ふるさと納税863億円マイナス問題①🤣|1兆2728億円入ったのに、なんで赤字なん?
■ 導入
ふるさと納税について、気になるニュースを見つけた。
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2024年度のふるさと納税による自治体全体への影響を会計検査院が調べたところ、
863億円のマイナス。
え?🤣
2024年度の寄付総額は、
1兆2728億円。
過去最大である。
1兆円以上のお金が動いた。
全国の自治体にはたくさん寄付が入った。
それなのに、
自治体全体で見ると、
863億円のマイナス。
最初に見たときは、
「なんでこんな制度続けてるん?🤣」
と思った。
ただ、調べてみると、
この863億円、
単純に
1兆2728億円 − 経費5901億円
みたいな話ではなかった。
まずはここを整理したい。
1兆2728億円って、そもそも本当に“増えたお金”なん?
ここからである。
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■ まず、1兆2728億円は本当に「増えたお金」なのか
ここは、最初に結論だけ整理した方が分かりやすい。
👉 1兆2728億円
寄付先の自治体が受け取った総額。
👉 5038億円
住民税の控除によって別の自治体から減った税収を差し引いた、自治体全体の歳入差額。
この二つは、
まったく意味の違う数字である。
ここを混ぜると、
「1兆円以上入ったのに、なんで赤字なん?」
がずっと分からないままになる🤣
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■ ふるさと納税には「三つの帳簿」がある
ふるさと納税のお金を考えるときは、
三つの帳簿に分けると分かりやすい。
一つ目は、
寄付を受け取った自治体の帳簿。
二つ目は、
寄付した人が住んでいる自治体の帳簿。
三つ目は、
全国の自治体を一つにまとめた帳簿。
この三つをごちゃ混ぜにすると、
1兆2728億円と5038億円の違いが分からなくなる🤣
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■ まず、寄付先自治体の帳簿
例えば、
東京に住んでいる人が、
北海道の自治体へ10万円寄付したとする。
北海道の自治体の帳簿には、
👉 +10万円
と記録される。
この帳簿だけを見ると、
北海道に10万円の新しい収入が生まれたように見える。
2024年度に全国の自治体が受け取った寄付を合計したのが、
👉 1兆2728億円
という数字である。
つまりこれは、
全国の寄付先自治体に入ったお金を全部足した数字。
ここだけ見れば、
そりゃ「地方にお金が増えたんだな🙂」と思う。
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■ 次に、寄付した人の税金の帳簿
ところが、
ふるさと納税は普通の寄付とは少し違う。
一定の上限内であれば、
自己負担2000円を除いた金額について、
所得税や住民税の負担が軽くなる。
10万円寄付した場合なら、
条件を満たせば、
おおむね9万8000円分の税負担が軽くなる。
つまり寄付した人は、
10万円を完全に自腹で追加負担したわけではない。
10万円を寄付する。
その代わり、
本来納める税金が約9万8000円減る。
最終的な自己負担は、
原則として2000円。
だから利用者からすると、
「2000円の負担で返礼品がもらえる」
という強い仕組みになる。
そりゃ使う🤣
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■ では、減った税金はどうなる?
寄付した人の税負担が約9万8000円軽くなったということは、
当然、
どこかに入るはずだった税金が減っている。
単純化すると、
寄付先の北海道には、
👉 +10万円
一方で、
国や住所地側に入る税金は、
👉 合計でおおむね▲9万8000円
となる。
つまり、
日本全体に10万円の新しい税収が突然生まれたわけではない。
かなりの部分は、
👉 国や住所地側へ入るはずだったお金が、寄付先へ移動したもの
なのである。
ここが、
普通の寄付との大きな違い。
ただし注意したいのは、
約9万8000円のすべてが住所地自治体の減収になるわけではないこと。
所得税として国に影響する部分と、
住民税として自治体に影響する部分があり、
その分かれ方は所得や申告方法などによって変わる。
だから、
「10万円寄付したら住所地自治体が9万8000円丸ごと損する」
という単純な話ではない。
ここは大事。

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■ 全国の自治体を一つの帳簿にまとめる
そこで会計検査院は、
全国の自治体を一つにまとめて考えた。
2024年度に、
寄付先自治体が受け取った金額は、
👉 1兆2728億円
一方、
ふるさと納税によって控除された住民税は、
👉 7688億円
だった。
つまり、
寄付を受け取った自治体では税収が増えた。
しかし、
寄付した人が住んでいる自治体では、
住民税収が減った。
この両方を同じ帳簿に載せる。
すると、
1兆2728億円 − 7688億円 ≒ 5038億円
となる。
これが、
👉 自治体全体で見た歳入側の差額
である。
1兆2728億円が丸ごと自治体全体のプラスになったわけではない。
自治体同士で移動した分を考えると、
歳入側の差額は5038億円だった。
という話である。
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■ 5038億円は「最後に残ったお金」ではない
ここも重要。
5038億円は、
返礼品や送料などを全部支払ったあとに残ったお金ではない。
まだ、
募集経費を引く前の数字である。
2024年度の募集経費は、
👉 5901億円
だった。
この中には、
返礼品の調達費。
返礼品の送料。
ポータルサイトなどへの手数料。
決済。
事務。
そのほか寄付を募集するために必要となった費用が含まれる。
だから、
自治体全体の歳入差額5038億円から、
募集経費5901億円を差し引くと、
5038億円 − 5901億円 = ▲863億円
となる。
つまり、数字の流れはこう。
寄付先自治体が受け取った総額
👉 1兆2728億円
住民税控除によって住所地自治体から減った税収
👉 ▲7688億円
自治体全体の歳入側の差額
👉 5038億円
返礼品、送料、サイト手数料などの募集経費
👉 ▲5901億円
最終的な直接影響
👉 ▲863億円
こう並べると、
「1兆2728億円も集まったのに、なんで863億円マイナスなん?」
という疑問の正体が見えてくる。
1兆2728億円は、
自治体全体に新しくそのまま増えた財源ではない。
その裏では、
別の自治体で税収が減っている。
そして移動させる途中で、
5901億円の経費が発生している。
つまり5038億円は、
ゴールではない。
経費を引く前のスタート地点だったのである🤣
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■ じゃあ863億円は「全部無駄」なのか?
ここで、
「ほら見ろ、ふるさと納税は全部ムダだ😡」
と即断するのも早いと思う。
なぜなら、
5901億円の募集経費には、
返礼品代も含まれているから。
例えば、
北海道の水産会社からホタテを仕入れる。
農家から米を仕入れる。
地域の工場で加工する。
梱包する。
配送する。
そうすれば、
自治体の会計上では「経費」でも、
地域企業の売上になっている可能性がある。
雇用につながっているかもしれない。
だから、
863億円マイナス=日本から863億円が消えた
という話ではない。
ここは分けて考えないといけない。
自治体財源としてはいくら残ったのか。
地域経済にはどう回ったのか。
これは別の話である。
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■ それでも、一つだけ変な感じが残った
ここまでで数字の仕組みは分かった。
1兆2728億円全部が、
自治体全体に新しく増えたお金ではない。
自治体間で税収が移動している。
さらに、
返礼品や送料などの経費がかかる。
だから、
自治体全体では863億円マイナスになる。
計算としては分かった。
でも、
ここで一つ、別の疑問が残った。
俺の中では、
ふるさと納税って、
地方で育った人が、
進学や就職で東京へ出る。
↓
税収は東京へ入る。
↓
だったらその一部を故郷へ戻せるようにしよう。
そういう制度だと思っていた。
もしそうなら、
かなりシンプルな話にも見える。
東京から地方へ、
税収の一部を移す。
それだけ。
なのに現在は、
税収を地方へ移す途中で、
返礼品を用意して、
送料を払って、
いろいろな募集経費を使っている。
その結果、
自治体全体では、
▲863億円。
ここで俺は、
最初の「そもそも」に引っかかった。
税収を地方へ移すために、なんでこんなにお金を使ってるん?🤣
次回は、
そこから考えてみたい。
そもそも、
なんで返礼品あるん?🤣
※数字は会計検査院「地方財政計画の事後検証等の状況について」による。各数字は億円単位に丸められているため、単純計算とわずかにずれる場合がある。
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