空き家問題は、行政だけでは解決できない時代へ
空き家対策について調べていると、「空家等管理活用支援法人」という制度が全国で広がり始めていることを知りました。
これは2023年の改正空家法で新しく設けられた制度で、市区町村がNPO法人や一般社団法人、会社などを指定し、空き家の管理や活用を一緒に進めていく仕組みです。
国土交通省によると、2025年3月末時点で64市町村が95法人を指定しています。
この制度を見て、不動産の仕事をしている僕が感じたのは、
「空き家問題は、行政だけで解決するのが難しい時代になった」
ということです。
空き家の相談といっても、内容は一つではありません。
相続登記ができていない。売却したい。解体したい。賃貸できるか知りたい。遠方に住んでいるので管理できない。
一軒の空き家でも、法律、相続、不動産、建物、税金など、いくつもの問題が絡むことがあります。
行政には制度や補助金の案内、地域全体の空き家対策という重要な役割があります。
一方、実際に「この家はいくらで売れるのか」「買う人はいるのか」「解体した方がいいのか」といったところまで進むと、不動産会社など民間の実務が必要になります。
僕自身、地方で不動産の仕事をしていて感じるのは、所有者が「どこに相談すればいいのかわからない」まま時間だけが過ぎてしまうケースが少なくないことです。
行政か民間か。
どちらか一方に任せるのではなく、それぞれの得意分野をつなぐことが、これからの空き家対策には必要なのだと思います。
空き家は放置するほど建物が傷み、選択肢が少なくなっていきます。
だからこそ、問題が複雑になる前に相談できる場所を増やす。
「空家等管理活用支援法人」という制度は、単に新しい制度が一つ増えたというより、空き家を行政と民間が一緒になって解決していく時代への変化を表しているように感じました。
※参考:国土交通省「空家等管理活用支援法人」関連資料・「空家等管理活用支援法人の指定等の手引き」、北九州市「空家等管理活用支援法人制度について」
