🌙4つの国① ルーナ国と月のプリンセス 〜静けさの魔法〜
この物語は、チュチュ・テイルの世界を旅する記録です。
シルエットで描かれた猫たちや動物たちが暮らす世界✨
はじめての方は固定記事からどうぞ🌙
この章では、ぼくがフルール島にきたばかりの頃のお話をします。
4つの国をめぐり、プリンセスたちと出会った時のお話です。
星の道をたどって——
最初に訪れたのは、「ルーナ国」。

夜の空に浮かぶその国は、やわらかな月の光に包まれていて、時間がゆっくり流れているようでした。
静かな湖には、きらきらと星が映り込み、
まるで空と地上がつながっているみたい。
音もなく、風も穏やかで、この場所だけが
世界から切り離されているようでした。
ふと見上げると——
ルーナ国のさらに上空に、もうひとつの光が浮かんでいました。
それは、星のきらめきに包まれた「サーカス島」。

空に浮かぶその島は、色とりどりの光がゆらめき、楽しげな音がかすかに届いてきます。
静けさに包まれたルーナ国と、きらめきに満ちたサーカス島。
まるで、夢の中にもうひとつ夢が重なっているようでした。
湖のほとりに、いっぴきの猫が立っているのが見えました。
ゆっくりと近づいていくと、その姿が、少しずつはっきりとしてきます。
深い夜の色をまとったマント。そこには、星と月のきらめきが散りばめられていて、まるで夜空そのものを羽織っているようでした。
手には、月の光を宿した杖が握られています。
けれど、その姿はどこか儚く、強く主張することはありません。
私は思わず、足を止めました。
言葉をかけようとしたのですが、その必要はないように感じました。
彼女は何も言いません。それでも、この場所のすべてを理解しているように見えました。
しばらくすると、彼女はほんの少しだけ振り返り、やわらかく微笑みました。
その瞬間、湖の光がわずかに揺れた気がしました。
――ああ、この方は。
この世界の“はじまり”を知っているのだと、そう感じました。
彼女の名前は、ムーンキャット。

ルーナ国を治める、月のプリンセスです。
けれど、その肩書きよりも先に、私はこう思いました。
「この方は、世界そのもののような存在だ」
と。
多くを語らず、ただそこにいることですべてを整えていく。そんな存在に、私ははじめて出会いました。
遠くで、サーカス島の光がまたたいています。にぎやかさと静けさ、どちらもこの世界の大切な一部。

ルーナ国は、“心を整える魔法”が流れる場所。そしてムーンキャットは、その静けさを見守る存在。
ルーナ国をあとにするとき、私はひとつの道を選びました。
それは、月の光に照らされた「月の橋」。

静かに輝くその橋は、魔法の花園へと続いています。一歩踏み出すと、やわらかな光が足元に広がり、どこか心まで澄んでいくようでした。
振り返ると、ルーナ国の静かな光が、遠くにやさしく揺れていました。
その景色を胸に、私はまた次の場所へと向かいます。
次は、ときめきにあふれる街へ——
エトワールの旅は、まだ続きます。

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