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【リバーブのDry/Wet】実は、黄金比はたった一つの数字で決まる/DTM無料相談#134

【お悩み相談】
Q. リバーブの Wet 量がいつもわかりません。多すぎる気もするし、足りない気もする。何度も上げ下げしているうちに、結局ちょうどいい値が見つからなくて、なんとなくで終わってしまいます。プロは何を基準に決めているのでしょうか?

「Wet 量、結局どれくらいが正解?」というあなたへ

──実は、これを解決するのに必要なのはたった一つの視点だけです。

ヘッドフォンで聴くとちょうどいい気がするけど、スピーカーで聴くと多すぎる。スマホで聴くとリバーブが聞こえなくて足りない気がする。耳の感覚だけでは正解値にたどり着けない。

この原因は、耳が鈍いことでも、リバーブの選び方でもありません。本質的な問題は、Wet 量を「感覚」で決めようとしていること。

「リバーブの Wet 量には、Send 方式で -20dB という業界標準値が存在する」というたった一つの数字にヒントがあります。

この記事では、

・なぜ「感覚」だけでは Wet 量が決まらないのか
・プロが基準にしている、Send 方式の黄金比 -20dB
・楽器別、すぐ使える Send 量の微調整目安

を、初心者にもわかるように、ていねいに解説していきます。

「感覚」で Wet を決めると、絶対に外す理由

人間の耳には、マスキング効果という現象があります。

ある音を長く聴いていると、その音に対する感度が下がっていく。リバーブを聴き続けていると、最初は「多すぎる」と感じた量が、5分後には「ちょうどいい」と錯覚するようになる。

つまり耳の感覚は、時間とともに信用できなくなる。これが「Wet 量がいつも決まらない」現象の正体です。

プロが当たり前にやっているのが、Send 量を数値の基準に合わせること。耳の感覚を裏切る環境(疲れている、ヘッドフォンが違う、時間帯が違う)でも、数値があれば安定した結果が出せます。

「-20dB」という業界標準を基準値として知っているだけで、Wet 量の悩みは半分解消します。

結論:Send 方式の黄金比は -20dB

迷ったら、まずこの値から始めてください。

Send 方式の基本

リバーブはリターントラックに1〜2系統立てて、各トラックから Send(送り量)で送り込むのが基本(記事 #110 で解説)。

このとき、Send 量の業界標準値が -20dB

-20dB:自然で、ミックスに馴染む基準値
-15dB:少し多め、空間感を強調したい場面
-10dB:かなり強め、ドロップ部分やアンビエント演出
-25dB 以下:控えめ、繊細な空間付加

「迷ったら -20dB」で始めて、楽器ごとに ±5dB 微調整するのが現実的なワークフローです。

Dry/Wet インサート方式の場合

リバーブをトラックに直接インサートする場合(記事 #110 でも触れた応用パターン)、Dry/Wet の黄金比は 80/20

Dry 80% / Wet 20%:標準(Send -20dB と同等の聞こえ方)
Dry 70% / Wet 30%:強め
Dry 90% / Wet 10%:控えめ

「Wet 30% 以上」は基本的にやりすぎ。リバーブがミックスを支配して、楽曲がぼやけ始めます。

楽器別:Send 量の微調整目安

-20dB を起点に、楽器ごとに調整します。

キック・ベースは送らない」が大原則。残りは -10〜-25dB の範囲で楽器の役割で決める。

ジャンル別の全体調整

ジャンルごとに 全体を ±3dB シフトするだけで、空間設計が成立します。

おすすめプラグイン

DAW付属プラグイン:Ableton Live のセンドツマミ

Ableton Live ユーザーなら、各トラックの Send ツマミを回すだけ。表示単位は dB(デシベル)。

・基準値:-20dB
・楽器ごとに ±5dB の範囲で微調整

特に便利なのが、Send ツマミを Shift + ドラッグで微調整できること。-20.5dB のような精密な値も狙えます。

DAW付属プラグイン:Ableton Live「Reverb」のリターン配置

Send 運用の基本セットアップは、リターントラック A に Reverb を1つ立てるだけ。

・リターン A:Reverb(Mode = Plate、Decay 1.5秒、Predelay 30ms)
・各トラックの Send A から -20dB を基準に送り込む

シンプルだけど、これが Send 方式の本質。複雑なセットアップは不要です。

トリケラテクノ使用例:2系統リバーブの Send 量

私のテクノ系トラックは、Valhalla VintageVerb を2系統リターンで運用(記事 #121 と同じ構成)。

・リターン1(プレート Decay 1.2秒):ボーカル -15dB、スネア -18dB、ピアノ -15dB
・リターン2(ホール Decay 3.0秒):パッド -10dB、リード -15dB

2系統 × 楽器ごとの Send 量が決まっていれば、毎曲ゼロから値を探す必要がなくなります。テンプレ化しておくと、ミックス時間が半分になります。

DTM初心者がやりがちな失敗例

・耳の感覚だけで Wet 量を決める → -20dB を基準に dB 単位で管理する
・全楽器を同じ Wet 量で送る → 楽器の役割で ±5dB 調整する
・キック・ベースにもリバーブを送る → 低域楽器は送らないが鉄則

リバーブの Wet 量に「正解値」はないと思っていませんか。あるのは、Send 方式 -20dB という業界標準値だけ。

迷ったら -20dB から始める。ボーカルは -15dB、パッドは -10dB、ハイハットは -25dB、キック・ベースは送らない。この基準を覚えるだけで、リバーブの量で悩むことはなくなります。

耳の感覚は、時間とともに信用できなくなります。数値という土台を持っているかどうかが、ミックスの安定感を決めます。

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それでは、またお会いしましょう!!

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