「光明真蚀土砂勧進蚘」䞊びに「光明真蚀土砂勧信別蚘」明恵䞊人䜜

「光明真蚀土砂勧進蚘」䞊びに「光明真蚀土砂勧信別蚘」明恵䞊人䜜

光明真蚀土砂勧進蚘  明恵䞊人䜜
倫れ光明真蚀の土砂ず申すは䞀切諞来の倧秘密の法なり。先ず光明真蚀は、䞖間に流垃しお圚家出家の人、持念したす。是䞀切の諞仏菩薩の通甚の秘密真蚀也。䞀切の諞仏ず申すは、皆五䜛にをさたりたす。五䜛ず申すは、倧日・阿閊・寶生・阿匥陀・䞍空成就䜛なり。この五䜛の功埳の體性は則ち五智也。云く、法界䜓性智・倧円鏡智・平等性智・劙芳察智・成所䜜智也。この真蚀は歀五䜛の體性又五智円満の密語なり。いはゆる、「あがきゃべいろしゃのう」ず申すは法界䜓性智、これ倧日劂来の體性なり。「たに」ず申すは、平等性智、これ寶生䜛の䜓性なり。「はどた」ず申すは劙芳察智、これ阿匥陀劂来の䜓性なり。「じんばら」ず申すは成所䜜智、これ䞍空成就䜛の䜓性なり。歀の故に人ありお、纔に歀の真蚀を信ずる心有れば、其の心にこの五智のたねをむすぶ。譬ぞば倧地の石なきずころに草朚のたねをうぞ぀れば、胜くさかうるがごずし。衆生の心性は本䞍生にしおもずより䞀切劂来の所蚌の心地也。䞍信のいしあれば功埳のたねさかぞず。信心有れば倧地のうるほひのごずくしお䞇善をさかやす也。しかるに真蚀に぀きお物を加持するず申す事あり。其の䜜法は真蚀行者のならひ぀たふる事也。歀の真蚀におすなごを加持し぀れば歀のすなごすなはち真蚀の䞀々の文字ずなりお、歀の真蚀の字矩を具足し、句矩を成就しお、其のすなごを亡者のかばね、はかのうぞにも、ちらし぀れば、歀の亡者䞀生のあひだをもち぀みを぀くりお䞀分の善をも修せずしお無間地獄等にをちたれども、このすなご、たちたちに真蚀のひかりをはなちお、眪苊のずころをよよぶに、其の眪をのずからきぞお、極楜䞖界ぞ埀生する也。然れば、青䞘倧垫、遊心安楜道ず申す極楜埀生のふみを぀くり、たたぞるなかに
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問答しおいはく、善瞁にあひお九品の埀生を遂ぐる事は聖教の文矩さかりなれば、うたがひをなすにたらず。もし衆生ありお眪業をのみ぀みおすべお善根のたくはぞなきもの、すでに䞉途にをちお苊報を享を、方䟿しおかれを救ひお極楜界に埀生せしむるこずりや。問じおこれを答ふるに、この光明真蚀の土砂の利益いだせり。則ち䞍空矂玢経をひきおいわく、もし衆生有りお十悪五逆等のもろもろの眪をを䜜りお、悪道に萜ちたらむに、歀の真蚀加持の土砂を、もしはかばねのうぞにも、もしははかのうぞにもちらさば、かの亡者地獄逓鬌修矅畜生の䞭にもあれ、歀の䞀切劂来真実本願倧灌頂光明真蚀加持土砂のちからによりお、光明その身におよぶこずをえお、もろもろの眪報をのぞきお極楜囜土に埀きお、蓮華より化生しおすすみお無䞊菩提を埗べしずいふ経文を匕きお、其のすぞに述懐する䞭にいはく、他䜜自受のこずはりなしずいぞども、瞁起難思瞁起は思うこずが難しいのちからあり。則ち知りぬ、歀の呪砂にあはずば、かの眪人うかぶこずなからむ。さいひはいにこの光明真蚀にあぞり。土砂に合するこずかたからず。心あらむ人、たれか奉行せざらむずいぞり。この倧垫は華厳宗の祖垫にしお其の行埳はありがたし。新矅囜の倧王の后の重病をうけたたぞけるに方藥しるしなくしお医王おをたむだくずころに、占垫におほせ぀けお、うらなはしむるに、歀の囜のちからには叶うべからず。他囜にずぶらはしればしるしやあらむず、うらなひけり。倧王䜿をたおお、倧唐ぞ぀かはすに、勅䜿海路をわたるに、なみの䞊に韍神の぀かひ宇迊秀で、勅䜿を匕きお、韍宮にいりぬ。その時、韍王を黔海ずなずく。金剛䞉昧經ず申す経を歀の勅䜿のはぎをさきおいれお、歀の経を講讃せしめお、䞀心に信仰しおご聎聞あるべし、ただし經王の矩理深くしお講讃するに人あらじ。ただ䞀人の倧智者あり。元暁ず名ずく。䜛法の棟梁也。䞖界の日月也。個の倧垫を召請しお講讃あるべしずいひお勅䜿ををくりかぞし぀。すなはず韍神の奏状の劂くにおこなはれけり。歀の倧垫はこずに心を法門にすたしお、其のありさた人にたぎれたたはざりけり。ひかりをかくし埳を぀぀みお、たかせぬやうにはしかしければ、あるずき囜王の癟座の仁王䌚のありけるに、囜王、智行を信じお召請せむずをほせられけるを、其の行埳をしらざる人、申しさたたげおやみにけり。歀の韍宮の奏状にいよいよほたれをあらはしたたひけり。経文うかがふべからざるに、あはせおかかる行埳䞍思議の倧智の呪砂にあふをもお、有瞁の砂ずをほせられたるたのもしきこずにあらずや。呪砂ず、申すはすなはち、歀の土砂也。有瞁の砂ず申すは自業自埗は、぀ねのこずはりなれども有瞁の事になりぬれば他人のなすずころ、則ちわがなす所に成るなり。されば、この真蚀加持の土砂をばかのうぞに散らさむずをもふ人の心にかけあっれお、この砂にあふ瞁ある人案れば、重眪を滅し倧功埳をうるこずのやすきなり。しかるに真蚀にあふこずこそ倧事なるべきに、すでに真蚀垫にあぞり。すなごたたいくらもあり。真蚀垫又よにあればこの真蚀におすなごを加持する事又やすし。この土砂を墓の䞊にちらさるる瞁あら、出離埗脱又やすしずいふずなり。䞀生のあひだすべお善根なき人なほしこの利益あり。いかにいはむや歀の真蚀をみずから、うけたもたむ功埳をや。たた歀の土砂にあはむ利益いかばかりぞや。亊たずひ歀の真蚀をうけたもたずずも、逘に善根をもあらむ人の利益は又無量無蟺なるべきなり。をほよそ、䜛法の芋聞の功埳はなはだふかし。須匥山ず申す山は、金・銀・吠瑠璃ラピスラズリ頗胝はおい氎晶迊寶ず申す四寶に成ぜられたり。もろもろの鳥其の方面に飛ぶこずあれば悉く、その色に同ず。北方は黄金なれば北にそひお飛ぶには鳥、金色になる逘方も又しかなり。この真蚀の功埳も又かくの劂し。土砂、歀の真蚀の加持をゑお土ずしお真蚀の功埳をそなふ。衆生この土砂にちかずけば、又土砂の功埳をう぀すなり。しかれば青䞘倧垫
の土砂にあふを有瞁ずすず刀じたたぞるこず、いみじくおがゆ。たこずに䜛法に瞁なきこずにぞ、かなしむべきに、歀の土砂の方䟿によりお衆生をしお䜛法の有瞁を成ぜしむるこず、やすき事なり。倧垫の瞁起難思のちからありずおほせられたるは、倧小顕密䞉䞖仏教のならひは、みな瞁起の矩を宗ずす。その䞭にこずに、華厳宗に、こたかに歀の法門を談ぜり。六盞円融総盞・別盞、同盞・異盞、成盞・壊盞が溶けあっおいる事十玄瞁起同時具足盞応門、広狭自圚無瀙門、䞀倚盞容䞍同門、諞法盞即自圚門、秘密隠顕倶成門、埮现盞容安立門、因陀矅網境界門、蚗事顕法生解門、十䞖隔法異成門、䞻䌎円明具埳門ず名ずけお、諞門の瞁起の矩を぀くせり。則ち䞖間に流垃しお受持読誊する。普賢行願經に瀌敬諞仏等の十願瀌敬諞仏、称賛劂来、広修䟛逊、懺悔業障、随喜功埳、請転法茪、請仏䜏䞖、垞随仏孊、恒順衆生、普皆回向を説くにも、䞀々埮塵毛端刹海の䞭に無量広倧の䜛刹ありお、䞀切諞䜛眷属囲繞しお法を説きたたふ。我が身其の䞭にありお、犮敬し奉る。歀の犮敬の業、念々に盞続しお明断あるこずなし。第二の称讃劂来ず申すも即我が身歀の毛端刹海の広倧䜛䌚の䞭に圚りお,無尜の音声をいたし、無尜の匁才海をわかしお、劂来の功埳をほめたおた぀る。これたた念々に盞続しお間断なし。䞀二遍犮敬称讃等、十方に遍じ、䞉䞖を尜くす。無尜重々の犮讃の業ずなる事を、則ち普賢菩薩自ら行願かず、深信解力ずによりお、歀の䞍思議の業を成ずず、ずきたたぞるも、則ち瞁起のちからなり。是は十地等芚の䜍の菩薩菩薩の五十二䜍は十信、十䜏、十行、十廻向、十地、等芚、劙芚なんどの神倉にもあらず。ただ機もなき我等が深く倧乗の法を信じ、ねんごろに䜛埳に垰向したおた぀る心を発す也。則ちこの䞍思議の業を成ずるなり。されば䞖間に講の匏をおこなふ総瀌にも「我歀道堎劂垝珠十方諞仏圱珟䞭、我身圱珟諞仏前、頭面摂足垰呜犮垝珠わがこの道堎は垝珠の劂し。十方の䞉宝圱珟する䞭に、我が身劂来の前に圱珟せん。頭面に足みあしを接しお垰呜し瀌せん」総瀌䌜陀ず誊するは、是普賢十倧願の䞭の呚遍無窮の犮敬也。又十玄瞁起同時具足盞応門・諞蔵玔雑具埳門・䞀倚盞容䞍同門・諞法盞即自圚門・秘密隠顕倶成門・埮现盞容安立門・因陀矅網境界門・蚗事顕法生解門・十䞖隔法異成門・䞻䌎円明具埳門の䞭の因陀矅網境界門道理也。歀の法門のこずはり、さかりに、人の心にうかびぬれば、因䜍に果報ををさめ、凡倫も䜛身に同ず。これらもみな、瞁起難思のちからなり。すでに歀の䞍思議奇特の事、瞁起の力によりお成ず。いはむや、六塵を真蚀の文字ずす諞法寊盞を所詮の䞀理ずす。土砂すなはち色塵なり。色塵に又実盞あり。秘密加持の方䟿に䟝りお、其の功埳盞融す。䞉途の苊悩をのぞき、浄土の法楜を成就せしむる事、たずぞば、飲食氎火の功力によりお、そのあじはひ調和す人の身の内にいりお、飢枇の苊をのぞくがごずし。あながちにかたしずするに足らず。しばらく經論䌝蚘の説をばをく。この䞖の県前の境界に、随分の瞁起難思の䞍思議あり。歀の山寺のうちの䞀人の䜏僧、先幎くさびらにゑふこずあり。さめおのち、病䞭のこずを語るに、歀のくさびらずりお、あたぞたる䞋僧、其の母ず共に来たりおかたはらに離れずしお居たるをずく里ぞかぞり、いねがしず思ふに、たちはなれずしお、居たるを、む぀かしさ、きはたりなくをがぞ぀る由、を語る。歀の事、䞍思議なり。くさびらにゑいお、身心わずらふずも、あながちに、ずりおきたれる法垫かたはらにあるびきや。又、其の法垫こそくさびらを取りたればみゆるにおも、其の法垫の母、かたはらにあるべけんや。愚僧、痎鈍のいたりにや、かやうのこずを聞くに、劂来の功埳こころに染たり、䜛法の道理もをもひしらる。至盞倧垫の唯識章至盞倧垫は、䞭囜華厳宗の第二祖である智儌602–668幎の尊称。圌の著『華厳孔目章』の䞭にある「唯識章唯識䞀章」は、むンド由来の唯識説を華厳独自の「唯心法界瞁起」ぞず昇華させる契機ずなった極めお重芁な論考に、「當に知るべし、聖教に顕はす所、道理は、諞法有に非ず、唯䞀真劂にしお無我の実性なるを以お、究竟ずなす「華嚎經内章門等雜孔目章 智儌集」「當知。聖教所顯道理諞法非有
唯䞀眞劂。無我寊性。」」ず釈したたぞるは、則ちこのくさびらにゑひたる治方なり。歀の酔心の本を尋ぬれば、法垫の母、法垫を産めり、法垫くさびらを取りおきたる。人又これをくひ぀。この衆瞁和合しおこの酔心をなす。しかれば、其の母産たずばくさびらを取る法垫もあらじ。法垫なくば、くさびらをも取りおきたらじ。くさびらなくばこれをくはざらむ。歀の本心はゑはずしお、法垫をも芋ず、母をも芋ざらん。是則ち寊の本心ならむ。たさにしるべし、歀れたずぞば倢のごずく、たがろしのごずし。銙象倧垫の䞉界四盞唯䞀の倢心なり法蔵の著曞『倧乗起信論矩蚘』に「是故䞉界四盞唯䞀倢心。皆因根本無明之力。故經云。
無明䜏地其力最倧。歀論䞋云。當知無明胜生䞀切染法。歀之謂也」。皆根本無明の力に因るず釈したたぞる、則ちこの心なり。かやうのこずによせお、䜛法の道理をもをもふべし。歀の土砂を信じお功埳をえむこずも、たた是にこずならず。土砂はくさびらのごずし。是をずきたたふ䜛は法垫の埡歳。䞉䞖諞䜛䞀盞の説を為す。展転同説するは、母の法垫を産めるがごずし。衆生これを信ぜば、くさびらをたふがごずし。信仰受持しお功埳を埗るは、くさびらにゑふが劂し。十方䞀切劂来、歀の人を護持するは、ゑふによりよりお法垫ず母ずのかたはらにあるが劂し。是に翻ずる。衆瞁和合しお眪人ずなる、又この衆眪、瞁に翻ずる。衆瞁和合sしお善人ずなる、これ等皆瞁起難思の力なり。ただし、人のご䞍審ありぬべき事は、法垫も母も寊にはきたらず、ただ酔心の反珟にしおこそあれずいふべし。それ衆生埗益のやうは、唯因瞁和合の力による。倢をひるがぞしお、う぀぀ずなすは、ただ究竟の䜍なり。然れば出䞖の䜛は皆倉化身、所化の衆生は又四盞流転の凡倫なり。歀の䞭になをし、重々の倉化あり。昔、劂来圚䞖に勝軍王、五癟の矀賊をずらぞお、県をくじり、林に棄぀。矀賊、苊にせめられお劂来を念じたおた぀るに、颚たちたちに雪山の藥を吹きお其の県に満぀。県あきらかになる事をえお、劂来を其の前に芋たおた぀る。歓喜愛敬しお説法を聞き、みな勝利を埗、杖を棄おおかぞりにき。その杖は林ずなりお、慈悲の利益をあらはせり。かの林いたにあり。埗県林ずなずけたり『倧唐西域蚘』巻六「䌜藍西北䞉四里、至埗県林。有劂䟆經行之迹、諞聖習定之所、䞊暹封蚘、建窣堵波。昔歀國矀盜五癟、橫行邑裏、跋扈城國。勝軍王捕獲已、抉去其県、棄斌深林。矀盜苊逌、求哀皱䜛。是時劂䟆圚逝倚粟舍、聞悲聲、起慈心、枅颚和暢、吹雪山藥、滿其県已、尋埗埩明」。もろもろの比䞘倚く其の林をしお座犅處ずなせり。法県開明の益、こずにいちじるしくやあらむずをがぞお、山海を隔぀るうらみこずにおさぞがたし。劂来歀の事をずきたたふに、ただわが倧慈倧悲の力有りお、衆生我を念ずるにかくの劂きの益あり。寊に我が身のいたるこずはなかりきず、をほせられたり。しかれば、法垫ず母ず、寊にきたらされども、酔心のくるしみ、空しからず。いはむや䜛埳の䞍思議真蚀の加持にをいお、なんぞあながちに假寊のあらそひをなさむ。しかればただ、歀の土砂を信じお病垭にをさむずきより、銖にもかけ、手にも握り、もしは傍らにも眮きお、䞀切劂来の倧光明の照觞にあずかるず思ふべし。もし病苊身を責めお持念にいずたあらず、蟛肉たちがたくしお、朔斎わずらひあらむにも、かくのごずく信敬せば無量の眪業を消し、無邊の功埳をあ぀めお、光照の利益のちの䞖に及ぶべし。䞍善を積み善根なき衆生なをし埗益あり。いはむやかくのごずく、信敬せむものは、流れに掉をさすが劂し。昔砎戒の比䞘ありお、䞉宝物をもちひお、其の眪業ををじお、寶を集めおこれを぀ぐのふ。呜おはりお、無間地獄に堕぀るに、いただ其の倧火の䞭にいらざりきに、あやたりお人間の枩宀ず思ひお枩宀にいる呪願の文を誊するに、歀の聲を聞く衆生、皆地獄をい぀゛。比䞘たた忉利倩に生たれぬ。歀の比䞘、眪業に䟝お地獄に堕぀れども又、逘善によりお、地獄を人間の枩宀ずをもひお呪願の文を誊す。いはむや、呪砎を信じお身に垯しお信心運運に盞続しお臚終迄に至らば、すなはち無間地獄の猛炎、銖の䞋の土砂に映じお必ず真蚀の倧光明に倉ずべし。圌の眪業の比䞘、逘善によるが故に無間の煙を芋お人間の枩宀ずをもふが劂し。かやうのこず、あたたあるこずなり。地獄の眪人獄卒の治眞を蒙る時、其の噚杖かなぞにあたるこえを聞きお鐘を打぀おもひしお、䜛を念ずるに眪苊をたぬかれたるこずあり。かやうの事になずらぞおたのみをかくべし。土砂を身に垯せむこずは経文に、屍の䞊に散らし墓の䞊に散らすべしずいぞる『䞍空矂玢毘盧遮那仏倧灌頂光真蚀』「以是真蚀加持土沙䞀癟八遍、斌屍骞之䞊散、或墓䞊散、遇凊皆散。圌亡者若圚地獄、逓鬌、阿修矅、傍生之䞭、乗歀真蚀神通嚁力加持土沙力故、応時即埗光明及身、陀諞眪報、捚所苊身、埀生西方極楜囜土、蓮華化生」ほかに蚌拠を求むるにをよばず。しかるにしばらくの経説をばをく。この䞖の芋聞の所瞁を出だすに日蔵䞊人は延喜季䞭の人也。笙の窟に籠りお無蚀の断食の間に絶入す。そのあひだに金剛蔵王の嚁神によりお、倩䞊地獄等を、芋遶に悶絶のうちに窟にいりし時、持せるずころの本尊持經等を垯せり。則ち閻魔王宮に到るに倧王問ひお云「犅僧の背䞭の䞊、持せるはなにものぞ。答おいはく、山に入りし時、持する所の䜛經也。倧王問ひお云く「䜕經ぞや」。答お云「倧日・釈迊・匥勒・芳音等の䜛、又䞡郚の曌荌矅也。又小字の法華涅槃最勝仁王金剛理趣般若等の経文、䞉郚倧法の儀軌次第等、倧仏頂随求菩提本の陀矅尌、かくのごずきの䜛經なり。倧王則ち合掌頂瀌しお手を取りおあひ導きお、端にのがりお玉の床に坐せしめお随喜讃嘆しお法芁をきかんず問ふに、法垫略しお法芁を説く。倧王立ちお瀌拝しお「善哉善哉」ず耒めたたひけり。
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しかればその身に垯せばすなわち冥途にはなれざるこず、たのもしき事也。問ふお倧臚終に正念に䜏しお土砂の功埳をも思もばぞたらむ人は誠にしかるべし。臚終に狂乱しお正念をうしなひおをはらむ人は、土砂の利益もたのみがたく、やあるべき。答お云く「臚終に正念みだれずしおをはらむ人はなんぞ、必ずしも土砂の利益を頌たむ。䞀生善分なき人、他人散砂の利益を受く。又たずひ正念䞍乱の人なりずも、臚終にはただ称名犮䜛等の行を励たむに、他事あるべからず。かならずしみ南無土砂ず称すべきにもあらず。ただ頓死無知の人には、かたはらの人、土砂をはなたざる甚意あるべし。病垭にふしお日数ををくらむに、深く其の功埳を信ぜば、たさしき臚終の時は、䞍知䞍芚なりずも、其の土砂の利益ををもはぞたりし功埳利益必ずあるべきなり。是則ち重眪無犏の極重眪人、ただ他人散砂の力に因りお浄土の寶華にかたちをうくれば、いはむや、生前にわずかにも信仰をいたし、発願せられむ人は、たずひ眪人なりずも速疟の勝利うたがふべからざる事也。問お云「臚終正念ず申すは臚終の䜍にのぞんで念仏等の善根有れば是は圓来の利益もうたがはず、臚終より先に土砂を信ずる功埳によりお地獄の報を転ずべしずいふこず、信じがたくあるべき」。答お云く「さきに重々申すがごずし。呪砂の利益はただ、無善根の人の埗益を䞍思議の勝事ずしお其の倖はみな察すべきこずなり。しかれども䞉界の果報を぀ぐこずも臚終の先の心による。呪砂の利益も又しかるべし。瑜䌜論の第䞀に云ふが劂し『瑜䌜垫地論』によるず、死亡の境地は善心死・䞍善心死・無蚘心死に分けられる。又諞衆生、将に呜終時乃至未到惛昧想䜍に長時に習ふ所の我愛珟行す。歀力に由るが故に我當に自身愛するこずなかるべしず謂ふ。歀れ由りお䞭有生報建立す、ずいぞり瑜䌜垫地論卷第䞀本地分䞭意地第二之䞀「又諞衆生將呜終時。乃至未到惛昧想䜍。長時所習我愛珟行。由歀力故謂我當無。䟿愛自身。由歀建立䞭有生報。」。矩䟿に歀の文を出す。無智の男女等はただ呪砂の利益の䞀定になりたる蚌拠なりずをがしめされば、同じ事也。智人の前には文盞を諷するに遑あらず。」。問お云く「しばらく来䞖の埗益をばをく。ただ物のほしからむずき、この真蚀加持の土砂を食はむにたちなちに倉じお飲食の劂くならば、冥益も又信ずべし。もし珟益しるしなく冥益もたた信じがたし。又ただ光明真蚀を頞に掛くべし。土砂も真蚀の力によりおこそ功胜もふかければ、真蚀ををきお土砂をもおなす事は、信じがたくやあるべき」。答お云く「真蚀の功胜は、はじめお是を論ずるに「あたはず。ただし真蚀の躰は胜詮に玄すれば無挏の念恵の心所なり。所詮に玄すれば䞀切諞法の実盞也。然れば無挏の念恵は登地菩薩修行の階䜍においお、50䜙䜍の段階のうち初地歓喜地に到達するこず、぀たり「初地菩薩」になるこず以䞊にあり。諞法実盞は䜛智これをきはめ぀くす倧虚空界の劂くしお、其の蟺際を埗ず。たなこにも埗ず、手にも取り難し。玙墚の文字は唯䜏持假立の法寊の摂なり。受持芳念の所に利益ふかしず雖も劄情分別のたぞにたちたちに、そのしるしを埗難し。ここに儀軌本經に盞應物ず申しお密教の儀軌では、祈る目的によっお「四皮法あるいは五皮法」ずいう分類があり、それぞれに䜿う盞応物が厳栌に芏定されおいる草朚土砂等を加持しお悉地を成就する事を説けり。其の䞭に今歀の土砂を加持しお,䞎楜抜苊の悉地を成ずる事は、真蚀の躰性は甚深なり。土砂はもずより衆生の業瞁䞊力に䟝りお倉珟する躰性たれば、衆生劄情の所瞁也。劂来の倧智の力、光明真蚀の法力を是に加ふれば、土砂是をたもち、䞀切劂来の色塵の法門ず為る。則ち衆生身に合しお䞀躰ずなるが故に、其の埗益すみやかなり。しかもかの真蚀の躰ず無二無別也。たずぞば海湖は氎にしお物にあはざれば是をすなごにくみかけお、煎じかためおこれをもちゐる。塩を焌くずいふは則ち歀の事也。是又かくのごずし。真蚀の躰は海氎のごずし。土砂を加持するは、すなごにしめしお煎じかためたるが劂し。衆生身ず合しお滅眪生善の甚を為すは、鹜をしるあわせにいれお調和しお受甚するが劂し。しかもこの塩は海氎ず無二無別也。真蚀の躰は、劂来所蚌の境界なるが故に、凡倫の為には朮のあはくやはらかなるが劂し。土砂は衆生業力の増䞊果衆生の業が圱響しお出来た環境なるがゆぞに、衆生の身心に合するは、焌き固めたる塩の、しるあわせにあふが劂きなり。然るに真蚀の功埳をば、順理の信心もをもお信ずれば、心性に薫じお利益をなす。口に食ば、只色塵を又我が身の色塵なるに加はれば、かたくしお、又喉にもしぶりお障碍あるべし。土砂を信ずる利益によりおは、埌生に別の功埳身をうべきなり。歀の珟身にはあずけざる也。しかれば、この䞍審は劄情の前のひがごず也。真蚀の功力は称性の談なるが故に䟋同すべからざる事也。問お云「土砂は衆生業力の増䞊果なるがゆぞに、埗益盞順すずいはば、䞀切の草朚等、皆増䞊果也。圌を加持しお光明の益をなすべし。なにによりおか、いさごを加持する耶」。答お云「歀の重は秘密甚深の事盞なり。ただ仰信をこらすべし。たやすくこずばををこすべからずずいぞども、瑜䌜行法のならひ、倚く事盞の所暙に぀きお芳念をもうけたり。則ち氎を灌ぎお物を浄め火に投げお諞尊の受甚をあらはすがごずきなり。いたこれになぞらぞお所暙を掚するに、いさごを颚の吹きたおたるは、雲霧の劂くしお、光明を暙するにたよりあり。又その数を尜くしお劂来の無量の光明を暙し぀べし。しかれば䞀切劂来の五智の光明を暙する時、いさごをもちひお盞応物ずするなるべし。又、詳しく真蚀の句矩を釈するずき、䞀々盞応するこずあり、いはゆる經の䞭にこの真蚀の持者功埳を説くに、䞀切劂来の倧摩尌皮族ずなり、䞀切劂来の倧蓮華皮族ずなり、䞀切劂来の倧金剛皮族ずなる」ずいぞり。いはく、倧摩尌ず申すは真蚀の䞭の摩尌の句なり。いはく、䞀切衆生は皆無挏の功埳をたくはえず。貪人の珍宝をゑざるが劂し。声聞瞁芚は、わずかに人空無挏の珍宝を埗たりず「いぞども、たからに乏しき人の盡きなむ事を恐れお、人に與ぞあるが劂し。䞀切劂来は無尜犏埳の倧摩尌寶を持しお無量の寶を降らす。自他受甚にきはめ぀くす事ずし、たたたたこの真蚀を保぀に、凡倫二乗の境界をこぞお、劂来の無量の功埳を成就するがゆぞに、䞀切劂来の倧摩尌皮族ずなるなり。皮ず申すは皮類なり。族ず申すは族姓なり。倧蓮華皮族ず申すは、、真蚀の䞭の「はんどた」の句なり。いはく、歀の真蚀の行者は煩悩の泥に汚れず、必ず生死の氎をいずる也。倧金剛皮族ず申すは、真蚀の䞭の「じんばら」の句也。いはく、歀の真蚀の行者、必ず金剛の䜛智をたくはえたり。歀の䞭に䜛智ず申すは、はじめおこの真蚀を信ずるより、䜛になるたでの智慧を䜛智ず名く。そのゆぞは五䜍の功埳は皆䜛智の䞀分をわけたり。たずぞば鳥倧虚を飛ぶに、その飛び通る迹はみな倧虚の䞀分をゆくがごずし。歀の䞭には、䞖の垞の有智無智を論ぜず。ただ信ふかくしおねむごろに歀の真蚀を貎きこずなりず知るを智慧ずなずくるなり。是則ち䞀切劂来の倧金剛皮族也。是になずらぞおいぞば、歀の土砂、珠ににたれば摩尌皮族をあらはす。氎の底に朜ちず、穢れず、蓮華皮族をあらはす。かたきこずは金剛皮族をあらはす。かくのごずきの甚深の矩をあらはすに、䞀々にたより有り。これによりお歀の土砂を盞応物ずするなるべし。ただし、かくの劂く申せば論議者の前に法盞荒量なるやうに聞こぞ぀べし。折り目厳しく法の盞を蚀はば、小乗に䟝らば倧地法ず倧善地法ずに、各十の心所あり。倧地法ずは、い぀でも働く心の土台のこず。受・想・思・觊・䜜意・欲・勝解・念・䞉摩地・慧。倧善地法ずは、善い心が起きる時にだけ働く心の状態。信・䞍攟逞・軜安・行捚・慚・愧・無貪・無瞋・䞍害・粟進。「信」は倧善地法の䞭にあり。「慧」は倧地法の䞭にあり。倧乗に䟝らば信は善の十䞀の䞭にあり瑜䌜垫地論卷第五十五攝決擇分䞭五識身盞應地意地之五「謂信慚愧。無貪無瞋。無癡粟進。茕安䞍攟逞。捚䞍害。劂是諞法名自性善」。慧は別境の五぀の心所の䞭の䞀法なり唯識矩私蚘「別境謂欲勝解念定慧」。これ等の法盞をくはしく知らずしお、只信慧䞀躰ずなるやうに云ひなす、僻事なりずいふ謗りもあらば、又土砂の信もをこたりぬべし。歀の問を答せば、土砂を信ずるくらいに歀の土砂をは劂来の秘密法なりず、簡擇する心、則ち是智恵也。しかあれば䞊に貎き事なりず信ずるを智恵ずなずくずいはずしお、知るを智恵ず名くずはいふ。いささか歀の信ず䌎なる智恵の功胜に譲らむが為なり。十信ず申す䜍菩薩五十二䜍のうち、最も初期の十の䜍。䞊から願心・戒心・廻向心・䞍退心・定心・慧心・粟進心・念心・信心は、ずふ心品に皆、信の総名をた぀。その䞭に智恵もある也。是は倧小乗の法盞門に぀きお信心ををこなはすは、其の信心は、聞慧より生ずず刀ずるこずあり。是は信恵䞀類也。しかればかやうの事は胜詮の教文をたずれば所詮の矩、たちたちにをこる。颚荒ければ波高きがごずし。諞矩ひがごずなければ、皆䞀の正理也。正理は無名無明にしおひそかに衆生の心にさしはさめり。然れば無智なるに、䌌たれども深く䜛法を信ずる人あり、法盞名数に疎ければわれも愚痎人ずなのる。順理の信あれば、其の心盎ちに䞉宝の功埳を所瞁ずせり。胜所盞順するがゆえに逘道皜留せず䜙所道に囚われない。歀の信ある人のはじめお䜛法を信じ぀るは、わずかに信ををこすより諞仏の護念堅ければ、生々䞖々芋䜛聞法の益ありお、ただちにすすみお、退転せず。本性正定の菩薩ず名ずけたり。先に倧金剛皮族の矩を述ぶるに、䞖の垞の有智無智を論ぜず。ただ懇ろに歀の真蚀を貎ずしず思ふを、智恵ず名くず申す。歀の人を指すなり。䞖間の男子女人の䞭に、かかる信埳ある人はいくらもあれども、我歀の埳ありず知らず。しかれども、埗脱はそれに䟝るべからず。真劂法性は方所なくしお諞䜛菩薩の所蚌たり。浄信みずから開かず。必ず近友聞法の開敖かいは぀をた぀なり。其の開敖かいは぀をた぀ず申すは則ち正法を聞きお深く信受する心ををこすなり。諞䜛の出䞖も歀を開敖せむが為なり。ひそかに正教
の文理を思はぞお、そらにやはらげ申せども、なほしわたくしの安立ににたるはばかりに堪ぞず。歀諞倧乗経のこころなり、ずいぞども、其の䞭に䞀皮の蚌拠を指すに、倧日経の第六、䞉䞉昧耶品第二十五に「衆生発心しお䜛法を求むるに、䞉重のこころあひ぀きぎおをこるを䞉぀の䞉昧耶ず名ずけたり。倧毘盧遮那成䜛神變加持經第六、䞉䞉昧耶品第二十五「所謂初心には自性を芳ぜず。これより慧を発し、劂実智生じお、無尜の分別網を離る。これを第二の心ず名づく。菩提は無分別正等芚の句なり。秘密䞻、圌劂実に芋お已っお、無尜の衆生界を芳察し、悲自圚に転ず。無瞁の芳、菩提心生ず。所謂䞀切の戯論を離れお、衆生を安眮し、皆無盞の菩提に䜏せしむ。これを第䞉䞉昧耶の句ず名づく」。䞉昧耶ず云は等しずいふ梵名なり。歀の䞉重あひ぀かざれば䞭間に邪心小心あひたじりお䜛果を成ずる事を埗ず。䞉重等しくあひ぀ぎおをこれば、䞉䞉昧耶ずいふ䞉等心なりずいふなり。第䞀の䞉昧耶を説く経文に「初心には自性を芳ぜず」ず云ぞり。䞀行阿闍梚の疏、䞊びに芚苑垫の挔密鈔に、この文を釈するに、衆生初めお䜛法を聞くに、未だ我が身の本性にいかなる功埳ありずも知らざるに、生死の䞭にしお、初めお発心しお䜛道を愛す。歀の慧性ある、是初めの䞉昧耶なりずいぞり。この心の次に、劂実の智起こりお、是は功埳也、是は功埳に非ざる等の邪正の理を分別す。是第二の䞉昧耶也。この心の次に倧慈悲心をこりお衆生を教お我が劂くに䜛法に悟入せしむ。是第䞉の䞉昧耶也。歀の䞉皮は第䞀は発心、第二は智恵、第䞉は慈悲也。第䞀の発心の行盞を釈する疏の本文にいわく「而も未だ胜く自己身の本性にいずれの功埳有りず了達せず。歀の恵性ありお胜く生死の䞭に斌お最初に発心しお而も䜛果を求む、歀れは是初めの䞉昧耶也」ずいぞり。倧毘盧遮那成䜛經疏卷第十九次䞉䞉昧耶行品第二十五「初心は自性の本性を芳ざるなり。初ずは歀れより慧を発し、劂実の智生ず。謂うに実盞を了するは、了は是れ智なり。無尜の分別の網を離る。是れを第二の心菩提の盞ず名づく。無分別䞉菩提の句なり。秘密䞻、圌を劂実に芋え終わっお、無尜の衆生界を芳じ、悲の自圚に転ずるは、無瞁の芳にしお、菩提心生ず。いわゆる䞀切の戯論を離れ、衆生を安眮しお、皆無盞の菩提に䜏せしむ。心生ずずは、いわゆる䞀切の戯論を離れ、衆生を安眮しお、皆無盞の菩提に䜏せしむ。謂うに歀れ倧悲の願なり。是れを䞉䞉昧耶の句ず名づく。歀の䞉の䞭、最初には䜆胜く発心しお誓っお仏ず成らんず欲す。然れども未だ正しく劂来の功埳を芳ずるこず胜わず。䜕の法を以お仏ず成るこずを埗るを了知するこず胜わず。未だ芳照の慧を具有するこず胜わず。䜆だ仏を求むるの心有りお、未だ自己の身の本性に䜕の功埳か有るかを了達するこず胜わず。䜆だ歀の慧性有りお、胜く生死の䞭に斌お、最初には発心しお仏果を求む。歀れは是れ初の䞉昧耶なり。」是は先に出だす所の華厳宗に信は聞恵より生ずず刀ずるの同ぜり「倧方廣䜛華嚎經卷第䞉十二入䞍思議解脱境界普賢行願品」「豈聞より智を生ずるに由らざらんや。」。歀れは䞉䞉昧耶なんど申せばこずごずしきやうなれども、深く䜛埳を愛暂せば、すなはち我等が身の品なるべし。䞉等の矩に぀きおたず浅く云ぞば、雀の子にもこの䞉等の矩あり。初めには、介護にしお県錻もなし。父母の雀が介護なりし。䜍の二に等し。次にはかいより出お県錻有り、父母がかぞりたりし䜍なり。次に倧人雀になりお子をたうけおあたためあはむ。父母ず等しくなるなり。是は雀の䞉䞉昧耶也。我等濁悪の䞖に生たれながら、歀の教文を聞く。劂来の功埳を愛暂せば、則ち第䞀の䞉昧耶也。「人真䌌の熊野詣」ず云ふ諺あり。たこずに䞀人発心の人あらば、諞人も又孊ぶべし。是則ち劂来皮姓を興するなり。挔密鈔にこの䞉䞉昧耶品を釈する所に、瑜䌜論の四皮発心を匕く䞭に、第四の発心の行盞を出だす。其文ひろし。今略鈔しお曰はく「或は䞀類の衆生、諞䜛の神倉埮劙の正法を芋聞せずず雖も、末劫末䞖に生たれお、諞々の濁悪の衆生の倚愚痎倚無慚愧等の皮々の倧過倱をしお歀の念をなす。今濁悪䞖にしお諞々の悩乱倚し。䞋劣の声聞独芚の菩提心を起こすずも、かの小果も猶成じ難し。況や無䞊菩提をいたすをや。我すべからく無䞊倧菩提心をおこさば、諞の衆生我に惑ひお又倧菩提心をおこすべし。末劫の䞭に無䞊倧法を埗難き事を思ふに䟝りお倧菩提心をおこす」ず云ぞり倧日經疏挔奧鈔第四十二「歀䞭有其四矩。䞀爲開癌䞀類衆生。謂爲未聞前品衆生。今始説之。二什前已䞋爲愚鈍者。謂有癡鈍衆生雖前聞之未明了故。今曎説之。䞉前雖説䞋玄尊䜍。謂爲什諞尊䜍地呚備也。前未説四倧護院等。而今具足説之。故云爟也。四又前䞋玄圢像。謂前未委説。而今品説圩色等盞也。」。もし無䞊道を求る心あらば、我等は歀の文の正為なるべし。励むべし。励むべし。しかれば先に劂来秘密加持の方䟿ありず知りお、歀の土砂を貎しず思ふ智恵にしお、倧金剛皮族ずいふなりず申すは、これらの文理を思はぞたるなり。逘の法門にもただおちいる所を䞀口ず぀申すあひだ、性盞二門の矩共にあらあらしく聞こぞぬべし。しかれども急ぎお土砂の利益に結垰すればこずながき傍論に暇有らず。かやうに仮名字にお申し述ぶる意趣は皆もず䞀人の請にかなぞども、筆をそだ぀る習ひは、翌なけれども高く飛び、蹄なけれども遠く埀く。然るに玉の簟の内、茝くず雖も未だ法灯の光を芋ず。芝の庵の䞋、楜しずいぞどもさらに聖財の蓄ぞに乏し。其の䞭の春華秋月のたはむれ、䞇歳千秋のさいはい、悉く無為解脱の道を塞ぎ茪廻生死のかどを開く。あはれなる哉や。悲しき哉や。運呜すでに傟き、無垞応ちに至らむずき、歌堂舞閣は捚おお垰らず。象銬車乗は悉く他の有なるべし。倩神の䞎願も、茪王の嚁力も。是を助来る力なし。をそらくは、この曞の至らむ處、こずには詞を面談になぞらぞお、ねむごろに土砂の信仰を申しこふ。既に同躰の倧悲に䟝りお匘枈の秘術をかたぞり。信仰垰䟝せばいかなる眪か消ぞざらむ。いずれの埳をか成ぜざらむ。しかれば庭に珍しき怍朚を怍ぞお、花咲きお歀れを結ぶを埅぀が劂くに、䜛法の䞭に䞀の事盞の行に぀きお珟䞖より埌生に至る迄、盞次ぎお速疟の利益を頌たむず思ふに、秘密蔵の䞭に歀の土砂の甚深の功埳あり。青䞘倧垫元暁たた深く歀の文を味はひたたぞり。倧垫歀の文を匕きお述懐しおのたたはく「くやしきかなや、眪業みずから䜜りお苊果圱の劂くに負ふ。いただしきかなや、䞀人たしなみ、䞀人あやぶみお、救護するに人なし。同躰の倧悲ず匘枈の秘術ずにあらずよりは、誰か胜く垰りお幜鍵を開きお、助けお華臺に登らしめむ。他䜜自受の理なしずいぞども、瞁起難思の力あり。則ち知りぬ呪砂に遇ふをもお則ち有瞁ずす。もしいさごをかぶらずば、
䜕ぞ脱期を論ぜむ。おもんみれば、倧悲無方也。長舌たぶらかすこずなし。信ぜずんばあるべからず。埌悔を呌ぶこずなからむ。しかれば則ち信甚せざる者は埒に厚恩を負ひお報ずる日うたた遠し。則ち立す」遊心安暂道・釋元曉撰「悔哉。眪業自造。苊果圱远。痛哉。獚因獚厄。無人救護。自非同體倧悲。匘濟祕術。誰胜遠開幜鍵。昇華臺。雖無他䜜自受之理。而有瞁起難思之力。則知以遇呪沙即有瞁。若䞍被沙。䜕論脱期。惟倫倧悲無方。長舌無雜。䞍行䞍信。埌悔無反。然則䞍信甚者。埒負厚恩。報日蜉遠。有順行者。接魂華蓮。孝順䟿立。」ずいぞり。これ其の正文なり。諞䜛劂来は衆生の苊しみを悲しみたせば、この真蚀の秘術を信ぜざれば、仏恩を担ひお報ずるに日無し。是を信ずれば䜛恩を報ずる孝順の䜛匟子也。密教の祖垫䞍空䞉蔵、又歀の䞀章を翻蚳しお真蚀の儀軌「普賢菩薩行願讃」ずしたたぞり。しかれば誠に歀の密行に遇ぞるこずを喜ぶ。初埌倜日䞭の䞉字緎行の぀ひでに歀の加持の法を修すれば呪砂連々に぀もる、是を倧きなる櫃に移しをきお芪疎乞ふこずあれば、芁に随ひお是を與ふ。願ふ所は十方に分散し、䞉䞖に呚遍しお真蚀の利益盡るこずなからむが為なり。土砂勧進蚘巻䞊終

光明真蚀土砂勧信蚘巻䞊
問お云く「䜛像等は諞根盞奜をきざみあらはせば、是を拝し奉るに信心をこりやすし。歀の土砂は其の圢様もなきすなごなれば、深き功胜をきくず雖も信心おこり難し。信心党ったからずば功胜も党ったからずやあるべき」。
答お云く「䞀分の善根なき衆生、呜尜きお去りぬ。その骞に散らすに、猶し倧利益を成ず。しかれば聞きお信ぜざらむにもよるべからず。䜆し䜛像を信ぜむ人はなし。なんぞ是を信ぜざらむ。ずもに劂来の金蚀より出たり。なんぞ圌を取り是を棄おむ。䜛像も画に曞き、朚を刻む等県耳等を知るは、唯心識の分別也。凡倫を耳目の茩ず名ずく、其の心、ただ耳目の境界を分別す。聖智の所知はみな諞法の道理也。凡倫はげみお心を起こせば、或は信じ、或は芋聞の因瞁空しからず。終に無䞊の䜛果を極はむ也。青䞘倧垫のせめのごずし。埌悔及ぶこずなからむ。少氎のう・の劂く、屠所の矊に䌌たり。須臟に死に去りなんずす。励むべし。励むべし。䜆し無道の勧めはかぞりお人の䞍信を増す。きみが癡心を摧かむが為に䞀蚀反語を蚭けむ。きみがたなこの前に䞖の垞のいさごず芋お心の内に加持の境界を信ぜざるは、たずいさごず知らば、いさごは是䜕物ぞや。」
答お云く「いさごず申すは青黄等の色異にしお方円等の圢同じからず。堅く现やかにしお䞀聚をなせり。是をいさごず名く。」
問お云く「しからば草朚なども青黄等色々、方円等の圢異なり。是はいさごずなりやせむ」
答お云く「圌は倧にしお堅からず。いさごは堅くしお现かなり。」
問お云く「しからば干飯を现かに摧きたるは、堅くしお现か也。是はいさごずなりやせむ」。
答お云く「圌は柔らかなるを干し固めたり。いさごは本より堅くしお现かなり。」。
問お云く「しからば金鐵等、もずより堅くしおこたやかなり。是はいさごなりずやせむ。」
答お云く「しかなり。䞖間に砂金ず名く、則ち是いさごなり。」
問お云く「圌は砂金なり。是は土砂なり。しかれば砂金にあらずしお土砂なりずやいふべき」
答お云く「土砂は光なし。砂金は光あり。しかれば土砂にはあらず。ただこれ砂金なり。」
問お云く「しからば现やかなる氎晶はひかりありおしかもちひさし。これ砂金ずやせむ。」
答お云く「氎晶は色癜し。砂金は黄色なり。然れば氎晶は砂金には非ず。」
問お云く「しからば土砂の色、䞀色にあらざれば、黄色にしお光ある土砂あり。圌は砂金なりずやせむ」。
答お云く「なほ、土砂は砂金にはあらざるなり。」
問お云く「きみもずより青黄等の色ごずに方円等の圢同じからずしお、堅く现やかなるをいさごず云ふに、砂金・土砂に皆歀の矩あるをいずれのずころをわけおか土砂・砂金同じからずず云ふや。」
答お云く「砂金は珍宝にお、筐の底に぀぀みおけり。土砂は寶にあらずしお、只倧地の充満せり。䟋すべからざるなり。」
問お云く「しからば砂金を堀出す所には、筐の底に぀぀みをかずしお、土の䞭に充満せるは寶には非ずや。」
答お云く「なほ是寶也。」
問お云く「既に倧地に満おり。蔵に玍めず、筐に蓄ぞず、誰か是を寶ずするや。又玍め蓄ふるは、人の為す所也。しかれば只のすなごをも、玍め蓄ぞば、是寶なりずやせむ。又倧地に金砂を倚く播きたらば寶に非ずずやせむ。」
答お云く「なを砂金は是寶也。。」
問お云く「既に諞篇の矩を尜くし぀。砂金・土砂高䞋無し。歀の䞊に䜕を、砂金を寶ずするるは誰人なりずやせむ。」
答お云く「歀れ平等の談を聞くず雖も猶砂金は欲しく、ただのすなごは欲しからねば、則ち我、砂金を寶ずする也。」
問お云く「きみ若し金砂の䞻たらば、䞖間の領所の䞻は、その境を知るが劂く定めおその金砂の分霋を知るべし。しからばきみに問ふべし、其の金砂は地氎火颚を躰ず為すや。色銙味觊を具足すや。小法なりや倧法なりや。有法なりや空法なりや。染法なりや浄法なりや。凡法なりや聖法なりや。砂金を問ふが劂く土砂の矩も又同じ。もし、いさごず知りお䜛智の境界を信ぜずば、これ等の理、定めお心䞭にみおらむ。詳らかに答らるべし。」
答お云く「我只金砂・土砂ず知るばかりなり。たたたた知れるやうをば先に申し終わりぬ。又其の倖は曎に知る所に非ず。」
詰しお云く「しからば、いさごも知らず呪法も知らず。若し共に知らずばただ倧聖の所説を信ずべし。倧聖は、いさごをも知り、呪法をも知りたたぞり。諞仏垞䟝二諊説法ずいふは是也䞭論・觀四諊品第二十四「諞䜛䟝二諊 爲衆生説法 䞀以䞖俗諊 二第䞀矩諊」。䜛智の所智は因人仏になるための「原因」ずなる修行を積んでいる段階の凡倫知らずずいぞども、随機の所説分分に是を聞く。其の䞭に倧小諞教䞍同也。しばらく倧意をいだすに、いさごは是衆倚の極埮合成せり。極埮は聚集しお仮にあり。離散しおは其の躰空し。心識是を倉じ、因瞁是を合す。その躰は性に玄すれば、真劂法性の䞀理也。瞁に玄すれば無量無邊之諞法也。䞉䞖諞仏その䞭にいお十方䜛閣を其の内に眮く。すなはち是を真蚀の文字ずする也。しかるに䞖間の文字を甚ひお真蚀の道を説く時、皮々の文字の真蚀あり。其の文字は倧小乗に法教を立぀る時、名句文の䞍盞応行法の䞭にをさめたり。字矩句矩ありお、皆諞法の実盞を詮じあらはせり。其の寊盞に必ず甚深無量の功埳あり。其の功埳を信ずれば凡倫の身心の䞭に無量の䜛埳を玍めお劂来の真子ずなる也。たずぞば、䞖間の人の子の、父母の粟血を受け぀れば、其の子息にしお其のかたち父母に䌌たるが劂し。䜛は父母の劂し。其の功埳を信ずるは、粟血を受くるが劂し。䜛を信ずれば断悪修善の事を奜むは䜛になる也。今歀の光明真蚀に぀きお其の字矩句矩ありお、諞法の実盞を詮じおしかも土砂に反䌌する矩をいはば、「阿謚䌜あがきゃ」ず申すは、いさごに寄せお蚀はば、「阿」を聞く時、凡倫もなしず知り、聖者もなしず知る。然るに凡倫は定性を執するが故に寊有寊無の二執起こる。是劄執なり。聖者は瞁生ず知りお寊有に非ず、有無ずもに䞀性也。しかれば聖智の前にこの土砂本䞍生也。「謚」字を聞く時、吟我䞍可埗の矩を知る。吟我ず申すは土砂の躰性也。本䞍生なるが故に其の躰性むなしき也。「䌜」字を聞く時は、䞀合盞䞍可埗の矩を知る「倧毘盧遮那成䜛神變加持經・癟字䜍成品第二十䞀」「或諞法䞀合盞䞍可埗故。珟䌜字圢」。土砂の寊躰本䞍生なるが故に土砂を぀くる衆瞁胜合所合皆䞍生なり。是を土砂の寊矩ずす。凡倫はこの道理にたどふ。劂来は是を知りたたぞり。凡倫のたどひの所には、必ず劂来の倧智あり。しかればきみ、土砂の寊矩にたどふずころに、必ず又劂来の倧智あり。本質ず圱像ずの劂し。圌、凡倫の劄執に翻じお劂来、歀の道理を説きたたふ。然れば歀の「阿謚䌜あがきゃ」の句矩を䞍空ず云ふは、則ち歀の䞉字の矩をもお凡倫の劄執の土砂を空ずれば必ず聖智所照の真実の土砂の矩、空しからざる也。これは則ち䜛智也。䜛智を凡倫の土砂に加ふる時、土砂・䜛智の甚をたも぀によりお、光明ずなりお照らす也。是則ち加持の矩也。逘の句に䞀䞀にかくのごずきの深矩あり。瑜䌜行者の了達するずころ也。土砂既に無量甚深の矩理を含めり。其の䞊に䜛力法力あひ加はらむ時、いかなる䞍思議の事もあらむに、なんぞあながちに難しずするに足らむや。」

問お云く「しからば、かくの劂きの真蚀加持の境界、県の前に珟前すべし。しからざれば埌の䞖を埅぀にも又疑起こりやすし。」
答お云く「珟䞖の果報は前業に䜜りかためられたるが故に心境ずもに粗く珟前しお過去未来の事を知らず。しかれども犅定を、をこし神通を埗お、其の事を知る方䟿あり。況や䜛智の境界は甚深埮现也。眪業を障りずし、功埳を因瞁ずす。凡県の前にたやすく顕れざる、其のいひあるこずなり。さればこそ、諞波矅蜜の行僧祇曠劫の修行を積み䞉點発心・般若・解脱四埳垞楜我浄之劙果、始めありお終わりなし。是を願ふを菩提心ず名ずけ、是を奜むを倧薩埵ず名ずけたり。さのみた易くは無䞊の䜍にあらざらむ。かくはあれども事識の分別すこしきしずたれば、智県の照芋うかがひやすし。身を山林に宿し、心を法門に柄たす人、心月を法䜛の光ず芋、盞颚を転茪の聲に聞かむ。か぀が぀劄情の執着を遠ざかれば、心挞く蚌果の道に近぀゛く。倧癜は斑なるが劂し。倧成は欠けたるに䌌たり『老子』第41章「明道若昧、進道若退、倷道若纇。䞊執若谷、倧癜若蟱、廣執若䞍足」。『老子』第45章「倧成若猺、其甚䞍匊。倧盈若沖、其甚䞍窮」。かやうの人の埗る所かたはらにしお誰かはからむ。又必ずしも可ならむ。又必ずしも入聖蚌果の道近぀゛かざれども、珟報すでに傟き當果たさに陀きなむずする時、倢の劂くしお真蚀加持の境界を芋る事あり。愚身そのかみ、高野山に䜏せりし時、疫癘さかりに起こりお諞人患ふ事ありき。其の䞭に藀井の按察の入道の子、宰盞阿闍梚性憲ず申せし人ありき明恵䞊人䌝蚘に「成匁※明恵の圓時の名が眷り出でお候ふ間、䜕事か候ふらん。あたりに恋しくおがえ候ふ。成匁が眷り垰るたで、性憲に物をも請ひお召すべく候ふ。埡為に心安く思し召すべき候ふ」ず曞きお、埡前に奉り眮き぀。」今は亡者ない。其の人幌くしお高雄に䜏せり。もっおの倖に倧事に病みお絶入するに、先垫行慈䞊人文芚の匟子,甥の明恵の垫其の傍に居お、瓜を加持しお其の口に塗らる。蘇生しお語りお云く、我は死にたらば魚になるべきものにおありけるやらむ。我が身氎䞭にあるに、口の内に甘く目出床き物を含めり。其の味はひ極めおよく、いみじく芚ぞおいき出たれば、䞊人の瓜を加持しお口に含めらるるが甘き物ずは芚ぞけり、ず。合わせながら氎䞭に處せるこずをば魚になるべかりけるずやらむず、云ひき。歀の頃、思い合わすれば我も真蚀加持の力によりお、瓜の実を最ほすによりお、蘇生するしるしにおありけりず芚ゆ。昔阿闍䞖王、信心深きこず、巚海の劂し。劂来涅槃に入りたたふこずを聞きたたはば、必ず顔より血をわかし、身䜓も砕け散りたたひぬべし。智臣ありお方䟿を蚭けお䞀぀の銅の池を䜜る。其の䞭に浄銙油を入れ満おお倧王をしお其の䞭に降ろし奉る。癜氎(はくじょう・しろたえ)の面に劂来の本行の像を図し奉る。はじめ郜卒倩より䞋りお摩耶倫人の腹に宿りたたふより、菩提暹䞋にしお正芚をなり、鹿野園にしおはじめお法茪を転じたたふ。乃至、拘尞那城沙矅林䞭にしお涅槃に入りたたふたでの所行を悉くに描きお倧王に芋せしめ奉るに涅槃の所に至りお、応ちに心さわぎ圢倉じ絊ふ時、銙油五分が䞀分其の身に沁みずおる。也ける・けに枅氎をたかせたるやうに芋えけり。歀の方䟿に䟝りお倧王の呜を助け奉りけり。是も真蚀加持の力に䟝りお瓜の実をうるをすに䟝りお氎䞭にありずおがぞるにこそ歀の珟䞖の果報は前葉に぀くり固められしたるが故に、県前の境界に心眩転しお、其のしるしを芋ざれども、歀の果報すでにかたぶきお當果近぀゛かむずきはその利益心に芚ぞ、県に浮かぶべし。又愚僧が倚幎の䟍者の䞋僧に定韍明恵の盎匟子、重病で呜を萜ずした人物。囜宝『光明真蚀功埳絵詞』滋賀・明王院蔵には、定韍が亡くなった際に、同門の僧である「定圓」が光明真蚀を唱えお圌の蘇生を願う奇跡の物語が描かれおいるず申すものあり。おりにし貞應元幎1222八月廿八日に重病に沈みお数日を送る間、悶絶せるが劂くにしお遥かなる道を埀くに焔路におもむきお諞々の眪人の執瞛を被るを芋る。䞀぀の倧きなるはかりの諞々の人かけ蚈る。歀の事を芋るに怖畏きはなりなくしお、䞀心に光明真蚀を誊す。赀面蓬髪なる倧童子の劂くなる者の䞈八尺2.4ばかりなるあっお、定韍法垫を歀の秀にかけむずするに、匓箭を持したる俗躰の人ありお、是を制止しお、かけしめず。歀の埌にしきりに歀の定韍を敬重す。俗躰の人、瀺しお云く、早く本郷ぞ垰りたたふべし、ず云ふに、悊びをなしお垰らむず思ひお芋返りたれば、応ちに暗暗ずしお曎に芋る所無し。さらに心を励たしお光明真蚀を誊するに、その聲に぀きお癜青色なる光明諞方より定韍が前に飛び集たる。急々に是を誊するに光明こごり集たりお、呚遍しお虚空に満ちぬ。其の埌垰らむずするに、又身の力なくしお、あゆむべきここちもせねば、又励みお真蚀を誊するに、その身軜く䞊がりお虚空の䞭に凊す。則ち空を飛びお垰るず思ひお芚めぬ。この小僧、幎来の光明真蚀の持者也。是に䟝りお歀の勝利有る也。真蚀の勝利かくの劂し。土砂のしるしも又同じかるべし。
問お云く「真蚀加持の功胜、最も是を信ずべし。䜆しかくのごずく劂法に加持する呪砂を糞穢等充満せるずころに尞骞あり。歀の䞊に散らすは憚りやあるべき。」
答お云く「未だ歀の土砂に其の文蚌を芋ずず雖も逘の真蚀加持の事を説く䞭に真蚀加持の藥物を人の身分の䞍浄處に付くるこずあり。是になぞらふるに、未だ散らさざらむ先に呪砂を尊重するこず䜛舎利の劂くすべし。若し尞骞の圚所に臚みおは、䞍浄處にも是を散らすべし。是則ち文蚌也。又理蚌を出ださば、䞍浄を芋る県はただ土砂の色塵を芋る。真蚀加持の功力は䞍浄に汚れざるが故に是を散らすに、憚りあるべからず。又歀の土砂加持の方䟿は、䞀切劂来の倧慈悲本願力より出でたるが故に浄䞍浄をきらはず。唯尞骞の圚所を散らすずころずすべし。真蚀の文字を糞穢なんどの䞭に投げれば、憚りあるべし。是又土砂の殊勝の功胜なるべし。」
問お云く「しからば、真蚀垫、深き山の䞭に䜏せられむに、其ほずりには现砂あるべからず。しかるに歀の功胜を聞きお土砂を芁背む人、里の䞍浄所の土砂を取りお深山ぞ送りお加持を申し受けむ事ははばかりならむや。」
答お云く「かぞすがぞすあるべからざる也。真蚀加持の法は諞事極めお枅浄にしお成就するこず也。もし穢れる事あれば、倧力の毘那倜迊等たよりを埗お、其の悉地を障瀙す。しかれば、たずひ山を越え谷を隔぀る患ひありずも極めお枅からむずずころのいさごを取りおあたらしからむ噚物に入れお真蚀垫の元ぞ送らば、真蚀垫又倧願を起こし慈悲に䜏しお本尊の埡前にしお懇ろに祈願す。光明真蚀を本躰ずすれども瑜䌜行法の習ひ、密印を結び真蚀を、誊するに、䞀二に限らず倚皮の盞応の印蚀あり。又倧智倧悲の甚深の䞉摩地に䜏しお、ちからを励たし、心をいたせば或ひは倢想、或ひは奜盞にもあれ、随分に成就のしるしを感ずるこずるべし。しかれば、極めお枅からむ所のいさごをもちひるべし。愚身歀の事を䞀倧事にしおはじめにきはめお、人遠き海䞭の島の滞のいさごを尋ねよせたる事ありき。其の砂に貝の砕け亀わりたる事ありしかば、捚おお是を甚ひず。歀の高山寺の内、石氎院ず申す所は,諞房の氎䞊也。岩高くはげしくしお现かなるいさごはすくなきを、極めお枅きにあはせお、愚僧倚幎の間、随分に顕密の法門に぀けお歀の所にしお自利利他の行を積めり。然ればこの所の荒々しき石を取りお其の滞に閌䌜井を構ぞお、是を挱ぐ。したしふるひお麀石を避け现砂を取りお、是を甚ひる。しかれば、患ひ極めお倚けれども䞀二人の同胞同心に発願しお、歀の苊劎を臎す。歀の前の枅滝川に现砂充満せり。是を掬ひ取らば、少しわずらひもあるべからず。しかれども穢れたらむ事を憚りお是を甚にず。しかれば歀の土砂を信ぜむ人は、先ずこの砂の浄穢を簡釈すべし。浄信恭敬のかたち、歀凊に初めおあらはる。真蚀加持の悉地にをいお倧きに成就するこずを埗べし。かやうの事流垃するに又、䞍法あひたじはる事を恐る。然ればこの問答異に至芁の事也。」

問お云く「歀の真蚀の浄土の果は、ただ極楜䞖界に限りお逘方の浄土には業因ずならずや。」
答お云く「経にこの真蚀の䟍者の悉地成就する時、䞃倧善倢を埗るこずを説く䞭に、曰く、十方䞀切䜛刹の門䞀時に開けお持者の心に任せお遊埀す、ずいぞり「尊勝䜛頂脩瑜䌜法儀軌」「汝埗十方䞀切䜛刹䞀時門開。任汝遊埀圌諞䜛刹土。各有九十九億殑䌜沙倶胝那废倚䞀癟千䞀切劂䟆。憶念加被。埗劂是境界。勀加粟進。」。又䞀切劂来の秘密真蚀なるが故に其の浄土の果は極楜浄土に限らず各持者の心にたかせお其の本尊の浄土にも埀生すべし。」

問お云く「もし人有りお䞀人の為に䞀聚の土砂を加持しお其の芁事をなし終りなば、只其の亡者をのみ利益しお埌には垞のいさごにおやあらむ。又歀の加持を受くる土砂は胜加持の真蚀の功胜の劂く垞に歀の功胜を具足したる砂におあるべきか。」
答お云く「䞀滎倧海に萜ちぬれば海氎ず共にかはく。䜛法もひずたび衆生海に至りぬれば必ず衆生海を尜くす也。倩竺の所々に劂来の遺跡留たれり。劫壊の時にも尜きずしお氞く衆生の所垰なり。其の䞭に劂来倪子たりし時、諞々の釈皮ず共に力を諍ひたたひし時、䞃぀の鉄の錓を射通しお其の矢、地を穿ちお入りぬ。其の跡より氎沞き出るを、諞々の病人是を汲みお甚ひるに病癒ゆる事を埗。「劙法蓮華經玄矩卷第䞀䞊」「劂薩婆悉達圎祖王匓。滿名爲力。䞭䞃鐵錓貫䞀鐵圍山掞地培氎茪名爲月[耕高1] ã€‚」。
「倧唐西域蚘卷第六四國 宀矅䌐悉底國劫比矅䌐窣堵國藍摩國拘尞那掲矅國」
「是倪子與諞釋角藝射鐵錓。埞歀東南䞉十逘里有小窣
堵波。其偎有泉。泉流柄鏡。是倪子與諞釋匕匷校胜。匊矢既分穿錓過衚。至池沒矜因涌枅流。時俗盞傳謂之箭泉。倫有疟病飮沐倚愈。遠方之人持泥以歞。隚其所苊挬以塗額。靈神冥衞倚蒙痊愈」。又石の䞊に劂来の埡足の跡あり。矅刹ありお石を是に圓おお打ち摧だきお是を食ふを、人問ぞば、矅刹答ぞお云ふ、是やたひを癒さむがために服しお藥ずする也、ず答けり。かやうの事はただ人信心ありお劂来の遺跡を信じおかの射泉の氎を甚ひる。矅刹又信心ありお双茪にふるる石をもお藥にすれば、其の信心にしたがひお、珟當の勝利むなしからざえども、射泉は只倪子ずたしたしし時の力技の跡なり。茪石は又滅埌の恋慕をあはれみお是をずどめたたぞたり。必ずしも病人にも矅刹が藥にもあおたたはず。しかれども信心の利益空しからず。只珟身に陀病のしるしを埗るのみにあらず、又滅眪生善蚌倧菩提たでの利益もあるなり。これ等は劂来を恋慕したおた぀る時の埡圢芋には寔にめでたし。石の䞊に茪盞光を列ね、土の䞭に箭跡泉を湛ふ。圌の所に臚みお目の圓たり歀の遺跡を拝むに、いかばかりかあはれにかなしからむ。然れども劂来、詞をはきお是は衆生の滅眪生善の氎なり。離苊埗暂の石なりずもおおせられず。しかれども利益かくのごずし。いはんや、歀の土砂は䜕ずきなきすなごなれども十方䞀切刹土䞉䞖䞀切劂来皆同時に右の手を䌞べお、菩薩の頂きを撫でお、この真蚀をずきお、䞀切衆生に䞎ふ。又土砂の方䟿を教ぞお、衆生の眪業を消し、広倧の利益を授けたたふ秘術ずせり。しかれば䞀たび真蚀の加持を受けば䞀人限らず䞀時に盡きざらむ機瞁に随ひお利益盡るこずなからむ。螻蟻蚊蚖ろうぎもんもう。オケラ・アリ・カ・むモリ蓬の䞋に腹這ひ、虎狌・野干、屍のほずりに近付く。只臭き銙りに耜り、汚きししむらを争ふ぀いでに僅に歀の土砂に觞るこずあらば、茪廻の苊悩を陀き菩提の皮を結ぶべし。哀れなるかなや、悲しきかなや、我等蟺地小囜の䞭、末代悪䞖の末に生たれお眪業は県の前に積りやすく、善根は心の底に蓄ぞ難し。又䜛䞖を去る事二千幎、遺跡を隔぀るこず数䞇里也。䜛像に向かぞども恋慕枇仰の誠無く、聖教を開けども劂説修行の思隔おり。぀ら぀ら身の䞍幞を思ふ毎に諞仏菩薩の慈悲方䟿韍倩善神の加被護念も皆過分の思ひをなし、悉く耳の倖に聞くが劂し。誠に本頭の喩「倧䜛頂劂䟆密因修證了矩諞菩薩萬行銖楞嚎經卷第四」「宀矅城䞭挔若達倚。応斌晚朝以鏡照面。愛鏡䞭頭眉目可芋。瞋責己頭䞍芋面目。以爲魑魅無状狂走。」、畜生のなぞらぞ金蚀あやたらず。皆身の䞊に集たれり。䜕事を嘆きお涙を流し、䜕事を喜びお笑みを唅むらむ。しかるに歀の土砂の勝行に逢ぞる宿瞁誠に頌みあり。青䞘倧垫の勧誡元暁青䞘倧垫の『発心修行文』の劂し。信ずる人は孝順の䜛子也。信ぜざる者は埌悔及ばざらむ。有心の人深く歀の埗倱を察したたふべし。昔挢土の智興埋垫『続高僧䌝』智興䌝「智興は、倧業五幎、倧荘厳寺の維那ず為る。経に䟝りお発願し、厳冬に楌に登り、鐘を擊぀の次に、皮袖を著けず、掌凍りお血流るるも、蚀に苊を避くるこず無し。同寺の僧䞉果が兄、煬垝に埓ひお南のかた江郜に幞し、道に病死す。其の劻、倢に其の倫を芋お曰く、『吟死しお地獄に堕す。某月初䞀日に至り、倧荘厳寺の智興埋垫の鐘を鳎らすに頌りお、響き地獄を震はし、共に苊を受くる者䞀時に解脱し、今安楜の凊に生たれる』ず。劻埌に凶問を埗るに、死するの日の、正に倢の時に同じきを蚀ふ。」倪業五幎609幎十䞀月に鐘楌に登りお鐘を打぀。䞀人の亡者あり。倢の内に其の劻に告げお云『我は呜終わりお地獄に堕぀。苊を受くるこず窮りなし。今月の䞀日犅定寺の智興埋垫の鐘を打ち絊ふ響き地獄の内に震ふ。同業受苊の者、䞀時に解脱しお既に暂所に生たれぬ。其の恩を報じ奉らむず思ふに来ぬ。十疋を奉りおならびに我が志を述ぶべし』ずいふ。その倢芚めお人に語るに、信ずる者なし。重ねお又倢に芋る、其の埌、旬日を経お又その隓あり。則ち倢に芋るに笊号せり。いよいよ信仰しお、絹を奉る。埋垫絹を埗お遍く衆僧に分かち䞎ふ。衆僧をどろきお、其の因瞁を問ふに、答えお云く『さらに他術なし。我付法蔵傳幷に阿含経に深く、鐘の功埳を説くを芋お深く信心を興す。寒倩に楌に登るに冬颚、身を切りぬれども心を臎しお発願す。先ずは諞々の賢聖同じく道堎に入り絊ふべし。次には諞々の悪道の衆生をしお俱時に苊を離るるこずを埗しめむ』かくのごずく誠心に発願しお鐘を打぀に歀の勝利を感ずるなりず、答ぞたたひけり。去りぬる承久元幎1219十䞀月䞀日、歀の山寺の倧願䞻督の䞉䜍明恵の支揎者督䞉䜍局時子、初めお鐘堂の䜏持等に䟛逊を附けらるる時語りお云く、鐘の聲は悪趣に聞こゆなり。我が子息の少将に是をずくきかせばやず云はる。未だ定日をも定めざるに既に䟛料を送らる時、聞くずころに、しからば今日の内に始むべき由を寺僧に觊れお、本堂の䜛前に衆僧を集めお高蟚自ら鐘堂に至りお打ち始めんずす。䟍者来たりお諞僧すでに堂前に集䌚の由を告ぐるに、鐘を鳎らす甚心のやうを芋むが為に埋曞を開く所に、歀の興埋垫の鳎鐘の利益をしるせるに、倧唐倧業五幎609幎十䞀月䞀日ずしるせるを芋る。幎来は歀の日蚘をおもはえたるこずなかりき。ずきに臚んで信心胆に銘じお則ち䜛前に詣じお願䞻の志を啓䌯するに、只今歀の日蚘を芋る。和挢境遠く叀今時異なりず雖も感応笊号せる由を申すに、聎衆皆色を改めお埋曞に鐘聲の離苊埗暂の因瞁を釈しお曰く、眪者の善に逢ふを因ずす。打者の発願を瞁ずするが故に声䌝はり苊滅するこずを埗お、自然に感応すずいぞり。諞經芁集「増䞀阿含經云。若打鍟時。願䞀切惡道諞苊䞊皆停止。若聞鍟聲兌説偈讃。埗陀五癟億劫生死重眪 降䌏魔力怚 陀結盡無逘 露地撃犍皚 比䞘聞當集 諞欲聞法人 床流生死海 聞歀劙響音 善當䟆集歀。
又雜經説偈云 聞鍟臥䞍起 護塔善神瞋 珟圚瞁果薄 䟆報受蛇身 所圚聞鍟聲 臥者必須起
合掌癌善心 賢聖皆歡喜 措鍟震響芺矀生 聲遍十方無量土 含識矀生普聞知 拔陀衆生長倜苊 六識垞昏終倜苊 無明被芆久迷情 晝倜問鍟開芺悟 怡神淚刹埗神通」。寔に願䞻貧苊を憚らず、重心の䟛逊を寺に付けらるれば、諞僧随喜の恩を凝らしお仏前に集䌚す。愚身随分に信を臎しお鐘の内に寶楌閣・菩提堎・光明真蚀等の皮々の真蚀幷華厳経の文等を曞写しお誠を臎しお是を打ち始むるに自ずから智興埋垫の慈悲利生の日に逢ぞるこず、時に臚みお信仰骚に通りき。歀の眪者遇善為因打者発願為瞁の釈の心、青䞘倧垫の呪砂にあふを有瞁ずすず。釈したたぞるこず同ぜり。四分埋行事鈔資持蚘 元照撰「國䞻與安息國王戰殺九億人。尋生悔心斌銬鳎所。鳎爲説法什其重眪埗茕。尚受是報。隚生䞋圌云。須臟之間頭滿倧海。若聞䞋圌因矅挢爲僧維那。䟝時打鐘功加斌圌。埌受圌癜即爲長打。過䞃日已受苊即畢。即䞋匕經會傳。初正匕歀䞋顯意。因瞁者疏云。眪者遇善爲因。打者癌願爲瞁。故埗聲傳苊滅自然感應。」囜䞻、安息囜王ず戊いお九億人を殺す。尋いで悔心を生じ、銬鳎の所に到る。鳎、為に説法しお其の重眪をしお軜きを埗せしむ。尚是の報を受く。随いお圌に生じお云わく、「須臟の間に頭倧海に満぀」ず。若し圌に生じし因を聞かば、矅挢の僧の為に維那ず成り、時に䟝りお鐘を打ち、功を圌に加ふ。埌に圌の癜すずころを受けお即ち長打ず為す。䞃日を過ぎお已り、苊を受けるこず即ち畢る。即ち䞋に出を匕いお䌝を䌚す。初めは正しく歀を匕いお、䞋は意を顕わす。因瞁ずは疏に云わく、「眪ある者は善に遇うを因ず為し、打぀者は願を発すを瞁ず為す。故に声䌝わりお苊滅し、自然に感応するこずを埗る」ず。鳎鐘の埗益かくのごずし。呪砂の利益も又同じかるべし。歀の詞を蚘する時、埌倜の鐘の音を聞く。則是を発願廻向の鐘に甚ひるべし。願はくば十方聖衆歀の道堎に至りお土砂の功埳を蚌明し䞉途の衆生、法利を埗お惑業の繋瞛を解脱せむ。時に、安貞二幎1228、十䞀月九日の倜の寅の時、高山寺犅堂院の草庵にしお是を蚘す。其の真蚀幷土砂の深矩は句矩釈幷土砂等の䞭に説くが劂し。以䞊。

「光明真蚀土砂勧信別蚘」 明恵䞊人
愚僧先に䞀人の請にかなひお土砂勧信蚘を述ぶ。或る時、䞀䞡人来たりお歀の蚘を芋る次にいはく「土砂の本文には骞の䞊、墓の䞊に散らすはべしずいぞり。然るに歀の蚘の文には圚生に身に垯すべきよし芋ぞたり。しからば圚家の人、忌はしく憚り思ふ事やあるべき。」
答お曰く「然れば歀の事を甚意しお蚘の文に病垭に臥さん時、持念の堪ぞず、朔斎も煩ひあらんに、その身に近぀゛けば自ずから信仰の心に䟝りお真蚀の利益空しかるたじき由を茉せたり。必ずしも無病安穏の時、その身に随ふべしずは云はざるなり。」
問お曰く「只䞀盞経の文に任せお歀の問をいたせども未だ、寊矩の思ひを埗ず。誠に蚘の文には病状に臥さん時よりず云ぞり。然らば無病の時、頞なんどに懞けんは憚りあるべきや。」
答お曰く「愚人の信心無きは深法心に染たりがたし。是に察しお決擇に及ばざれば病状なんどに思ひ出さば、宜しかるべき。次を勧めたり。䜆し経文を匕いお疑をなさば誠に寊矩を意埗べきなり。經文に墓の䞊ず云ぞるは既に眪業は巚海の劂く深く、善根は塵の分も無き人、䞉宝を信ぜず因果を撥無しお其の呜を終ぬ墓に眮き屍に散らさすは他のはかりごずなし。是は圌の眪人の圚䞖の間は眪をのみ造り積みお、信受すべき暇なければ、呜終の埌に散砂の利益を埅぀にあたれり。歀の利益を聞きお信仰の心深き人、圚生の時、その身に垯せば珟䞖にその身の守りず成り、埌生には出離の倧益を成ずべし。若し然らずしお墓の䞊に散らすず云ふ文を守らば、五逆眪の人の墓の䞊に散らすず芋ぞたればずお、五逆を造らざる人の墓に散らすべからずず意埗べしや。若し眪人をすら救ふ况や善人をやず心埗ば、墓に散らすに尚倧利あり。況やその身に持たんをや。没埌猶利益あり。況や圚生より信ぜんをや。かくのごずく談ずるは即ち経文の心を埗るなり。聖教に文に随ひお矩を取るに五皮の倧過を出すは則ち今の君が愚説なり。
問お曰く「真蚀加持の法は事に䟝りお隓同じからず。是に䟝りお昔し、真蚀の祖垫䞍空䞉蔵、倧王調象の戯れを為すに、諞人皆高き所に臚みお、是を芋る。敢ぞお近぀゛く者なし。䞉蔵、手に密印を結び、口に真蚀を誊しお道に當っお立ち絊ぞり。あたたの狂象皆足を屈お臥す。芋る者皆怪しみをなさざる事なし。又䞀日倧颚荒く吹くに、垝王䞍空に詔しお歀の颚を鎮めたたぞず仰せらる。䞉蔵銀瓶䞀口を申し出しお加持䜜法したたふに、倧颚応ちに静たりぬ。又鵝ず申す鳥、歩み来たりお荒く歀の瓶にあたりたるに、銀瓶応ちに傟く。颚吹出たる事さきに過ぎたり。たた銀瓶を加持しお立おたるに応ちに颚止みにけり。狂象の地を穿぀法術にたぞがたく鵝鳥の氎に浮かぶ呪、瓶を倒し易し。然れば歀の土砂は地獄の苊報を捚぀ず説けども、珟生にその身に垯せよず云はずは二䞖の利益同じからずやあるべき。

答お曰く「前の蚘に云ふが劂し。只重病の垭に思ひ出す事を勀む。先に芚ぞん人に必ずしも無病の時、随身を勧むるにはあらず。䜆し象鵝の隓は別の事なり。圌は真蚀の雑行を以お䞀旊の隓を芋せたり。滅眪の益を顕はさず。是は十悪五逆の眪業を陀き蓮華化生の勝利を授く。深く歀の益を信ずるに䟝りお珟身にその身に垯せが、眪障を消滅し功埳を増長せば冥衆の加護を招き未然の䞍祥を留むべし。然らば真蚀の持誊も間断なきにあらず。又圚家の人は酒肉五蟛等の穢れも遁れ難し。是は舎利仏像にあらざれば倧小䟿所の憚り無く、倧慈倧悲の所流なれば信心自ら護身たり。圌の前蚘に茉する所の箭跡に湛ふる氎、病人の良き藥ず成り、双茪に觞る砂、矅刹の苊痛を陀くが劂きは、䜛蚘に歀の詞なし。唯衆生の信心の所感なり。歀の土砂、珟生の利益も亊是に準ぞお知るべし。経文に其の利益を説くに、歀の土砂を墓に散らす時、光明その身に及ぶ事を埗お応ちに苊身を捚おお極楜䞖界に埀生すず云ぞり
䞍空矂玢神變眞蚀經「若有衆生隚處埗聞歀倧灌頂光眞蚀二䞉䞃遍。經耳根者。即埗陀滅䞀
切眪障若諞衆生。具造十惡五逆四重諞眪。猶劂埮塵滿斯䞖界。身壞呜終墮諞惡道。以
是眞蚀加持土沙䞀癟八遍。屍陀林䞭散亡者屍骞䞊。或散墓䞊塔䞊。遇皆散之。圌所亡
者。若地獄䞭若逓鬌䞭。若修矅䞭若傍生䞭。以䞀切䞍空劂䟆䞍空毘盧遮那劂䟆眞寊本願倧灌頂光眞蚀加持沙土之力。應時即埗光明及身。陀諞眪報捚所苊身。埀斌西方極暂國土。蓮華化生乃至菩提曎䞍墮萜。」。
歀の光明ず申すは真蚀の光明也。真蚀の光明ず申すは諞仏菩薩の無挏の慧、土砂䞍生の矩を照了す、其の甚を無明所発の土砂に加ふる時、土砂是を持しお無明は無䜓にしお䜛慧を瀙ぞず。土砂は䞍生にしお性埳を顕はす。爰に劄情の土砂を芋ざれば垞芋を離れぬ。性埳応ちに顕はれお、断芋を離れぬ。䞭道倧智慧の光明耀顕れお衆生に遍ずる時、無明所発の眪暗応ちに晎れお悪道を出る也。然れば歀の光明ず申すは䜛智を體ずするが故に歀の䜛智を持぀土砂なるが故に䞉毒の汚泥の䞭に䞉善根無貪・無瞋、無痎の圢を印珟す。真蚀の䞭の摩尌鉢頭摩入嚩攞の䞉句、次の劂く歀の意を含めり。然れば歀の土砂即ち貧人の為には「摩尌」の劂し。貧業を陀いお富饒を埗、醜人のためには蓮華の劂し。衆人の愛敬を受くべし。倧勢力を具すべし。然れば歀の土砂即ち毘盧遮那劂来の䞍空倧印ず成りお、無量の功埳を印珟するが故に䞀切の吉祥を集め、䞀切の䞍祥を避くべし。然ればこの真蚀、䞀切劂来の倧智慧光明を體ずするに䟝りお重眪は黒暗の劂くしお盞違の法なるが故にこの真蚀に陀滅せらるるがごずく、貧者の為には貧業の黒暗ずし、富饒を光明ずすず。又其の䞍祥灜難を感埗する珟圓の因瞁を黒暗ずし、圌胜治の吉祥慶賀を光明ずするが故に珟䞖の鎮護にをいお又足らざる事あるべからざるなり。然れども其の事は唯自心の奜みに䟝るべきなり。」
問お曰く「土砂の功胜、尀も是を信ずべし。䜆し因瞁和合の䞍思議は初めお疑ふべからず。其の因瞁の勢力に䟝っお所埗の果報も又勝劣あり。火は物を焌く功力あれども、薪の堅く茭らかなるに随ひお勢気も増枛もあるが劂し。歀の土砂をも胜加持の真蚀垫の乗戒の緩急行業の勝劣に䟝りお亡者の埗益も浅深の䞍同あるべきや。」

答お曰く「真蚀の可釈䞍可釈に二矩あり。かくのごずきの秘密の境界、唯仰信を凝らすべし。
茒く蚀を発すべからず。然れども可釈の矩に぀きお信心を堅くせんが為に逘の䟋蚌に準ぞけり。是を思ふに其の事誠に然るべし。䜆し真蚀の悉地に成就䞍成就ず云事あり。是は悉地の成䞍成を糺すたでの事にさらざれども、行者の行業の勝劣に䟝りお埗脱の遅速あるべし。譬ぞば行埳殊勝の人の加持に䟝りおはひずたび墓に散らさんに、地獄を出るべからん。行埳䞋劣の行者の加持を受けば床々を重ねお眪業消ぞお出るほどの事はありぬべし、然れども是は功埳門の勝利にしお成就門にはあらざれば、たずひ行埳䞋劣の行者なりずも、真蚀の功埳深劙なれば圌の茭なる薪に燃え尜きた぀火の皋の隓はあるべきなり。若し功埳門に䟝りお其の皋の隓あらば、皮々の方䟿を廻しお是を助成せば又䞋劣の行者の加持なりずも即ち無病快楜の時より歀の真蚀を受持しお其の数遍をも満たしお又土砂をも身に随ぞおたずえ䞖間の人、忌たわしく芚ぞば、頞に懞けずずも、経箱なんどに入れお是を厇め憑みをかけば圌の䞋劣の行者の加持を助けお䞊品の勝利を埗べし。圌行埳高勝の行者の瞁に遇ぞば䞉宝を信ぜず因果を撥無せる眪人、応ちに魂を蓮臺にやどす事易し。是は行埳䞋劣の行者の加持にしお其の功埳匱気きばかりにあたたの助瞁ありお、盞成ずる事あり。圌は十悪五逆を぀くる是は必ずしも五逆を造らず。圌は䞀生の間修善を悟らず、これは随分に善根を修す。又善根の䞭に斌おも圌は歀の秘密土砂の功埳をきかず。是はききお深く信をいたす。又圌は呜終の埌、墓に散らす。是は存姓の間、身に随ぞお敬重の心深し。歀の衆瞁を加ぞお圌の䞋劣の行埳を助くべし。圌のやはらかなる薪をあたた加ふれば其の炎熟に燃ぞお堅き薪の燄ず等しく、物を焌くが劂し。歀の事を思ふには圚生より兌ねお信敬せば速疟の利益疑ふに足らず。およそ䜛法の利益は戯れ事の所瞁ずしおも、真実の劙果を埗る事あり。昔䞀人の老比䞘あり、その幎高くたけお、心に智分なし。諞の小比䞘の四果の功埳預流向・預流果・䞀来向・䞀来果・䞍還向・䞍還果・阿矅挢向・阿矅挢果を説くを聞きお深く信敬の心を起こす。小比䞘にかたりお曰く「願はくば所説の四果を以お我に與ふべし」ず。諞の小比䞘、嘲り戯れお曰く「若し四果を埗んず思はば土砂の飲食を調ぞお我等に與ふべし。其の埌に四果を與ぞん」ずいふに、老僧悊びをなしお皮々の珍膳を蚭けお䟛逊す。小比䞘是を食し終わりお、戯れにかたすみぞ呌びお、「ここに坐すべし、先ず豫流果を與ふべし」ず云ひお、手毬を持お其の頭を打お「是は豫流果を與ふるなり」ず云に、老僧䞀心に信仰しお悊骚に培るに即ち初果を埗぀。又かたすみぞすすめやりお前の劂く打ちお「是は䞀来果を與ふ」ず云ふに即ち第二果を埗぀。又かたすみぞやりお䞍還果を埗぀。又かたすみぞやりお打぀に阿矅挢果を埗たり。是は愚なる老僧なりければ自の粟進修行は叶うはずしお思ひかけざる小比䞘の戯れを瞁ずしお氞く䞉界の煩悩を断ち盡し、盡無生の菩提を埗お倩人韍神の犏田ずなれり。雜寶藏經卷第九・䞀䞀四、老比䞘埗四果緣
「䜛法寬廣。濟床無涯。至心求道。無䞍獲果。乃至戲笑。犏䞍唐捐。劂埀昔時。有老比䞘。幎已朜邁。神情昏塞。芋諞幎少比䞘。皮皮說法。聞說四果。心生矚尚。語少比䞘蚀。汝等聰慧。願以四果。以甚與我。諞幎少比䞘。嗀而語蚀。我有四果。須埗奜食。然埌盞與。時老比䞘。聞其歀語。歡喜癌䞭。即解欜婆。甚貿所須。尋即斜蚭皮皮通饍。請少比䞘。求乞四果。諞少比䞘。食其食已。曎盞指摩。匄老比䞘語蚀。倧執。汝圚歀舍䞀角頭坐。當與爟果。時老比䞘聞已歡喜。劂語而坐。諞少比䞘。即以皮鞠。打其頭䞊。而語之蚀。歀是須陀掹果。老比䞘聞已。繫念䞍散。即獲初果。諞少比䞘。埩匄之蚀。向爟雖埗須陀掹果。然其故有䞃生䞃死。曎移䞀角。次當與爟斯陀含果。時老比䞘。獲初果故。心蜉增進。即埩移坐。諞少比䞘。埩以鞠打頭。而語之蚀。與爟二果。時老比䞘。益加專念。即證二果。諞少比䞘。埩匄之蚀。汝今已埗斯陀含果。猶有埀䟆生死之難。汝曎移坐。我當與爟阿那含果。時老比䞘。劂蚀移坐。諞少比䞘。埩以鞠打。而語之蚀。我今與爟第䞉之果。時老比䞘。聞已歡喜。倍加至心。即時埩證阿那含果。諞少比䞘。埩匄之蚀。汝今已埗䞍還之果。然故斌色無色界。受有挏身。無垞遷壞。念念是苊。汝曎移坐。次當與爟阿矅挢果。時老比䞘。劂語移坐。諞少比䞘埩以皮鞠。撩打其頭。而語之蚀。我今與爟圌第四果。時老比䞘。䞀心思惟。即證矅挢。埗四果已。甚倧歡喜。蚭諞通饍皮皮銙花。請少比䞘。報其恩執。與少比䞘共論道品無挏功執。諞少比䞘。癌蚀滯塞。時老比䞘。方語之蚀。我已證埗矅挢果已。諞少比䞘。聞其歀蚀。咞皆謝悔先戲匄眪。是故行人。宜應念善。乃至戲匄。猶獲寊報。況至心也。」。
况んやこの土砂は瞊ひ埳行䞋劣の真蚀垫なりずも戯れに加持すべきにあらず。口に誊する所は衆生所感の倧神呪也。手に結ぶ所は劂来所説の秘密の印なり。是を所瞁ずしお極重の信心を凝らさば圌の戯れの所瞁ずするに劣らんや。況や瞊ひ無埳なりずも歀の法に信心を起こしお真蚀の嚁力を信じ、衆生の苊悩を憐はれむ心ありお懇ろに加持せん利益いかばかりぞや。圌は戯論の所為を信じお珟生に埗難き四果を埗たり。是は劂来の密法を信じお埌生に出やすき䞉途を離れん事、比范に足らざるなり。」
問お曰く「匕くずころの青䞘の釈の文を芋るに、幞ひに真蚀にあぞり、土砂に合する事難からず。おほよそ有心の君子誰か奉行せざらんずいふ。次の文に曰く、砂を墓の䞊に散らすに尚し圌國に遊ぶ、況や衣を呪しお身に衣、聲を聞く字を誊せん者をやずいぞり「遊心安暂道 元曉」「有順行者。接魂華蓮。孝順䟿立。幞逢眞蚀。什出䞍難。凡癟君子。誰䞍奉行。散沙墓䞊。尚逝界。況乎呪衣著身。聆音誊字」。歀の文の劂くならば、土砂をば没埌に墓の䞊に散じお圚生の間は真蚀を信じお衣を呪し真蚀の聲を聞き、真蚀の字を誊せんに足れり。匷ちにいたいたしく没埌の利益をいたせる土砂を圚生の間、身に随ぞざるざらんに䜕の咎あらんや。」
答お曰く「前の重々に申すが劂し。峩々たる貎家堂々たる富人の劂きは唯あやうに意を埗お、圚生には真蚀を誊しお没埌には土砂を墓に散らすべしず信ぜば、足らざる所あるべからず。今の勧信の本意は唯かかる䞍思議の劂来の倧秘密の法ありず知りお、深く憑みを掛くべき道理を顕はすばかいなり。其の䞊の信じやうは誠に今の身のほどよき皋なり。䜆し今圚生よりず申すは重病の牀に臚んで花の姿挞く萎み、月の顔,すでに陰らん時、生者必滅の里、䌚者定離の習ひ、瞊ひ千秋䞇歳ず祝ぞども、北州千幎の壜呜、的を過ぐる矢の劂し。非想八䞇の倧劫、隙に茝く皲劻なり。況や歀の䞖の八旬九旬の姿、已に重病を受け埒に終焉を埅たん時、情あらむ人、歀の土砂の功胜を信じおその身に近぀けんに、猶し富貎豪勢の逘りにいたはしくも思はんは、さやうのために珟䞖の守りずもなるべき功胜をば顕すなり。又道心者のために甚深の功胜を瀺しお埌䞖の利益を堅くせむが為なり。則ちさきの無埳の真蚀垫の加持の疑ひより起こりお、無埳なりずも必ず倧利あらん矩を成立せんがためなり。仏像等は圚家の䜛垫、させる出䞖の埳は遞ばず唯工巧の骚法を撰ぶを事ずす。悪人も䜜りたれども、信心を発せば勝利あり。信ぜざれば眪あるが劂し。歀の土砂も加持によりおは即真蚀ずなる事は悪人も䜛を䜜れば仏像ずなるが劂し。圚生の信加を加ぞば、疑ひなく没埌の益あるべき事、決定せり。然れば青䞘倧垫信仰を勧めたたぞる事は其の心自利利他を兌ねたり。必ずしも他人の墓に限らず。若し自利を兌ば没埌には我は心識なし、必ずしも人にあ぀らふべきにやあらねば、兌ねお随身せんに信仰の功埳いよいよ深かたん。有心の君子、誰か奉行せざらんずいぞる詞、其の心甚だ廣し。必ずしも没埌の人に契りをけずのみ云ふにはあらざるなり。歀の倧意を埗をはりお深く信埳あらん人の若し圚生より随身せば呜も瞮じたり悪しくやあるべきず云ふ問をなさんに察しお珟䞖の勝利を出す也。歀の問答もうるさし。詮ずる所は珟䞖に真蚀を持念し埌生に土砂の勝利を仰がれば是勧信の本意なり。」
問お曰く「其の理、誠に然るべし。唯しさきに云ふ所の成就門功埳門ずいう事、珍しく聞こゆ。悉地成就せずば功埳もなきかずこそ芚ぞたるに、成就せざれども猶し功埳あるべきにや。願はくは其の同異を聞かんず思ふ。」
答お曰く「その事は別の事なり。功埳は悉地成就を兌ねれども成就は必ずしも功埳にはあらざるなり。圌の䞖間に狐を祭りお物をいはせんずする事聞こゆ。圌は聊かの悉地成就におはあれども、善根功埳にはあらず。又䞖間に芳音経など読みお所求を成就せんず願ふに珟圓の重障ありお所求かなはざるは悉地は成就せざれども功埳利益は空しからざる也。又功埳深きによりお諞事成就する事あり。凡倫聖人の䜍に倚くある事なり。かやうの事には四句分別ず申す事あり。歀の事にもあるべきなり。然れば真蚀を誊しお或ひは珟身に諞倩の王ず成り、或ひは修矅窟の開くやうの䞍思議の事を倚く説くは悉地成就門の時の事なり。それは詳しく持誊の方法を知りお法の劂く修行す、或ひは金剛杵茪剣等の成就物を壇䞊に眮きお劂法に䜜法しお持念するに其の噚物にをいお成就の盞を珟ず。或ひは其の噚物の䞭に聲を出し、或ひは火炎を珟じ、或ひは高く䞊りお虚空の䞭に䜏す。かやうの䞊䞭䞋の盞を埗るによりお、行者又䞍思議自圚の埳を具する事あり。是は小囜にしお其の方法぀たはらず。埮现の因瞁和合しお成就する事なり。是を悉地成就ずは云ぞり。喩ぞば飲食を皮々のに調和しお矎物ずなすが劂し。功埳を埗る事は只様もなく真蚀を信じお受持し或ひは恭敬枇仰すれば、眪障を陀き、善根を成就す。喩ぞば飲食の皮々に調和せざれども是を食らふに呜を持぀が劂きなり。然れば真蚀を持誊せんに県前の事に隓なしずずお埌䞖の功埳を疑ふべからず。況や歀の身呜を捚お埌䞖に移らん時はいかさたにも我が所䜜の業の力に䟝りおこそ果報を受けんずる事なれば、逘業の感果も我が造り出す事なれば同じく因果を信ぜば䜕れの事を信じおか歀の善業を捚぀べきや。況や深く歀の善業を信ぜば悪業は消易く善業はたすたす増長せん。損益応ちに顕然ずなり早く疑念を留むべし。況や聖教に説きお曰く、菩薩自圚の力あれども衆生の心行をはからひお、攟逞せざらしめんが為に䞃珍を雚す事なしずいぞり。又倧悲代受苊の矩を明かすも衆生、苊を受けお益あるには菩薩これをしお受けしむず云ぞり。寔に愚者の思ぞる事は諞仏菩薩慈悲たしたさば䞇行の因を修せずずも、皆菩提涅槃の劙楜にこそ誇らめず思ぞり。䜛法には無有䜜者亊無成者ず説きお倧方廣䜛華嚎經寶王劂䟆性起品第䞉十二之䞀「劂是等無量因瞁。乃成䞉千倧千䞖界。法劂是故。無有䜜者亊無成者。劂䟆應䟛等正芺亊埩劂是。非少因瞁成。以無量因瞁。成等正芺出興于䞖」、瞁起甚深の道理を先ずせり。諞仏の功埳法界に遍満すれば無間地獄を瞮めお二䞇由旬ず成し、衆生の煩悩心の䞭にはいりお劂来蔵性を留めたり。歀の䞭にしお厭苊欣暂の修行あり。修因向果の方䟿あり。其の初めを信䜍ず名け、其の終を䜛果ず定む菩薩五十二䜍の最初が信䜍で最埌の劙芚が䜛果にあたる。是に盞䌌しお二乗の菩提あり。二乗に盞䌌しお人倩の因果あり。是に翻じお悪業の因果あり。十悪の業を因ずし䞉途の報を果ず名く。是に翻じお人倩の因果あり。人倩に翻じお二乗の因果あり。二乗に翻じお菩薩の䞇行あり。䞇行成満しお無䞊䜛果あり。然れば䜛菩薩の功埳なくば若し萬法皆断滅し、若しは唯無間地獄のみあらん。然れば當時あるほどの䞉途人倩の苊楜は唯因果の道理のあるなり。是を撥無しお䞇行の因を厭ふお䜛果を求めば角を絞りお乳を求めんが劂し。然れば凡情の奜む所の劂くならば、諞法皆断滅しなん。然れば只逢がたき教法に逢ぞる事を悊んで愚昧の心の内に諞法を籌量する事なくしお䞀向に仰信を凝らさば、珟報已に遷り當果正に臚たん時、深信の力必ず土砂の利益を感埗すべし。然ればかやうの䞍審をも散んじ、又功埳をかたくせんが為に亡者の墓にも床数を重ねお是を散らさば、䞀切劂来の倧秘密法の力、必ず空しき事あるべからざるなり。」
問お曰く「䞊の諞の理を聞くに疑滞悉く解す。䜆し若し真蚀を誊すずも功埳にならぬ理やあるべき。然らば功埳門の矩尚疑あるべし。」
答お曰く「仮䜿日月茪は地に堕぀ずも真蚀を誊するに功埳を埗ぬ事はなきなり。其の故は前蚘に云ふが劂く真蚀の體性は胜詮に玄すれば諞仏菩薩の無挏の念慧の心所なり。所詮に玄すれば䞀切諞法の実盞なり。決定真実の法なるが故にかくのごずき甚深䞍思議の倧利益を成ず。是は総じお䞀切真蚀の體甚を出す。別しお歀の真蚀の體甚を出さばおよそ䞖間の習にも倪子王䜍に登り、茔䜐其の䜍に定たる時は、倩䞋皆其の隓あり。曞札頻りに路に違ひ、門門に其の事をささやく倜は燈燭光を連ね、昌は車銬跡を継ぐ。然うしお埌に其の事定たるが劂し。䞉界の衆生、歀の土砂を感埗する儀匏も又かくのごずし。本経の文を芋るに、芳䞖音菩薩の眉間癜毫より甘露のしたたりを降す。正しく䜛前に䜏しお倉じお千葉の衆寶の蓮華ず成る倧光明を攟぀。億千の日茪に超ぞたり。芳䞖音菩薩則ち䞍空矂玢蓮華明王陀矅尌を説くに蓮華応ち開敷す。其の䞭に蓮華明王出珟す。十方䞀切の劂来各右手を䌞ばしお歀の菩薩の頂を撫でお歀の光明真蚀を説いお明王に灌頂すず云々。宗家の釈の䞭に菩提暹の光明を智光ずし、光明の䞭に摩尌寶を降らすを法寶ずす。摩尌寶の内に諞菩薩あるを、倧智倧悲ずす。歀の䟋に準じお歀の経文を釈くするに、䞀切諞䜛の説法利生は倧慈悲の甚なるが故に芳䞖音菩薩を教起の本ずす。眉間は即ち䞍䜏道行の倧智慧なり。甘露の枧を䞋すは倧慈悲なり。反じお寶蓮華ず成るは、衆生の煩悩の泥䞭に倧慈悲の氎、合しお衆生の䜛性蓮華を生ずる也。千葉の蓮華は倧乗を衚するなり。矂玢陀矅尌おんはんどただら あがきゃ じゃやに そろそろそわかを説くに蓮華開敷するは倧慈悲の矂玢を぀けお悪道邪道に傟け倒さずしお正しく䜛性の劂く開敷せしむるなり。臺䞭ぞ䞍空矂玢蓮華明王を出すは則ち同體の倧悲なり。胜生も芳音、所生も芳音なるは無我瞁の倧悲なり。歀の倧悲只劂来のみ成ず。䞉乗にはなし。則ち䞀切衆生皆䜛性を成ずる事を顕す。䞀切衆生右手を䌞お歀の菩薩の頂を撫でお歀の真蚀を説きお歀の菩薩に灌頂を與ふ。即ち䞀切衆生に灌頂を與ふるなり。灌頂を與ふるずいふは、則ち䞀切衆生にこの真蚀を授けお五智の皮子を結ばしむるなり。䟋せば華厳経に文殊を以お十信の行者を衚するがごずし花嚎經探玄蚘卷第十八入法界品第䞉十四「初文殊䞀人寄當十信知識。」。歀の加持方䟿の力に䟝るが故に䞀切衆生この真蚀に倀遇するなり。然れば歀の真蚀を誊するに功埳を埗ずずいふこずは決定しおあるべからず。若し功埳を埗ば土砂の利益も同事なり。昔劂来諞の比䞘ず共に城に入っお乞食をしたたふに其の道に二人の童子あり。䞀人をば埳勝ず名け、二人をば無勝ず名く。戯れに家の圢を造りお倉ず名けお其の䞭に土を玍お皲粟麻麊の号を立おお二人共に戯れ遊ぶ。劂来其の邊を過ぎたたふを芋るに䞇埳荘厳の圢厳くしお金色の光明照曜したたふを芋お歓喜螊躍しお二人幌ければ其の圢卑小なるに無勝は跪き埳勝は其の䞊に䞊りお麺ず名けたる土を取りお劂来に䟛逊し奉る。爰に劂来、満月の顔に埮笑を珟じ絊ふ。阿難尊者其の因瞁を問奉るに、劂来答お蚀はく、歀の童子歀の䟛逊によりお我滅床埌䞀癟幎埌に転茪王ずなりお我が舎利を分かちお凊凊に流垃し、八䞇四千の寶塔を造っお歀の土を汝に與ぞん。汝が所䜏の房の壁に塗りお安眮すべし、ず仰せられけり。即ち阿育王是なり『雑阿含経』巻二十䞉。銙象倧垫垃斜の田物心の䞉事勝劣の四句分別の䞭に歀の事を匕いお、田は勝れ、心物は劣なる句に出し絊ぞり
『華厳経探玄蚘』巻第䞉「䞉事の勝劣を論ぜば、四句あり。䞀には、心勝りお田物でんも぀劣る。枅浄の慈悲心を以お、䞀の畜生に少蚱少々の麁食そじきを斜すが劂し。歀れ心の浄きに由るが故に功埳倧なり。二には、田物勝りお心劣る。諂誑おんおうぞ぀らいあざむく名利の心を以お、諞仏劂来に倧劙の珍宝を斜すが劂し。歀れ心の染けがるに由るが故に功埳小なり。䞉には、俱ずもに勝る。無所埗の心を以お、䞉宝を䟛逊するが劂し。四には、俱に劣る。諂誑の心を以お、䞀の近事ごんじ修行の浅い圚家者や埳の䜎い者に衣食等を斜すが劂し」田ずいふは所敬の犏田なり、劂来なれば勝れたり。所斜の物は土なれば軜し。戯れなれば䟛逊の心又軜なり。
問お曰く「既に歓喜螎螊すず云ふ。心劂䜕が軜からんや」
答お曰く「たのあたり劂来を芋るに信敬の心深きが故に歓喜すれども猶し少なくしお土の麺ず名けお䟛逊すれば猶是戯れなり。然れば倧垫、「戯尒心軜」ず釈したたぞり
華嚎經探玄蚘卷第八「問斜有䞉事。䞀田。二物。䞉心。歀䞉勝劣云䜕。答有四句。䞀自有田劣心等勝。劂眜眀吒王犮讃尌也子塔塔遂厩倒。二田勝心物劣。童子斜土斌䜛猜䞭戲爟故心茕。由田勝故埗䜜鐵茪王。䞉田心勝而物劣。」。
圌の小児戯尒の䟛逊を劂来、重くし絊ふ事かくの劂し。況や是は䞀切劂来真実本願倧灌頂光明真蚀加持土砂ず名けお同體の倧悲止む事無くしお、我等に賜れる倧秘密の珍宝なり。恒沙の身呜を捚぀ずも䞀粒の䟡盎にあたらず。我等茒く感埗せり。たさに知るべし劂来の本願力なり。病垭に善芋藥王に遇ひ、貧宀に劂来寶珠を埗るたらんが劂く、歓喜愛敬し信仰受持せば末代にしお諞物隓を隠すずも歀の䞀法に斌お逘事に類すべからざるなり。」
問お曰く「小囜の習、拙く末代は諞事陵遅せり。なんぞしお歀の䞀法は逘に類せずず云ふや。」
答お曰く「因果の所感は䞉時に改たらず倧毘婆沙論「業有䞉皮。䞀者順珟法受。二者順次生受。䞉者順埌次受」善悪の道理は諞囜みな同じ前に申すが劂くこれは功埳門の䞭の䞍思議の法なるが故に、逘事に類せずず云ふなり。䞖間に呪術あり。健陀梚ず名く。若し人、歀の術を成就しぬれば謄空自圚なり。又呪術あり。䌊舎尌ず名く。歀の術を成じ぀れば胜く人の心念を知る。かやうの事は事浅䞖法なれども小囜に䌝はらず。末代には埗難し。今歀の土砂は纔に倀遇の因瞁あれば、䞍信の眪人猶し没埌の利益あり。其の䞊に聊か無埳の真蚀垫の加持の力疑ひあるは、我が圚生の信心を加ぞば、真蚀は是諞仏衆生の同性理智の體甚なるが故に、信仰受持の善根決定しお浅からず。若し真蚀を誊するに功埳なしず云はば、人、目あれども色を芋ず、耳あれども聲を聞かず、氎物を最さず、火物を焚かずず云はんが劂きは、是のこずはり無きが劂し。又かくの劂く土砂の寊矩を説くに顕了分明にしお滞りなくば即ち土砂の光明なり。愚人は悟らずずも是を信ずる心あらば、冥途にしお光照の益を感ずる業なるべし。宗家に「法界矩海」ず申す文あり。「華厳経矩海癟門」 賢銖倧垫法蔵著法界瞁起や「事事無瀙」を、100の門に分けお論理的か぀実践的に解説した曞物䞀塵の䞊に癟門の矩を瀺しお瞁起䞍可思議の矩を顕せり。圌の䞭の顕光明章の意の曰はく『塵の䞭に真劂理事を芋る時、顕了分明なるは是智恵光明の照すなり。歀の心の䞀光明を攟っお䞀切法界を芳察す。是を光明攟っお䞀切を照らすずするなりずいぞり華嚎經矩海癟門・京倧薊犏寺沙門法藏述「擧纖毫而觀䜛境今達劄開眞。略分十矩䞀顯光明 二了境智 䞉明生了因 四明䜛境 五蟚因果 六明䜛性 䞃衚性埳 八自心珟 九出䞖間 十托生解 初顯光明者。謂芋塵䞭法界眞劂理事之時。顯了分明。歀是智慧光明照也。若無智光。則理事䞍顯。䜆芋法時。是心光明。由積智功圓。是故攟䞀光明。則法界無䞍顯瀺。垞觀察䞀切法界。是爲攟光明照䞀切也」歀の文の䞭に塵の字を改めお土砂の字を甚ひば即ち土砂の光明の矩なるべし。曰く土砂の光明ず申すは䜛智慧の體ずするが故に行者若し土砂の矩を知る時は䜛智慧を起こすなり。然れば歀の土砂即ち真蚀の文字にしお理事盞即無瀙なる理を知るに分明顕了なるは即ち智慧の光明なり。歀の矩は真字の土砂矩の䞭に顕せり。歀の道理は十方に呚遍し䞉䞖に改たらず。適たた心の䞭に開けなば冥途にしお消ゆべからざるなり。』
問お曰く「然らば歀の矩を知れる智者のために光明に倉じお愚人の分にはあらざるべしや」
答お曰く「しからず。今は只本末盞助けお土砂の光明呚垃する矩を瀺すなり。曰く、土砂の深法を説く事は智者なり。其の智者ず申すは源は劂来にしお菩薩凡倫等盞継いで是を承く。其の功埳乃し五逆眪人の骞に迄至れり。然るに劂来説きたたぞども、凡倫界の䞭に信ぜず、知らざれば其の勝利なし。是を信知すれば法利あるが故に愚者は智人の所説を信ずるに䟝りお利益あり。眪人は善人の慈悲に逢ふお利益あり。日茪の空にありお光り山谷を照らすが劂く、凡界の䞭に土砂流垃しお眪暗を照らす。聖教量の法印を以お土砂の矩を印じお是を怜地するに光明の矩なくば、䜛説にあらざらん。䜛説に違はば、䜛智慧にあらざらん。䜛智慧にあらずば光明ず成らざらん。光明ずならずば眪暗を消さざらん。䞀々に歀の矩に翻ずれば智光自ら茝けり。冥途の眪暗を消さんこず䜕ぞ疑を成すに足らざらんや。是は土砂出生の䟝處を説くなり。又胜説の人あらば所説の法あらはる。所説の法に䟝りお胜説の人を知る。人法盞助けお盞離しおは互いに無し。然れば已に胜説の人あり。光明の法顕照せり。智県の照了を業ずし、光明の利益を果ずすべし。矩海の顕人法章の文を略鈔しお曰く、塵をさずる者は是人あんり。所了の塵は是法なり。歀の人法、盞助けお顕はる。人に䟝りお法を顕はす。法に䟝りお人あり。人無盞なるを以おの故にたさに法を顕はす人ずす。法無性なるが故にたさに人を成する法ずす。二にしお而も䞍二なり。䞍二にしお而も二なりずいぞり。歀の文に準釈するに土砂の秘密法をさずるは是真蚀垫なり。さずらるる土砂は是秘密法なり。この人法盞助けお顕はる。真蚀垫の加持するに䟝りお秘密の土砂を顕はす所、加持の秘密の土砂あるに䟝りお胜加持の秘密あり。秘密人の䞊に顕了の凡盞なきが故に土砂の秘密法を顕す秘密人ずす。土砂は自ら深き功力なし。必ず真蚀垫の加持を受けお秘密の土砂ずなるが故にたさに真蚀垫の成ずる土砂ずす。然れば胜加持の真蚀垫ず所加持の土砂ず二にしお而も䞍二なり。歀の門に䟝らば真蚀垫の土砂を加持する時の䞉業即ち光明なり。土砂歀の䞉業を持ちお光明の倖の砂に顕はす。土砂応ちに真蚀ず成る矩決定しお極成しぬ。歀の䞍二の加持にをいお胜所を分か぀時、真蚀垫は人にしお、土砂を加持しお人に與ふ土砂は真蚀垫の加持を受けお冥途に至りお光照の利益を斜すべし。歀の門に䟝らば土砂倉じお光明ず成りお眪暗を照らす矩、決定しお極成せり。この故に逘事に類せずず云ふなり。今は仰信を凝らしお深く埌䞖の勝利を埅぀べし。朝露消えやすく、倕陜たのみがたし。空しく蚀論に煩ひお倧利を倱ふこず勿れ。今歀の蚘を鈔する時、安貞二幎十二月の二十六日高山寺犅堂院の庵にあり。玠雪谷に飄り束颚嶺にをず぀゛る。冬倩已に迫りお春日近ずき向ふ。曊倪陜舒月留め難く露呜消ぞやすし。泡沫䞍堅の姿の䞊に歀の堅固真実の寶を埗たり。曎に疑殆ぎたいを停めお、深く是を賞翫すべし。この蚘䞉巻の䞭に唯圚家の信を勧むる間、仮名字にお土砂の功埳を顕すばかりなり。正しく蚌拠を匕き委しく真蚀の矩理を釈する事、は真字の句矩釈幷土砂矩の䞭のに説くが劂し。又この真蚀の力に䟝りお法華経に説く所の女人の五障を転ずる事あり。その事は先幎仮名字にお本曞の文をやはらげお真蚀の功胜を曞きだす事あり。圌の䞭に䞀段の問答ありお分別するがごずし。
光明真蚀加持土砂別蚘䞀巻
安貞二幎極月1228幎月廿六日䞑時斌高山寺犅堂草庵蚘之     真蚀行人高蟯

 [耕高1]

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