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あなたの選択を決めているのは、あなた自身だけでしょうか

たくさん学んできたのに、なぜか現実が変わらない方へ。このnoteでは、30年にわたり瞑想と心の探究を重ねてきた天馬が、瞑想と自己理解を通して、人生が動き出すための「自分を見る視点」をお届けします。

色々学び、お金もかけてきたのに現実が変わらないのはなぜ?それは、人生の本質に触れていないからかもしれません。実は、現実を優しく変える方法があります。
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私たちは毎日、たくさんのことを選んでいます。
誰と関わるか、何を仕事にするか、どこへ行くか、何を諦めるか。

そして多くの場合、「これは自分で決めた」と感じています。
実際、自分で考え、自分で決断してきたことはたくさんあるでしょう。

けれど、ここで一つだけ静かな問いを置いてみたいと思います。
あなたが「自分で選んだ」と感じるその選択は、いったいどこから始まっているのでしょうか。

選択肢を比較し始めたところでしょうか。
「こっちにしよう」と決めた瞬間でしょうか。

それとも、そのずっと前から、ある道は魅力的に見え、別の道は「自分には関係ない」と感じる何かが動いていたのでしょうか。
もしそうなら、選択を見るときには、決断そのものより少し手前へ戻ってみる必要があるのかもしれません。


・選択肢が見える前の土台

私たちは、目の前に並んだ選択肢の中から自由に選んでいるように感じます。
けれど、本当にすべての可能性が最初から同じように見えているとは限りません。

ある選択肢は自然に思い浮かび、ある選択肢は考えることさえありません。
ここでは、選択肢が見えるより前にある土台について解説します。

選ばなかったものより、思いつかなかったもの

転職するか、今の会社に残るか。
私たちは二つを比較して、自分で選んだと思います。

けれど、本当はそのほかに、休む、働き方そのものを変える、まったく別の分野へ進むという可能性もあったかもしれません。
自由な選択とは、見えている選択肢の中だけで行われるものなのでしょうか。

「そんなことは現実的ではない」とすぐ感じる道もあります。
ただ、その「現実的ではない」という判断は、いつ作られたのでしょう。

自分で検討して出した結論でしょうか。
それとも、考える以前から当然になっていたものでしょうか。

「私ならこうする」という予測

何かが起きると、「自分ならこうする」と比較的すぐに判断できます。
それは、自分をよく理解しているからでもあります。

一方で、過去の経験が積み重なるほど、「私はこういう人」という自己像が次の選択を先回りすることもあります。
「私は安定を選ぶ人」「私は人を傷つける決断はできない」といった自己理解です。

その自己像が自分を守ってくれることもあります。
けれど、まだ経験していない自分の可能性まで、その言葉で閉じてはいないでしょうか。

「私なら選ばない」という言葉が出たとき。
本当に選びたくないのか、それとも「私らしくない」から選べないのかを見てみる余地があります。

「当然」が選択を始めている瞬間

良い人でなければならない。
安定した仕事を選ぶほうが安心だ。

迷惑をかけてはいけない。
大人なのだから、感情より責任を優先するべきだ。

こうした価値観には、大切な知恵が含まれていることもあります。
同時に、あまりに当然になった考えほど、自分の選択を左右していることに気づきにくいものです。

では、あなたが「常識だから」と選んできたものの中に、自分自身では一度も確かめていないものはないでしょうか。
この問いは、常識を否定するためではありません。

ただ、自分で選んだものと、いつの間にか受け取っていたものの境界を、一度静かに見てみるための問いです。


・学んできた人ほど生まれる静かな選択

心理学や哲学、スピリチュアル、仏教などを学んできた人ほど、「自分の本音で選ぶ」ということを大切にしているでしょう。
他人の期待ではなく、自分自身の内側から選びたいと考えているかもしれません。

その姿勢には大切な意味があります。
けれど、「自分の内側から出たものなら、それはすべて本当の自分なのか」という問いも残ります。

ここでは、学んできた人ほど見えにくくなる選択の構造について解説します。

「これは本音」という判断

「頭ではなく、心の声に従おう」
そう決めることで、以前より自由になれる人もいます。

けれど、心の中には直感だけでなく、過去の記憶や恐れ、期待も存在しています。
内側から湧いたというだけで、そのすべてを簡単に区別できるわけではありません。

「この人から離れたい」という感覚がある。
それは深い直感かもしれませんし、以前傷ついた記憶が反応しているのかもしれません。

どちらが正しいと急いで決める必要はありません。
むしろ、「この選択をしたいという感覚は、どのように生まれたのだろう」と見ることができます。

知識によって選ぶということ

長く学んでいると、「これは執着だから選ばない」「こちらのほうが成長につながる」と判断できるようになります。
その知識によって、以前とは違う選択ができることもあります。

ただ、そこには「正しい選択をしたい」という静かな前提が入り込む場合があります。
そして、間違った選択をすることが怖くなります。

すると、以前は周囲の期待に従っていた人が、今度は学んだ思想や理論の「正しさ」に従うこともあります。
外側の基準が、より洗練された内側の基準へ移っただけかもしれません。

あなたが最近した大切な選択は、本当に自由なものだったでしょうか。
それとも「探究してきた自分なら、こちらを選ぶべきだ」という自己像も関わっていたでしょうか。

知識と在り方のわずかなズレ

「他人の期待ではなく、自分で選ぶことが大切」と理解している。
それでも、誰かを失いそうになると本音を引っ込めることがあります。

「恐れではなく愛から選びたい」と知っている。
それでも大切な場面では、不安を避けられるほうを選んでしまうこともあります。

そこには失敗ではなく、知識として理解している自分と、実際に選択している自分との小さな距離があります。
その距離は、さらに正しい知識を増やせば消えるとは限りません。

「なぜできないのか」と自分を責めるより、その選択が生まれる瞬間を見てみる。
すると「意思が弱い」という説明より手前に、別の動きが見えるかもしれません。


・「自分で決めた」のさらに手前

脳科学や心理学では、人の意思決定を一つの働きだけで説明することはできません。
目標を考えながら選ぶ働きもあれば、過去の経験や習慣、報酬の学習なども行動に関わります。

だからといって、「あなたの選択は無意識に決められています」と結論づける必要はありません。
ここでは、自分で決めたという感覚が生まれるさらに手前について解説します。

過去が現在の選択に混ざるとき

以前、挑戦して強く傷ついた経験がある。
すると新しい挑戦を前にしたとき、慎重になることがあります。

本人には「現実的に考えて、今回はやめておこう」という判断に感じられるかもしれません。
けれど、その慎重さに過去の経験がどの程度混ざっているのかを、私たちはいつも完全に把握しているとは限りません。

だから、その選択が間違いという意味ではありません。
過去から学ぶことは、人間にとって必要な働きです。

ただ、「私は合理的に判断した」と思ったあとにも、もう一つ問いを残すことはできます。
「この選択を安全に感じさせているものは何だろう」と。

周囲の期待が自分の声になるまで

人は一人だけで価値観を作るわけではありません。
家族、友人、文化、社会との関係の中で、多くのものを学びます。

最初は誰かから言われた「安定した仕事に就きなさい」という言葉が、やがて自分自身の声になることもあります。
外から受け取った価値観と、自分が本当に選んだ価値観の境界は、思っているほど明確ではないのかもしれません。

けれど、それも「親の価値観だから捨てるべき」という話ではありません。
受け取ったものが、今の自分にも本当に大切である場合もあります。

大切なのは、その価値観を一度自分自身で確かめたことがあるかどうかです。
「これは本当に今の私も選びたいものなのか」と。

条件の中から生まれる選択

仏教の縁起には、ものごとは独立して単独で生じるのではなく、さまざまな条件の関係から生じるという見方があります。
この視点から選択を見ると、「完全に自分だけが作った決断」という感覚も少し揺らぎます。

その日の身体状態、過去の記憶、相手との関係、自分の価値観、恐れ、期待。
多くの条件が重なった場所から、一つの選択が現れているとも考えられます。

では、それは自由ではないということでしょうか。
必ずしも、そう結論づける必要はないと思います。

むしろ、何に影響されているのかが見えないまま選ぶことと、条件に気づきながら選ぶことには違いがあるのかもしれません。
自由とは何なのかという問いは、ここから少し深くなります。


・選択している「私」のさらに奥

ここまで読むと、「では無意識の影響を全部見つければ、本当に自由に選べるのですね」と感じるかもしれません。
けれど、その答えも少し急ぎすぎているように思います。

どこまで条件を理解しても、すべてを完全に把握できるとは限りません。
ここでは、選択を正しくすることより手前に残っている問いについて解説します。

影響されない自分という新しい理想

「他人に影響されず、自分だけの意思で選びたい」
そう願うことがあります。

けれど、人は関係の中で育ち、言葉を学び、価値観を形成してきました。
何からも影響を受けていない純粋な自分を探すこと自体が、一つの理想像なのかもしれません。

哲学では、自由意志や自己決定について長い議論があります。
自由とは「原因が何もないこと」なのか、それとも別の意味を持つのかも簡単には決まりません。

だから、自分以外の影響をすべて排除しようとしなくてもよいのかもしれません。
まずは、何が自分の中で動いているのかを見られるだけでも、選択との関係は変わります。

現れた選択と、その根の構造

カバラには、私たちに現れているものだけでなく、その背後にある根源や段階的な構造へ問いを向ける視点があります。
心理学とは異なる体系ですが、一つの比喩として眺めることはできます。

私たちが「これを選びます」と言葉にした時点では、すでに選択は表面へ現れています。
では、その選択が形になるまでのもっと手前には、何があったのでしょうか。

安心を求める動き。
認められたいという願い。

自分らしくありたいという自己像。
それらのさらに奥にも、まだ言葉になっていないものがあるかもしれません。

その全体を、この記事で一つの答えとして決めてしまうことはしません。
答えを持つことで、実際に自分の中で起きていることより、その答えを探すようになる可能性があるからです。

「私が選んだ」と言っているものへの問い

最後には、少し不思議な問いが残ります。
「私は自分で選びました」と言っている、その「私」とは何なのでしょうか。

哲学でも仏教でも、自己とは何かという問いに簡単な終点は置かれていません。
選択の内容だけではなく、選択している主体そのものまで問いの中へ入れると、景色は少し変わります。

考えている自分。
迷っている自分。

決断した自分。
それらはすべて同じ一つの固定された「私」なのでしょうか。

この問いは、頭で答えを作れば終わる種類のものではないのかもしれません。
だからここでは、あえて問いのまま残しておきたいと思います。


まとめ

あなたの選択を決めているのは、あなた自身でしょうか。
おそらく、この問いには「はい」か「いいえ」だけでは答えられません。

私たちは確かに考え、迷い、選んでいます。
同時に、その選択には過去の経験、習慣、周囲から受け取った価値観、身体の反応、自己像など、さまざまな条件が関わっている可能性があります。

だから大切なのは、「私は自由ではなかった」と落胆することではありません。
むしろ「私の選択は、どこから始まっているのだろう」と問いを戻してみることです。

何を選んだか。
その一つ前に、なぜそれが魅力的に見えたのか。

さらにその前に、なぜ別の選択肢は怖く見えたのか。
そして、その判断をしている「私」は何なのか。

この記事では、その核心にある構造をすべて書いてはいません。
実際には、出来事を受け取り、身体が反応し、意味づけが生まれ、過去の経験や前提、自己像と結びつき、「私はこれを選びたい」という感覚になるまでには、もう少し具体的に見ていく順番があります。

その順番については、メルマガの中で少しずつお伝えしています。
そこで扱っているのは、「自由意志はある」「すべて無意識が決めている」といった思想ではなく、自分の選択がどのように形になっていくのかを見るための「構造の話」です。

ただ、その構造を知識として理解するだけなら、「私は自分の選択の仕組みを知っています」という新しい理解が増えるだけかもしれません。
最後には、それが実際に自分の中で動き始める瞬間を、自分自身で確かめる必要があります。

そのための一つの方法として、私は瞑想を勧めています。
瞑想をすれば、常に正しい選択ができるようになるという意味ではありません。

むしろ瞑想は、答えを出すための技法というより、「これを選びたい」「これは選びたくない」という動きがどこから立ち上がるのかを見るための実験装置のようなものです。
選択を変えるより先に、選択が生まれる場所を直接確かめてみる時間です。

次に大切な選択をするとき、すぐに正解を探す前に、一度静かに座ってみてください。
そして、「私は今、何によってこちらを選ぼうとしているのだろう」と問いを置いてみる。

答えを考えるより、その問いに触れた瞬間、身体や思考、感情がどのように動くのかを瞑想の中で見てみてください。
そこには、これまで「自分の意思」と一つにまとめていたものの中に、まだ見えていないいくつかの層があるのかもしれません。

その層のさらに奥に何があるのか。
それについては、まだここでは答えにしないでおきたいと思います。

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