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知識を貯めることと、知識で考えることは、別の話

最近、Obsidian、LLMによる知識集積が話題だ。

AIを使って個人の知識ベースを自動構築する。論文・記事・リポジトリを取り込み、LLMがMarkdownのwikiとして整理・更新し続ける。ObsidianをIDEとして使い、LLMがQ&Aや「健全性チェック(Linting)」まで担う。

知識は確実に増える。ではなぜ、それだけでは足りないのか。

LLMが書く知識と、自分が書く知識は、根本的に違う

LLMが書いたwikiは整合性が高い。索引も自動で維持される。概念の定義が統一され、矛盾が少ない。

しかし、LLMは統計的に「平均的な知識」を生成する装置だ。問いの角度が曖昧であれば、平均に収束した出力が積み上がっていく。

一方、人間が書いたノートには偏りがある。しかしその偏りの中に、「その人固有の問いの角度」が宿っている。ある概念を別の領域に結びつける視点、習慣的に問い直す問いの構造——これはLLMには書けない。

混ぜると、何が起きるか

ある研究者の方が指摘したのは、「さらに人間が生産した情報も分ける」という一言だった。

元の設計には2層あった。生データ(raw)と、LLMが処理した領域(wikiやQ&A出力)だ。ここにさらに「人間が自分の言葉で書いたもの」を独立した第3層として扱う、という提案だ。

混ぜてしまうと、何がLLMの出力で、何が自分の考えかが見えなくなる。分けることで、「この結論は自分が辿り着いたのか、AIが提案したのか」が追跡できるようになる。

thought-analyzerが「3層目」だけを見る理由

thought-analyzerは、会話ログの中からユーザーの発言だけを抽出して分析する。AIの返答・引用・コードブロックは除外する。

この設計判断は、3層の分離と同じ発想から来ている。AIが生成したコンテンツと人間の思考を混ぜた状態で分析すると、何を測っているかが曖昧になる。「このフレームはAIが提案したものか、自分が設計したものか」が区別できなくなるからだ。

第3層——人間が自分の意志で選んだ表現・問い・判断——だけを対象にすることで、その人の思考パターンの構造的な特徴が浮かび上がる。

「知識の健全性」と「思考の健全性」は、別々に測る必要がある

LLMによるLintingは「外部知識の整合性」を見る。矛盾を見つけ、欠損を補い、新しい記事候補を提案する。

thought-analyzerは「内部思考のパターン」を見る。どう問いを立て、どこで軌道修正し、どんな概念を接続しているか。知識ベースが正しいかではなく、それを運用する人間の思考がどのような構造を持つかを問う。

知識の整合性と、それを問う人間の思考の質は、同じツールでは測れない。両者を分けて見ることで、初めて「何が弱点か」が見えてくる。

thought-analyzer を試してみる

Claude Codeで「思考パターンを分析して」と伝えるだけで動く。30件以上の会話ログを渡すと、9軸のスコアと類型・ペルソナラベルが出てくる。

→ thought-analyzer(GitHub):https://github.com/thought-analyzer/thought-analyzer
→ skill.md(直接利用):https://github.com/thought-analyzer/thought-analyzer/blob/main/skills/skill.md?plain=1

より詳しく知りたい方へ

[zenn の投稿記事]

知識は使えて初めて資産になる ── Obsidianが問いかけること

知識はLintingで磨ける。では人間の思考は? (26\4\6公開予定)

[zenn 書籍も出しております]

thought-analyzer 序説(仕様・判定条件・活用法)


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