【HYBE】検察庁廃止でパン・シヒョクのIPO問題はどう動くか【最新状況】
ようやく捜査終了、そして次章へ
HYBEのIPOに絡む一件で、ようやく警察が捜査を終結させ、検察へ送りました。騒がれ始めてから2年以上経ちますが、ようやくか……!とある意味感無量です。
韓国では10月から司法組織が変わるので、そうなる前に急いで現状をまとめ、この先どうなるのかを予測してみたいと思います!
注意事項
私は韓国の法律や金融市場に関する専門家ではありません。
BTSファンの立場から、パン議長やHYBE、ミン・ヒジン関連の裁判を追っている一日本人です。飲み屋の話を立ち聞きしてる程度の距離感でお願いします。
これまでの状況
どんな事件だっけ?
2019年当時にしたという発言と2020年当時の市場法をベースにした取引が、2024年にタレコミとスクープで事件化し、継続中という流れです。
かいつまんだ事件の流れ
2020年にHYBEが株式上場する時、パン議長は元幹部の私募ファンドと「上場成功時に利益の30%を受け取る・失敗したら損失(約1000億ウォン)を補填する」という契約を結んだ。
上場は成功し、株価が上昇してパン議長は利益を得た。
2024年になり、2019年にパン・シヒョク議長が「当面IPO計画はない」と虚偽を伝えて既存株主(VC等)から割安で株を手放させ、元幹部の私募ファンドへ集約させてから上場して巨額の利益(全体で約2631億ウォン)を得たという疑惑が出た。
話のこじれポイントは以下です。
被害者がいない事件
投資家たちは最大収益率1600%という利益を得、それぞれの理由で売却しており、事件浮上後も被害を訴えていない
「本来得られたはずの差益を失った」は直接的な被害だとは言えない
詐欺罪の立証が容易ではない
警察と検察の対立
警察「上場計画を隠して株を動かすのは市場犯罪だ」
検察「非上場企業の株売買は、市場全体への犯罪とは言えない」
検察は立件理由の疎明不足で拘束令状申請を二回差し戻した
当時の投資家について興味がある方は、こちらの記事が詳しかったのでどうぞ。
ちなみに、HYBEへの投資元には韓国国民年金公団も含まれていたので、「国民全体を欺いた」的な叩かれ方をしたこともありましたが、ここはまだ第三位株主にいます。
買い増ししたようで、2024年の約265万株(6.36%)から約354万株(8.2%)に増えてますね。もちろん被害届けも出していません。

最新の状況
HYBEのIPOに関する疑惑について、警察は家宅捜索や5回の召喚尋問を含む20カ月の捜査を終え、パン議長やHYBE現・元経営陣、およびファンド関係者を含む計5名を検察へ送致しました。
同日、ソウル警察庁金融犯罪捜査隊は、「資本市場および金融投資業に関する法律(資本市場法)」違反(詐欺的不正取引)の容疑が持たれているパン議長を含むHYBEの前・現経営陣、プライベート・エクイティ(PE)関係者であるキム・チャンヒ ニューメインエクイティ代表、ヤン・ジュンソク イーストンPE代表を不拘束送致(在宅送検)したと発表した。
2024年12月に内偵に着手してから約20カ月ぶりとなる。
昨年6月の家宅捜索直前に海外へ出国したキム・ジュンドン元HYBE最高投資責任者(CIO)については、捜査を一時中止(手配中扱い)とした。
警察は2度パン議長の拘束令状を請求しましたが、検察からは
「逮捕の必要性や、立件のための法的根拠が不十分」
としてどちらも却下されています。
事件を受け取ったソウル南部地検が、起訴に値すると判断されるかどうかが注目されます。
法曹界の反応
朝鮮Bizの記事が詳しく解説されていて、興味深かったです!
内容を整理すると、こういう内容になります。
法曹界が「犯罪としての立件・立証は困難」と判断する理由
「資本市場法(詐欺的不正取引)」の場合
上場前の私的契約であり、プロ投資家同士の合意取引に一般市場の公正性を守る資本市場法を無理に当てはめようとしている
検察も、拘束令状の却下理由に法的根拠の弱さを上げている
「詐欺罪」の場合
「当面は上場計画がない」と発言したことを「悪意を持って騙そうとした」と立証できるか、といえば難しい
実際の売買とIPOまでの間に一年もの時差があり、その間に起きたBTSの世界的大ヒットを意図的に操作できたとは言えず、株価上昇による利益を「詐欺による不当利得」とは言えない
証券届出書の不記載について
事前に結んだ契約(パン議長による買戻し保証など)を開示しなかったことが市場に影響を及ぼしたとは言えず、違法行為には問えない
これは現在の疑いからは外されている模様
要するに、「資本市場法」を適用するのは無理があり、かといって「詐欺罪」として問うには詐欺行為と利益との因果関係を証明できないため、どちらの罪であっても成立が難しい、というのがこの記事の見立てです。
後者の(資本市場法第178条)第2項の場合、「積極的に嘘をついて相手を欺く行為」だけでなく、「重要事項を開示しないこと」、すなわち作為を伴わない消極的な欺罔行為であっても違法と規定される。
証先委は、パン議長らがアルペンルートらに対して上場計画を隠した容疑が、この第2項に該当すると判断したものとみられる。
これについて法曹界の一部からは、「告訴や告発もない専門投資会社間の私的契約」に対し、警察が独自に認知してメスを入れ事態を大きくしたものの、収拾がつかなくなり検察に丸投げした「無理な過剰捜査」ではないかという指摘が出ている。
ただこう言った意見は特に新しいものではなく、2024年から同じ見立ての記事があるため、逆に言えばそこが解決されないまま今に至った、と言えます。
この後はどうなるの?
ボールは検察に渡りましたので、検察は指揮下にある金融監督院特司警の情報も参照し、起訴するか、警察に補完捜査を要求することができます。
ただし、タイムリミットがあります。
韓国の司法組織は今過渡期で、10/2から検察庁が廃止されて公訴庁に変わり、新たに重大犯罪捜査庁が生まれるんですよね。
10/2の改正法施行を前に、現状検察は自ら直接捜査する権限がほぼ制限されていると思われます。
これによりボールの行方がわかりにくくなりました。この先の展開はどうなるのでしょうか?
予想される展開
ここからは私の予想というか妄想なので、気を付けて読んでいただければと思います。
私が考える今後の選択肢はこうです。
旧組織中の選択肢(残り約20日)
①不起訴
②起訴
組織改編まで実質20日くらいしかないため、現段階で①②どちらにせよ動く可能性は低いです。
検察は「市場法で立件する理由をもっと説明して」と拘束令状申請を二度投げ返していますが、警察はそれを解消して拘束令状を通すことはしませんでした。
警察関係者は「再捜査が求められた理由は法解釈や適用の見解に相違があったためだが、警察側としては問題ないと判断して捜査・検討を重ねてきたため、捜査を終結して送検した」と述べた。
ということは、そこの対立は残ったままなのですが、検察が警察の捜査結果を検証して自分たちの捜査で間を埋め、起訴なり不起訴なりの理由文をまとめるには、時間がなさすぎます。
ただ、検察庁は捜査指揮権を持っていますが、公訴庁になるとそれを失いますので、最後に再捜査を命じる可能性はあるかもしれません。
検察は、警察に詐欺容疑への変更を提案したと見られています。
現在この事件はW捜査状態になっており、金融監督院特司警も検察の指揮下にいると思われるのですが、この打診は特司警も市場法適用に至る証拠を掴めていないことを示唆しているのではないでしょうか。
また警察は、詐欺的不正取引の疑いが持たれているHYBEのパン・シヒョク議長に関連する事件について、詐欺容疑を適用するかどうかの追加検討を行っている。ホン本部長は「最近提起された詐欺容疑の適用可能性も検討している」と述べた。
事件の一刻も早い解決という点から見れば、法理上の対立を解決できる証拠がないなら、証拠不足で不起訴にするのが最も効率的です。
しかし組織論的に見れば、新組織へ行く前にわざわざ苦労して今の事件を片付けてしまうメリットがないので、次の組織へ先送りにされるのではないかと思います……。
新組織(10/2〜)での選択肢
③警察へ補完捜査命令
④他の捜査機関へ事件が移管
⑤不起訴
⑥起訴
新しくできる公訴庁は捜査権を失い、起訴するかどうかの判断を行う組織になりますが、一次捜査を行った相手(この場合警察)に補完捜査を求めることができます。これが③です。
最新ニュースでは、補完捜査は「原則1カ月以内(回数制限なし)」となっていました。
警察の補完捜査がちゃんと行われなかった場合、公訴庁が事件を他(新設された重大犯罪捜査庁とか)へ回す、という可能性もあるようで、それが④です。警察のメンツは丸つぶれですが、新組織に手柄を与えたいならありです。
しかしこの場合、捜査期間がどれだけ伸びるのかがわかりません。また、黒星しか取れそうになかったらあえて回さない、という政治判断があるかもしれないので、一番の未確定要素です。
補完捜査が適切に行われていない場合、公訴庁で事件を他の捜査機関に割り当てるようにする内容については肯定的に評価した。
その結果、証拠不十分からの不起訴になった場合は⑤で、今の状況で最も可能性が高いのは③を経ての⑥じゃないでしょうか。
要するに、全員が判断を避けた結果のたらい回し&引き延ばしルートです。
金融監督院特司警はどうなるのか
ややこしいんですが、この事件は捜査権を持つ2つの組織(金融監督院の特司警と警察)が関わっています。
金監院「告発します!」
検察「じゃあそっちの特司警でやりなさい」
警察「いやうちが先にやってたんで!」
検察「警察君には任せられないが協力してやりなさい」
新体制を前に、特司警も独自判断による捜査着手権を持ったそうなんですが、警察から事件が検察に渡った以上、ここが独立して捜査を続ける可能性は低いんじゃないでしょうか。
個人的には、金融当局&特司警としてはこのままフェードアウトして手を引き、呼ばれた時だけサポートするくらいの方が「告発しました!」という実績だけ残るのでメリットが大きいように思います。
3月施行の「法歪曲罪」はどう影響するのか
この事件の早期解決は無理かな……と思っている最大の理由が、これです。
現政権(李在明政権)が「司法改革」を進める中で、2026年3月に施行されたのが「法歪曲罪」です。
これは裁判官や検察・警察に法を悪用させないため定められたのですが、予想通りと言いますか、乱発されて泥沼です。
統計によると、3月に法律を歪曲する罪が制定されてから4か月間で、529人の裁判官がこの罪の疑いで警察に告訴された。2025年初頭時点で韓国には3,248人の裁判官がいるため、6人に1人の裁判官が判決への不満から告訴されたことになる。
施行からわずか4か月で全裁判官の約6人に1人が告発された他、検察官727名、警察官3,535名が告発対象となりました。告発の多くは判決や捜査結果に対する単なる不満や理不尽な理由によるもので、大半は嫌疑なしとなっています。
まあ、告発が世論戦の一部として利用される国でそれをやると、「捜査や判決に不満→法歪曲罪で告発→警察が捜査→その結果が不満で告発」の無限ループになりますよね……。
で、この事件は世間の高い注目を浴びたので、もう何をやっても告発される状況だと思います。
無罪:「HYBEに忖度して法を曲げた」で告発
有罪:「世論に屈して不当処罰を与えた」で告発
なので、そうなりたくないなら「先送り」一択になり、最高裁まで行ってしま……ったら嫌ですね……。
そもそも「資本市場法の適用は妥当なのか」から問われると思うので、裁判へ行けばすごい長くなりそうなことは間違いありません。
社畜系ARMYから見たこの事件
私はBTSファンとしての立ち位置から、推しの歴史を通してこの事件を見ています。その視点から見るこの事件は、こうなります。
IPOを巡る当時の背景
2019年当時、BTSは過去最大規模であるLY/SYツアーを行い、次のツアー(MOS)を節目として兵役へ行こうとしていました。
パンデミックがなければ、2020年の11月から2年半ほど活動休止する予定でした。コロナ禍がこんなに長引くとは……。
「ON」のツアーが終わったら、2020年11月に入隊する予定だったんです。そこで終わり。
会社もそれを前提として弟グルのTXTをデビューさせ、マルチレーベル化を進めて、主軸であるBTSが抜けてもいいよう準備を進めています。Weverseサービス開始もこの頃です。
しかし、2019年末からコロナ禍が始まり、MOSツアーは全公演キャンセルとなりました。
当時の市場がHYBEを見る目(株価)からは、
「営業利益の主軸である公演を封じられた事務所」
「いつ兵役へ行くか不明なBTSに支えられた会社」
という、ものすごく不安定な評価を感じます。
『Dynamite』を始めとした英語曲が大ヒットしてBTSが推しも推されぬグローバルスターになり、マルチレーベル体制が整った2022年でも、「BTSが兵役=HYBEも終わりだわ」という空気の漂うチャートの谷が出来ているくらいです。
当時の韓国には「兵役=人気の終わり」という社会通念があり、それがそのまま会社評価に直結していたのだろうと思います。

そのためHYBEもまずIPOではなく融資先を求め、折り合いがつかなくてIPOを選択し、「失敗したら補填する」という約束までつけています。
個人的には、これはパン議長が自身の破産と引き換えに、HYBEの未来をBTSに賭けたということだと受け取っています。
結果的に、IPOは成功しました。ツアーに出られなくなったBTSが玉突き事故的にリリースしたデジタルシングル『Dynamite』は世界的ヒットを呼び、株価は上がりました。
しかし、誰がそれを予想できたでしょう。
今回の容疑は「虚偽事実を伝えて儲けた」というものですが、儲けるためにはIPOが成功しなければなりません。
しかし、虚偽事実を伝えたという時期と実際の上場→株売却には約1年の間があり、その間に起きたことが全て盛り込み済みだったと結論付けることは不可能です。それは今のHYBEを知っているからこその、後知恵バイアスではないでしょうか。
失敗する可能性もあった中でパン議長はハイリスク・ハイリターンの賭けに勝ち、それは初期投資家もそうでした。
それが市場というものであり、当時の市場法で問題視されておらず被害届も出ていない案件が数年後に包括法の適用で問題視されるという状況は、海外から見た韓国への投資リスク(コリア・ディスカウント)を高めているのではないか、という懸念が拭い去れません。
被害届のない事件と新政権
この件を事件化したのは、被害届ではなくタレコミとスクープでした。世論は大騒ぎになり、捜査機関が動かざるを得なくなりました。
ちなみにスクープした韓国経済新聞は後に別の株価操作疑惑で家宅捜索を受けるなど、情報発信モラルが問われる状況に陥っています。
金融当局はこの件を検察に告発しましたが(2025/7/16)、当時の報道では「パン議長が『IPO計画はない』と嘘をついた」とされていたものが、告発文では「あたかも上場が遅れるかのように欺き」とトーンダウンしています。
プロ投資家相手に騙し切ることは難しい上、IPO準備には遅延や不確実性がつきものだとわかっていたからこそ、断定できなかったのではないでしょうか。

現政権が2025年春から金融犯罪に対し「ワンストライクアウト(即告発・厳罰主義)」を掲げたことも、この動きを後押ししました。
「伝統的な大財閥に切り込むのは摩擦が大きいが、新興企業なら」という天秤に基づき、金融当局や警察が実績を奪い合った結果が、謎のW捜査状態になったのではないかと思っています。
検察が、HYBEのパン・シヒョク議長による詐欺的不正取引容疑の捜査を、金融当局の特別司法警察官に委ねる方針を決めた。あわせて、同一事件を追っている警察に対しても捜査に協力する意向を示した。
これまでパン議長に対する捜査権限を巡って警察と検察が神経戦を繰り広げてきた中、検察がひとまず直接捜査からは手を引く形を取った格好だ。
新展開を招いた米国大使館と拘束令状申請
家宅捜索・召喚尋問・渡航制限・財産差し押さえ(追徴保全)と、派手に動いた警察でしたが、2025年末からは動きがなくなりました。
立件に至る証拠が足りなくて手詰まりになったままズルズル先延ばししてるんだろうか、と思いながら進展を待っていたんですが、それを再び揺り動かしたのが在韓アメリカ大使館です。
大使館からパン議長の渡航制限解除要請を受けた警察は、パン議長の拘束令状申請に踏み切りました。
クーパン問題で反米感情や内政干渉批判が渦巻く中、捜査の進展がないことを突かれた警察が、「米国の要請を聞き入れた」「大企業を見逃した」と世論に叩かれることを恐れてやってます感を出したのかと思いました。
だって相手は80時間以上の召喚尋問にも応え、グローバル企業のトップなのに半年以上渡航制限されても文句を言わず韓国に滞在し、ニュースで毎回顔が出てくる有名人です。今拘束令状出す必要性がありません。
それを言うなら渡航禁止もそうなんですけどね。何年続くかわからない国内拘束って、実質社会的・経済的処罰が成立してしまっているように思います(原則「1カ月以内」だが、何回でも延長可能)。
だから私は必要に駆られてというより世論を意識した動きだと思いましたし、検察が差し戻したのも納得しかありませんでした。
しかし差し戻し理由に「法理的な再検討が更に必要(市場犯罪としての立証が不十分)」も入っていたのには、おやっと思いました。
MBCの取材の結果、検察は「事実関係および法理適用の全般において補完が必要である」と判断し、パン議長の逮捕状請求を却下・差し戻ししました。
検察は、HYBEの上場によって利益を得た私募ファンドとパン議長との関係をはじめ、パン議長が得たとされる不当利得の額など、捜査結果全般について補完が必要だと見ていることが確認されました。
また、警察が適用した資本市場法上の「詐欺的不正取引」容疑についても、法理的な再検討がさらに必要であると判断しました。
同容疑を適用するためには、パン議長の一連の行為によってHYBE株を購入した一般投資家たちにも同様に被害が生じたのかどうかを確認する必要がある、という趣旨です。
要するに、これまでの捜査についてもダメ出しを食らった上、法律を適用するための「根本的な前提条件」から捜査をやり直すよう求められているわけです。
家宅捜索令状や追徴保全命令はそれで通ったらしいんですが、拘束・起訴できるラインはもっと高かったようです。
警察は、同一の事件構造を判断した判例が存在しないうえ、分析すべき証拠が膨大であったため捜査が長期化したと釈明した。警察独自の内偵(認知)事件であったため、関連資料を自ら確保し分析しなければならなかった点も理由に挙げた。
警察関係者は「前例のない事件であったため、多角的な法理を検討し、膨大な証拠を分析した」とし、「初の先例になり得る事案であるだけに、多角的に検討すべき事項が多かった」と明らかにした。
じゃあこれからどうなるのか
世論につられて事件化し、新政権の意向に合わせて実績を奪い合ったあげく、行き詰ったように見えるこの事件。
ただでさえ組織改編を前にして誰も責任を取りたがらない構図に、更なる圧をかけたのが「法歪曲罪」です。
資本市場法を適用するのは法的に困難な上、そもそも初期投資家は売買に納得していて被害を訴えておらず、詐欺罪を成立させるのも困難だが、これまでの実績アピールも重なって世論の注目度が高いため引くに引けず、下手に「嫌疑なし(不起訴)」とすれば法歪曲罪で告発が飛んでくるという、あとは誰がババを引くかという選択肢しか残っていないデスゲーム。
導火線の短い爆弾と化したこの案件を、警察は組織改編ギリギリのタイミングで検察へ投げました。
検察があと実質20日でこれを何とかできる気がしないので、このまま公訴庁へ、そして裁判所へとパスが続いていくのではないか……というのが、現実的な見立てではないでしょうか。
早く終わりますように
自分から見れば、この裁判を続けても、外国人投資家に「投資リスクの大きい国」だという印象を与え、グローバル企業の商売を邪魔して、自分ちのK-POP収入を阻害する結果に繋がるだけのようにしか見えません。警察のメンツと国庫収入なら、お金を取るべきだと思うんですが……。
オーナーリスクとよく言われますが、この件はカントリーリスクそのものじゃないでしょうか。
税金の無駄遣いを防ぐためには早期終了してほしいですが、2年以上韓国ウォッチングをしているとそうもいかないんだろうなと思ってしまいます。
国によって、本当に感覚は違うものですね。近代法の精神は同じだと思っていたらビックリしますし、警察幹部が国民に対して反省文を読み上げるほどの信頼失墜状態では、何が起きるか予想がつきません。
ウォッチする中で韓国における「世論」「政権変更の影響」そして「保身」というものの恐ろしさを学んでしまったような気がします。
おかげで、この先どうなるんだろうと目が離せません。ミン・ヒジンと並んで、注目せざるを得ない案件です。
と同時に、時系列を振り返る度に、2019~2020年当時のバンタンを思い出させられる案件でもあります。
あの時パン議長が結んでくれた「IPOに失敗したら補填する」という契約には、心から感謝しています。バンタンに賭けてくれてありがとう。彼らの戻ってくる家が守られたのは、それがあったからこそだと思います。
この事件がどんな結末になろうと、私はその感謝を忘れないでしょう。
ARMYとしては、バンタンの公演の始まりと終わりがいつも韓国で良かったとも思っています。
彼らの雄姿を、パン議長も共に観ることができるから。
関連記事
政界からの、生臭いが現実的な意見。
パク・ジウォン(またはパク・チウォン)共に民主党議員は22日、自身のYouTubeチャンネルで公開した動画にて「在宅起訴の上で司法の判断を仰ぐべきであり、逮捕状の請求は政務的な判断ミスだ」と指摘した。
(中略)
パク議員はこの日の放送で「パン議長は拘束を恐れてはいないだろう。こうした大規模な経済犯罪は、金銭的な制裁で厳しく処罰すべきだ」と述べる一方、文化産業への寄与度を考慮し、在宅捜査の原則を支持する立場を示した。
韓国商法にビックリした時の話。
当時の韓国商法では、会社の代表(ミン・ヒジンCEO)は「会社に対して忠実である義務」があるが株主(HYBE)に対してはない、という状況でした。
そのためこの判決は原則論に則ったものではあるのですが、当時はビックリしましたね。
「ADORに損害を与えていなければ、親会社HYBEへの裏切り企図は違反じゃない」という意味になるので。そんなの怖すぎる((( ゚Д゚)))
企業ガバナンスとかどうなってるの!?と思い、調べて「コリア・ディスカウント」などのキーワードを知りました。国が違えば問題や観点も違うものなのね……。
いいなと思ったら応援しよう!
もしこの記事が気に入ったり、役に立ったりしたら、コーヒー1杯奢ってください。やる気が出ます!( *´艸`)