『天幕のジャードゥーガル』第6幕 ー メルゲンの民 ー
『天幕のジャードゥーガル』第6幕 ー メルゲンの民 ー
今回は前回の続きから、ドレゲネの過去が描かれた。
嫁として迎えられた当初のドレゲネは、自分を「物」のように感じていたのかもしれない。それが、メルゲンの民と暮らす中で、少しずつ家族というものを知っていく。
その過程には、族長の存在も大きかったのではないかと思う。
族というつながりが代々受け継がれていく中で、族長ともなれば、自分のことだけではなく、族全体の未来を考えなければならない。ひとつの視点だけではなく、時と場合によってさまざまな選択肢を持ち、ときには厳しい決断をし、それを実行する力も必要になる。
今回の族長は、まさにそういう人物だったように思う。多くのものを背負いながら、その時に何を選ぶべきかを考え、実際に行動に移す。そんな姿は、族長として尊敬に値するものだった。
そして、そんな族長が作った場所だったからこそ、ドレゲネもすぐに「家族」になれたわけではなくても、ゆっくりとその中に入っていくことができたのではないだろうか。
だからこそ、その家族や居場所を奪われたことが、ドレゲネにとってどれほど大きなものだったのかも伝わってくる。
そんな過去を聞いたシタラは、自分の名前と出自をドレゲネに話す。
ドレゲネの話に、シタラ自身も何かを感じたのかもしれない。境遇は違っていても、どこかに共感できるものがあったからこそ、自分のことを話してしまったのではないだろうか。
そして最後にシタラが口にした、
「二人でなら嵐を起こせましょう」
という言葉が印象に残った。
これは単に勢いで出た言葉ではなく、シタラが「一緒に何かを起こせる人」を見つけた言葉にも聞こえた。
一人で立ち向かうのではなく、二人なら何かを変えられる。
ドレゲネの過去を知ったことで、二人の関係は、ただの出会いから、もしかすると共に進むことのできる相手へと変わり始めたのかもしれない。
