そもそも「地域活性化起業人」って何?平戸市の取り組みからみる新しい地方創生のかたち
こんにちは。
みなさんは「地域活性化起業人」という言葉を聞いたことはありますか?
この制度は、日本の地方創生において注目を集める新しい仕組みです。特に人口減少が加速する地方自治体にとって、都市部の専門人材を活用できるこの制度は、まさに救世主のような存在となる可能性があります。
僕は現在平戸市の地域活性化起業人として活動しています。今回は、そもそも地域活性化起業人とは何なのか、そして平戸市がなぜこの制度を先進的に活用しているのかをお伝えしたいと思います。
前回の記事はこちらになります。ぜひあわせてご覧ください。
そもそも「地域活性化起業人」とは?
地域活性化起業人とは、三大都市圏(東京圏、名古屋圏、大阪圏)に所在する企業や特定振興地域の企業に所属する社員を、地方自治体へ一定期間(6か月から3年以内)派遣し、その専門的なノウハウや知見を活かして地域課題の解決や地域活性化に取り組む制度です。
この制度の最大の特徴は、行政だけでは対応が難しい専門的な業務に即戦力として対応できることです。観光振興、自治体DX、地域産品の開発、販路開拓など、民間の知見が必要な分野で力を発揮します。

企業派遣型と副業型:2つのタイプとそのメリット
地域活性化起業人制度には「企業派遣型」と「副業型」の2つのタイプがあります。
企業派遣型は、都市部の企業と地方自治体が協定を締結し、企業が社員を派遣する形態です。派遣期間中の経費は地方自治体が負担しますが、社員の給与等については年間590万円を上限に国が支援します。
副業型は令和6年度から新たに制度対象となったもの(平戸市はこちらをすぐに取り入れました!)で、企業に所属する個人が本業を持ちながら副業として地域活動に取り組む形態です。受入自治体での滞在日数は月1日以上となっており、より柔軟な働き方を可能にしています。年間100万円を上限に国が支援します。
この制度は関わる全ての主体にメリットをもたらします。地方自治体は民間の専門知識や経営感覚を直接活用でき、企業は社会貢献と人材育成を両立できます。派遣される個人にとっては、自身のスキルを社会貢献に活かしながらキャリアアップを図る機会となります。

地方創生2.0における重要な位置づけ
なぜ今、地域活性化起業人制度が注目されているのでしょうか。それは日本の地方創生戦略が新たなフェーズに入ったからです。
これまでの地方創生1.0では「人口減少の克服」を目標としてきましたが、現実的には東京一極集中の流れを完全に変えることはできませんでした。2023年の東京圏への転入超過数は約11.5万人と再び増加傾向にあり、出生数も727,277人と過去最低を記録しています。
そこで始まったのが「地方創生2.0」です。人口減少という現実を受け入れつつ、その中でも「強く、豊かで、新しい・楽しい地方」を目指すパラダイムシフトです。地域活性化起業人制度は、この新戦略において「人・事業の分散化」や「稼ぐ力・付加価値を高める新たな地域経済の創出」を実現する重要な手段として位置づけられています。

平戸市の先進的な挑戦:副業型活用の意義
ここで注目すべきが平戸市の取り組みです。平戸市は令和6年からスタートした副業型の地域活性化起業人制度を積極的に活用している先進自治体の一つです。
なぜ副業型なのか。それは平戸市の地理的特性にあります。関東圏から平戸市への月1回の訪問は決してハードルが低くありません。しかし、副業型であれば最低「月1日以上の滞在」という要件により、ギリギリ都市部の人材でも参画できます。
この柔軟性こそが、副業型制度の真価です。従来の企業派遣型では参加が困難だった人材層にもリーチでき、より多様な専門性を地域に取り込むことできます。平戸市のような地理的制約がある自治体にとって、この制度は新たな可能性を開く革新的なツールと言えるでしょう。

生まれ故郷への想いと今後のビジョン
私自身、生まれ故郷である平戸市で地域活性化起業人として活動することに大きな意義を感じています。平戸市には豊かな歴史・文化・自然という素晴らしい資源があります。しかし、それらの魅力が十分に多くの人に伝わっていないのが現状です。(日々精進されているのは重々承知しておりますが、魅力的なのでもっともっと多くの人に知っていただきたいので…)
私がまず目指すのは、平戸市の誇れるところを再定義し、多くの人に興味を持ってもらえるような発信を行うことです。先進的なツールも積極的に導入しながら、地域の人たちをしっかりと巻き込んで、関係人口の増加や観光客の増加につながる取り組みを積み上げていきたいと考えています。
故郷だからこそ感じる愛着と責任感、そして外部で培った専門性を組み合わせることで、平戸市ならではの価値創造に挑戦していきます。

まとめ:制度の可能性と今後への期待
地域活性化起業人制度は、単なる人材派遣制度ではありません。都市と地方をつなぐ新たな「関係人口」を創出し、将来的な移住・定住や継続的な地域関与への足がかりとなる可能性を秘めています。
令和5年度には起業人779名、活用自治体449団体、派遣企業330社と過去最高を記録しており、制度への注目は年々高まっています。特に副業型の導入により、参加の裾野はさらに広がることが期待されます。
人口減少という避けられない現実の中で、いかに持続可能で活力ある地域社会を築くか。地域活性化起業人制度は、その答えの一つを示してくれる重要な仕組みです。自治体関係者の皆さん、地方移住や地方進出に興味をお持ちの皆さん、ぜひこの制度に注目し、新しい地方創生のかたちを一緒に作っていきましょう。
平戸市の挑戦は始まったばかりです。この先進的な取り組みが、他の地域にとってのモデルケースとなるように精進していきます。
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