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僕は䞊堎䌁業瀟長250名ず察峙した【第39話】「成功䜓隓」が䞀番の邪魔になった、ずいう経営者の話

「成功䜓隓が、䞀番の邪魔になりたした」。そう静かに口にされた経営者を、僕は取材のなかで䜕人も芋おきたした。これは皮肉でもなんでもなく、転萜をご経隓された瀟長の方々ご自身が、圓時を振り返るずきに、ご自身の蚀葉ずしお遞ばれる共通の自己分析でもありたす。

本業が䞀床倧きく圓たっお、ある時期、垂堎のなかで圧倒的なポゞションを築かれた経隓のある瀟長ずいうのは、その勝ち方がどうしおもご自身の身䜓に深く染み蟌んでいきたす。䜕が決定打だったのか、どこで競合ずの差が぀いたのか、どの䞀手が䌚瀟党䜓を動かしたのか、その因果のラむンがあたりにもくっきりず芋えおしたったご経隓ずいうのは、ご本人のなかで䞀皮の「経営の正解の型」ずしお、䜕幎経っおも色耪せずに保存されおいきたす。

それ自䜓はもちろん、決しお悪いこずではありたせん。問題は、その型が、その埌にやっお来る別の局面に察しおも、無意識のうちにそのたた圓おはめられ続けおしたう、ずいうずころにありたす。

垂堎の前提が倉わっおいおも、顧客の䞖代が入れ替わっおいおも、競合の構造が静かに塗り替わっおいおも、ご本人のなかの「正解の型」だけは、圓時のたたの姿で動かない。気が぀いたずきには、䌚瀟党䜓が、その動かない型を䞭心にしお組み盎されおしたっおいる。そのこずに最埌の最埌たで気づけなかったのだず、䜕人もの瀟長が、圓時の悔しさをそのたた机の䞊に眮くようにしお話しおくださいたした。

今回はそのお話を、僕なりに䞁寧に敎理しおお届けしおみたいず思いたす。

僕はTrexTレックス。IT䌁業を15幎以䞊経営しおいたす。起業前は日垞的に英語を䜿う職に就き、䞊堎䌁業の経営者250名以䞊に盎接取材を行っおきたした。この連茉では、その取材で芋えおきたこずを、できる限り正盎に曞いおいきたす。詳しいプロフィヌルはこちら


🔥 「あのずきうたくいった型」は、ご本人のなかで聖域になりやすい

瀟長が䞀床倧きなご成功を経隓されるず、その勝ちパタヌンは、ご本人の意識のなかで「他の遞択肢ず䞊列で比范される䞀案」ではなく、「揺らがない原点」ずしお保存されおいく傟向があるず、僕は取材を通しおはっきりず感じおきたした。

これは、ご自身の意思の匷さや慢心の問題ずいうよりも、むしろ人間の蚘憶の構造そのものが持っおいる性質に近いのかもしれたせん。倧きく動いた瞬間の景色は、それ以倖の现かな出来事よりもはるかに鮮やかに刻たれたすし、その景色を䜜り出した䞀手は、䜕幎経っおもご本人のなかで色を倱いたせん。

問題は、その鮮やかさが、ご自身の他の刀断にたで䞀皮の重力を䞎え続けおしたう、ずいう点にありたす。新しい局面で意思決定を迫られたずき、目の前の状況をフラットに芋るよりも先に、「あのずきず䌌おいる郚分」を探そうずしおしたう。

䌌おいる郚分が芋぀かれば、迷いなく圓時の手筋を再珟しようずされる。䌌おいない郚分は、無意識のうちに、刀断の察象から静かに倖されおいく。その繰り返しが、䜕幎もかけおゆっくりず、組織党䜓の刀断の幅を、ご本人の過去のご成功䜓隓のサむズぞず瞮めおいきたす。

「成功䜓隓は、捚おられないんです。捚おられないからこそ、䞀番厄介なんです」ず語っおくださった瀟長の蚀葉を、僕は今もよく芚えおいたす。

ある瀟長は、創業から数幎で本業を䞀気に䌞ばされた圓時のご経隓に぀いお、深いため息を䞀぀぀いおから、ゆっくりず話しおくださいたした。「あの頃の僕は、ある䞀぀の売り方を、磚きに磚いおいたんです。

ずにかくお客様のずころぞ䜕床も足を運び、競合よりも速く提案を仕䞊げお、その堎で即決しおいただく。これだけで、半幎で売䞊が䞉倍になりたした。瀟内は沞きたしたし、僕自身、これこそが我が瀟の勝ち筋だず、本圓に心の底から信じきっおしたったんです。

それから十幎、垂堎は静かに、けれど確実に倉わっおいきたした。お客様は瀟内で皟議を回す䜓制を匷化されおいき、珟堎の担圓の方が即決される文化は、業界からゆっくりず姿を消しおいきたした。それなのに、僕は『うちの匷みは即決の営業力だ』ず蚀い続けおいたんです。

若手から『今のお客様は、その堎では決められないんです』ず䜕床も声が䞊がっおきおいたのに、僕は心のどこかで、そう蚀っおくる若手の偎の力量䞍足だず、無意識のうちに解釈しおしたっおいたした。気づいたずきには、競合は提案資料の粟床ず、皟議を通すための材料蚭蚈で、はるかに先を行っおいたした。

僕の頭の䞭の勝ち筋は、もう垂堎には存圚しおいないやり方だったんです。成功䜓隓ずいうのは、自分が䞀番信じおいる歊噚だからこそ、䞀番疑えないんです」ず、圓時の刀断のずれを、静かに、けれど淡々ず話しおくださったあの堎面を、僕は今も鮮明に芚えおいたす。

💡 呚囲が「瀟長の型」を口に出しお疑えなくなっおいく

そしおもう䞀぀、ご成功䜓隓が経営の足を匕っ匵る理由ずしお、䜕人もの瀟長が共通しお挙げおいらっしゃったのが、ご自身の呚囲の方々もたた、その勝ちパタヌンを口に出しお疑いにくくなっおいく、ずいう構造でした。

瀟長が䞀床倧きな実瞟を出された埌の組織ずいうのは、結果が䌎っおいるぶん、ご本人の刀断に察しお反察意芋をぶ぀けるこずぞの心理的なコストが、想像以䞊に高くなっおいきたす。

「過去の実瞟で䌚瀟をここたで持っおきおくださった方の刀断に、自分のような立堎の人間が異を唱えおいいのか」「もし自分が反察意芋を述べお、埌でその刀断のほうが正解だったずわかったら、どう顔を合わせればいいのか」。そうしたご遠慮が、珟堎から経営局に向かっお流れる情報を、少しず぀角の取れた圢に敎えおいきたす。

気が぀けば、瀟長ご自身の勝ちパタヌンに沿わない情報や、「垂堎の前提が倉わっおいるのではないか」ずいう違和感は、皆さんの遠慮を䞀段、たた䞀段ず通過するうちに、最終的に瀟長の耳には届かない状態になっおいく。これは、誰かが意図的に情報を遮断しおいるのではなく、組織のなかに自然発生しおいく沈黙のようなものでした。

ある瀟長は、圓時のご自身の呚囲がどういう状態になっおいたのかを、圓時を芋぀め盎すようにしお話しおくださいたした。「振り返っおみるず、僕の呚りからは、ある時期を境に、はっきり反察意芋が消えおいたんです。

䌚議では皆さんちゃんず発蚀しおくれおいたした。けれど、よく聞き返しおみるず、誰もが僕の方針に察しお、別の遞択肢を提瀺する圢ではなく、僕の方針をどう実行するかずいう範囲のなかでしか議論をしおいなかったんです。圓時の僕は、それを『方針が䞀本筋に通っおいる健党な組織だ』ず勘違いしおいたした。

本圓はその逆で、誰も僕の前提そのものに觊れられなくなっおいただけだったんです。埌で䜕人かの幹郚に正盎に聞いたずき、口を揃えお蚀われたした。『瀟長のこれたで成功されおきたやり方を、自分が真正面から吊定する勇気は、圓時の僕にはありたせんでした』ず。

あの䞀蚀を聞いた瞬間に、僕は理解したんです。䌚瀟をここたで持っおきた僕の成功䜓隓そのものが、組織のなかで䞀番倧きな『蚀っおはいけない聖域』になっおいたんだず。誰の悪意もなく、自然ずそうなっおいたんです。だからこそ、止たらなかったんだず、心の底から思いたした」ず、圓時の組織の空気を、ご自身の責任ずしお䞁寧に振り返っおくださったあの声の重みを、僕はずっず忘れずにいたす。

⚖ 垂堎が倉わったこずに、最埌に気づかれるのが瀟長ご自身だった

さらに皆さん、口を揃えおご指摘されおいたのは、垂堎の倉化ずいうのは、倖から眺めおいるずはっきりず可芖化されたタむミングで起きおいるように芋えるけれども、実際にその真っただ䞭にいらっしゃる瀟長の立堎からは、倉化の境目はほずんど芋えない、ずいうお話でした。

垂堎が倉わるずき、最初に肌で感じるのは、お客様のいちばん近くにいらっしゃる珟堎の方々です。次に気づかれるのは、その情報を集玄しおいらっしゃる䞭間管理職の方々で、その次が経営䌁画やマヌケティングを担うチヌム、そしお最埌にようやく、瀟長のもずぞず届く。

ずころが、その情報が瀟長のもずぞ届く頃には、ご本人のなかの「あのずきの成功の型」ずいうフィルタヌを䞀床通っおしたうため、倉化のシグナルは、しばしば「珟堎の蚀い蚳」「景気の問題」「特定のお客様のご郜合」ずいった、ご自身の型を吊定しなくお枈む圢に、無意識のうちに翻蚳されおしたいたす。これは、誰かが嘘を぀いおいるわけでも、瀟長が珟実を盎芖しおいないわけでもありたせん。

ただ、ご本人のなかにある成功の型が匷ければ匷いほど、倖から入っおくる情報は、その型ず矛盟しない郚分だけが残り、矛盟する郚分は無意識のうちにそぎ萜ずされおいく、ずいう珟象が、自然ず起きおしたうのです。「振り返るず、垂堎が倉わった瞬間ずいうのは、確かにあったんです。

僕がそれにきちんず気づくたでに、二幎以䞊のラグがありたした。䌚瀟にずっお、その二幎は本圓に重い二幎でした」ず、ある瀟長が静かに語っおくださったずきの衚情を、僕は今もよく芚えおいたす。皆さんが口を揃えおおっしゃっおいたのは、倉化に気づくのが遅れたこず自䜓よりも、圓時のご自身が「気づける環境」を、ご自身の手でい぀の間にか手攟しおしたっおいたこずのほうが、ずっず悔しかった、ずいうご感想でした。

🧭 「成功を疑える」瀟長が、習慣ずしお続けおいらっしゃったこず

その䞀方で、長くご成長を続けおいらっしゃる瀟長たちは、ご自身のご成功䜓隓ずの距離の取り方が、はっきりず違っおいらっしゃるず、僕は取材を重ねるなかで感じおきたした。皆さん共通しおされおいたのは、「自分の勝ちパタヌンを、定期的に倖偎から怜蚌する堎」を、ご自身のスケゞュヌルにあらかじめ組み蟌んでいらっしゃる、ずいう習慣でした。

具䜓的には、業界の倖の経営者の方々ず少人数で深く話す時間を意図的に確保される、ご自身の䌚瀟の若手瀟員の方々ず、䞊䞋関係を䞀床脇に眮いた状態で本音を聞く時間を定期的に持たれる、ご自身がうたくいったずきの刀断を、わざず吊定的な芖点から問い盎しおみる時間を、幎に数回ご自身に課されおいらっしゃる。

そうした「ご自身のご成功を、ご自身でわざず疑う」時間を、面倒だず感じながらも、皆さんは決しお手攟されたせんでした。「自分の過去の正解にしがみ぀かないようにするのは、本圓に難しいんです。だからこそ、しがみ぀かないための時間を、匷制的にカレンダヌに入れおしたうしかないんです」ず、ある瀟長はおっしゃいたした。

さらに皆さん、「もし今この䌚瀟をれロから始めるずしたら、本圓に同じやり方を遞ぶだろうか」ずいう問いを、定期的にご自身に向けおいらっしゃいたした。この問いは、過去のご成功を吊定するためのものではなく、過去のご成功ず今の垂堎のあいだに、無意識のうちに生たれおしたっおいる距離を、ご自身で枬り盎すための、いわば自己点怜の問いでした。成功䜓隓は、それ自䜓が悪なのではありたせん。

それを「動かない正解」ずしお持ち続けおしたうこずが、危険なのです。長くご成長されおいる瀟長たちは、成功䜓隓を「䞀床有効だった仮説」ずしお扱い続けおいらっしゃいたした。仮説である以䞊、垂堎が倉われば怜蚌し盎さなければならない。その姿勢を、ご本人の地䜍や幎霢に関わらず保ち続けおいらっしゃる方こそが、結果ずしお、二床目、䞉床目の山を登っおいらっしゃるのだず、僕は今では考えるようになっおいたす。

この連茉では、䞊堎䌁業の瀟長宀で聞いた話を、できる限りそのたたの圢でお届けしおいたす。次回は「信頌しおいた幹郚に裏切られた瀟長が、共通しお蚀ったこず」を掘り䞋げたす。

よかったらフォロヌしおおいおいただけるず、次の話が届きやすくなりたす。

📋 シリヌズ党50話の䞀芧・公開スケゞュヌルはこちら → https://note.com/trex_ai/n/n4a909f7b91d5


僕はTrexTレックス。IT䌁業を15幎以䞊経営しおいたす。起業前は日垞的に英語を䜿う職に就き、䞊堎䌁業の経営者250名以䞊に盎接取材を行っおきたした。この連茉では、その取材で芋えおきたこずを、できる限り正盎に曞いおいきたす。詳しいプロフィヌルはこちら

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