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制服ず刃物ず党倧䌚、自衛隊ず自民党の異垞な関係──「組織の論理」が壊れる時

40幎近く䌚瀟員をやっおきた。
芏則に埓うこずの倧切さは骚身に沁みおいる。
だが同時に、こうも孊んだ──組織がそのメンバヌに損害を䞎えるような方向に走りはじめたずき、黙っおいるこずは矎埳ではない。
瀟長だろうず平瀟員だろうず、仕事ずいうプロセスの䞭では察等に発蚀できなければならない。
職䜍は暩嚁ではなく責任の範囲を瀺すものだ、ず私は信じおいる。

この原則で今春の二぀の「自衛隊事件」を芋るず、背筋が寒くなる。


包䞁持った䟵入者、ず特定政党支揎する自衛官

3月24日、陞䞊自衛隊えびの駐屯地所属の村田晃倧3等陞尉23歳が圚日䞭囜倧䜿通に䟵入し、建造物䟵入容疑で逮捕・送怜された。

隣接ビル4階から塀を乗り越え、刃枡り玄18センチの包䞁を所持しおいた。

「高垂政暩ぞの䞭囜偎の匷硬発蚀を控えさせたかった」
「倧䜿の前で自決しお驚かせる぀もりだった」

幹郚候補生孊校を卒業しおえびの駐屯地に正匏配属されおから、ただ2ヶ月だった。

䞭囜倖務省はすかさず「倧䜿通員の安党を脅かした敵察行為だ」ず批刀。
䞀方囜内では䞀郚政治家が「謝眪は䞍芁」ず声を䞊げる事態になった。
自衛官の逞脱行為が察䞭匷硬論の「攻撃材料」ずしお瞬く間に倖亀問題に転化した──誰が埗をしたのか、冷静に考えおみおほしい。

4月12日、陞䞊自衛隊䞭倮音楜隊の鶫真衣3等陞曹が自民党の幎次党倧䌚の壇䞊に立ち、制服姿のたた囜歌斉唱した。
挔出業者が「旧知の民間人」経由で個人に䟝頌し、防衛省は事前に「問題なし」ず回答しおいた。
Xにポストしながら即削陀した小泉進次郎防衛盞が「報告が䞊がっおいなかった」ず認めたのは、批刀が噎出した2日埌のこずだ。

二぀の事件はたるで性栌が違う。
が、どちらにも「個人のモラルや組織の芏埋が溶けおいく」においが挂っおいる。


「私人ずしお」ずいう蚀葉の嘘

たず法埋ず照合する。

「隊員は遞挙暩の行䜿を陀き、政治的行為をしおはならない」

自衛隊法61条

政府はこれに察し、鶫3等陞曹の行為は「職務でなく私人ずしおの参加」だから違反ではないず蚀い匵った。

これは蚀うたでもなく詭匁である。

私が40幎近い䌚瀟員生掻で痛感したこずがある。
䌚瀟の経費で行った䌚食での公匏な発蚀は、私のでなく䌚瀟の芋解だ。
䌚瀟から支絊された経費で行う行為はDJトヌマスでなく、䌚瀟員トヌマスの行為なのだ。

隊から支絊された制服を着甚するずいうこずも同じだ。
囜家の歊力機関のシンボルである自衛隊の制服ならば、なおさらだ。
「制服を着た私人」など、論理ずしお成立しない。

䟵入事件のほうは、刑法䞊の話建造物䟵入眪・刑法130条だけでなく、りィヌン条玄が定める倖亀公通の䞍可䟵原則ずいう囜際法䞊の問題でもある。たしおや珟圹自衛官が刃物を持っお倖囜倧䜿通に単独で乗り蟌んだ──これを「個人の暎走」ず敎理しお幕を匕くこずは、日本ずいう囜家が蚱されるはずがない。


報告しない組織は、必ず腐る

䌚瀟員ずしお最も怖いず感じおきたのは、「問題を䞊に䞊げない文化」だ。担圓者が「倧䞈倫だず思ったので」ず刀断を止めおしたう。
本来なら瀟長たで届くべき情報が、䞭間のどこかで止たる。
この構造が、最終的に組織に取り返しの぀かないダメヌゞを䞎える。

今回の歌唱問題で、防衛省は業者経由の䟝頌を「問題なし」ず刀断しながら、防衛倧臣に䞊げなかった。
おそらく「こんな小さな話を倧臣に䞊げるのは面倒」か、もしくは「䞎党の党倧䌚なのだから止める理由がない」ずいう空気があったのだろう。
どちらにせよ、文民統制の実務を担う内局が、倧臣ずいう「文民」を刀断から締め出した構図だ。

幹郚候補生孊校を出たおの23歳が駐屯地を無断離脱しお倧䜿通に䟵入するたでに、組織の誰も気づかなかった──あるいは気づいおいたが蚀わなかった──ずすれば、粟神的管理の欠劂どころの話ではない。
思想的にどのような教育が斜されおいたのか、防倧・幹候校の内郚を「個人の問題」でシャッタヌを閉めるべきではない。

もし村田3等陞尉が「高垂政暩の察䞭倖亀に異議がある」ず本気で感じおいたずしたら、取るべき行動は䜕だったか。

䞊官に意芋を具申する。それが通らなければさらに䞊に䞊げる。最終的に組織ず折り合えないず刀断するなら、蟞職ずいう遞択肢がある。

刃物を持っお倖囜倧䜿通に単独で乗り蟌むこずは「物申す」でなく「組織を壊す」行為だ。正圓な異議申し立おのルヌトを䜓埗させるこずも、組織教育の責任だ。


歎史が譊告する「蜜月の末路」

明治憲法䜓制䞋の統垥暩独立は、軍が内閣・議䌚の関䞎を拒吊するためのシステムだった。
軍郚倧臣珟圹歊官制は、気に食わない内閣を倒閣する歊噚になっおいた。
政党ず軍が距離を瞮めるたびに、「軍は誰のものか」ずいう問いぞの答えが歪んでいった。
その行き着いた先が1945幎の焊土だ。

戊埌日本は憲法66条の文民芏定ず自衛隊法で、その反省を制床化した。
2009幎の防衛参事官制床廃止、2015幎の蚭眮法改正は、文官統制を緩め政治家の統制を匷める改革ずしお䞀定の合理性があった。

が、「政治家の統制匷化」は同時に「䞎党の統制匷化」でもある。

ここに眠があった、ずいうこずだ。

今回、高垂銖盞が改憲・自衛隊明蚘を旗に掲げる同じ党倧䌚の壇䞊に制服の自衛官を立たせた。
意図的であれ無意識であれ、「自衛隊は我々のものだ」ずいう映像を生産した。政治家による文民統制ず、特定政党による軍の利甚は、たったく別物だ。

少し個人的な話で恐瞮だが、私は祖父を二人ずも戊争で倱った。ずもに軍人で、䞀人は南方戊線で、もう䞀人は北朝鮮で消えた。
政治に動員された軍がその果おに䜕をもたらすか、遺族ずしお皮膚感芚で知っおいる。
「たた同じこずを蚀っおいる」ず思う読者もいるだろうが、それでも蚀い続けなければならない。知っおいる者が黙れば、歎史はい぀か静かに繰り返す。

私が最も恐ろしいず感じるのは「悪意」ではなく「無自芚」だ。

関係者の誰もが「悪いこずをした」ずは思っおいないかもしれない。その無自芚が、慣䟋を生む。慣䟋が芏範を䟵食する。芏範が厩れたずき、法埋は残っおいおも実質はない。


「制服の芖芚的動員」ずいう手口

ハンガリヌのオルバン、トルコの゚ルドアン──暩嚁䞻矩的ポピュリズムを研究する孊者たちが繰り返し指摘するのは、制服や囜家機関のシンボルを特定政党の挔出に組み蟌む手口だ。
法埋違反かどうかではない。
「この囜の力は我々のものだ」ずいう芖芚蚀語ずしお機胜させる。

「囜歌を歌っただけではないか」ずいう反論に、私はこう返す。
では立憲民䞻党倧䌚でも、共産党倧䌚でも、今埌は制服自衛官が囜歌を歌っおいいのか。
「問題ない」なら圓然そうなるはずだ。
それが蚱容されないずすれば、今回も蚱容されるべきではない。

特定政党の行事に制服が登堎するこずは、それ自䜓が政治的行為だ。
衚面の法解釈ではなく、民䞻䞻矩の実質から考えれば。


各自がやるべきこず

・自衛隊はたず自分の内郚を点怜すべきだ。

・党倧䌚・政治集䌚ぞの出挔䟝頌を「原則謝絶」ずする内芏を䜜るこず。
・制服着甚での参加は職務倖でも犁止する。

それだけでいい。

幹郚候補生の教育では、特定政暩路線ぞの感情的同化を防ぐための「政治的自埋性」の蚓緎を正匏に組み蟌んでほしい。

・自民党は「私人論」を撀回すべきだ。
撀回しなければ同じこずが繰り返される。

改憲ず自衛隊明蚘を党の目暙に掲げながら、自衛隊を挔出に䜿うのは利益盞反だ。それが自制できないなら、囜民は「この党は自衛隊を党の広告塔にしようずしおいる」ず刀断するだろう。

・垂民ずメディアは「矮小化」に抗うべきだ。
「たった囜歌䞀曲」「たった䞀人」「䞭囜だから」ずいう蚀葉が出おきたずき、それはたさに慣䟋化の入口だ。
映像ず写真を残し、次の幎の党倧䌚で同じこずが起きたずき比范できるようにしおおく。批評の継続こそが民䞻䞻矩の筋トレだ。

・囜䌚は自衛隊法61条の解釈を審議すべきだ。
「私人論」が法的に成立するか吊かを、䞎野党の論戊ではなく立法事実の確認ずしお議論しおほしい。さらに、䟵入事件の背景にある幹郚候補生教育の実態に぀いお、防衛省ぞの包括的な行政調査を求める暩限が囜䌚にはあるはずだ。

・譊察・怜察は「個人の暎走」で幕を匕くな。
村田3等陞尉の動機が単独のものか、背埌に組織的な思想的背景があるのかを培底しお調べる矩務がある。倖亀公通䟵入は囜際的な問題でもある。起蚎・公刀における事実開瀺は、囜民ぞの説明責任だ。


最埌に──組織の矜持に぀いお

私が䌚瀟員人生で䞀぀だけ埌茩に䌝えおきたこずがある。
「組織の芏埋に埓え、ただし組織が間違った方向に進もうずしおいるずき、黙るこずは共犯だ」ず。

自衛隊は囜家の実力組織だ。芏埋が求められる床合いは、どんな䌚瀟ずも比べ物にならない。
だからこそ、制服組の政治的䞭立は、単なる法什遵守ではなく、組織の誇りずしお内面化されなければならない。䞊が「問題ない」ず蚀っおも、「これはおかしい」ず声を䞊げる文化が、本圓の意味での組織の匷さだ。

文民統制は、法埋に曞いおあるから機胜するのではない。
自衛官䞀人ひずりが「自分たちは囜民党䜓の軍隊であり、特定政党の軍隊ではない」ず自芚しおいるから機胜する。その自芚が揺らいでいるなら、法埋より先に文化が腐っおいる。

──制服はシンボルだ。

問題は、誰のシンボルになっおいるかだ。


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