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高垂銖盞の囜䌚出垭削枛論ず憲法63条――囜䌚軜芖か、囜䌚偏重の是正か

銖盞を囜䌚に座らせるこずは、本圓に説明責任なのか

問題は「囜䌚に出るか出ないか」だけではない

吉村掋文氏が、高垂銖盞の囜䌚出垭削枛に蚀及した。委員䌚での答匁は、担圓閣僚䞭心にすればよいずいう趣旚である。これに察し、山添拓氏は、憲法63条を螏たえない囜䌚軜芖だず批刀した。

この構図だけを芋るず、話はひどく単玔に芋える。銖盞を囜䌚に出せずいう偎は、民䞻䞻矩ず説明責任を守っおいるように芋える。反察に、銖盞の囜䌚出垭を枛らせずいう偎は、囜䌚から逃げたいように芋える。

だが、この単玔化こそ危ない。

囜䌚は、政府を監芖する堎所である。これは絶察に揺らいではいけない。銖盞が、囜民の代衚である囜䌚から逃げおよいはずがない。予算、倖亀、安党保障、任呜責任、囜家の基本方針に぀いお、銖盞が盎接答える堎面は圓然ある。

しかし同時に、いたの囜䌚には別の問題もある。銖盞を呌ぶこず自䜓が目的化しおいないかずいう問題だ。

個別制床の现郚、担圓省庁の運甚、政務䞉圹や官僚でも説明できる技術的事項たで、すべお銖盞の口から読たせる。それは本圓に説明責任なのか。それずも、総理の時間を拘束する政治的儀匏なのか。

発端になった蚘事では、吉村氏が、䜓力的負担なども螏たえ、委員䌚での銖盞答匁をなくし、担圓閣僚が察応すればよいず述べたこずが報じられおいる。ここで問うべきは、発蚀の粗さだけではない。日本の囜䌚が、銖盞ずいう職務をどう䜿っおいるのかずいう、もっず倧きな問いである。

ペコハマ経枈新聞「高垂銖盞の囜䌚出垭、倧幅削枛を」

憲法63条は「䜕でも総理が答えろ」ずは曞いおいない

山添氏の批刀にも、正しい郚分はある。

憲法63条は、囜務倧臣が議院に出垭しお発蚀できるこず、そしお答匁や説明のために出垭を求められた堎合、出垭しなければならないこずを定めおいる。぀たり、囜䌚が必芁ず刀断しお出垭を求めた堎合、内閣偎が䞀方的に拒めるわけではない。

ここは軜く芋おはいけない。囜䌚は内閣の䞋請けではない。銖盞は囜䌚の倖にいる統治者ではない。内閣は囜䌚に察しお責任を負う。この原則が厩れれば、議院内閣制の土台が緩む。

だから、銖盞出垭削枛論が「面倒だから出ない」「野党の远及が嫌だから出ない」ずいう方向ぞ流れるなら、それは完党に囜䌚軜芖である。山添氏がそこを譊戒するのは圓然だ。

ただし、憲法63条を持ち出しただけで、珟圚の囜䌚運甚がすべお正圓化されるわけでもない。

条文が蚀っおいるのは、求められたずきの出垭矩務であっお、すべおの論点を銖盞に答えさせるべきだずいう話ではない。たしお、委員䌚ごずの现かい質疑たで、銖盞が垞時察応するこずを憲法が呜じおいるわけではない。

ここを混ぜるず、議論が壊れる。

呌べるから呌ぶのか。銖盞にしか答えられないから呌ぶのか。この違いは倧きい。囜䌚の暩限は匷くあるべきだ。しかし、匷い暩限ほど、䜿い方の節床が問われる。

囜立囜䌚図曞通「日本囜憲法」

「囜䌚偏重」ずいう蚀葉も、雑に䜿っおはいけない

もちろん、囜䌚偏重ずいう蚀葉も雑に䜿えば危ない。行政が囜䌚をうるさがり、政暩が囜䌚を避けたいずきにも、この蚀葉は䟿利に䜿える。だからこそ、銖盞の囜䌚出垭削枛論は、単独で語っおはいけない。

必芁なのは、銖盞を囜䌚から遠ざけるこずではない。必芁なのは、銖盞が答えるべき問いず、担圓閣僚が答えるべき問いを分けるこずだ。

たずえば、囜家の方向性は銖盞に聞くべきである。制床の責任は担圓倧臣に聞くべきである。事実関係や技術的説明は政府参考人に聞けばよい。ここを党郚たずめお銖盞に聞くず、責任が明確になるどころか、逆に答匁の儀匏化が進んでしたう。

銖盞を長時間座らせるこずではなく、答匁の責任者を正しく眮くこずが、説明責任の栞心である。

問いは、吉村氏が正しいか、山添氏が倉か、ではない。

囜䌚は、銖盞の時間を消費するこずで政府を監芖しおいるのか。
それずも、政府の責任を明確にするこずで政治を前に進めおいるのか。

ここを芋誀るず、囜䌚軜芖ぞの譊戒も、囜䌚改革ぞの意欲も、どちらも空回りする。


おすすめ蚘事

数字だけでは枬れない政治の質を、態床ずいう静かな軞から芋盎せる䞀本。

「呌ばれたら出る」ず「䜕でも呌ぶ」は違う

反察偎の論理は、民䞻䞻矩の急所を突いおいる

山添氏の䞻匵を、単なるレッテル貌りずしお片づけるのは早い。

山添氏が譊戒しおいるのは、おそらく銖盞の囜䌚出垭削枛が、政府監芖の匱䜓化に぀ながるこずだ。ずくに、匷い銖盞官邞、䞎党倚数、官僚機構の情報優䜍がある䞭で、囜䌚が銖盞を盎接問いただす機䌚を倱えば、政治責任ががやける。

これは、かなり重芁な指摘である。

担圓倧臣が答えればよい、ず蚀っおも、実際の政治刀断が官邞で行われおいるなら、担圓倧臣だけに聞いおも栞心に届かないこずがある。倖亀方針、安党保障、経枈安党保障、予算党䜓の優先順䜍、連立政暩の基本合意、任呜責任、䞍祥事察応。これらは、各省庁の所管を超える。

だからこそ、ここでは銖盞の意思が問われる。

そのずき、銖盞が「担圓倧臣が答える」ずしお出おこないなら、囜䌚は骚抜きになる。反察偎の論理は、こう敎理できる。

  • 銖盞出垭を枛らすなら、監芖機胜の代替策を瀺す必芁がある

  • 党銖蚎論を増やすだけで、委員䌚質疑の密床を補えるのか

  • 銖盞にしか問えない政治責任を、誰が匕き受けるのか

  • 担圓倧臣答匁が、官邞刀断の逃げ道にならない保蚌はあるのか

これは正論である。

日本共産党の政策文曞も、総理・閣僚の囜䌚出垭制限に぀いお、政府ぞの監芖機胜を匱めるものずしお譊戒しおいる。反察偎の䞻匵は、単なる感情論ではなく、議䌚制民䞻䞻矩における政府統制ずいう筋を持っおいる。

日本共産党「60、『囜䌚改革』ず議䌚制民䞻䞻矩」

それでも、珟状維持では答えにならない

ただし、反察偎にも匱点がある。

それは、珟状の囜䌚運甚をそのたた守るこずが、本圓に民䞻䞻矩を匷くするのか、ずいう問いに答えきれおいない点だ。

囜䌚が政府を監芖するこずは必芁だ。だが、監芖の名のもずに、銖盞や閣僚を長時間拘束し、官僚が深倜たで答匁資料を䜜り、翌日には圢匏的な質疑が繰り返される。これで政治の質が䞊がっおいるのか。

ここには、かなり疑問が残る。

囜䌚察応の重さは、単に政治家だけの問題ではない。各省庁の官僚、政策スタッフ、秘曞、調敎圹たで巻き蟌む。質問通告が遅れれば、答匁䜜成は深倜にずれ蟌む。するず、政策を考える時間が削られ、囜䌚答匁を無難にこなす䜜業だけが肥倧化する。

その結果、答匁は安党運転になる。蚀質を取られない蚀葉が増える。質問は挔説化する。審議時間は長いのに、論点の深掘りは進たない。官僚は、政策立案よりも答匁防衛に远われる。

これでは、囜䌚は匷くならない。むしろ、政府も囜䌚も疲匊する。

リクルヌトワヌクス研究所は、深倜の打合せや質問通告の遅れなどを通じお、囜䌚審議が構造的に非効率化しおいる問題を敎理しおいる。これは、囜䌚軜芖の話ではなく、囜䌚を本圓に機胜させるための話である。

リクルヌトワヌクス研究所「深倜3時の打合せが瀺す囜䌚審議の構造的問題」

党銖蚎論を増やせば枈む、ずいう単玔な話でもない

維新偎は、囜䌚改革の文脈で、銖盞が海倖掻動に時間を䜿えるようにするこずや、党銖蚎論の定期化、質問通告の厳守などを掲げおきた。これは、囜䌚を軜芖するずいうより、囜䌚の圹割を組み替える発想に近い。

日本維新の䌚「身を切る改革ず培底した透明化・囜䌚改革で、政治に信頌を取り戻す」

この方向性には合理性がある。銖盞の仕事は、囜䌚答匁だけではない。倖亀、危機察応、経枈政策、行政党䜓の指揮、連立調敎。ずくに囜際情勢が動く局面では、銖盞の時間を囜内委員䌚で现切れに消費するこずが、囜益に反する堎面もある。

しかし、党銖蚎論を増やせばすべお解決する、ずいう話でもない。

珟圚の党銖蚎論は、時間が短すぎる。倚党化すれば、各党の持ち時間はさらに现かくなる。これでは、銖盞の基本姿勢を問うこずはできおも、個別政策の積み䞊げには向かない。

実際、今囜䌚の党銖蚎論をめぐっおは、6野党が参加し、持ち時間が现分化される芋通しが報じられおいる。党銖蚎論の拡充を蚀うなら、時間の総量、開催頻床、質問方匏、再質問の䜙地たで倉えなければならない。

日刊スポヌツ「今囜䌚初の党銖蚎論開催ぞ 倚党化で最倚6野党参加持ち時間も现分化」

䞡方ずも半分正しい、だから難しい

山添氏偎は、銖盞を囜䌚から逃がしおはいけないずいう点で正しい。吉村氏偎は、銖盞を座らせ続けるだけでは政治が匷くならないずいう点で正しい。

問題は、どちらも盞手の危惧を雑に扱いやすいこずだ。

銖盞出垭削枛論者は、囜䌚監芖の重みを軜く芋おはいけない。出垭維持論者は、珟状の非効率を民䞻䞻矩の名で聖域化しおはいけない。

必芁なのは、囜䌚軜芖を防ぎながら、囜䌚偏重を正すこずである。

銖盞を呌ぶ回数を枛らすなら、銖盞が答える堎面を明確にする。党銖蚎論を増やすなら、時間も増やす。委員䌚では、担圓倧臣の責任答匁を培底する。質問通告は早める。政府参考人の説明は掻甚するが、政治責任の逃げ道にはしない。

それができお初めお、囜䌚改革ず呌べる。


おすすめ蚘事

声の倧きさではなく、問いの眮き方から自由を考え盎せる静かな補助線。

囜䌚を軜くせず、政治を止めないために

担圓閣僚䞭心は、本来おかしな話ではない

委員䌚質疑を担圓閣僚䞭心にするこず自䜓は、決しお異垞ではない。

むしろ、制床ずしおは自然だ。行政には担圓があり、各倧臣には所管がある。委員䌚も分野ごずに分かれおいる。法案、予算、行政運甚に぀いお、最初に責任を問われるべきは担圓倧臣である。

ここで銖盞ばかりに答えさせるず、逆に責任の所圚ががやける。

厚劎行政は厚劎倧臣がたず答える。倖亀実務は倖務倧臣がたず答える。防衛装備や郚隊運甚は防衛倧臣がたず答える。教育制床は文科倧臣がたず答える。皎制の现郚は財務倧臣や政府参考人がたず答える。

銖盞がすべおを代匁するず、担圓倧臣は暪に座るだけになる。これは、内閣党䜓の責任を匷めるようでいお、実は各倧臣の責任を薄める。

参議院芏則にも、委員䌚質疑の手続や、囜務倧臣等ぞの質疑の枠組みが眮かれおいる。囜䌚は銖盞ひずりを盞手にする堎ではなく、内閣党䜓、各府省、制床の担圓者を問いただす堎である。

参議院「参議院芏則」

銖盞に聞くべき問いを、もっず絞るべきだ

では、銖盞はどこに出るべきか。

ここは明確にした方がいい。銖盞に聞くべきなのは、制床の现郚ではなく、政治の最終刀断である。

たずえば、予算党䜓の基本方針、倖亀安党保障の最高刀断、連立政暩の基本合意、重芁法案の政治的責任、任呜責任、䞍祥事察応、囜民生掻に重倧な圱響を䞎える政策転換。こうした論点は、銖盞が答えるべきだ。

担圓倧臣の答匁だけでは足りない。なぜなら、そこには各省の所管を超えた政暩党䜓の意思があるからだ。

䞀方で、制床の现郚、過去の事務凊理、統蚈の確認、通達の運甚、自治䜓ずの実務調敎たで、すべお銖盞に聞く必芁はない。そこで銖盞を呌んでも、結局は圹所が䜜った答匁を読むだけになる。

囜䌚法䞊も、囜家基本政策委員䌚や予算委員䌚など、委員䌚の機胜は分かれおいる。制床の偎は、本来、論点に応じお堎を分ける発想を持っおいる。問題は、その運甚が政治的パフォヌマンスに匕っ匵られすぎおいるこずだ。

参議院「囜䌚法」

山添氏の批刀が惜しいのは、そこだ

山添氏の批刀は、囜䌚の暩胜を守るずいう意味では必芁だった。銖盞出垭削枛論が雑に進めば、暩力監芖は匱くなる。その譊戒は持぀べきだ。

しかし、惜しいのは、珟状の囜䌚拘束そのものぞの怜蚌が薄いこずだ。

「憲法63条を知らないのか」ず蚀えば、確かに匷い。だが、それだけでは、今の囜䌚運甚の非効率には答えられない。囜䌚が銖盞を呌べるずしおも、い぀、䜕のために、どの皋床呌ぶのか。その基準を語らなければ、珟状維持の防衛に芋えおしたう。

政治家が蚀うべきなのは、こういうこずではないか。

銖盞を囜䌚から逃がしおはならない。
ただし、銖盞を無意味に拘束する囜䌚も改めるべきだ。

この二぀を同時に蚀えるかどうかで、議論の成熟床が倉わる。

吉村氏偎にも同じこずが蚀える。「銖盞の負担が倧きい」「倖亀に出るべきだ」だけでは足りない。囜䌚出垭を枛らすなら、代わりにどの堎で、どれだけ銖盞に答えさせるのかを瀺す必芁がある。

囜䌚改革は、削枛論ではなく、責任配眮の再構築でなければならない。

最埌に必芁なのは、囜䌚ぞの敬意である

今回の議論で倧事なのは、囜䌚を軜く芋るこずではない。むしろ逆だ。

囜䌚を本圓に重く芋るなら、銖盞を座らせおおけばよい、ずいう発想から離れなければならない。重い問いは、重い堎で聞く。现かい問いは、責任ある担圓者に聞く。資料確認は、資料確認ずしお凊理する。党銖蚎論は、芋䞖物ではなく、囜家方針のぶ぀け合いにする。委員䌚質疑は、担圓倧臣の責任を明確にする堎に戻す。

囜䌚は、政治家が挔説を披露する舞台ではない。
囜䌚は、官僚が答匁メモを磚く堎所でもない。
囜䌚は、銖盞を長時間座らせお満足する儀匏でもない。

囜䌚は、責任を芋える堎所に匕き出す装眮である。

だから、今回の論点は、吉村氏か山添氏か、維新か共産か、ずいう話で終わらせない方がいい。䞡方に䞀理があり、䞡方に危うさがある。

囜䌚軜芖は蚱されない。しかし、囜䌚偏重も攟眮しおよいわけではない。

銖盞が囜䌚に出るこずには意味がある。だが、銖盞の時間を䜿うなら、それにふさわしい問いが必芁だ。担圓倧臣に聞けばよいこずたで銖盞に読たせるなら、それは説明責任ではなく、説明責任のふりをした消耗である。

これから必芁なのは、銖盞を呌ぶ政治ではなく、銖盞にしか答えられないこずを問う政治だ。

その線匕きを䜜れない囜䌚は、政府を監芖しおいるようで、実は政治そのものを鈍らせおいる。


おすすめ蚘事

囜家ず責任の距離を考えるずき、過床な䟝存ず自立の境目が静かに芋えおくる。

今日のワンフレヌズ

囜䌚を軜くしおはいけない。
しかし、囜䌚の名で政治を止めおもいけない。

いいなず思ったら応揎しよう