テレワークゆり物語 (27)おふくろの味は他人の味
「家族の食事は、ほとんどお手伝いさんにお願いしています」
と言うと、多くの人は引く。あるいは、がっかりした表情になる。
仕事が忙しくても、家族のために手料理にこだわる母を期待されているのだ。ある取材では、この話はスルーして「仕事と家庭を両立しているママさん」に偽造?されたこともある。
私は料理が苦手だ。苦手なことは、なかなか上手にならない。一方、仕事は大好きだ。好きなことは、時間を忘れて集中するし、成果も出る。
また、夫も料理や掃除はしないし、するつもりもない。無理強いすると、ケンカになるのは目に見えている。
無理をするのはよくない。他の人に任せることができることは、任せよう。その分、私ができることを頑張ればいい。
1997年10月。夫の転勤で、0歳、2歳、5歳の娘たち、そして原稿の締め切りと一緒に北海道北見市に引っ越してきた私は、まず「ベビーシッター」兼「家政婦」を探した。お金がかかっても仕方ない。まずは北見での生活と仕事を安定させなくてはいけない。
しかし当時の地方都市には、そんな職業は無かった。市役所で相談する。「介護サービスなら、たくさんあるので、相談してみてください」なるほど。さっそく問い合わカせると、
「子どもと料理が好きな、若い人がいるので派遣できますよ。時給は950円ですが、いいですか?」
子どもの相手と料理を作ってくれて、時給950円?! 介護を基準にした料金体系とのこと。ありがたく来ていただくことにした。
派遣されてきたのは50代の女性(その事業所では若いらしい)。本当に料理が上手で、子どもたちをかわいがってくれた。私は仕事に集中することができ、平日2時間で月約4万円の謝金を、頑張って稼ぐことができた。さらに、北海道の美味しい食材を上手に使って、家族5人の一か月の食材費を3万円に抑えてくれた。
そして何より、夫と子どもたちが喜んだ❣️私の料理よりも、栄養バランスも良く、とても美味しい。爆
気がつくと20年以上、その女性にお世話になった。おかげで、子どもたちは健康にすくすく育った。夫と食事のことでケンカすることも無かった。笑
「おふくろの味は他人の味」
長女の名言である。しかし、私は恥ずかしいとは思わないし、子どもたちも「お母さんが料理しなくて良かった」と笑って話す。
今の時代は、食事をアウトソーシングできるサービスもたくさん登場している。シェアリングサービスなら、当時の「家政婦さん」のような費用はかからない。重要なことは、利用する側が「恥ずかしい」と思わないことである。
できないことはできる人に頼り、自分ができることを精いっぱいがんばる
何事も『無理をする』と、長続きしないのだ。
※写真は、その女性がフツーに作ってくれたある日の夕飯。「おふくろの味」に、感謝。
