見出し画像

【文学フリマで買った本】ポエムと現代詩〜ポエムネクストの挑戦〜

ちょっと忙しいので、
だいぶん前に書いて、
下書きに放り込んでいたものを。
明日はZINEフェス
ということで、
関連するものが見つかった、
ということもありまして、
ぼくの存在を忘れられないように、
投稿してみます。

1.文学フリマ福岡で買った本

(1)本の紹介 『詩誌ポエムネクスト』、『詩誌cross』

前回の文学フリマ福岡で、
福岡のサークルが、
文芸同人誌で
たまたま類似のテーマを扱っていました。
「ポエム」です。

右の『詩誌ポエムネクスト』は、
まさに直球での「ポエム」を
テーマにしています。
左の『詩誌cross』は対談の中で、
少し語られている程度です。

文学フリマ福岡(2025)の2冊の同人誌

(2)ポエムという悪口と詩誌

現代詩を愛好する人たちの間では、
「ポエム」って、
「悪口」になることがあるんですね。
「現代詩ではない」
と感じられています。

このような風潮、
現代詩の外から見ていて、
あまり好ましくないな、
と思っていました。
この「ポエム」ということばを、
悪口として使うことについて、
昨年、2つの詩誌が、
「どうしたものかな?」
と示していたんですね。

『詩誌ポエムネクスト』は、
詩誌としての形を守りながら、
まさにこの「どうしたものかな」を
詩誌そのものがメッセージとして発している
稀有なものだと思いながら読みました。
やりたいと思っても、難しいことです。

ぼくも参加させてもらっている
『詩誌cross』は、対談形式で、
crossメンバーがお話ししている中で、
ポエムについて少し取り上げています。
ぼくの発言はすごく簡単に要約すると、
以下のような感じになります。

ポエムと言われて、
現代詩に不快感を持つ人は、
もうきっちりポエムっていう、
ジャンルを作っちゃった方が良いよ

ポエムはポエムで自律した
ことばの置き場になれば、
現代詩以外は困らないと思います。

ちなみに、ぼく自身は、
今のポエムは、
ちょっとだけ自律した場としては、
弱いとも思っています。
強い作家はいるけど、
場は弱いって感じです。
もったいないと思っています。

2.層の厚い現代詩

(1)『ポエムネクスト』の試み

そんな風に語ったぼくが、
『詩誌ポエムネクスト』を読んだ感想は、
現代詩の人たちは層が厚いな、
でした。

詩誌の創刊の辞には、
「1ミリだけ詩に興味のある人たちに
2ミリ目を提供する詩誌を目指します」
とあります。
この1ミリだけ詩に興味のある人って、
誰なのかな、と思いながら読みました。

同誌の中で、特別企画として、
印象ワード実験というものを行なっています。
この実験は、詩人に対して、
「現代詩」と「ポエム」についての印象を、
ワンワードで書いてもらいまくる、
というもののようです。
この結果について、
今の「現代詩界隈」について、
現代詩人たちこそが、
エリート意識や閉鎖性を指摘しました。

そして、詩誌の中で、
ポエムコミックという、
素敵な作品があるのですが、
そこで
「自己さえも疑う批評性が
重視されていること」
が現代詩の特徴だと言っています。

2つを結びつけると、
現代詩人は、
詩の中では批評性を持ちながら、
自分たちの現実の振る舞いについては、
閉鎖的でエリート意識を持っている、
というねじれた状況が見えてきます。

これが事実だとするならば
(そして、ぼくはかなりの程度、
当たっていると思います)、
本誌は「現代詩界隈」の
急所をついているように思えます。
批評性がありそうなことばを操りながら、
自分たちのことば自体に
批評性を持てていない可能性があるならば、
現代詩は、真面目な顔をして、
ことばの組み合わせをしている
という傾向がありそうなのです。
もし、これが事実なら、
AIがいるので、現代詩はいらない、
と言われても仕方ないかもしれません。

(2)現代詩にとっての他者

どうしたら批評性を取り戻せるのか。
他者を招き入れるのが早道でしょう。
現代詩にとっての他者とは、
実のところ、
「ポエム」なんだと思うんですね。

ここで、『ポエムネクスト』の
創刊の辞の意味が
ひっくり返ります。
一見すると
「ちょっとでも詩に興味のある
ポエムを書いている人たちに、
現代詩のことを知ってもらうための詩誌」
であるかに見えます。
でも、実はそうじゃないんじゃないか、
と思えてきます。
「ほんのわずかでも詩に興味のある
現代詩界隈の人たちに、
もう少し現代詩について考えてもらう詩誌」
と読むのが適切なんじゃないか、
とも思えてくるのです。
そのために、ポエムを書く人たちと、
どうリスペクトし合うか、
ということを現代詩の詩誌という形で、
ちゃんと表現をしているのではないか、
と思えます。

3.文学フリマ福岡のすすめ

興味のある方は、
是非、今年の文学フリマ福岡で、
『ポエムネクスト』を
お手に取ってみてください。
そして、できれば、
『詩誌cross』も。

ぼくはどちらのブースにもいませんが。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集