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格言26 愛情って名の凶器

格言26

「愛情は人類にとって最大の凶器である」

愛情。

この言葉を聞いて、悪いものを想像する人はほとんどいないと思います。

愛情とは、特定の相手を大切に思い、その人の幸せを願い、その存在を守ろうとする感情です。

親が子を愛すること。
恋人を大切にすること。
家族を守ること。

どれも、とても素敵なことです。

ではなぜ私は、

「愛情は人類にとって最大の凶器である」

などという、物騒なことを言うのでしょうか。

私は「愛情」という言葉の中にある、

「特定の相手を大切にする」

という部分に、とても重要な意味が隠されていると思っています。

普段、その意味が表に出ることはほとんどありません。

しかし、極端な状況になったらどうでしょう。

もし、あなたの最も愛する人が命の危機にさらされている。

そして、まったく関係のない誰かを犠牲にすれば、その人を救うことができる。

そんな究極の選択を迫られたとしたら――

あなたは、どうするでしょうか?

きっと簡単には答えられないと思います。

それほどまでに、愛情には人を強く動かす力があります。

愛する人を守るためなら、
普段なら絶対にしないことをしてしまうかもしれない。

悪いことだと分かっていても、
「この人だけは守りたい」と思ってしまうかもしれない。

つまり愛情は、人を優しくする力であると同時に、

守りたいものと、それ以外のものとの間に境界線を作る力

でもあるのではないでしょうか。

私は、ここに愛情の持つ危うさがあると思っています。

そして、この構造は個人だけの話ではありません。

家族。
仲間。
民族。
国家。

守りたい対象が大きくなっても、似たことは起こり得ます。

「大切な人を守りたい」

「仲間を守りたい」

「自分たちの国を守りたい」

その気持ち自体は、決して悪いものではありません。

むしろ、とても人間らしい感情だと思います。

しかし、その愛情が強くなり過ぎて、

「自分たちを守るためなら、相手を傷つけても仕方がない」

というところまで進んでしまった時、

愛情は「正義」という名前に姿を変え、凶器になってしまうことがあります。

戦争も、単純に愛情だけが原因で起こるものではありません。

政治、領土、資源、宗教、民族、経済、安全保障――さまざまな要因が複雑に絡み合っています。

それでも私は、

「自分たちの大切なものを守りたい」という強い情が、対立を深める力になることもある

と考えています。

では、愛情を持たない方がいいのでしょうか?

私は、まったく逆だと思います。

愛情は、とても大切です。

ただ私は、愛情のさらに先に必要な精神性があると思うのです。

それが、

「和の心」

です。

私がここでいう「和の心」とは、自分の意見を捨てて周囲に合わせることではありません。

自分にも大切なものがある。

相手にも大切なものがある。

自分には自分の正義がある。

相手には相手の正義がある。

その違いを認めたうえで、どちらか一方を押し潰すのではなく、共に存在できる場所を探していく。

それが、私の考える「和」です。

そして私は、その精神を学ぶ身近な場所の一つが、

恋愛ではないか

と考えています。

恋愛をすると、自分とは違う一人の人間と深く向き合うことになります。

好きだからといって、相手が自分の思い通りになるわけではありません。

自分の気持ちを伝えることも大切。

でも、相手の気持ちを尊重することも大切。

自分が我慢すればいいわけでもない。

相手に我慢させればいいわけでもない。

お互いが違う人間であることを認めながら、
それでも一緒にいられる場所を探していく。

恋愛には、そんな学びがたくさんあります。

だから私は、

愛情だけでは、まだ足りない。

そう考えています。

愛する人を大切にする心から、

自分以外の人にも、その人なりの大切なものがあると想像できる心へ。

「私の大切な人」から、
「あなたの大切な人」へ。

そして少しずつ、その境界を越えていく。

一人と一人の間に生まれた小さな「和」が、
家族へ、仲間へ、社会へと広がっていく。

そんな小さな積み重ねの先にこそ、

戦争のない世界へ向かう道があるのではないでしょうか。

愛情は、とても強い力です。

だからこそ使い方を誤れば、凶器にもなる。

でも、その強い愛情を「和」へと育てることができたなら――

愛情は人類最大の凶器ではなく、人類最大の希望にもなれる。

私は、そう信じています。


〜注意〜

本文は、愛情そのものを悪いものとして批判するものではありません。

また、戦争などの複雑な社会現象を愛情だけで説明するものでもありません。

本記事は、特定の相手を大切に思う「情」が、ときに排他的な行動へつながる可能性について考察し、その先にある「和の心」の大切さを表現した、執筆者個人の思想です

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