イギリスで“歩けない”状態になって気づいた、日本の医療の素晴らしさ
イギリス留学中、私は一時期“歩けない”状態になりました。
イギリスのNHS(国民保健サービス)に行ったら
・かかりつけ医に診てもらうだけで2週間待ち
・専門医の場合は2ヶ月待ち
・6ヶ月待ちのMRI
しかも理学療法士には、私の病名(そんな珍しいものでもない)をその場でGoogle検索されました。
「日本だったら」
そう思わずにはいられなかった、イギリスでの通院の話を紹介します。
私の脚には形成不全があるのですが、
日本にいた頃は激しい運動後に軽い痛みが出る程度で
日常生活に支障はありませんでした。
診断も受けていたので、渡英する時も特に気にしていませんでした。
ですが、イギリスに来てしばらくした頃、急に状態が悪化。
歩くだけで激痛が走り、授業で一時間も座っていられない、なんなら大学に行くのも難しい、という状況になってしまいました。
しかも留学生の場合、授業を長期間欠席すると学生ビザに影響が出る可能性があります。
とにかく早く診察を受けて、授業に通常通り出席できないことを大学に証明する必要がありました。
イギリスで病院にかかる際は、NHSという国民保健サービスを利用します。
いつも通りNHSアプリで診察予約を取ろうとしたところ、表示されたのは2週間待ち。
いや、待てるわけがない。
さすがに直接電話をし、「歩けない」「座っているのも辛い」とかなり必死に説明し、なんとか3日後の予約を取ることができました。
(それでも3日後。😭)
やっと診察を受けられたものの、日本との違いをかなり感じました。
NHSでは、まず総合診療医(GP)に診てもらいます。
なので、CTやMRIなどを受けるにもその先生からの紹介が必要。
その場で検査を受けられるわけではありません。
結果として、この時もらえたのは痛み止めだけ。
怪我ではなく命に関わる緊急性も低いと判断されたのか、「まずは理学療法士へ」という流れになりました。
そしてその予約は、3週間後。
炎症部分が実際どうなっているのか分からないまま、痛み止めで耐えながら生活するしかありませんでした。
今頃日本だったら、CTとか撮ってもらえて、少なくとも原因は分かって安心できていたのかな…と思わずにはいられませんでした。
ようやく理学療法士の診察へ。
これが本当に衝撃でした。
以前診断された病名を伝えた瞬間、
先生、目の前でGoogle検索開始。
しかもウェブサイトに載っている改善法をそのまま読み上げられ、「3週間後にまた来てください」と。
いや、NHSどうなってるの!?!?!?
さすがに唖然としました。
後になって、痛み止めの副作用が出ていたことに気づきました。
再びGPを受診。
そこで薬を変更してもらい、形成外科に詳しい先生を紹介してもらえたのですが……
予約は2ヶ月後。
もうこの頃には、「まあそうだよね」という感覚になっていました。
ちなみに処方箋以外はビザ申請時にNHSに支払った保険で全額カバーされたので、追加料金がかからないのは本当にありがたいポイントです。
初診から2ヶ月半。
ほとんど歩けなくなった10月頃の私は、まさか年を越してもまだ病院に通っているとは思いませんでした。笑
やっと形成外科の先生の診察を受けることができたのですが、
先生が本当に神様に見えました…
診察は本当に丁寧で、質問にも詳しく答えてくれて、今まで感じていた不安がかなり軽くなりました。
そしてついについに、CTを撮ることに。
それもまた3週間後だったけど、それでも「原因が分かるかもしれない」という安心感の方が大きかったです。
無事3週間が過ぎ、CTを撮れたのは良かったものの
やっと結果が出たのは……
CTを撮ってから2ヶ月後。
だいぶ待ちました。笑
CT画像の情報を確認した先生曰く、
軟骨の状況などもっと確認したいのでMRIを受けましょう、と。
そこでMRIを受けるにあたっての同意書等を送り、
予約するためのメールを待つ状況になりました。
お察しの通り、1ヶ月経っても連絡が来ません笑
確認メールも来ないのでそもそも同意書が送られているか心配になり、
ちゃんとWaiting listに入っているか直接MRIセンターへ足を運びました。
そこで言われたこと。
「あなたはWaiting listに入っていますが6ヶ月待ちです。」
ゑ?
「あ、でも明後日の夜空いているならMRI撮れますよ」
ゑ???
慢性的なものだから緊急度が低いのはわかっていたものの、6ヶ月!!!
でも明後日受けられる!?
色々衝撃的すぎて、今回こそ頭が追いつきませんでした。
なんなら明後日撮れるなんて言ったもん勝ちでハ…
と色々思うことはありましたが、無事にMRIを撮ることができ、結果待ちに!良かった!!!
それから2ヶ月経ち、
初診から半年になりますが、
これを書いている今、
まだ結果待ちです。
^_^✌️
ここまでボロクソに言ってきましたが
日本よりもいいな、と思うところはあって
例えば、
触診前だけでなく触診中も「ここ触りますが大丈夫ですか?」といった同意確認がかなり徹底されている
診察内容だけでなく、日本では患者にあまり共有されないような詳細な画像診断の結果まで自分でアプリで確認できるシステムになっている
自分のNHS番号に紐づいた電話番号へ、ストレッチ方法の動画などが直接送られてくる
ということ。
日本では医師と患者の間に少し距離を感じる場面もありますが、
イギリスでは患者自身が「自分の治療に主体的に関わる権利」をより大切にしている印象を受けました。
それでも今回の経験を通して強く感じたのは、
やはり日本の医療のありがたさでした。
症状が出た時にすぐ病院へ行けること。
必要であれば、その日のうちにCTやMRIなどの検査を受けられること。
そして何より、「原因が分からない不安」を何ヶ月も抱え続けなくていいこと。
日本にいた頃はそれが当たり前すぎて、正直意識したことがありませんでした。
でもイギリスで、診察・検査・結果説明までに何ヶ月もかかる経験をして初めて、日本の医療って本当にすごかったんだなと実感しました。
もちろん、日本の医療にも課題はあります。
それでも「必要な時に医療へアクセスできる」という安心感は、
想像以上に代え難いものでした。
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