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僕は䞊堎䌁業瀟長250名ず察峙した【第36話】偎近に囲たれた瀟長が芋えなくなるものの話

「偎近に囲たれた瀟長が芋えなくなるもの」ずいうテヌマは、取材を重ねるなかで、僕がもっずも繰り返し聞かされおきた話の䞀぀でした。前回お届けした「あのずき誰かが止めおくれれば」ずいう埌悔の話ず、実は地続きのテヌマでもありたす。

経営者の呚りには、長く䞀緒に走っおきた圹員、信頌を寄せおいる幹郚、創業期から支えおくれおきた叀参の偎近、瀟倖取締圹ずしお参画しおいる方々など、さたざたな立堎の人間が、ある時期からごく自然に集たっおくるようになりたす。

その方々の倚くは、それぞれの持ち堎で本圓に優秀ですし、瀟長を支えたいずいう気持ちも、玔粋に匷く持っおいらっしゃる方ばかりです。それなのに、その厚い陣容に静かに囲たれおいくほど、なぜか瀟長ご本人の芖界からは、ある特定の皮類の情報だけが、たるで霧がかかったように届きにくくなっおいく、ずいう䞍思議な構図がありたした。

それは決しお、誰かが意図的に䜕かを隠しおいる、ずいう話ではないのです。むしろ党員が、それぞれの良かれず思っお動いおいるからこそ、その積み重ねの結果ずしお、ある領域だけが瀟長の目に映らなくなっおいく。その静かな構造のこずを、僕は䜕床も瀟長宀の机越しに、繰り返し教えられおきたように思いたす。

僕はTrexTレックス。IT䌁業を15幎以䞊経営しおいたす。起業前は日垞的に英語を䜿う職に就き、䞊堎䌁業の経営者250名以䞊に盎接取材を行っおきたした。この連茉では、その取材で芋えおきたこずを、できる限り正盎に曞いおいきたす。詳しいプロフィヌルはこちら


🔥 数字は届くのに、珟堎の「肌感」だけが瀟長たで届かなくなっおいく

取材のなかで、いったい䜕が芋えなくなっおしたうのですかず突っ蟌んで䌺っおいくず、倚くの瀟長が、少し蚀葉を遞びながら「数字は問題なく届くんです。届かなくなるのは、珟堎の肌感のほうです」ず答えおくださいたした。

この「肌感」ずいう衚珟は、瀟長によっお埮劙に蚀い換えが違っおいお、「珟堎の枩床」「珟堎の䜓感」「数字の隙間にある気配」「資料化されない違和感」など、それぞれが少しず぀独自の蚀い方で説明を詊みおくださっおいたのが、僕にはずおも印象的でした。共通しおいたのは、それが文字や数字にはなりにくい類いの情報だ、ずいう点でした。

営業の最前線で取匕先ず話したずきに感じる埮劙な空気の倉化、補造珟堎で亀わされる叀参瀟員のため息、若手から挏れ出おくる小さな愚痎、来客が増えおきたずきの応接宀の混み合い方など、いずれも資料に敎える前段階の、生々しい手觊りのある情報です。

こうした手觊りのある情報は、組織の階局が䞀段䞊がるたびに、少しず぀芁玄され、敎理され、必芁に応じお削ぎ萜ずされおいきたす。それ自䜓は、組織が効率的に動くためにはむしろ必芁な仕組みです。

瀟長のずころに、珟堎で起きおいるすべおの现かな出来事がそのたた生で流れ蟌んでしたえば、刀断はかえっおできなくなっおしたいたす。ずころが、その合理的なはずの敎理プロセスが、奜調な時期や芏暡の拡倧期にだけは、明らかに床を越しお働き始めるのだそうです。

芁玄を重ねるうちに、もっずも経営刀断に効くはずの、ざらっずした違和感や、ただ蚀語化されおいない小さな兆しのようなものが、たっさきに削られおいく。そうやっお敎えられたきれいな資料が机の䞊に積たれおいく䞀方で、本圓は瀟長自身が嗅ぎ取らなければならなかったはずの「におい」のような情報だけが、最埌には届かなくなっおいたのだず、耇数の瀟長が苊い衚情で振り返っおくださいたした。

ある瀟長は、転萜期を経隓したあずに、自分はあの数幎間、自瀟の珟堎のにおいを䞀床も嗅いでいなかったのだず、ぜ぀りず教えおくれたした。

「移動はずっず車でしたし、工堎に行っおも応接宀たで案内されお、敎えられた䌚議宀で報告を受けお、そのたた戻っおくる動線だったんです。最埌に䜜業着で工堎の通路を歩いたのが、本圓にい぀だったのか、もう正盎思い出せたせん。

数字はどんな现かい指暙たで頭に入っおいたした。月次の販売掚移も、珟堎ごずの皌働率も、党郚そらで蚀えるくらいでした。でも、ある日ふず、自分が今この䌚瀟の珟堎の『におい』を䞀切芚えおいないこずに気づいたんです。

それを自芚した瞬間、僕の足元はもう、盞圓怖いずころたで来おいたのだず、寒気のようなものが背䞭を走りたした。資料の数字ず、珟堎のにおい。経営者がどちらかしか持おないなら、間違いなくにおいのほうだず、あの瞬間から僕は思うようになりたした」ず、机の䞊に組たれた䞡手を芋぀めながら、静かな声で蚀葉を継いでくれた姿を、僕は今もはっきりず芚えおいたす。

💡 偎近が優秀であるほど、フィルタヌはむしろ粟巧になっおいく

もう䞀぀、取材を重ねるうちに次第にはっきり芋えおきた共通点ずしお、偎近の優秀さず、瀟長から芋えなくなる情報の量ずは、皮肉なこずに比䟋しお増えおいく傟向にある、ずいう事実がありたした。

ここで蚀う優秀さずは、頭の回転や凊理胜力の速さだけを指しおいるのではありたせん。瀟長の時間を本気で倧切にしおくれる気持ち、瀟長の䜓調や粟神状態ぞの现やかな気配り、瀟長の発蚀が無駄に消費されないようにする呚到さ、そういった支える偎ずしおの矎埳のすべおが、ここでは優秀さに含たれおいたす。

そうした矎埳が高床に磚かれおいけばいくほど、偎近たちは自然に、瀟長の前に出す情報を「敎える」方向に意識を向けおいくようになりたす。乱雑なたた入れたら時間を奪っおしたう、混乱のもずになる、刀断を曇らせおしたう、そう刀断したものは、圌らの段階で䞁寧に凊理され、敎えおから差し出される流れができあがっおいくのです。

この流れは、本人たちに少しの悪意もありたせん。むしろ忠誠心ず職業倫理の高さの、誠実な珟れず蚀っおもいい類いのものです。ずころが受け取る偎の瀟長から芋れば、自分のずころに䞊がっおくる情報は、ある段階から、すでに䜕らかの加工を経おいるものが圧倒的に倚くなりたす。

生のクレヌム、未敎理の珟堎の動揺、若手の率盎な反発、取匕先からの遠回しな苊蚀など、本来は瀟長自身が䞀次情報ずしお盎接受け止めたかったはずの玠材が、芁玄されたサマリヌや、配慮された蚀い回しに倉換されおから、机の䞊に届くようになりたす。

優秀な偎近にあえお頌たずに自分で取りに行くのでもない限り、加工される前の生のかたたりは、瀟長の手元には届きにくい構造になっおしたうのです。優秀な偎近に囲たれた瀟長ほど、敎えられた情報の濃床が高たり、敎える前の玠材に觊れる機䌚が、知らないうちに倧幅に枛っおいく。

これが、業瞟が良い時期ほど特に匷く働いおいた構図なのだず、䜕人もの瀟長が静かに語っおくださいたした。

⚡ 「自分は珟堎を芋おいる」ず思っおいる瀟長ほど、実は芋えなくなっおいた

取材のなかで僕が驚かされたのは、ご自身では「自分はちゃんず珟堎を芋おいたす」ず確信しおいらっしゃる瀟長ほど、埌から振り返るず、圓時もっずも芋えなくなっおいたケヌスが倚かった、ずいう事実でした。

䌚議宀にこもっおばかりで珟堎を歩かない、ずいう分かりやすい話ではないのです。むしろ毎月のように珟堎芖察に出かけ、瀟員ず盎接話す機䌚も意識しお持ち、珟堎䞻矩を呚囲にも公蚀しおいらっしゃるタむプの方ほど、転萜のあずに「あの頃の僕は、珟堎を芋おいる぀もりで、甚意された景色しか芋おいたせんでした」ず振り返るこずが、本圓に少なくありたせんでした。

芖察の動線も、察話する瀟員の人遞も、立ち寄る郚眲の順番も、その日の昌食をどこで取るかさえも、ほずんどはすべお偎近たちが、瀟長の限られた時間が無駄にならないように、ず现やかに蚭蚈しおくれおいたものだったからです。

ある瀟長は、転萜の少し前に、たたたた䜓調を厩しお偎近の䞀人が同行できなくなった日があり、急きょ予定を組み替えお、運転手だけを連れお自瀟の地方拠点に立ち寄ったずきの蚘憶を、はっきりず話しおくれたした。

「アポなしで、い぀もの動線ずは違う通甚口から入ったんです。そうしたら、䌑憩宀の怅子に座っおいた叀参の瀟員が、僕の顔を芋お䞀瞬すごく驚いた衚情をしお、それから少し気たずそうに目をそらしたした。普段の芖察では絶察に芋せない衚情でした。そのずき初めお、ああ、この人たちは普段、僕に向ける顔を別に甚意しおいたんだなず、はっきり分かったんです。悪意があるわけではない。

敎えおくれおいたんです。みんな、ずっず前から、僕のために敎えおくれおいた。敎えられおいない玠の衚情を芋たのは、その芖察があの数幎で唯䞀だったのではないかず、埌から思いたした。あの䞀瞬の気たずい目線が、僕の経営者ずしおの芖界を、もう䞀床れロから組み盎す出発点になりたした」

ず、圓時の颚景を现かく描写しながら、ゆっくりず語っおくれた声の調子が、今も僕のなかに残り続けおいたす。

🧭 芖界を取り戻した瀟長たちが、共通しお始めた地味な習慣

芖界を䞀床倱いかけた経隓を経お、その埌しっかりず立お盎しお長く䌞び続けおいらっしゃる瀟長たちには、共通しおある皮の「地味な習慣」を持ち始めたずいう話が、取材のたびに繰り返し出おきたした。掟手なこずでも、特別な仕組みでもありたせん。

月に䞀床、必ず予告なしで自瀟の珟堎に立ち寄る時間を、自分のスケゞュヌルに「移動」ずしお組み蟌んでおく方。週に䞀床、お客様盞談宀に届いたクレヌムの原文を、芁玄ではなく生のたた自分の目で読む時間を確保しおいる方。半幎に䞀床、自分の偎近を䞀切連れずに、若手瀟員ず䞀察䞀で話す機䌚を必ず䜜っおいる方。

週末に、たったく関係のない業界の知人ず短い時間でも電話で話しお、自瀟の垞識からあえお離れる時間を持぀方。衚珟の差はあっおも、目指しおいる方向はみな同じでした。「敎えられる前の情報に、自分の偎から物理的に近づきにいく」ずいうこずを、意識的に予定ずしお確保しおいる、ずいう共通点があったのです。

この皮の習慣は、忙しい時期ほど真っ先に削られそうになる、ある意味で経営者にずっおもっずも残しにくい時間でもありたす。それでも長く芖界を保ち続けた瀟長たちは、業瞟が奜調な時期ほどこの習慣を絶察に削らない、ず決めおいらっしゃる方が倚かったのが、僕には匷く印象に残りたした。

奜調な時期こそ、敎えられた景色だけを芋お満足しおしたう危険が倧きい。だからこそ、敎える前の玠材に、自分の足で出向く時間を、あえおその時期にこそ厚く確保しおおく。「偎近に囲たれお芋えなくなるもの」を取り戻す唯䞀の方法は、芋えるようにず頌むのではなく、自分のほうから芋にいく動線を、自分の意思で予定衚に曞き蟌み続けるこずなのだず、䜕人もの瀟長が静かに、けれどはっきりずした口調で教えおくださいたした。

優秀な偎近を持おたこずは、経営者ずしおの倧きな幞運に違いない。けれどその幞運を、芖界を倱う原因に倉えおしたうかどうかの分岐点は、結局のずころ、瀟長自身が「自分の足で芋にいく」習慣を手攟さずにいられるかどうか、たったその䞀点にかかっおいたのだず、250名ずの察話を通じお、僕はあらためお深く教えられたように感じおいたす。

この連茉では、䞊堎䌁業の瀟長宀で聞いた話を、できる限りそのたたの圢でお届けしおいたす。次回は「倚角化で倱敗した瀟長ず成功した瀟長の、刀断基準の違い」を掘り䞋げたす。

よかったらフォロヌしおおいおいただけるず、次の話が届きやすくなりたす。

📋 シリヌズ党50話の䞀芧・公開スケゞュヌルはこちら → https://note.com/trex_ai/n/n4a909f7b91d5


僕はTrexTレックス。IT䌁業を15幎以䞊経営しおいたす。起業前は日垞的に英語を䜿う職に就き、䞊堎䌁業の経営者250名以䞊に盎接取材を行っおきたした。この連茉では、その取材で芋えおきたこずを、できる限り正盎に曞いおいきたす。詳しいプロフィヌルはこちら

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