日本に帰りたくなる時
今更ですが、ロンドンの物価は高いです。
1年目(2021年12月〜)は、日本の値段を覚えているのでいちいちショックを受けていました。ただ、移住という非日常でアドレナリン出てたし、COVIDで世界中に先行き不透明感があったので気が紛れて、節約生活の中でも不思議と鬱屈した気持ちになることはありませんでした。
2年目、インフレの洗礼を受けました。日本も最近は少しあるようだけど、それまでは過去何十年も、目に見えて生活用品が値上がりすることなど、なかったですよね。更新時の家賃引上げに耐えられず引っ越しを強いられる知り合いも多く、エッセンシャルワーカーのストライキも頻発。
3年目、ウクライナに続きガザでも戦争勃発。英国でも、政治的な移民締め出しのムードが高まる肌感が出てきました。セントラルロンドンから郊外に転居したけど、Council Tax含む家賃はむしろ値上がり。ただ、近隣のスーパーの物価は安くなり、気休め程度だけどちょっと嬉しかった。
4年目、来英時には£1=¥150だったレートがついに¥200の大台に乗ってしまいました。だけど、元々しょぼい我が記憶装置が日本の物価を思い出せなくなってきているのをいいことに、買い物の時にいちいち円換算しないという精神的防衛策の実装が完了した感じがありました。

そして、5年目。もうショック受けないぞと思ってたんだけど、油断してたところで、久しぶりに「OH…ロンドン高すぎ…!」とノックアウトされる事案がありました。
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土曜日の朝、息子が「耳が痛い、音が聞こえにくい」と訴えたのです。
子が小さい頃に重宝していたライト付き耳かき(そんな気の利いた小道具は日本のものに決まってますよ!)で見たら、奥が炎症起こしているように見えました。
これは耳鼻科の先生に専門の道具で処置してもらいたいやつ…でもNHS(国民保険で無料)のクリニックは、最初のアポ取るために電話て何十分か待った上に、午後に予約が取れても専門医リファーラルは翌日以降に持ち越す可能性が高い。運良く一発で処方がついても、薬局には在庫がないとか…。
というところまで秒で想像し、痛みを伴う炎症を放置したくない、学校は休ませたくない、今日中に決着させるにはプライベートでパッと薬出してもらうしかないな、と即決しました。
しかし、確実に良い病院のあるセントラルに出るのは遠いから、このへんでいい耳鼻科ってあるんだっけ…?
で、調べていたら、日本人コミュニティの中で何度か名前を聞いたことがある日系クリニック(耳鼻科ではないが総合的に見てくれるところ)が、比較的近いところにあるのに気がついたのです。
それですぐに電話したらすぐにつながり、夕方にアポも取れました。事前の問診票をメールでやり取りするのもスムーズで、窓口の方も感じよかった。到着したら日本人のお医者さんが診てくれて「風邪をこじらした中耳炎のなりかけですね」と診断が出て、お薬もその場で出してくださった。
さて、それでいくらだったと思いますか。
日本だったらどうだろう。かつて住んでいた武蔵小山にはとても頼りになる女医さんのクリニックがあって、子供たちが小さかったので頻繁にお世話になったものだけれど、お薬代をいれても3,500くらい。5,000円超えたら高いなあって思った気がする。
残念なことに私はその記憶をまだ引きずっていて、まあ時間を買う感じで£200前後は行っても仕方ないなって思ってたんです。
けど…£380だったの。
円換算したら、¥80,000+…
ええ、桁間違ってないよ。はちまんえん。

久しぶりに、本気で、日本に帰りたくなりました。
この社会では、時間と専門性を買い、不安を払拭してもらうことはそういう値段なのです。週末料金(45%載せ)が痛かった。保険未武装で乗り込んだのは甘かった。油断してた。
クリニックの名誉のために補足しておくと、これでも、ぼったくりではなく、ロンドンのプライベート耳鼻科の相場のようです。うっかり本当の耳鼻科に行って内視鏡なんか出てきてたら簡単に一発で£500超えてもおかしくなかったみたいです。
多少日本語プレミアム乗ってたとしても、日本人相手のお商売なので、ロンドン・ローカルのクリニックの方が容赦なく値上げしている可能性さえあります。だから、抗生剤くらいだったら薬局判断で処方してもらえる場合もあるそうです。(ただ、耳や目のことになると素人が勝手に判断していいものか、ちょっと不安が残るよね…。)
保険加入を真面目に考える頃合いかな…いや、なによりも、迂闊に中耳炎などにならないように健康管理することっすね。
