世界を眺め
導入 二つの棺、ほどけない縄
先週、市場は戦争を帳簿の外へ埋めた。今週、その戦争は二つの棺を残して、また立ち上がった。
一つ目の棺はマシュハドに納められた。7月9日、ハメネイはイマーム・レザー廟に葬られた。墓は、閉じた。
二つ目の棺はワシントンで運ばれた。制裁の縄を設計したリンジー・グレアムが週末に急逝した。
だが縄はほどけない。
彼の法案は「2026年ロシア制裁法」と名を替え、上院を越える数を得た。
設計者が死に、縄はその名で締まりはじめる。
月曜、トランプはホルムズ封鎖を再発動した。
通航貨物への2割課金は「国際法違反」の批判で数日で撤回されたが、イラン港湾への海上封鎖は残った。
Brentは$76から一時$87、$84台へ。水曜の海峡通過はわずか7隻。
墓は二つ閉じ、縄は死者の名を得た。戦争だけが、まだ閉じない。
1.アメリカ 祝祭は遠く、標的表はまだ手に
叩いては止め、また叩く。トランプは封鎖を布告し、課金を引っ込め、封鎖は残した。
グレアムの死が、制裁法を追悼のエンジンに変えた。
名指しは原油でインド・中国・スロバキア・ハンガリー・アゼルバイジャン、ガスで中国・仏・ベルギー・日本・ハンガリー。
最大100%の関税。
制裁と武器、二つの蛇口が同時に開く。
ウクライナにはパトリオットの自国生産を認めた。
そして「来週までに外交が動かなければインフラを叩く」と予告する。
標的表を配る手が、まだ標的表を握っている。
2.ロシア 値が下がるほど、締まる縄
イランが葬られる週に、制裁の機械はまたモスクワへ向き直った。
戦場でも縄は締まる。
ウクライナは唯一無傷だった大型製油所を叩き、主要11製油所はすべて火を見た。
影の船団のタンカーは次々に沈み、露沿岸警備艇までが無人艇に沈められた。
ロシアはついにディーゼルの輸出を止めた。
そして相場が、砲弾より深く刺さる。
封鎖中は割増で売れたインド向けロシア産が、いまや割引に沈む。
値が下がるほど、モスクワの財布は薄くなる。
縄は、砲声より静かに首を絞める。
3.ヨーロッパ 締めたいのに緩む上限、その締め切りが来た
7月15日の自動見直しでは、ホルムズ発の高騰を映して上限が$58へ勝手に上がるはずだった。
締めたいのに、ルール通りなら緩む。
だからEUは$44.10を7月23日まで凍結した。
第21次制裁がまとまらないための、一週間の時間稼ぎだ。
先週まで一人で穴を埋めていた欧州の横に、金曜、アメリカが縄を提げて戻ってきた。
守勢の欧州は、味方の帰還さえ計算に入れねばならない。
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