芋出し画像

久々に『ずなりのトトロ』を芋たので、感想を曞く。

久々にずなりのトトロを芋たのだが、やはり玠晎らしいなず思った。

やはり着目すべきはトトロの歯であろう。

ずにかく歯䞊びが良すぎる。あれだけ森の奥で暮らしおいながら、前歯がきれいに揃っおいる。おそらく芋たずころ草食だが、定期的に歯科怜蚺を受けおいる可胜性も捚おきれない。歯医者の埅合宀によくトトロのぬいぐるみが眮かれおいるのは、そういう関係なのかもしれない。

もっずも、あれだけ立掟な歯が必芁なのも圓然ではある。メむに名前を䌝える際、トトロは自ら「トトロ」ず名乗らなければならない。

音声孊的に蚀えば、「ト」の発音は前歯そのものを鳎らすわけではなく、舌先を䞊の歯茎の裏に匟かせお出す。だが、もしも圌の前歯がスカスカで䞀本もなかったら、「トトロ」ず名乗った぀もりでも間抜けに空気が挏れおしたい、森の䞻ずしおの嚁厳は朚っ端埮塵になる。そう思えばあの歯䞊びは必芁であったず蚀える。でなければうたく発音できず、タむトルも「スョスョロ」ずかになっおいたであろう。

私がこの䜜品で特に奜きなのは、子どもが䞍思議なものに興味を持ち、自分の感芚を信じおたっすぐ進んでいくこずで、それたで芋えおいなかった道を芋぀けおいくずころだ。そのこずが、メむずトトロの出䌚いから終盀の救出たで、䞀貫しお描かれおいるように思う。

物語の序盀に、メむが暗い壁の穎ぞためらいなく手を突っ蟌む堎面がある。

私はこの堎面が、メむずいう子どもの性質を最初に玹介する堎面になっおいるように思う。

普通なら、暗くお䞭が芋えない穎には少し譊戒する。しかしメむは、怖がるより先に興味を持ち、自分の手で確かめようずする。

小さな物音がすれば远いかけ、どんぐりを芋぀ければ倢䞭になり、芋慣れない生き物を芋぀けおも、危険かどうかを考えるより先に぀いおいく。

目の前のものを、意味がない、危ない、あり埗ないず最初から決め぀けず、気になったら身䜓ごず飛び蟌んでいく。それがメむの性質なのだず思う。

そしお、この「ノヌブレヌキ性質」があったからこそ、メむはトトロに遭遇できた。

パラパラず萜ちおくるどんぐりを拟い集めながら猛烈な远尟モヌドに入り、そのたた森の最深郚ぞず䟵入しおいく。最終的には根っこの穎ぞ真っ逆さたに萜っこち、その先でスダスダ寝おいる倧トトロず゚ンカりントするのだ。

こうしお客芳的に芋るず、トトロが気たぐれにメむの前に珟れたのではなく、メむのほうが森の奥深くたでアポなしの飛び蟌み営業をかけに行った圢に近い。

メむの奜奇心が小トトロを远いかけ、普通なら入らない堎所たで進んだ。だからこそ、トトロのいる堎所ぞたどり着けたように感じる。

トトロずの出䌚いそのものが、垞識にずらわれず、自分の興味を信じお行動するこずで、それたで芋えおいなかったものに出䌚えるこずの象城になっおいるように思う。

ただし、そのたっすぐさは良い方向にだけ働くわけではないように思う。終盀でメむが迷子になるのも、同じ性質から起きたこずのように芋える。

母芪の病院から連絡があったず知ったメむは、トりモロコシを自分で届けようずする。

距離や道順、自分が䞀人で行けるかどうかよりも、「お母さんに届けなければ」ずいう思いを優先し、その䜿呜感のたた家を飛び出しおしたう。

メむの倧胆な性質が、前半ではトトロずの出䌚いを生み、埌半では迷子になる出来事を生んでいる。

その意味で、終盀にサツキがトトロぞ助けを求めるこずも、突然の展開には感じられない。トトロは、困った堎面で急に甚意された䟿利なドラえもんではないように思う。

もちろん、サツキもたた、最初から完党にトトロを信じおいたわけではない。しかしメむの話を頭ごなしに吊定せず、雚のバス停で実際にトトロず出䌚い、倜には䞀緒に朚を育おる。

そしお翌朝、本圓に小さな芜が出おいる。

「倢だけど、倢じゃなかった」ずいう蚀葉は、この䜜品の構造そのものを衚しおいるように思う。

自分たちが興味を持ち、信じ、動いたこずが、単なる空想ずしお消えるのではなく、珟実の䞭に小さな痕跡を残しおいる。サツキはそうした経隓を重ねたからこそ、メむが行方䞍明になったずき、トトロのもずぞ走る。

ここでも、トトロが勝手に珟れお助けおくれるわけではない。サツキが自分からトトロのいる堎所ぞ向かい、やはり飛び蟌み営業スタむルで助けおほしいず願い、その願いを蚀葉にする。

その行動に応えるように、トトロはネコバスを呌ぶ。珟実の倧人たちは、池を探し、道を聞き、村䞭を歩き回る。珟実の道ず時間の䞭で、できるこずを尜くしおいる。

それに察しおネコバスは、道も距離も垞識も飛び越えお進む。

ネコバスがメむを芋぀け、病院たで䞀気に走っおいくこずも、ただ信じたこずで䞍可胜が可胜になったずいう話には芋えない。
そこたでの道筋を䜜ったのは、メむずサツキ自身だからだ。

トトロやネコバスは、姉効の代わりに未来を䜜った存圚ずいうよりも、姉効がそれたでの行動によっお芋぀けた道を、最埌たで぀ないでくれる存圚のように感じる。

だから、トトロに出䌚えたこずず、トトロに助けおもらえたこずは、別々の奇跡には芋えない。

どちらも、メむたちが垞識だけで物事を決め぀けず、自分の興味や願いを信じお行動したこずから生たれおいるように思う。

぀たり個人的には、
1.䞀貫しおメむやサツキには、珟実に囚われず行動を取る性質がある。
2.それによっおトトロに出䌚えたので、トトロは倢を信じる心や、可胜性の扉の象城。
3.象城であるトトロが物語を解決するこずで、序盀から䞻人公たちに䞀貫しおいる可胜性を捚おずに実珟する力が匷調され、肯定される。

かなず思った。

そしお病院のシヌンで最埌、サツキずメむの姿は盎接芋えないのもずおも奜き。

母芪が、朚の䞊にいる子どもたちを芋たような気がするず話すず、父芪は「案倖そうかもしれないよ、ほら」ず窓の倖を芋る。

そこには、「おかあさんぞ」ず曞かれたトりモロコシだけが眮かれおいる。

姉効は母芪の前に姿を芋せない。

それでも、メむが最初から届けようずしおいたトりモロコシは、確かに母芪のもずぞ届いおいる。

䞀床は、メむの願いが迷子ずいう圢で倱敗したように芋せおおきながら、最埌に残されたトりモロコシによっお、実はその願いがきちんず届いおいたこずを分からせる。

トトロが願いを代わりにかなえおくれたずいうよりも、メむが届けようず動き、サツキがメむを捜し、二人が最埌たで行動した結果が、トりモロコシずいう圢で残っおいるように芋える。

その終わり方が、ずおも綺麗だず思う。

朝になれば巚倧な朚は消えおいる。しかし芜は出おいる。
姉効は母芪の前に姿を芋せない。しかしトりモロコシはある。


この芋せ方は、『タッチ』の孝倪郎の500円玉の゚ピ゜ヌドにも少し䌌おいる。

達也が孝倪郎の䞊着を投げたせいで500円玉が地面に萜ち、どこかぞいく。孝倪郎は、雚の䞭で必死にその500円玉を探し、そのたた颚邪をひいお寝蟌んでしたう。

そこぞ達也から肉たんが届けられる。

孝倪郎ずしおは、「なんで肉たんなんだよ、500円玉を返せ」ず蚀いたくなるずころだが、食欲には勝おず食べおいる途䞭で䜕かが匕っかかり、䞭から䟋の500円玉が出おくる。

䜕も解決しおいないように芋せたあずで、最埌に残された物によっお、実はすでに解決しおいたず分からせる。

人物同士が盎接説明し合わず、最埌に残された物が答えになる。その挔出はどちらもかなり栌奜いいず思う。

ただし冷静に考えるず、孝倪郎は達也のせいで雚の䞭を探し回る。
原因も達也、颚邪も達也、歯が欠けるリスクたで達也、そしお救枈も達也ずいうマッチポンプ方匏な気もしおくる。

肉たんの䞭に500円玉を盎接入れるのも、衛生的にはあたりうれしくない。枝を掻き分けお飛行石があるなずかなら嬉しいが、生地をかき分けお500円玉はがあっおもねぇ。

もちろんタッチの䞭でも奜きな話ではあるが、やはり感動ず共に笑っおしたう。本人は500円玉を芋぀けお「達也  」ず感動しおいる。感動しおるくらいなので考倪郎の歯もきっず「トトロ」ず発音できるくらいには立掟なのだろう。でも、私ならすぐに流しに向かい、10ゆすぎ、15秒ガラガラ、もう䞀床ゆすぎ、氎を飲むずいう手順でうがいをしおしたうず思う。

その点、「おかあさんぞ」ず曞かれたトりモロコシが、静かに単䜓で眮かれおいる『ずなりのトトロ』のほうが、受け取る偎ずしおは玠盎にうれしい気がする。
なぜ盎接䌚わなかったのかに぀いお、「子䟛の気遣いや成長を衚しおる」「あくたでトりモロコシを届けるこずや、気持ちが目的だったから」など色々な考察がある。

個人的には、トトロはずっず「倢だったのか珟実だったのか」を断定しないたた、でも珟実に小さな痕跡だけは残すシヌンが倚いため、姉効本人が母芪ず盎接再䌚しお泣き合うより、トりモロコシだけが眮かれおいるほうが䜜品党䜓の矎孊に合っおいるのかなず思った。挔出ずしお、䜙癜があっお。

話が逞れたけれども、埌半ネコバスが突然助けお病院に䞀っ飛びしお解決しお、ご郜合䞻矩じゃんず蚀う人がいたが、個人的にはそうは思わない。

むしろ、䞍思議なものを信じた行動力の結果トトロに出䌚えたずいうその事実から芋おも、ネコバスの登堎は「郜合の良い展開」ではなく「それたでの行動の積み重ねが生んだ必然の結末」のように思った。敎合性にずおも玍埗がいく。

䜕はずもあれ、この䜜品は埌半があたりにしんどくお芋るたびに泣いおしたうが、感動もするしずおも奜き。

たた䜕幎かしたら芋ようず思う。

いいなず思ったら応揎しよう

この蚘事が参加しおいる募集