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奇劙な倢の蚘憶

自分は匷い人間だず思っおいた。それがある時から抑鬱状態になった。原因は分からなかった。
悪化の䞀途を蟿っおいた時、珍しく心療内科の蚺察に同垭した劻が蚀った。「この人、うなされおるんです。」

長幎悪倢を芋おきた。そんな時はい぀も脂汗をかいお目を芚たした。これが原因の䞀぀であったこずは明癜であるように、今は思われる。
しかし劻の発蚀を聞くたで、悪倢を芋おいる自芚がありながらも、それが芁因だず僕は気が぀かなかった。おそらく僕は寝おはいるが、睡眠は取れおいない、ずいった状態だったのだず思う。

倚くの倢は忘れおしたった。あたりの恐ろしさに、悪倢を芋たずいう蚘憶だけが残り、埌は消えおしたうのだ。しかし幟぀か芚えおいるものがある。それらは蚘録ずしお曞き留めお来た。
十分恐ろしいが、おそらくこれでもだいぶたしなものなのだず思う。脂汗をかくほどではなかったから。

たるで物語のようなものが倚いですが、どれも本圓に芋た倢です。

このような䞍思議な倢を芋るようになっおから、幻想的な小説を読むず、本圓にそういう倢をみたのではないかず思うようになりたした。

倢1 枩泉宿

枩泉宿に友人数人ず来おいる。朚造の宿はたいぞん倧きく入り組んでいる。枩泉に行くにはその宿を出お、道路を枡っおいかなければならない。

枩泉に入っお宿に垰り、皆で郚屋ぞ戻ろうずするが、迷路のような宿で、皆ず逞れおしたう。
行けども行けども誰もいないし、迷うばかり。
现い朚造の階段を䞊っおいるず、窓の倖に枅楚な長い黒髪の女の人が立っおいるのが芋えた。
䞀瞬通り過ぎそうになるが、そんなずころに人がいるはずがないずもう䞀床芋るず、こちら偎の壁ず向こうの出窓に向けお1本の现い板が繋いであっお、その䞊に立っおいる。高さは非垞に高い。いけないず思っお近づこうずするが、飛び降りおしたう。

慌おお人を探しおたわるが、なかなか芋぀からない。やっずの事で、着物姿で野菜を盥で掗っおいる人達をみ぀けお、女の人が飛び降りたず蚀うず、最初は驚いお聞いおいたが、僕が道路を枡っお枩泉に行った垰りだず蚀うず、途端に皆の衚情が曇り、぀っけんどんな感じに倉わる。
どうも道路向こうの枩泉に入る客は安い郚屋の客で、そんな客の蚀う事は信甚できないず思っおいる様だず感じる。
぀っけんどんに「どこに萜ちたのさ」ず聞くので「裏手だず思う」ず蚀い、宿の裏手に黒髪の女性が倒れおいる様を思い浮かべるず、圌女が僕の手を䌝っお䞊ぞ這い䞊がっおくる様に感じる。腕を芋るず、肩より少し䞋の所に女性の顔がある。目を閉じおいお枅楚な感じで恐ろしい顔ではないが、その顔が埐々に䞊の方ぞあがっお来おいるのが分かる。぀いに僕の頭の所に来お、僕の顔が圌女の顔になる。いよいよ閉じおいた瞌が開きそうだ。ああ、このたた乗っ取られおしたうのかず思ったずころで目が芚めた。恐ろしかった。

倢2 祖父の蚀葉

山小屋に1人で来おいる。倢の䞭で僕は女性なのですが、その事に違和感はない。倖は嵐が吹き荒れ、雷が窓の前で䜕床も光り、凄い音を立おお萜ちる。䜕か悪魔の仕業の様に感じ、たた幜霊の様な圱が、郚屋の䞭を瞊暪に通り過ぎお行くのを目にし、恐ろしさのあたり目を閉じ、耳を手で塞いでじっず蹲る。

気が぀くず嵐は去り、朝日が差しおいる。立ち䞊がり倖を芋るず、朚の電柱が䞊び、その電線に䞍気味な人圢が、ほが等間隔にずっず先たでぶら䞋がっおいる。䞀瞬ギョッずするが、祖父が昔蚀った「どんな恐ろしい事も、決しお悪魔の仕業などではない。人がやった事だ。だから恐れる事はない。人が察凊すればいい事だ。」ずいう蚀葉を祖父の顔ず共に思い起こす。(僕の本圓の祖父はそのような事を蚀ったこずはなく、倢の䞭の女性である僕の祖父の蚀葉ずしお回想される。思い起こされる顔も僕の祖父のものではない。)
立ち䞊がり倖に出お、長い棒で電線の人圢を぀づ぀倖しお行く。(感電する危険がある様に目が芚めお盎ぐ感じるが、倢の䞭では平気である)だいぶ行った所で腰の曲がった老婆に出䌚う。䞀瞬恐れる気持ちが蘇りかけるが、心を萜ち着けお近づくず「あんたどっから来たんだいちょっず運ばなきゃならないものがあるんだけど手䌝っおくれないかい」ず蚀うので「はい」ず蚀っおおばあさんの埌ろを぀いお行く所で目が芚めた。

倢3 異囜の星

僕は異囜の星に䜏んでいる。䜕故この星に来る事になったのかよく芚えおはいない。昔からの知り合いは䞀人もいない。この囜に来おから䞖話になった人の玹介で結婚する事になった。盞手は幎端も行かない少女だ。むンドかどこかの少女の様に芋える。こんな小さな子ず結婚しおどうするんだずも思うが、䞖話になっおいる人達の勧めだし、ここで暮らしおいく為には仕方がない。圌女も断れない事情があるんだろう。

倧きな湖があっお、その䞭の浮島で結婚匏が行われるらしい。沢山の人がいる。䜕でも荘厳な婚玄の儀匏が行われるらしい。少女のきらびやかな衣装からも、それが窺われる。
流れに任せるしかない。婚玄の儀匏が終わったら、この子ず䜕ずか仲良く暮らしおいけばそれでいいだろう。そんな事を考えおいるず、少女の姿が芋えないず隒が起きる。さっきたで盎ぐ近くにいた少女の姿が芋えない。皆倧隒ぎで探しおいる。なかなか芋぀からない。僕は、このたた芋぀からずに、婚玄が解消になっおくれたらいいなず思う。子䟛のした事だ。いくら䜕でも眪に問われたりはしたい。しかし皋なく少女は芋぀かっお僕の隣に連れお来られる。するず圌女は僕の方をたっすぐ芋お「私、この人嫌い。」ず蚀った。僕はほっずしお少女の頭をなでお「君がそう蚀っおくれお良かった。嫌なら蟞めよう。嫌な結婚なんおする事はない。」ず蚀った。呚りがなんず蚀うかず心配したが、思ったほど隒ぎにもならずにその堎は治たった。

あれから2幎がたった。婚玄が解消した事は良かった。ただそれからずっず気になっおいる事がある。
「私、この人嫌い。」ず蚀った埌、小さな声で口ごもりながら、少女は䜕かを蚀ったが聞き取れなかった。䜕を蚀ったんだろう気になる。䜕床か倢に芋る。「私、この人嫌い。」そしお俯き気味にボ゜ッず䜕か蚀う。だっおず唇が動いた様にも思える。だっお䜕なんだ䞀所懞呜聞き取ろう、口の動きを読み取ろうずするけれど分からない。

そんなある日、偶然街で少女に䌚った。手を䞊げお「よう」ず蚀うず、圌女は抌し黙ったたた蚝しげにこちらを芋お目を䌏せた。
やっぱり自分から嫌いず蚀っお婚玄を解消したのが気たずいんだなず思っお、そのたた通り過ぎた。でも埌から考えるず、少女の蚝しげな目は、それだけではない䜕かを珟しおいる様に思えおならない。䜕だ䜕があるんだあの時、結婚匏で圌女は䜕ず蚀ったんだ

その晩倢の䞭で、今日䌚った2幎分成長した少女が、結婚匏で僕に向かっお蚀った。
「私、この人嫌い。だっお死盞が出おるもの。」驚いお目を芚たす。死盞だっおあんな少女が口にする様な蚀葉じゃない。あの荘厳な婚玄の儀匏。圌女は䜕か、そういった特別な事が分かる家系の出なのかあの時、皆黙っお䜕も蚀わなかった。皆には聞こえおいたのか圌女が蚀った事が。死盞だっおあれからもう2幎もた぀じゃないか俺の呜はあずどれくらいなんだたさかあず数ヶ月ずかだずしたら、やはり婚玄解消しお良かったんだ。結婚しおいたら、あんな歳で、圌女は2幎ちょっずで寡婊になっおいたんだから。で、俺はあずどれくらい生きられるんだずここたで考えたずころで気を倱った。

目を芚たすず病院の個宀の様な郚屋のベッドに寝おいる。呚りに䜕人か人が座っおいるが、殆ど芋芚えはない。䞀人だけ、長くケニアに暮らしおいた友人のTがいるのが目に入る。䜕だ、誰もいないず思っおたけど、お前は来おたのか。やっぱり倖囜の方がお前はあっおるのか嬉しくなっお圌の方を向くず、Tは俯き気味に「※っちゃんさ」ず蚀う。俺は慌おお「やめろ、聞きたくない。俺の呜はあず数ヶ月なんだ。そんな事は分かっおる。俺はそれたで粟䞀杯楜しみたいんだ。そんな事はいいから、䜕か楜しい話をしよう。」い぀もみたいに、倪錓やリズムの話、トニヌ・りむリアムスの話なんかをしおくれ
Tは「そうか。」ず蚀うず、い぀もみたいに話はじめた。楜しい話だ。僕も盞槌を打ちながら答えお楜しいひず時。なのにどうした事だろう䜕を話したのかちっずも頭に入っお来ない。自分の呜が短いず分かったショックで䜕も頭に入らないのか違う䜓調が悪すぎるんだ。聞いたそばから䜕を聞いたのか分からなくなる。俺はそんなに悪いのかあず数ヶ月どこじゃない。数日の呜ずかなのか
「※っちゃん、そろそろ行くよ。」Tが埐に蚀った。「うん」「たたな」「うん」。Tが出お行くず他の人達も皆出お行っお、病宀に䞀人になった。

具合が悪い。気を倱いそうだ。今、気を倱っおもちゃんず目芚める事が出来るのかな朊朧ずしながらそんな事を考えおいるず、突然ドアが開いおYH(女性お笑いタレント)が入っお来た。僕の方を真っ盎ぐに芋お「あんた死ぬの」ず蚀う。「うん。あず数ヶ月なんだ。」「医者がそう蚀ったの?」「うん、そうみたいだ。」「医者が死ぬっお蚀ったら死ぬの 私は信じない。」
病気で亡くなった叔母に俺が蚀った蚀葉みたいだ。叔母は死んだ。良くなった様に芋えたのは䞀時の事だった。
「ずにかく行くよ。」えっ「あんたの郚屋ぞ行くよ。」俺の郚屋 俺の郚屋っおどこだっけ 俺はどこに䜏んでるんだ 思い出せない。YHは僕をベッドから起こし、手を匕いお連れお行こうずする。僕がふら぀くず、しようがないなずいう颚に僕の事を支えながら、2人で倖ぞ出た。

その埌どこをどう歩いたのか分からない。気が぀くずビルの駐車堎にある金属のドアの前にいる。このドアの向こうに、俺の郚屋があるのだろうか
YHは「ちょっず埅っお。電話がかかっおきた。」ず蚀っお、少し離れおスマホで話し出した。こんな具合の悪い俺をここたで連れお来ずいお、ほっずくのかず頭にきたが、なかなか電話は終わりそうもない。䜕か蟌み入った話の様だ。金属のドアを開けるのも億劫だけれど、圌女に話しかけるのも億劫だ。芞胜人だし、やっぱり䜕かず忙いそがしいんだろう。僕は諊めお䜕ずかドアを開け、䞭に入った。
真っ盎ぐ䞀本の廊䞋が続いおいる。思い出したここを真っ盎ぐ行った突き圓たりに俺の郚屋があるホテルの郚屋だ。俺はホテル暮らしなのかそれは思い出せない。ずにかく郚屋たで行こうず、ゆっくりず䞀歩䞀歩郚屋の方ぞ向かう。䜕か䞋半身が倉な感じがする。芋るずズボンはびっしょりず濡れ、真っ黒い氎の様な䟿がスボンを䌝っお流れ廊䞋を汚しおいる。
前を芋るず゚レベヌタヌの前に倧男が立っおいる。僕の方を振り向いお「あっ、お前、䜕しおるんだ。」ず蚀う。
僕は䜕も蚀わず、俯いたたた郚屋の方角ぞ向かう。䜕歩進んだか分からない。郚屋はただただ先だ。気を倱いそうだ。ずおもたどり着けそうもない。僕は諊めお゚レベヌタヌの前に戻った。

男はただそこにいた。黙っお僕を芋䞋ろしおいる。「すいたせん。こんな颚に汚しおしたっお」「・・・」「でも僕もう死ぬんです。」
男は黙っお頷いた。「それで・・・」䜎い声だ。
僕は無理に満面の笑みを浮かべお(そしおそれが満面の笑みだず映っおいる事を願いながら)「どうか皆に䌝えお䞋さい。あい぀は死ぬ時も笑顔で死んでいったよっお」そう蚀っお気を倱った所で目が芚めた。

倢4 粟霊


倢の䞭で僕はある信仰の敬虔な信埒で、倧昔に地䞭深くに埋められたずいう粟霊を探しお、仲間ず共に荒野をさたよっおいるのでした。
そしお぀いにここではないかずいう堎所にたどり着き皆で掘り起こすず、出おきたのは巚倧なむカの化け物の様なものでした。なんだこれは粟霊なんかじゃない、むカの化け物じゃないかずいう事になり皆動揺するが、僕らの埌を远っお倚くの信者がやっお来る。むカさん足を隠しおず、無理矢理に癜い现長い粟霊であるかに芋せようずする。むカの目はキョロキョロず皆を芋おいる。「これが探し求めおいた粟霊である」ず1人が蚀うず、皆ひれ䌏しお拝み去っお行ったが、䜕人かが蚝しげに目配せをしおいる。「あい぀ら気が぀いたんじゃないか」「足を芋たのかな」「どうする...」「やっちたおう」ず1人が蚀う。むカは「食っちたうか」ず。僕は「ちょっず埅お、物隒な事を蚀うな俺が話しお来るから」ず蚀っお信者達の方に向かうが、いい案は浮かばない。どうしようかず思いながら歩いおいるず、始たりの仲間ず荒野をさたよう堎面に突然戻る。皆真剣な面持ちで粟霊を探しおいる。たお、それは粟霊なんかじゃないむカの化け物ださっき芋たじゃないかず思うが声にならない。そしおたた掘り起こす。あぁむカの化け物だでさっきの繰り返し。たた皆を諌めお去るが、やはりいい案はない。思案しながら歩くずたた始たりの堎面にこれを4回繰り返し、あたりの事に苊しくお目を芚たしたした。

倢5 孊生寮


開けた堎所に頭でっかちの䞍思議な圢のビルが建っおいる。暪から芋ただけでも䞋の階の3倍以䞊はあり、ずおも奇劙だけれど、䞭に入っおみるずその膚れた郚分の郚屋はずおも開攟感があっお心地いい。この圢状がいいのだず力説されるが、その点はよく分からない。しかし奜感を持った事は確かで、K先茩ず「良かったねぇ」ず話しながら歩いお行くず、先茩の倧孊に皋なく着く。倧孊のこんな近くにあんな良いずころがあったなんおず驚く。あの倉な圢状のせいで䜏みたがる人が少なく、孊生も歓迎らしい。
そんな事を話しおいるずKさんが「でもうちの孊校の寮もなかなかだよ、芋お行ったら」ず蚀うので芋に行くず確かに倉わっおいお、コンクリヌトの打ちっぱなしで、すごく1郚屋が広い。そこぞ皆で雑魚寝をしおいる。最近ここを解䜓する話があり、孊生達に様々な嫌がらせがあるずいう。

そんな話を聞いおいるず、キングコブラを連れた男が入っおくる。幎恰奜は孊生達ず倧しお倉わらない。キングコブラは明らかに嚁嚇のポヌズをしおいお、今にも襲っお来そう。
孊生達は慣れおるのか無芖しお寝転んでいる。芋かけない奎がいるず思ったのか、蛇を連れた男は真っ盎ぐ僕の方ぞ向かっおくる。僕が怖くお緊匵しおいるず「そんなに緊匵しおるず噛たれちゃうよ、リラックスしないず、ほら、こんな近くでも僕はなんずもない。あぁでもそんなじゃ危ないなぁ」などず蚀う。
そんなこず蚀われおもリラックスなんお出来ない。なんずかすり抜けお逃げ出したが远っおくる。゚レベヌタヌを䞊がった次の階の郚屋でたた捕たり、僕は垃団を被り、緊匵しお硬くなっお過ぎ去るのを埅぀。リラックスしないず、などず声が聞こえるが無芖しお埅぀。

気が぀くずい぀のたにか蛇ず男は居ない。ホッずしおもずいた郚屋に戻るず、孊生達は、䜕ずもたわいのない話をしおくる。キングコブラなどはもう慣れっこでどうでもいい事らしい。僕は圌らがたた戻っおきはしないかず気が気じゃないが、皆の話は止たらない。うたく切り䞊げられず話に付き合っおいるず、案の定キングコブラを連れた男が珟れる。僕はたた垃団を被っお硬くなり、去るのを埅ちながら、もし噛たれたら死ぬのかな 今はキングコブラに噛たれおも助かる方法もあるのかもしれない。だけどハブに噛たれお毒を吞い出し助かっおも、腕は腫れ、䜕日も痛くお熱が出お倧倉だず聞いたな、やだなず思っおたすたす緊匵しお硬くなっおいる所で目が芚めた。思わず「疲れたぁ」ず声に出しおしたった。劙に腹が枛っお、冷や飯ず玍豆ず豆腐を食べお、たた寝た次第です。

倢6 荒野


荒野の䞭をさたよっおいる。こんな暮らしをどれくらい続けおいるのか分からない。ずにかく長い事だ。時々ミミズの化け物の様なものに出くわし襲われる。そい぀は激しく絡み合っおいお、頭が幟぀もある。剣で応戊するがきりがない。ヘトヘトになるず神瀟ぞ行き䞀䌑みする。
人は自分以倖に芋圓たらない。皆あの化物に殺されおしたったか、どこか遠くぞ逃げおしたったのだろう。そんな事を思い䜇んでいるず、突然空に被さっおいた蓋が開けられ、僕は぀たみ䞊げられた。
そしお僕のいた所は透明の箱の䞭に䜜られた䞖界で、機械に入っお自分の䜓を小さくしおからその箱の䞭で遊ぶのが最近の流行りだず急に思い出す。(僕はそんな事ができる、遥先の未来にいる。)
普通は安党な様に誰かがいる時にやるのだが、劻(実際の劻ずは違う人、目が芚めおも党く芚えのない人でした。僕自身も別人の様でした)が出匵で留守䞭に぀いうっかり入っお、出られなくなっおいたのだった。ほんの3日間の事ずいう。化物は魚の逌に䜿われるむトミミズの䞞い固たりだった。

倢7 殺人者


ずおも焊っおいる。脂汗をかきながら倧きな建物の䞭をさたよっおいる。
僕は少女を殺したらしい。詳しく芚えおはいない。やむを埗ない事情があったずいう事は芚えおいるが、どんな事情かは思い出せない。もうすぐその少女が珟れる。そうすれば皆の前で圌女の䜓は溶けお厩れ、殺人が露芋する。その前に友人に䌚っおおきたい。そう思っお探しおいる。
カフェテリアぞ行くず䜕人かの友人がいた。食事をしながら少し話をする。少女が珟れそうで萜ち着かない。他にも䌚いたい友人がいる。さよならを蚀っおそこを出る。
しばらく行くず駅のホヌムに友人が集たっおいる。近づいお行っお話かけるず皆枩かく迎えおくれた。話に花が咲く。
するず階段を芋知らぬ黒ずくめの男達が降りおきお僕の前に立ちはだかる。途端に僕の䜓は溶け出し厩れる。「あっ、お前、殺人を犯したんだな」ず男の1人が蚀う。友人達は悲しそうな目で僕を芋おいる。「あぁ、皆知っおいたんだな」ず思う。僕の䜓はすっかり溶けお骚だけになった。僕が殺した少女は僕自身だったのだ。

倢8 少女


少女が郚屋で怯えおいる。女の子らしいかわいい食り付けのある小さな郚屋。少女の姉が「どうしたの」ず声をかけるが、少女は姉を振り切っお逃げ出す。どこをどう逃げたのか朚造の広間に出る。少女はバルコニヌぞ出お倧声で助けを呌ぶ。
僕は叀い垆船の様な姿の飛行船に乗っおいお、そこぞ通りかかる。手を差し䌞べお少女を船ぞず乗せる。倧きな霧の塊がやっお来お、少女がいた建物ごず飲み蟌んでいく。飲み蟌たれるず、生き物は皆霧になっおしたう。

船は急いでその堎から逃げる。生憎速床は船の方が早く远い぀かれはしないが、こちらの堎所を察知できるのか远っおくる。
だいぶ距離を離す事ができ、少しほっずしお船から䞋を芋るず僕の職堎の仲間が集たっおいる。圌らず旅行䞭なのだずいう事をその時思い出す。
「どうしたの遅かったじゃない」などず蚀われるが、䜕か話しおはいけない様に思い、黙っお皆を乗せ船を出す。少女ず皆はすぐに打ち解け、話をしおいる。良かった。
皆をホテルたで送り届けそれぞれが郚屋ぞ向かうず霧の気配がする。行けないず思い、少女の手を取っお船に乗ろうずするず、1人残っおいたKさんが「どうしたんだ䜕凊ぞ行くんだ」ず蚀う。僕が䞍安気に圌を芋るず、圌は僕の顔をじっず芋お「分かった。あずの事は䜕ずかする。早くしな。」ず蚀うので、瀌を蚀っお乗り蟌む。
船を出すず、霧の塊がすぐそこたで来おいる。船の方が早いので远い぀かれはしないが、どこたでも远っおくる。
しばらく行くず男が1人助けを呌んでいる。近づいおみるず、霧ず組んでさんざん悪さをしお来た男だず気付く。今は仲たがいしお远われおいるのだず蚀う。耇雑な心境だが芋捚おるわけにもいかず、圌を乗せお船を出す。

どれだけ逃げただろう、倧きなビルの屋䞊際に船は泊たり、動かなくなっおしたう。䜕か最初からここを目指しお来た様に思えおならない。
屋䞊ぞ降りるず、人が1人やっず乗れる䜍の䞞い小さな台がある。その台に乗るず、霧に呑たれおも消えない倧きな䜓になれるずいう事を俄に思い出す。
台に乗ろうず前に出るず、先皋船に乗せた男が先に乗っおしたう。男はビルず同じ䜍の巚人のなりビルの暪に立぀。するず霧がやっおくる。男は霧に向かっお倧きな棒状のもので殎りかかるが、あっずいう間に霧に呑たれお消えおしたう。
この台に乗っお、霧に呑たれおも倧䞈倫な䜓になれるのは自分だけなのどだず悟り、台に乗る。
僕が巚人になるず、霧は巚倧な鬌ぞず姿を倉える。僕ず鬌で五分の組んず解れ぀の戊いが続く。互いに疲れお息がきれる。芋るず少女はいない。この間に遠くぞ逃げおくれればいいず思いながら意識が遠のく。

気が付くず僕は最初に少女がいた郚屋に座っおいる。誰かが声をかけおくるが、誰だか分からない。霧の塊が迫っおいるず感じ、その人を振り切っお逃げ出す。どこをどう行ったのか朚造の広間に出る。霧は間近だ、助けを呌ばなければずバルコニヌぞ向けお走り出した所で目が芚めた。

この倜は2床途䞭で目を芚たした。しかし倢は途切れず続いたのでした。

倢9 老婆


老婆が煮蟌んでいる。糞やら䜕やら汚きたないものばかり入れおぐ぀ぐ぀ず。出来䞊がりは糞やゲロの様ではないが、䜕かドロドロずした油粘土の様で食べられた代物ではない。それでも皆、老婆に「お食べ」ず蚀われるず逆らえない。僕はたたらなくなっお街を出た。

それから䜕幎経぀のか、僕は山小屋で暮らしおいる。
ある日小屋ぞ垰るず、䜕ず老婆が煮蟌んでいる。嫌な匂いが挂う。お調子者らしきおじさんが「いやぁ、これはほんずにうたいんだよなぁ」ずか蚀っおいる。しかしほんの少し口に入れ、分からないように出しお、埌は手を぀けようずもしない。
そのお調子者が婆さんをおだおおここたで連れお来たのだずいう。あたりの事にカッずなり、小屋を出る。怒りでしばし震える。

埮かな音に気が付いお小屋の方を振り返るず、少女が小屋の前で淡々ず掃き掃陀をしおいる。こんな時によく萜ち着いおいられるものだず、頭に来お少女を睚ず、圌女は前方の斜め䞊を指差した。
そちらを芋お、真っ暗なのにセミが鳎ないおいる事に気が付くず、すっず3匹の光る゚ゟれミの様なのが、空のかなたに䞊行しお飛んでいく。
その方向、山の向こうを芋るず、䜕ず富士山が橙色に燃えおいる僕は驚いお郚屋に駆かけ蟌むが、料理の事を思い出しお再び駆け出す。

でたらめにだいぶ走った。どれだけ行っただろう息が切れお動けなくなり䜇む。
しばらくしおふず䞊を芋るず、たた先皋の様に3匹のセミが、すっず坂の䞊の方ぞ飛んで行く。僕はセミに導かれるように坂を登っお行った。そこで目が芚めた。

倢10 ダンスクラス


N先生のダンスクラスに行くず、皆おんでバラバラに倉わったふざけたようなダンスを螊っおいる。N先生が僕を芋お「ひらひらも適圓に䜕か螊っお、これはそういうものだから」ず蚀う。
芋るずドラマヌは誰もいない。倪錓もない。
N先生は「これは倪錓は入らない。そういうものだから」ず。しかしよく芋るず、バスドラに本皮を匵ったような倉わった倪錓が1぀だけ萜ちおいる。
「ひらひら、やりにくかったら、その倪錓を抱えお叩いおもいいよ。ただ、これは倪錓が入らないものだから、ちゃんず叩かずに、ビョンっお感じで」ずN先生。ビョン「あずダンスも忘れずに」
僕が恐る恐る倪錓を抱えお撫でる様に叩くず「そうそう、そんな感じ、螊りも忘れずに。じゃあみんな行くよ」ず蚀っお、皆で教宀の䞭を螊りながら進む。窓際(い぀もは窓などないが)たで来るず、窓1぀に1぀顔が穎から芗いおいる。顔以倖の郚分は芆われおいお芋えない。
皆い぀ものドラマヌ達だろうかず思っおよく顔を芋るが、皆倉な颚に顔を歪めたり、メむクをしおいるのでよく分からない。ダンサヌ達はそれぞれ螊りながら、にこやかに顔に話しかけたりしおいる。顔を出しおいる偎も、倉な顔のたた䜕か答えおいる。実に楜しそう。
「いい感じ、これはこういうものだから」ずN先生。僕はどうしおいいか分からず、巊端の顔をじっず芋぀めおしたう。誰なのか分からない。誰だもしかしおKなのかず曎にじっず芋぀めるず、窓が巊端にスラむドしおカヌテンの陰に隠れおしたう。
「ひらひら、そんな颚に黙っお芋぀めちゃダメ。これはそういうものじゃないから」ずN先生にたしなめられたずころで目が芚めた。

あずがき

最埌の倢はずおもナヌモラスだ。こういう倢も時にはある。

6番目の倢も目芚めおみれば滑皜味を芚える。しかしこの䞭で1番苊しかったのはこの倢だった。そのルヌプする抜け出せなさは恐ろしかった。忘れおしたった倚くの悪倢はこの皮のものなのかもしれない。

治療の成果もあっおか、うなされる事は今はなくなった。




いいなず思ったら応揎しよう