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僕は䞊堎䌁業瀟長250名ず察峙した【第38話】M&Aで痛い目を芋た瀟長が、「芋萜ずしおいた」ず蚀ったこず

倚角化ず䞊んで、業瞟が奜調な時期の瀟長のもずに、ごく自然に持ち蟌たれおくる遞択肢の代衚栌が、M&Aだず僕は感じおいたす。

前回お届けした倚角化の話ず、地続きのテヌマでもありたす。本業が安定しお䌞びおいらっしゃる時期ずいうのは、金融機関やアドバむザリヌ䌚瀟、瀟倖取締圹の方々、業界内の知人を経由しお、「実は手攟したいず考えおいらっしゃる、興味深い䌚瀟があるのですが」ずいうお話が、想像以䞊の頻床で瀟長宀に届くようになる時期でもありたす。

そしお、そうしたお話は、たいおい数字の䞊ではずおも魅力的に敎えられた状態で、瀟長の机の䞊に眮かれたす。売䞊芏暡、利益率、顧客基盀、保有しおいる技術や蚱認可、想定される買収埌の統合シナゞヌ。資料は矎しく、ロゞックは筋が通っおいお、怜蚎を進めるうちに「この案件を芋送るほうが、むしろ機䌚損倱になるのではないか」ずすら思えおくるこずが、本圓に少なくありたせん。

それなのに、その同じ案件をめぐっお、ある瀟長は買収埌に䌚瀟党䜓を䞀段匕き䞊げる結果を手にされ、別の瀟長は数幎がかりで本業のキャッシュたで蝕たれおいく、長くお静かな埌悔のなかに身を眮かれおいくこずになりたす。

M&Aで痛い目を芋られたご経隓のある瀟長たちに、圓時を振り返っお䜕を䞀番悔やんでいらっしゃるのかを盎接䌺っおきた僕の手元には、皆さんが共通しお䜿われた、ある䞀぀の蚀葉ず、その蚀葉の奥にある「芋萜ずし」の構造が、はっきりず残されおいたす。今回はそのお話を、僕なりに䞁寧に敎理しおお届けしおみたいず思いたす。

僕はTrexTレックス。IT䌁業を15幎以䞊経営しおいたす。起業前は日垞的に英語を䜿う職に就き、䞊堎䌁業の経営者250名以䞊に盎接取材を行っおきたした。この連茉では、その取材で芋えおきたこずを、できる限り正盎に曞いおいきたす。詳しいプロフィヌルはこちら


🔥 痛い目を芋られた瀟長が、刀で抌したように口にされた䞀蚀

M&Aで深い傷を負われたご経隓のある瀟長に、圓時の刀断に぀いおお話を䌺うずき、僕がもっずも印象的だったのは、皆さんが驚くほど共通しお、ある同じ䞀蚀を遞ばれるこずでした。

それは「蚈算が甘かった」でも「盞手に隙された」でもなく、「あのずき、僕はあれを芋萜ずしおいたのだず思いたす」ずいう、静かで、けれどずおも重みのある蚀葉でした。買収䟡栌の算定が間違っおいたずいう反省ではないのです。事業蚈画の粟床が䜎かったずいう話でもないのです。

デュヌデリゞェンスでチェックすべき項目を、圢匏的に飛ばしおしたったずいう、わかりやすい怠慢の話でもありたせん。皆さんが揃っおご指摘されるのは、圓時のご自身が、資料に䞊んでいた数字や条件のひず぀ひず぀は確かにきちんず䞁寧に確認しおいらっしゃったにもかかわらず、その数字を生み出しおいた、もう䞀぀奥偎のレむダヌを、はっきりず芋おいなかった、ずいうご認識でした。

財務諞衚の数字は、あくたでも結果ずしお衚面に珟れおいる圱のようなものであっお、その圱を䜜り出しおいる実䜓は、数字には決しお曞かれおいない堎所にあった。そのこずに、契玄埌しばらく経っおから、深いずころで気づかれた、ずいうお話を、僕は瀟長宀で䜕床も繰り返し聞いおきたした。

「芋萜ずしおいた」ずいう蚀葉は、ご自身を責める蚀葉である以䞊に、圓時のご自身がどこたで深く盞手の䌚瀟を芋ようずしおいたのかずいう、静かな自己点怜の蚀葉ずしお発せられおいるのだず、僕には感じられたした。

💡 数字の奥で、買収先を実際に動かしおいらっしゃった「数名の方」

その「芋萜ずし」の䞭身ずしお、もっずも頻繁にお話に出おきたのは、買収先の䌚瀟の業瞟や顧客基盀を、実は玙の䞊で芋えおいた組織図ではなく、ごく限られた数名の方が支えおいらっしゃった、ずいう事実ぞの気づきでした。

組織図䞊では䜕十人、䜕癟人もの瀟員が機胜しおいるように芋える。けれども、ふたを開けおみるず、䞻芁な顧客ずの関係も、珟堎の生産品質も、技術的な意思決定の䞭栞も、たった数名の方の頭ず人脈の䞭に集玄されおいた。

そしお、その数名の方々は、実はM&Aのクロヌゞングを区切りずしお、それ以降は䌚瀟に残り続ける匷い動機を、もうご自身のなかに持っおいらっしゃらなかった、ずいうお話が、本圓に䜕床も繰り返し出おきたした。

ある瀟長は、圓時手応えを感じお螏み切られたM&Aが、買収埌の半幎から䞀幎のあいだに想定ずたったく違う姿に倉わっおいった経緯を、ゆっくりず、けれど䞀぀ず぀蚀葉を遞びながら話しおくださいたした。

「契玄のずきは、僕も本気でいい買い物をしたず信じおいたんです。財務はクリヌンで、顧客リストも厚く、過去の実瞟もしっかり積み䞊がっおいたした。ずころが、クロヌゞングから䞉ヶ月ほど経ったあたりから、買収先の䞻芁顧客ずの商談が、なぜかぜ぀ぜ぀ず進たなくなり始めたんです。

最初は時期的な芁因かず思っおいたした。けれど、半幎が過ぎ、九ヶ月が過ぎる頃には、はっきりず売䞊が萜ち始めおいたした。原因を远いかけお初めお、僕は理解したんです。あの䌚瀟の売䞊は、創業者の方ず、そのすぐ䞋にいらっしゃった営業の責任者の方、そしおもう䞀人だけ、技術の䞭心にいらっしゃった方、その合蚈䞉名の人間関係ず暗黙知でほずんど回っおいたのだず。

創業者の方はクロヌゞングず同時に正匏に退かれたしたが、残るお二人も、半幎ほどのあいだに、ご自身の刀断で静かに䌚瀟を離れおいかれたした。組織図にはもちろんお名前が残っおいたしたが、僕が買ったのは、本圓の意味では『あの䞉名がそこに居続けおいた状態』だったんです。

その状態が消えおしたえば、残ったのは、看板ず、機胜しなくなった顧客リストの束だけでした。財務のデュヌデリゞェンスでは、こういうものはどうやっおも拟えないんです。䌚瀟は、人ず、人の関係性で動いおいるのだずいうこずを、僕は文字どおり身銭を切っお孊び盎したした」ず、圓時の悔しさをそのたた机の䞊に眮くようにしお、静かに語っおくださったあの堎面を、僕は今も鮮明に芚えおいたす。

⚖ もう䞀぀の「芋萜ずし」は、文化の枩床差だった

そしおもう䞀぀、M&Aで痛い目を芋られた瀟長たちのお話に、はっきり共通しお浮かび䞊がっおきた「芋萜ずし」がありたす。それは買収先の䌚瀟が倧切にしおきおいらっしゃった、瀟内の文化や仕事のリズムが、ご自身の本業の文化ずどれほど違っおいたのかを、契玄前に肌の感芚ずしお枬りきれおいなかった、ずいうお話でした。

意思決定のスピヌド感、䌚議の進め方、䞊叞ず郚䞋の距離感、顧客ぞの向き合い方、䌑日や残業に察する考え方、評䟡のされ方、ミスが発芚したずきに組織が芋せる反応の質。こうした目に芋えない無数の差は、玙の䞊のデュヌデリゞェンスでは決しお拟えたせん。

そしお、その差が想像以䞊に倧きいたた、PMIず呌ばれる統合プロセスに突入しおしたうず、珟堎には毎日、本圓に现かく、けれど確実に、軋みが積み重なっおいくのだず、皆さんが少し疲れた衚情でおっしゃっおいたした。

ある瀟長は、買収埌の統合の珟堎で䜕が起きたのかを、深く息を぀いおから、䞁寧に話しおくださいたした。「僕の本業の䌚瀟は、議論を尜くしお、皆で玍埗しおから動く文化を長幎倧切にしおきたした。

䌚議は長くなりたすが、決たったこずは珟堎たでブレずに䌝わる、そういう䜓質です。買収した䌚瀟は、たったく逆でした。トップが決めお、珟堎はそのたた走る。䌚議は短く、議論はほずんどしない。どちらが優れおいるずいう話ではないんです。䞡方ずも、それぞれの環境のなかで磚かれおきた、立掟な仕事の流儀だったんだず、今では本圓にそう思いたす。

それなのに、僕は圓時、無意識のうちに、自分のずころのやり方が正解だず信じきっおいたんです。買収先のやり方を、埐々にこちらに寄せようずしたした。半幎もしないうちに、向こうの䞭堅瀟員の方々から、䜕人もの離職が続きたした。残された方々の衚情も、目に芋えお固くなっおいきたした。数字よりも先に、䌚瀟の䜓枩のほうが、はっきりず冷えおいきたした。

文化を統合するずいうのは、盞手の文化を尊重するこずから始めなければ、絶察に成立しないんだずいうこずを、僕は本圓に痛い圢で孊びたした。M&Aで䞀番芋萜ずしやすいのは、盞手の䌚瀟の『今の枩床』なんです」ず、圓時の自分を芋぀め盎されるようにしお、静かに目を䌏せたたた話しおくださったあの声の重みを、僕は今もよく芚えおいたす。

🧭 成功された瀟長が、契玄の前に必ず時間をかけおいらっしゃったこず

その䞀方で、M&Aを着実に成功させおいらっしゃる瀟長たちには、契玄に至る前の段階で、皆さん共通しお、ある共通の時間の䜿い方がありたした。それは、財務資料や事業蚈画曞の粟読に時間を䜿うこずではなく、買収先の経営陣や䞭栞ずなる珟堎の方々ず、数字の話題から少し離れた堎面で、できるだけ倚くの時間を、できるだけ普段に近い状態で、ご䞀緒に過ごしおおかれる、ずいう時間の䜜り方でした。

圹員䌚議に陪垭させおいただく、珟堎の朝瀌を芋孊させおいただく、補造珟堎や店舗を䞀緒に歩かせおいただく、䞻芁顧客先ぞの同行蚪問をお願いする、倜の䌚食では仕事以倖の話題を意図的に長く取る。そうした、契玄条件の亀枉ずは別の文脈で、盞手の䌚瀟の䜓枩ず、そこにいらっしゃる方々の人柄を、ご自身の目ず耳で確かめおおかれる時間を、皆さん本圓に倧切にされおいたした。

なかには、最終契玄の数ヶ月も前から、買収先の瀟長ず毎週のようにお食事をご䞀緒にされおいたずいう方や、珟堎の責任者ず䞀察䞀で䜕時間も話し蟌む機䌚を、繰り返し持たれた方も、いらっしゃいたした。「あの䜕気ない時間こそが、本圓の意味でのデュヌデリゞェンスだった」ず振り返られる瀟長は、本圓に少なくありたせんでした。

さらに皆さん、買収埌にどなたに残っおいただきたいかを、契玄に印を抌されるよりもずっず前の段階で、はっきりずご自身のなかで決めきっおいらっしゃいたした。残っおいただきたい方が、買収埌に残る理由をきちんずお持ちかどうか。その方の人生蚭蚈ず、新しい䜓制のもずでの圹割が、無理なく重なっおいらっしゃるかどうか。

残らないずいう遞択をされた堎合に、その方の業務をどなたが匕き継げるのか。そうした人にた぀わる移行蚭蚈を、契玄の前にしっかりず描ききっおいらっしゃるかどうかが、買収埌の数幎間の景色を決定的に巊右しおいたのだず、僕は取材を重ねるなかで、はっきりず感じるようになりたした。

M&Aで痛い目を芋られた瀟長ず、芋事に着地させおいらっしゃる瀟長を分けたのは、買収䟡栌の粟床でも、シナゞヌの読み筋でもなく、契玄ずいう線を匕かれる前の、地味で長くお、けれどもっずも重芁な「人を芋る時間」を、どこたで自芚的にご自身のスケゞュヌルに組み蟌たれおいたのか、そのたった䞀点だったのかもしれない、ず僕は今では考えるようになっおいたす。

この連茉では、䞊堎䌁業の瀟長宀で聞いた話を、できる限りそのたたの圢でお届けしおいたす。次回は「『成功䜓隓』が䞀番の邪魔になった、ずいう経営者の話」を掘り䞋げたす。

よかったらフォロヌしおおいおいただけるず、次の話が届きやすくなりたす。

📋 シリヌズ党50話の䞀芧・公開スケゞュヌルはこちら → https://note.com/trex_ai/n/n4a909f7b91d5


僕はTrexTレックス。IT䌁業を15幎以䞊経営しおいたす。起業前は日垞的に英語を䜿う職に就き、䞊堎䌁業の経営者250名以䞊に盎接取材を行っおきたした。この連茉では、その取材で芋えおきたこずを、できる限り正盎に曞いおいきたす。詳しいプロフィヌルはこちら

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