パーツの囁きを聴きながら:キネティック 1/48 F-16A(Part.2)
先週から、憧れだった飛行機プラモデル「キネティック 1/48 F-16」を作り始めました。 しかし、初手のパーツ2個から始まった壮絶な戦い。ある程度は想定していましたが、まさかここまで苦労するとは思いませんでした。ですが、入念な仮組みと問題箇所の修正を積み重ねれば、素直なキットだなとも感じています。 (※詳細は前回の記事をご参照ください)
さて、ここからはその続きです。
キネティックのF-16には、全体に精密なモールドとリベットが表現されています。完成すれば、間違いなく素晴らしいアクセントになるでしょう。 この繊細なディティールを殺すことなく、最大限に活かしたい。しかし、無理な接着やパテ埋めをしてしまうと、せっかくのディティールが消えてしまいます。それは極力……いえ、「絶対」に回避したい事態です。もしモールドを埋めてしまったら、地獄の彫り直し作業が待っています。想像しただけで面倒ですし、失敗する未来しか見えません(笑)。
なので、「パテの使用は断固拒否」します!
今回の製作にあたり、2つの課題を課しました。
第1課題:キネティックの飛行機を必ず完成させる
第2課題:キットの個性に寄り添った組み立てをする
そんな決意をあざ笑う様に、最大の難所が立ちはだかります。
キネティックのF-16における鬼門――「インテークと主脚格納庫」です。
世界中の数多くのモデラーの心をへし折ったラスボス。だと私は思っています。あくまで私個人の意見ですが、旧版キットがお手頃価格で入手できるのは、この難易度が理由だと確信しています。もしこの「難物」と格闘する覚悟がないのであれば、新版の「KINETIC GOLD」やタミヤ製を製作したほうが、心穏やかにプラモデルを楽しめるはずです。
だって、もうこれ……どうしろって言うんですか……。


説明書の手順で組立てると、どうあがいてもパーツが収まらないし、隙間ができる!
簡単に説明してるけど、実物ははまらないぜ!
この罠は事前情報で知っていたので、回避成功です。説明書には主脚格納庫の前後の壁を接着するように指示されていますが、そんなことをしたら最後、もう後戻りはできません。 未接着の「仮組みで本当に良かった」と、心から自分を褒めたい気分です。そして、ここから解決策を見つけるための苦難の道が始まります。






これが良い感じに収まるんですよ!!


接着位置を惑わすダボが、諸悪の権化だと思う。

後壁の位置を固定したので、ここからは仮組みを繰り返してパーツの最適位置を探ります。 すると、インテーク側に前壁を受けるための「溝」があることに気が付きました。しかし、この溝はなぜか途中で途切れています。そのせいで、溝がない箇所は外側にテンションが掛かりアウトラインを崩し、パーツの合いを悪くする原因になっているようです。でも、この溝って説明書通りの作り方だと、無理やり押し込む事が前提の作りなんですよね。

そもそも、この溝を使わせないための罠?




ここまでの工程で、各パーツの合いはかなり良くなりました。 ですが、主脚格納庫とインテークパーツを、機体下面パーツに同時に接着するのは、もはや「無理ゲー」と言いたくなるほどの難易度です。 その理由は、ダクトの噛み合わせの向きが上下が逆さまになっているから。この構造のせいで、3つのパーツを力技でねじ伏せて組み立てる必要があります。その結果、悲惨な未来しか見えません。仮組の段階で100%上手く出来ない以上、本番の接着を成功させる事なんて夢の話です。
「……じゃあ、先に合体させちゃえ!」


仮組だからマスキングテープで固定しています。



あら不思議! 全てのパーツが嘘のように、大人しく収まってしまいました。
記事の上ではスムーズに解決しているように見えますが、実際には1週間、ああでもないこうでもないと手を動かし、悩み抜きました。その甲斐あって、納得のいく成果が出せたと思います。多くの先人たちの製作記を読み、事前情報を集めていたからこその勝利です。
さて、Part.2はここまでとなります。 ここまでの感想を一言で言えば、「聞いていた話より、悪いキットではないかも」です。 位置が合わないダボを切り飛ばし、溝を延長した以外は、ゲート跡やパーティングラインを整えた程度のことしかしていません。おそらく、組立に必要なダボや「のりしろ」部分が、かえって悪さをしているような気がします。飛行機プラモのデザイン設計者と金型設計者の意思統一がなされていない事が、このキットを難攻不落と呼ばれる原因なのかなと思いました。
また、説明書(組み立て手順と図面)も少々厄介です。パーツの合いがシビアな分、「どこに接着するのが正解なのか」と悩む場面が多いのですが、頼みの綱である説明書の描写もどこか曖昧。その結果、すべての工程で微細なズレが積み重なり、最終的に収拾がつかない誤差となってしまうのでしょう。
ですが、各パーツの「囁き」に耳を傾け、本来あるべき位置を丁寧に読み解いていけば、自ずと正解の形が見えてくる。
そんな手応えを感じています。
さてさて、Part.2はほぼ仮組みの記録でした。実際に接着した結果がどうなったかは、Part.3へと続きます。
一体どんなことになるのか、次回もどうぞお楽しみに!


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