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コーチの限界

2013年にコーチングを学び始め、2015年に資格(CPCC®、Certified Professional Co-Active® Coach)を取得しましたが、コツコツ続けてきましたら、先日、コーチング・セッション実績時間が2500時間になりました。
一つの目標としてきた数字なので、ああ、ここまで来たなぁ、という気持ちです。
コーチ派遣のサービス等には登録していないので、直接のつながりやご紹介、ウェブサイトを介してのお問い合わせでここまで成り立っており、巡り巡るご縁にただただ感謝です。
もっと精力的にセッションを積み重ねている方も多い中、私は相変わらずカメのペースですが、引き続き、一歩一歩、歩んでいけたらなと思います。

経験を重ねてくると、様々なケースに対応する力がついてきますが、それでも「コーチングは万能」とは思いません。
また、どれだけ優れたコーチがいたとしても、そのコーチの力だけで、良いコーチングが成立するとも思いません。

あまり好きな言葉ではありませんが、「コーチャブル(Coachable)」という表現があります。
コーチングを受けられる状態にある、コーチングを受けるマインドがある、という意味です。
優秀かどうか、能力があるか、ということではなく、コーチと一緒に発見をして変容していこうというマインドがあるかどうか、ということです。
書籍「1兆ドルコーチ」の題材となっているビル・キャンベルは、スティーブ・ジョブズやラリー・ペイジ、ジェフ・ベゾスやシェリル・サンドバーグなど、シリコンバレーの名だたる起業家をコーチしてきた人ですが、彼はコーチャブルな人でなければコーチを引き受けなかったといいます。

また、コーチャブルであったとしても、セッションの中での気づきを現実社会で具体的に行動して試してみないことには、コーチングセッションは単なる知的で哲学的なおしゃべりになってしまいます。
コーチングの価値は、セッションとセッションの間に生まれます。
セッションの終わりに決めた「宿題」という名の具体的な行動を、実際にやってみる人、または行動しなかった時にもそのことにしっかり向き合う人は、変容が早いように感じます。
次のセッションまでの間、私の側でできることは、その人にとって善きことが起きるよう、ただ祈るのみです。
(注:セッションの間も細やかにフォローしてくれるコーチもいると思います。)

そういう、「やらない人」を「やる人」にするのがコーチングなのでは?という疑問もありそうで、
私も実際、コーチングに乗り気でない人とセッションできるようになっていくプロセス自体がコーチングだなと感じることも多々あります。
ただ、それには時間がかかることも事実です。
また、コーチひとりでできることではなく、企業であれば、周りの方々のサポートも必要になります。
ビル・キャンベルは、そこには自分の時間を使わないよ、ということだったのかもしれません。

最近、企業でも上司にコーチ的役割が求められるようになる中、上司の立場にある方々から、メンバーにコーチングしようとしても受け付けられないとか、コーチングをしても伸びない、といった嘆きやお悩みを伺うことがあります。

もしかしたら、そのメンバーに必要なのは、今はコーチングではなく、ティーチングやメンタリングかもしれません。
あるいは、その人は今、アンコーチャブル(uncoachable)な状態なのかもしれません。

だからといって、コーチングは意味がないものと切り捨てるのもまた違います。
その人が未来永劫アンコーチャブルな人だと、レッテルを貼るのも違います。
ご自身についても、自分にはコーチングは向いてないと決めつける必要もありません。

コーチングですべてを解決しようとしない。
同時に、いつかコーチングが適した状態になるかもしれないという、あたたかい眼差しを持っておく。
そして、必要なときには使えるようにしておく。

それはどういう塩梅なのか。
私も、2500時間を経た今も、お相手の様子を見ながら、時にはセッションにティーチングやトレーニングの要素を混ぜたりしながら、探究の日々です。

それくらい、人に関わることは正解のない奥深いことであり、同時に自分の幅を広げさせてくれるもの、ということかもしれません。

では、今日もよい一日を!

◆今日の写真は、昨年の北海道旅行から。

この記事は、2026年9月9日配信のここみち便りをリライトしたものです。「ここみち便り」は、コーチング、リーダーシップ、その他、仕事や日常を充実させるヒントをお届けしているメルマガです。毎週水曜お昼ごろ配信。ご登録はこちらから。


【参考図書】
『1兆ドルコーチ シリコンバレーのレジェンド ビル・キャンベルの成功の教え』


【参考記事】


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