武田信玄の“餅”、お市の“介錯”――『豊臣兄弟!』第17話が賛否両論となった理由
2026年5月3日放送された
NHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』第17話「小谷落城」が、
大きな話題となっています。
特に視聴者を驚かせたのが、
武田信玄が“餅を喉につまらせて亡くなる”
浅井長政の最期で、お市の方が介錯を行う
という大胆な演出です。
SNSでは、
「今までにない発想で面白い!」
という声がある一方、
「さすがに脚色しすぎ」
「歴史人物へのリスペクトが足りない」
といった厳しい意見も多く見られました。
『豊臣兄弟!』は“創作”が評価されていた作品だった
そもそも『豊臣兄弟!』は、史実と創作をうまく融合した作品として、序盤は高く評価されていました。
たとえば、
秀吉の“草履温め”エピソードの現代的アレンジ
「墨俣一夜城」の新解釈
信長と浅井長政の相撲シーン
などは、
「歴史初心者にもわかりやすい」
「人物同士の関係性が伝わる」
と好評でした。
特に“一夜城”については、
「築いた砦が一夜で焼け落ちたから“一夜城”」
という独自解釈が話題に。
これは完全なオリジナルというより、江戸時代の軍記物語『絵本太閤記』などを下敷きにした“歴史創作”であり、一定の説得力がありました。
なぜ第17話は賛否が激しく分かれたのか
今回、大きく意見が割れた理由の一つは、
「リアリティの積み重ね不足」
にあると感じます。
視聴者は必ずしも、
「史実100%でやれ」
と言っているわけではありません。
むしろ大河ドラマには、
“創作だからこそ描ける人間ドラマ”
を期待しています。
しかし今回は、
信玄の最期がギャグ的に見える
長政とお市の最期が唐突
心理描写が足りない
と感じた人も多かったようです。
特に武田信玄は人気武将であり、ファンも多い人物。
そのため、
「あの信玄が餅で退場…?」
という描写に違和感を覚えた視聴者も少なくありませんでした。
“現代価値観”の入れすぎという指摘も
SNSでは他にも、
戦国時代なのに現代的すぎる価値観
主人公の発言に一貫性がない
豊臣家より織田家の描写の方が魅力的
などの声も見られました。
近年の大河ドラマは、
現代人でも共感しやすい人物像を重視する傾向があります。
ですが、そこに寄せすぎると、
「戦国時代らしさ」
が薄れてしまう難しさもあります。
歴史作品は、
“現代の視聴者にわかりやすくすること”
と、
“当時の価値観を壊しすぎないこと”
このバランスが非常に難しいのです。
歴史を専門とするつばきの意見
歴史を専門とする立場として、私は、
「脚本家の腕の見せ所は、史実を壊さずに物語へ命を吹き込むこと」
だと考えています。
もちろん、大河ドラマはドキュメンタリーではありません。
創作や脚色は必要です。
しかし問題なのは、
「ドラマや歴史小説を“史実”だと勘違いしてしまう人がいる」
という点です。
フィクションとして受け止めず、
「信玄はこういう人だった」
「長政はこういう最期だった」
と、そのまま歴史認識として定着してしまうことがあります。
すると、本来の人物像とかけ離れたイメージが広がり、
時にはその人物の子孫や末裔にまで影響を与えることもあります。
先祖の名誉や歴史的評価が、
エンタメによって塗り替えられてしまう危険性もあるのです。
だからこそ、歴史作品には、
「自由な創作」と「歴史への敬意」
の両立が求められるのではないでしょうか。
それでも『豊臣兄弟!』に期待したい
第17話は確かに賛否が大きく分かれました。
ですが、それだけ多くの人の感情を動かした作品であることも事実です。
『豊臣兄弟!』はまだ前半戦。
これから、
豊臣秀吉
豊臣秀長
石田三成
大谷吉継
加藤清正
らがどう描かれていくのか。
歴史ファンとして、今後の展開にも期待したいところです。
また、大河ドラマをきっかけに、
“本当の戦国時代”に興味を持つ人が増えるのは素晴らしいことです。
5月31日開催|大河ドラマ「豊臣兄弟」の
“その先”を歩く歴史ガイドツアー!
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ドラマを見て、
「実際の史実はどうだったの?」
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今回は、
戦国武将・大谷吉継一族「浦大谷家」の末裔である大谷昴翔氏を講師に迎え、
✔ 大河ドラマでは描ききれない戦国のリアル
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を、現地を歩きながらわかりやすく解説します。
さらに、歴史講座だけでなく、
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など、“学ぶ×巡る×味わう”を楽しめる内容になっています!
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