オンチェーン金融 ユースケースの地図 ケース01: クロスボーダーB2B決済
割引あり
国際送金を速くするだけで、企業間取引は変わるのか
海外の取引先へ代金を支払う。送金自体が数秒で終われば、企業間取引も劇的に変わるように見える。しかし、実際のB2B取引では、請求書の承認、外国為替、AML/CFT、受取人確認、銀行間決済、着金、入金消込が別々の工程として動いている。資金の移動だけを高速化しても、商取引全体が速く、確実になるとは限らない。
このユースケースで問うべきなのは「送金レールの速度」ではなく、「正しい取引に対する支払いが、正しい相手へ、正しい通貨と金額で届き、債務が消滅したことまで一貫して確認できるか」である。
1.現在の業務と、問題の正体
典型的なクロスボーダーB2B決済は、①契約・請求、②社内承認、③FX、④送金指図、⑤送金銀行の確認、⑥銀行間移転、⑦受取銀行の確認、⑧入金、⑨消込という流れになる。ここには企業、複数銀行、決済インフラ、場合によってはコルレス銀行が関与する。
近年の銀行間メッセージングはすでに大幅に高速化している。したがって「海外送金は遅いからブロックチェーン」という問題設定だけでは弱い。遅延や不確実性の相当部分は、受取銀行の規制確認、国内決済時間、情報不足、例外処理、企業側の消込など、送金レールの外側にある。問題は一つの遅いシステムではなく、複数主体がそれぞれ別の取引状態を持っていることにある。
ユースケースカード

ここから、設計・既存方式との比較・海外実装・残課題・オンチェーン適合性評価へ踏み込みます。
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