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【研究報告曞 No.000】僕の名はペハク暮らしに䜙癜を぀くる研究員

僕の名はペハク。

暮らしの䞭に転がっおいる疑問を拟い集め、調べ、敎理し、蚘録する研究員である。

「研究員」ず聞けば、癜衣のポケットに難解な数匏を忍ばせ、色の怪しい液䜓を眺めおいる姿を想像するかもしれない。

残念ながら、僕が眺めおいるのは詊隓管ではない。

也ききらない掗濯物や、なぜか増えおいく電気代、片付けおも数日で元に戻る机の䞊などである。

䞖界の呜運を巊右する研究ではないが、圓人の䞀日を巊右するには十分な問題だ。

今日も僕は、それらを前にしお県鏡を抌し䞊げおいる。


所属は「ラむフ・リプランニング研究所」

僕が籍を眮いおいるのは、ラむフ・リプランニング研究所。

英語名は「Life Replanning Institute」、略称は「LRI」である。

「暮らしに䜙癜を、人に遞択肢を。」

この理念のもず、人の暮らしを芳察し、より無理のない圢ぞ組み盎すための研究を行っおいる機関だ。

ひず぀、安心しお欲しいこずがある。

それは、この機関は秘密結瀟でもなければ、地䞋深くに隠された実隓斜蚭でもないずいうこず。

䞖間ず同じ時間に朝を迎え、昌になれば食堂が混み、倕方には誰かがコヌヒヌを切らしお頭を抱える——珟実の瀟䌚に存圚する、ごく真面目な研究所である。

この研究所には、倚くの研究員が所属しおいる。

家事の負担を軜くする、小さな工倫を調べる者。

䜏たいず心の関係を芳察する者。

時間やお金の䜿い方を研究する者。

そしお、ストレスを抱えやすい珟代瀟䌚で、人がどうすれば少し息を぀けるのかを調査する者。

扱っおいる問題は、どれも小さく芋えるかもしれない。

しかし、靎の䞭ぞ入った䞀粒の砂が䞀日の機嫌を損なうように、暮らしの小さな䞍䟿は䟮れないものである。

僕が所属するのは、その䞭の「日垞生掻研究郚」だ。

掗濯、片付け、食事、睡眠、節玄、習慣。

人が毎日繰り返す行動の䞭から、負担の原因ず、無理なく続けられる仕組みを探しおいる。

僕たちは、䞖界を䞀倜で救う薬を䜜っおいるわけではない。
䟋えば、氎曜日の倜には山積みになった掗濯物を前に絶望しなくお枈む方法を研究しおいる。

芏暡は小さいが、圓事者にずっおは切実な研究である。


僕が研究しおいるもの

僕個人の研究察象も、ひず蚀で衚せば「暮らし」である。

片付け、掃陀、掗濯、食事、節玄、睡眠、時間の䜿い方。

どれも誰かにずっおは圓たり前で、別の誰かにずっおは頭を抱えるほど面倒なものだ。

暮らしには、正解らしきものが倚すぎる。

・毎日自炊をする
・郚屋を枅朔に保぀
・早寝早起きをする
・家蚈簿を欠かさず぀ける など

——これらをすべお実行できれば立掟である。

しかし、人間は毎日同じ䜓力で動けるようにはできおいない。

仕事に远われる日もあれば、䜕もしおいないのに劙に疲れおいる日もある。

垰宅しお靎を脱いだ時点で、その日の掻動を終了したくなる倜もあるだろう。

そんな日に必芁なのは、「もっず頑匵れ」ずいう正論ではない。

今ある力で暮らしを止めないために、䜕を残し、䜕を諊めればよいのか。

その順番である。

僕が調べおいるのは、頑匵れる日の理想的な暮らしではない。

頑匵れない日でもできる暮らしである。


なぜ、備忘録を残すのか

人は忘れる生き物だ。

䞀床調べたこずも、忙しさの䞭では驚くほどきれいに抜け萜ちる。

買い物に出た瞬間、必芁だったものを忘れる皋床には、蚘憶ずいうものは自由である。

しかも、疲れおいるずきほど刀断力は働かない。

「䜕から手を぀ければよいのか」ず考えおいるうちに時間が過ぎ、䜕も始められないたた、自分だけを責めおしたうこずがある。

だから僕は、調べたこずを蚘録する。

原因を敎理し、遞択肢を枛らし、今日できる最小単䜍たで分解する。
次に同じ問題ぞ出䌚ったずき、最初から悩み盎さなくお枈むようにするために。

この備忘録は、研究䞭に埗た気づきを忘れないよう、僕自身のために曞き始めたものだ。

だが、暮らしの困りごずは、案倖よく䌌た顔をしお別の家にも珟れる。

僕の蚘録が、どこかで立ち尜くしおいる誰かの手順曞になるのなら、机の匕き出しにしたっおおく理由はない。

この蚘録が誰かの暮らしに圹立ったずき、調査に䜿った時間ず、僕が飲んだ倧量のコヌヒヌも報われるずいうものだ。

ゆえに、研究報告曞を兌ねた僕の備忘録ずしお、ここぞ残すこずにした。


「䜙癜」は、䜕もしない空間ではない

改めお、僕の名はペハクである。

随分ず出来すぎた名前だず自分でも思う。
停名ではないかず疑われおも仕方がないが、その件に぀いおの远加調査は受け付けおいない。

では、話を戻しお、僕が考える「䜙癜」に぀いお話そう。

この「䜙癜」ずいう蚀葉は、予定のない時間だけを指すものではない。

疲れたずきに䌑む䜙地。
今日はやらないず決める䜙地。
人の方法を、そのたた自分ぞ圓おはめなくおよい䜙地。

そしお、うたくできなかった自分を、すぐに倱栌にしないための䜙地である。

暮らしを完璧に敎えようずするず、䜙癜は真っ先に削られる。

だが、皮肉なこずに、䜙癜を倱った暮らしほど長続きしない。

だから僕は、䜕かを増やす方法だけではなく、枛らす方法も研究する。

手間、刀断、無理な習慣・・・そしお、ずきには「理想」そのものを少し小さくする。

それは怠けではない。

長く続けるための、立掟な蚭蚈倉曎であるず僕は考えおいる。

◉この備忘録に残しおいくこず

ここでは今埌、次のような研究報告を残す予定だ。

・疲れおいる日にも、家事を止めない最䜎限の手順
・片付けおも元に戻る原因ず、散らかりにくい仕組み
・時間、お金、䜓力を䜿いすぎない暮らし方
・身近な疑問や、知っおいるようで知らない生掻の知識
・道具やサヌビスを遞ぶずきの比范、調査蚘録
・䞀床厩れた生掻を、無理なく埩旧させる方法
 など

もちろん、僕は䜕でも知っおいるわけではない。

分からないこずは調べ、根拠が䞍足しおいれば、分からないず蚘す。
その䞭で誀りが芋぀かれば、蚘録を修正する。

なお、研究内容は垞に倉動するこずを予め留意しおほしい。


研究結果ず今埌の課題

今回の自己芳察により、僕が䜕者であり、䜕のためにこの備忘録を残すのかが、ひずたず明らかになった。

僕は、ラむフ・リプランニング研究所の日垞生掻研究郚に所属し、暮らしの䞭にある小さな負担ず、それを軜くする仕組みを研究しおいる。

そしお、この備忘録の目的は、調べた情報を䞊べるこずではない。

耇雑な問題を敎理し、疲れおいる人でも「これなら䞀぀詊せそうだ」ず思える圢ぞ倉換するこずである。

本報告曞で最も重芁なのは、暮らしを敎えるために、毎日を完璧にこなす必芁はないずいう点だ。

必芁なのは、十個の正解を抱えるこずではない。

今の自分に残されおいる時間ず䜓力を芳察し、その日に実行できる䞀぀を遞ぶこずである。

それすら難しい日は、䌑むこずを研究結果ずしお採甚しおもよい。

ただし、暮らし方に䞇胜な正解は存圚しない。

ある人にずっお有効な方法が、別の人にも同じように機胜するずは限らないからだ。

そのため、今埌の研究では「䜕をすべきか」だけではなく、どのような人に、どのような条件で圹立぀のかに぀いおも確認しおいく必芁がある。

たずは、自分の暮らしの䞭で小さな負担になっおいるものを、䞀぀だけ芳察しおみおほしい。

片付かない机でも、溜たった掗濯物でも、眠る盎前たで手攟せない携垯電話でも構わない。

問題を解決できなくおも、正䜓を芋぀けるだけで研究は始たっおいる。

次回の研究察象は、「䜕もしたくない倜」である。

䜓力も気力も残っおいない倜に、暮らしの䜕を守り、䜕を翌日ぞ持ち越しおよいのか。

その優先順䜍を調査する予定だ。

なお、癜衣の䞋に着おいるTシャツのデザむン改善に぀いおは、珟圚のずころ研究蚈画に含たれおいない。
研究所内から芁望が出おいるずいう噂はあるが、远加調査の必芁性は認めおいない。

それでは、たた次の研究報告曞で䌚おう。

研究報告曞 No.000 蚘録終了。

いいなず思ったら応揎しよう

研究員ペハクの備忘録 今埌の掻動費ずしお䜿甚させおいただきたす。 よろしければ、応揎のほどよろしくお願いいたしたす。

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