『本好きの下剋上』第二十章 ー ゲオルギーネの来訪 ー
『本好きの下剋上』第二十章 ー ゲオルギーネの来訪 ー
前神殿長が亡くなったことを魔法の手紙で伝えてしまったことから、領主会議でゲオルギーネの「里帰り」が決まった。
今回は、その里帰りのあいさつから始まるのだけれど……もう最初からずっと緊張感がすごい。
何といっても気になるのが、ヴェローニカ派の盛り返し。
ヴェローニカ派は現領主側と敵対する勢力だけに、ここが今回の中心的な話になっていた。
そして、ここで改めて感じたのがゲオルギーネの賢さ。
彼女自身が「こうしろ、ああしろ」と指示を出しているわけではない。
むしろ、ヴェローニカ派と交流することで、相手側が勝手に勢いづいていく。
何かをしたという明確な行動があるわけではないのに、結果として派閥が盛り返していく。
こういう、自分では表立って動かずに周囲を動かしてしまうやり方が、ものすごく怖い。
そして今回、もう一つ気になって仕方がなかったのがフェルディナンド。
……あの笑顔、何?^^;
普段から社交の場では、それなりに相手に合わせた顔を作れるフェルディナンドなのに、今回はその笑顔がどうにも気持ち悪い。。。
にこやかというより、まるでお面を貼り付けたような笑顔で、「お前誰だ!」と言いたくなるほどだった。
そして相変わらずなのがヴィルフリート。
周囲がかなり慎重になっているのに、どうしてそこで空気を読まないのかなぁ……><
悪気がないのはわかるのだけれど、この状況ではその「悪気のなさ」がかなり痛い。
今回は派手な事件が起きるというより、人との交流や言葉の裏側にあるものが怖い回だった。
ゲオルギーネは自分から何かを仕掛けているようには見えない。
それなのに、彼女が戻ってきただけでヴェローニカ派が勢いづいていく。
何もしないことすら、彼女にとっては計算のうちなのかもしれない。
穏やかな「里帰り」のはずなのに、終始漂うこの不穏さ。
今回は、そんな空気そのものが印象に残る「笑顔の化かし合い」の回だった。
