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仕事における「相性」とは?

研修を担当している企業のご担当者から、こんなことを聞きました。

「講師とは、相性が大事だと思うんです。もちろん専門性やスキルもあると思いますが、相性が一番大事なような気がします。感覚的ですいません」と。

それを聞いて、「いえいえ、それ、本質です」と思わず答えてしまいました。私も、相性ほど重要なものはないと思っています。

この場合の「相性」は、好き嫌いとか、話が合うといったことではありません。私が思うに、「ものを見る解像度」が近いかどうか、その感度が合うかどうか、ということなのだと思います。

ここでいう「解像度」とは、物事を見たり、捉えたりするときの細かさのことです。

同じものを見ていても、どのくらい大きなくくりで捉えるのか、どのくらい細かな違いまで見ているのかは、人によって異なります。

意見は違っていてもいい。ただ、ものを見る解像度が近いと、互いの話を理解しやすくなり、そこからまた別の発想が生まれます。だからこそ、「相性」は大事なのだと思うのです。

私の仕事の1つは企業研修講師です。「教えることのプロ」として仕事をしていますから、関連する専門性を磨くのは当然のことです。

講師に必要な専門性には、大きく2つあると思っています。1つは、教える内容についての専門性。もう1つは、教え方についての専門性です。

そして、さらにもう1つ大事なのが、「相手に合わせて解像度を調整する」というスキルです。

企業研修は、MBA大学院で教える場合とは少し違って、さまざまなステークホルダーとやり取りをしながら、その会社が何を課題として見ているのか、何を大切にしているのか、どのくらいの細かさで物事を捉えているのかを理解し、それを研修に反映していく必要があります。

そのため、研修を担当するときには、相手がどのような解像度で物事を見ているのかを感じ取り、そこに自分をチューニングしながら、相手が見ているものを理解する力が大きく問われると思います。

その力があるかどうかで、ステークホルダーとの関係性や議論の深まり方がまったく変わります。だからこそ、冒頭で先方がおっしゃった「講師とは、相性が大事だと思うんです」という言葉は、やはり本質を突いているなと思うのです。

そしてこれは、講師に限った話ではないと思います。どのような仕事をしていても必要な力です。なぜならば、私たちは、外部の方であろうが、社内の人であろうが、常にさまざまな人との関わりの中で仕事をしているからです。

相手がどのように物事を見ているのかを捉え、そこに自分の解像度を合わせながら関係をつくり、一緒に考えていく。その力は、あまり着目されることのない力ですが、実は仕事のパフォーマンスを大きく左右する力の1つなのではないかと思っています。

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