※王様が監禁!ガンジス川の奇跡!全員論破で「無双」!三蔵法師伝説②
⇒「推し」への愛が重すぎて監禁する王様、イケメンすぎて生贄になる危機。異世界転生主人公も裸足で逃げ出す、三蔵法師の「チートすぎる」インド無双編、開幕!

前回、国境を破り、水なしで死の砂漠を越えた「超タフガイ」としての三蔵法師(玄奘)のお話をしました。
ボロボロになって砂漠を抜けた彼。
そこで待っていたのは、まさかの「VIP待遇」と「スーパースターへの階段」でした。
実は玄奘という男、ただ体力があるだけではありません。
「一度会った人間を、瞬時に自分の熱狂的ファンに変えてしまう」
という、恐ろしいほどの「人間力(カリスマ)」と「美貌」の持ち主だったのです。
第2話では、彼がインドで巻き起こした「玄奘フィーバー」と、現代の東大生も真っ青の「天才エピソード」をご紹介します。
■「推し」への愛が重すぎる王様
砂漠を越えて最初にたどり着いたオアシス都市、高昌国(現在のトルファン)。ここの王様(麹文泰)は、熱心な仏教徒でした。
ボロボロの玄奘を迎えた王様は、彼の話を聞き、その美しい顔立ちと、溢れ出る知性に一瞬で心を奪われます。
「こんな高貴な僧侶は見たことがない! 感動した!!」
王様は一気にファンになり、玄奘を最高級の部屋に泊め、毎日ご馳走でもてなしました。
ここまでは夢のある話です。
しかし、玄奘が「そろそろインドへ出発します」と言った瞬間、王様の態度が急変します。
「ならん! 行かせん!!」
「あなたは私の国の国師(最高顧問)になるのだ。一生ここで暮らしてくれ!」
なんと、「推し(玄奘)」が好きすぎて、国に閉じ込めようとしたのです。
さらに
「もし留まらないなら、強制的に国に送り返す!」とまで言い出したのです。
しかし、玄奘もここまで「不東の近い」を立て、自分の信念の為に命がけで旅をしてきた男です。
「私の目的はインドで経典を手に入れることだ。ここでのんびりするために来たんじゃない!」
二人の意地がぶつかり合い、ついに玄奘は強硬手段に出ます。
「行かせてくれないなら、私はここで餓死する!」
と、絶食(ハンガーストライキ)を始めたのです。
丸3日、水も飲まず座り続ける玄奘。
その壮絶な覚悟を見た王様は、ついに泣き崩れました。
「わかった・・・私が悪かった。君の志を止めはしない」

そして王様は、玄奘と「義兄弟の契り」を結び、
「旅の資金、黄金100両、銀銭3万」「20年分の衣服」
「25人の人足、4人の沙弥(世話係)、30頭の馬」を用意した。
さらに西域諸国の王たちへ24通の紹介状を書き、玄奘に持たせました。
この王様の全力サポートがなければ、その後の旅はきっと不可能か、さらに厳しい旅になったことでしょう。
玄奘は、「本気の覚悟」で、一国の王を最強のパトロンに変えてしまったのです。「覚悟」は人の心も変える。
■ イケメンすぎて死にかける!? ガンジス川の奇跡
王様に見送られ、ついにインドに入った玄奘ですが、ここでまたまた最大のピンチが訪れます。
なんと、ガンジス川を船で渡っている最中に、凶悪な盗賊団に襲われてしまったのです。
盗賊たちは、自分たちが崇拝する女神(ドゥルガー)に捧げるための「極上の生贄(いけにえ)」を探していました。
そこで、玄奘を見た彼らは色めき立ちます。
「おい見ろ! 背が高く、肌が白く、とんでもない美男子だ!」
「こんないい男は滅多にいない! 女神様も喜ぶぞ!」
なんと玄奘、イケメンすぎて生贄として即採用されてしまったのです。
いわゆる「美しさは罪」ってやつですね。
祭壇が組まれ、玄奘にナイフが突きつけられ、絶体絶命。
普通なら命乞いをするとか、絶望で泣き崩れたりするかもしれません。
でも彼は少しも動じず、こう言いました。
「分かった。これが私の運命ならば、命を差し出そう。だが、最後に少しだけお経を唱える時間をくれ」
彼は静かに目を閉じ、深い瞑想に入りました。
「私はこれから兜率天(神の世界)へ行き、そこで学び続けて、いつか必ずこの男たちも救おう・・・」
彼が意識を極限まで集中させた、その瞬間です。
晴天だった空が急に真っ暗になり、黒い雷雲が湧き、突風が吹き荒れ、
突然の嵐に、川が大荒れになったのです!
大木さえも倒れ、盗賊たちの船が転覆しそうになります。
あまりの出来事に、盗賊たちは震え上がりました。
「ヤバい! この聖人を殺そうとしたから天神が怒ったんじゃねえのか!?」
盗賊たちは武器を捨て、玄奘の足元にひれ伏して謝りました。
嵐が止んだ後、玄奘は彼らを許し、仏教の教えを説いて、なんとその場で全員を弟子にしてしまったのです。

「意識が変われば、現実(天候)すら変わる」 まさに、「唯識」の教えを命がけで証明した瞬間でした。
■ 当時の「ハーバード大学」でトップ成績
「ガンジス川の奇跡」のほかにも多くの苦難があり、多くの牛馬、人足を失いながらも、
王様の紹介状のおかげでVIP待遇となった玄奘は、ついにインドに到着します。
彼が目指したのは、当時の世界最高学府「ナーランダ僧院」。
そこは、世界中から選りすぐりの天才エリート僧侶が1万人も集まる、仏教界のハーバード大学のようなところでした。
玄奘はここで、100歳を超える伝説の学長・戒賢(かいけん)先生に弟子入りします。
この先生・戒賢にも逸話があり、
戒賢は激しいリウマチの痛みに苦しみ、一度は自死を考えたほどだったそうですが、夢に現れた神のような人物から
「唐から来る僧に法を伝えるために生きよ」と告げられたという。
まさに玄奘との出会いは戒賢にとって「運命の出会い」と言えるでしょう。

戒賢が教えるのは、仏教哲学の最高峰「唯識(ゆいしき)」。
あまりに難解すぎて、1万人のエリートの中でも、その奥義を理解できたのはたった10人しかいませんでした。
玄奘は、言葉の壁がある留学生にも関わらず、あっさりとその「ベスト10」に入ってしまいます。
「この中国から来た若者、やばくない!?」
彼は瞬く間に頭角を現し、学内でも「先生クラス」の待遇を受けるようになりました。
10代の頃の神童ぶりは、大人となったこの頃でも世界レベルで群を抜いていました。
■ 象に乗ってパレード! インドの英雄へ
彼の名声はナーランダ僧院の外にも轟きます。
当時のインドの王様(ハルシャ・ヴァルダナ王)が主催した、巨大な討論大会でのことです。
インド全土から集まった数千人の学者や他宗派の僧侶たちに対し、玄奘はたった一人で対抗しました。
彼が書いた『真唯識量(しんゆいしきりょう)』という論文をかざして
「誰でもいい。私の論文に1字でも誤りがあり、この理論を論破できる者がいたら、この首を差し出そう」

結果は・・・完全勝利。
18日間、誰一人として彼を論破できませんでした。
聴衆は熱狂しました。
彼は「大乗天(マハーヤーナ・デーヴァ=大乗の神)」という称号を贈られ、綺麗に飾られた象の背中に乗せられて、街中をパレードしました。
異国の地で、言葉も文化も違うのに、その「知性」と「人格」だけで異国で頂点に立つ。
しかも、イケメン!そんな人物が実在した!
どんな「異世界転生」ものの主人公たちもビックリの「無双状態」です。

■ なぜ、彼は帰るのか?
富、名声、地位。
玄奘はインドで、普通の人が欲しがる全てのものを手に入れました。
「ずっとインドにいてくれ」と引き止める声も殺到しました。
インドにいれば、安泰で快適なセレブ生活が待っています。
一方、帰る道はまたあの危険な苦難の道のりですし、
国へ戻れば「密出国者」として処刑されるかもしれません。
普通なら、帰りません。でも、彼は帰る準備を始めました。
なぜか?
彼の目的は、「自分が有名になること」ではなかったからです。
「故郷には、まだバグだらけの教えに苦しんでいる人たちがいる」
「この『本物の知恵(唯識)』を、彼らに届けなければ意味がないんだ」
彼は、手に入れた栄光をすべて捨て、
ただ「657部の経典(ソースコード)」だけを持って、再び旅立つ決意をします。

■ 次回予告:命を削った「最後の仕事」
次回、いよいよ最終回。
英雄として帰国した彼を待っていたのは、のんびりした隠居生活ではありませんでした。
「持ち帰ったはいいけど、これ誰が翻訳すんの?」
あまりに難解で膨大なサンスクリット語の山。
彼は死ぬ直前まで、寝る間を惜しんで翻訳を続けました。
その数、1335巻。
次回、
「1300年後の私たちへ。彼が命と引き換えに残した『唯識』というギフト」
についてお話しします。
彼が翻訳してくれなければ、私たちは「心」の仕組みを永遠に知らないままでした。
涙の最終回、ハンカチの準備をお願いします。
※祖国の大英雄!皇帝の誘いを断る!1335巻の翻訳!三蔵法師伝説③|トモヒト🎈
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