Photo by
yesyoshino
レトロ自販機
小学生の幼いころ、週末に父と二人で出かけることがあった。父の用事についていくので、それ自体私が何かすることはないし、楽しみでもない。ではなぜついていったのかというと、好きな自販機コーナーに連れて行ってもらえたからだった。
父とそのコーナーへ行く。多少広いスペースに自販機が数台とベンチがある。小銭を入れて大きいボタンを押すと、下の受け取り口に紙コップが落ちて、そこに細かい氷が入り、原液と炭酸水が注入される。そのライブ感は楽しかったし、細かい氷はここでしかお目にかかれなかったので子供の私には特別だった。マウンテンデューとかメローイエローとか、家では飲まないものを私は選んでいた。
もう一つ好きだったのが、ハンバーガーの自販機だった。ボタンを押すと販売機に内蔵された電子レンジにハンバーガーが入るのだろう、しばらく温めるのを待つ。出来上がったものは熱々で、包み紙を開けるとパンはしなしなで、めくると薄いハンバーグとケチャップと謎の味付けが塗ってあった。見た目も味も大したことはないけれど、私はこれが好きだった。
飲食が終わると、もう私の目的は達成された。あとは父が残りの用事を終えるまで待っている。時間はそれなりだったと思うが、子供はみな何かしら工夫して時間をつぶすものなので、待ちくたびれたことはない。用事が済んで、車で帰る。それが今でも思い出として残っている。
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