上場企業社長250人の名句#33|「できない社員を抱え続ける会社では、できる社員から先に辞めていく」
💬 上場企業の社長250人に取材する中で、僕の手元には一行で人を動かす言葉がいくつも残りました。この連載では、その中から特に刺さった名句を、生まれた場面ごとに紹介していきます。今日の一行は、人手不足を嘆く社長ほど聞きたくない言葉かもしれません。
✍️ 僕はTrex(Tレックス)。IT企業を15年以上経営しています。起業前は日常的に英語を使う職に就き、上場企業の経営者250名以上に直接取材を行ってきました。詳しいプロフィールはこちら
💡 この言葉が生まれた場面
ある印刷業の社長に、離職をどう抑えているかを尋ねたときのことです。福利厚生や給与の話が返ってくると思っていた僕に、社長は少し苦い顔で、自分の失敗から話し始めました。
「うちで一番できる人間が辞めたとき、理由は給料でも残業でもなかったんです。何年も成果を出せないままぶら下がっている社員を、僕が見て見ぬふりをしていた。それが本当の理由でした」
人を切るのが何より苦手な社長でした。だからこそ告白は重く響きました。
🔑 社長が語った、言葉の背景
かつてその会社では、成果を出せない社員も温情で抱え続けていました。仕事は自然とできる人間に集まり、それでも評価や給与にはほとんど差がつかない。最初に静かに辞表を出したのは、現場を支えていた一番優秀なリーダーでした。そこから流出は連鎖していったといいます。
「一人を守っているつもりが、黙って会社を支えてくれていた何人もを失っていた。優しさを向ける相手を、僕は完全に間違えていたんです」
放置をやめ、できない社員とも逃げずに向き合う運用に切り替えてから、ようやく中核の人材が会社に残るようになったそうです。
🎯 僕がこの言葉から受け取ったこと
250名の社長を見てきて思うのは、優秀な社員ほど社内の不公平に敏感だということです。できない人を放置する会社で本当に削られているのは、その横で黙って成果を出し続けている人の意欲です。
できない人を抱え続けることは、頑張っている人に向けて「頑張らなくていい」と毎日伝えているのと同じです。
会社は、一番失いたくない人から先に失っていきます。あなたの会社で今いちばん辞めてほしくない人は、隣の席のどんな景色を、毎日黙って眺めているでしょうか。
次回は「クレームを厄介者扱いする会社は、一番大事な情報を自分から捨てている」という言葉を取り上げます。よかったらフォローしておいていただけると、次の話が届きやすくなります。
📋 姉妹シリーズ「僕は上場企業社長250名と対峙した」全50話はこちら → https://note.com/trex_ai/n/n4a909f7b91d5
✍️ 僕はTrex(Tレックス)。IT企業を15年以上経営しています。起業前は日常的に英語を使う職に就き、上場企業の経営者250名以上に直接取材を行ってきました。詳しいプロフィールはこちら
