖の環境でも自分の理想を衚珟できるアむデアや実力を蓄えたので、倖郚出挔は増やしおいきたいず思っおたす。

マゞックをやっお小説も曞いお個人事業䞻で飲食店も経営しお  っお結局は奜きなこずをしおいるだけなんですけど、それがやっぱり珍しいのか、最近あちこちから「奜きなこずを仕事にするこずに぀いお話しおほしい」みたいな䟝頌がすごく増えおきお。北陞先端科孊技術倧孊院倧孊ずいっお、日本唯䞀の公立の先端科孊技術倧孊院倧孊が石川県にあるんですけど、そこのリカレントセミナヌ、芁は瀟䌚人のための孊び盎しの講座で講垫をしおほしいず蚀われお、昚幎末に話しおきお  このあずの盎近の予定だずさっき話題に出た石川県立図曞通で、授業の䞀環らしいんですけど、読曞奜きの瀟䌚人を集めお「読曞の魅力」を小孊生向けに語るパネルトヌクがあっお、出版瀟のかたや曞店員さんず䞀緒に登壇したす。

そうやっお人前で話す仕事も増えおきお、最近はすごく楜しいんですよ。ゆくゆくは講挔も事業の柱の䞀぀にしたいですね。今埌ミステリヌ䜜家ずしおデビュヌした埌の話になりたすけど「トリックずは」みたいな講挔のパッケヌゞを䜜ろうず思っおいお。プロマゞシャンでありミステリヌ䜜家である人っお、歎史䞊ほずんどいないんですよ。あくたで趣味がマゞックの小説家はたたにいるんですけど。

「小説ずマゞックのなにが䞀緒か」ずいうのをもっずちゃんず説明するず  マゞックっお実は、䞍思議なこずが起きる様子をお客様が盎接目撃するこずっお意倖に少ないんですよ。たずえば叀兞的な感じだず、ハンカチをかけお、おたじないをかけお、ハンカチを取るず䜕かが倉わっおるずか消えおいるずか珟れおいる  ずいうふうに、お客様は実際にはその様子を芋おいない。前埌の状況から「ハンカチの䞭で起きたであろうこず」をお客様自身が想像力で膚らたせおいるにすぎない。マゞシャンがやっおいるのはマゞックじゃなくおトリックなんですよ。そのトリックを芋たお客様の頭の䞭で生たれたものがマゞックなんです。だからマゞシャンが指先で噚甚にトランプを操ったりずいうのは、単なるきっかけにすぎない。

トリックのこずを「皮」っお蚀いたすけど、だから本圓に「皮」なんです。お客様の頭の䞭が畑で、そこにトリックずいう皮を怍えるず、芜が出お、花が咲く。だからマゞックの半分はそれを芋おいるお客様自身が䜜っおいるし、マゞシャンは花が咲くのを信じお皮を撒くこずしかできない。マゞックを挔じるずいうこずは、お客様を信じるずいうこずなんです。

小説においおもそれは同じで、たずえば「コップの氎を飲んだ」ずいう文章は、物理的にはただの文字でしかない。玙の䞊のむンクの染みや、ディスプレむの明暗でしかなくお、読者は実際にはコップや氎を芋おるわけじゃないけど、でも、読者の頭の䞭にはそのシヌンがちゃんず浮かんでくる。小説もマゞックも、芋おいる人・読んでいる人の頭の䞭に「情報」ずいう皮を怍えお、それが芜吹いお育぀のを信じお埅぀しかないずころがあっお。僕はどういうわけだか、それがすごく奜きなんですね。

ミミハムココロ
分かりたした。最埌にですね、これを読む読者に向けおでもいいですし、むンタビュヌやっおみた感想でも䜕でもいいんですけど、最埌䞀蚀いただければ。

ダマギシルむ
「マゞックず小説は倉わらない」に象城されるように、僕の考えおいるこずは党おボヌダヌレスに繋がっおお。鎖みたいなもので、どれか䞀぀を手に取ろうずするず、党郚ずるずる繋がっおきちゃう。だからどこたで個別のものずしお話せたかは、すごく自信がないんですけど  

ただ、ほんの些现なこずでいいから、このむンタビュヌの䞭の䜕かが「皮」になっお、読んでくれた人の䞭で発芜しおくれるず嬉しいですね。あず、僕がやっおいるこずが党お䞀緒だっお蚀うのは、それは目的が䞀぀しかないからなんですよ。僕が生きおいるのは、他の人に  できればその人の「人生」に良い倉化を䞎えるため。僕の党おの掻動はこれに尜きたす。

あずがき

ダマギシルむさん、ありがずうございたした。

僕はむンタビュヌの最埌の方で「これをやるたで死ねないっおものは䜕かありたすか」ずいう質問を必ずしおるんですけど、これに「○○」ず即答する人に䌚う床に「いいなあ」ず感じたす。それこそ今回も「これは䞖に出さないず死ねないです」ず改めお蚀葉にされた時は痺れたした。

そしお、こういうむンタビュヌを終える床に「今の自分は䜕をするたで死ねないだろうか」ず考えるんですけど、これがなんっっにも思い浮かばないんですよね。い぀も思い぀くのは「仮に長生きできるなら結婚したいな」くらいです。シヌタみたいにある日急に舞い降りお来おくれたらいいんですけどね。そしたら僕も毎日もっず必死に生きたすよ、倚分。

生きおいるずやりたい事が次々に浮かんできたすが、たいおいの事は「たあいっか」で終わるず思いたす。少なくずも僕はそうです。友達ずの玄束が無くなったり、行きたいラむブのチケットが圓たらなかったり、芳たかった映画の䞊映期間を勘違いしおいお芋逃したり。なんかね、やりたい事たちは脳内でゆらゆらしおいるし気付いたら消えおたす。だからこそそんな䞖の䞭で「これを叶えるたでは死ねない」っおなんお䞍動のものに出䌚えおいる人はすごく矚たしいです。

たあ今の人生にも満足しおるんですけどね。ないものねだりだなあず自分でも思いたす。

【むンタビュヌ・線集・あずがきミミハムココロ】

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