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高市早苗政権が描く自動車政策と、これからの日本のカーライフ

重くのしかかる「車を持つ」現実

近年、ガソリン代や自動車関連税の高騰に対する不満が
全国的に広がっている。

レギュラーガソリンの平均価格は1リットルあたり184円前後(2025年10月時点)に達し、そのうち約半分が税金による負担である。
ガソリン税、暫定税率、石油石炭税、消費税……

もはや「車を持つこと」は、生活の大きな重荷となった。

地方では通勤・通学・買い物のいずれにも車が不可欠であり、公共交通の発達した都市部とは異なる事情を抱える。

それにもかかわらず、ガソリン税や重量税といった制度は一向に改善されず、「必要だからこそ持たざるを得ない層」が最も負担を強いられている。



暫定税率の問題

ガソリンには、石油危機時代に導入された「暫定税率」が上乗せされている。
この暫定措置は本来「一時的」なものだったが、40年以上にわたり事実上の恒久税化しているのが現状だ。

軽油にも同様に暫定税率が課せられており、物流や公共交通にとっても大きなコスト要因となっている。

日本の燃料に対する税率構造は複雑であり、税に税がかかっており
実質的な二重課税状態にあります。


高市首相が示す方向性

2025年10月21日に首相へ就任した高市早苗氏は、これらの負担を見直す姿勢を明確にしている。
首相就任後の記者会見では次のように述べた。

「ガソリンと軽油引取税の暫定税率撤廃を確実なものにしたい。
臨時国会の間に法改正を進める。」

さらに、自動車税環境性能割を2年間に限定して停止し、車の購入時負担を軽減する方針も掲げた。

日本維新の会との連立合意にも
「ガソリン暫定税率25.1円廃止」
「軽油引取税17.1円廃止」
が盛り込まれており、法案は臨時国会中に提出される見通し。


政策としての背景と意義

高市政権の動きは、単なる燃料費の減税にとどまらない。

自動車関連税制そのものを再構築しようとする試みでもある。

日本自動車工業会は2026年度税制改正に向け
以下の3点を要望としてまとめている。

  1. 車体課税(環境性能割)を廃止し、消費税に一本化する。

  2. 保有時課税を「重量ベース+環境性能加算」に統一する。

  3. 暫定扱いの自動車重量税を廃止する。

このような構造改革が実現すれば
車の保有・購入にかかる税体系は、大幅に簡素化されることになる。


国際的な視点:旧車を守る制度の違い

高市首相が自ら22年間乗り続けた1991年式スープラを例にすれば、旧車課税の厳しさがよくわかる。

日本では新規登録から13年を経過すると自動車税が15%、重量税が最大39%も上がる。
つまり、長く大切に乗り続けるほど負担が増える仕組みである。

一方、欧州では真逆の制度が採用されている。

ドイツでは製造から30年以上経過した車両に「Hナンバー」が付与され、一律課税かつ環境規制の対象外となる。

イギリスでは40年以上経過した車両が自動車税・車検ともに免除。

イタリアやフランスでも、旧車に対しては税率を軽減する方向が一般的。

これに比べ、日本の税制度は「古い車を所有することが不利になる」構造。
文化や環境の両面で見直しが求められている。


政策がもたらす効果

暫定税率が廃止されれば、1リットルあたり25円前後の値下げが期待できる。

平均燃費15km/L、年間走行距離1万kmの車で試算すると、年間約1万6千円の節約に相当する。

世帯で複数台を所有している場合は、年間2〜3万円規模の負担軽減。

また、自動車税・環境性能割の停止は購入時コストを下げる効果を持つ。

物流業界では軽油暫定税率の撤廃により、トラック1台あたり年間数十万円の燃料コスト削減が見込まれており、物価への波及効果も小さくない。


財源確保と環境政策の両立という課題

一方で、暫定税率の廃止は年間約1兆円規模の税収減となる。

政府内ではその穴埋めとして、法人税優遇措置の見直しや金融所得課税の引き上げが検討されているが
こうした税金のつけ替えは、慎重な制度設計が必要。

さらに、環境負荷との整合性も問われる。

ガソリン減税は走行距離の増加を招く可能性があり、カーボンニュートラル政策との両立が課題。

高市政権はEV・ハイブリッド車・合成燃料(e-Fuel)への支援策を組み合わせ、環境負荷を抑えながら自動車文化を保護する方向を模索している。


実施スケジュールの見通し

  • 2025年 〜12月:臨時国会で暫定税率撤廃法案を提出

  • 2026年3月:税制改正大綱で保有税・環境性能割の見直しを決定

  • 2026年春以降:ガソリン価格引き下げ・旧車優遇制度の段階施行

これらの改革が実現すれば、戦後から続いてきた自動車税体系が大きく転換することになる。


結論:車は「文化」であり「生活」であり「産業」である

車を持つという行為は、単なる移動手段を超えて、日本の生活と産業の根幹にある。

税制の見直しは「車離れ」を止めるだけでなく、整備士・販売店・物流事業者など、全国の関連業界を支える第一歩にもなる。

高市政権が掲げる自動車政策は、単なる減税ではなく「文化を守る政策」としての側面を持つ。
それが真に国民の生活を支える形で実現されるかどうか、今後の議論に注目したい。

ほな、またね~


参考資料

  • 経済産業省 資源エネルギー庁「石油製品価格動向」

  • 日本自動車工業会「2026年度税制改正要望」

  • 奈良トヨタ まほろばミュージアム展示資料

  • 各国交通省公表データ(ドイツ・イギリス・フランス)

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