[詩的エッセイ➕少し哲学] 苦しみの正体
苦しいと感じる。
だから、僕は “人” でいられる。
怒りが湧くのは、まだ誰かを、
何かを、信じているからだ。
悔しさが疼くのは、大切にしてきたものが確かにあったからだ。
住職が言っていた。
「人は苦しみながら生きている。
もし悟りを開き、苦しみが消えたのなら、その人はもう “人” ではない。苦しいから”人”なのです」
その言葉の意味が、
ようやくわかる。
苦しみは、弱さではなく、
それは “前へ進む力の種 “で、
怒りはその種を温める “熱” のようなもの。
飲み込まれさえしなければ、
その熱は、前へ進む力になる。
そして思う。
苦しいのは、僕がまだ温かいものに手を伸ばしているから。
まだ、世界をあきらめていないから。
苦しいとき、そっと自分に言いたい。
「僕は今、人をちゃんと続けている」
そう思えるだけで、
胸の奥が少しだけ静かになる。
